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ガーダシルが公費助成開始。サーバリックスとどっちを選ぶ?

 今回はHPVワクチン、いわゆる子宮頸がん予防ワクチンの話しです。
 現在公費でサーバリックスが接種されていますが、2011年9月15日からガーダシルも公費で接種できるようになります。
 違いは対応するHPVの遺伝子型で、サーバリックスはHPV-16HPV-18に効果がある2価ワクチンですが、ガーダシルはそれに加えてHPV-6HPV-11にも効果がある4価ワクチンということです。
(HPV-16とHPV-18は子宮頸がん患者の60%から検出されるといわれています)
 
 これまではサーバリックスしか選択肢がありませんでしたが、今後はどちらを打つか自分で決めないといけません。皆さんはどっちがいいと思いますか?今回のテーマはこの「どっちがいいか」です。

IMG_0898 ガーダシルで追加された2つの型はいずれも尖圭コンジローマなどに関係するHPVです。
 子宮頸がん予防だけを考えたら両者とも同じ16と18に対するワクチンであり、両者の効果(子宮頸がんの予防)を直接比較したデータはないことから、「子宮頸がん予防ワクチン」としての差はない(差を語ることはできない)のです。

 以上が結論です。

 、、、しかしこれではちょっと寂しいので、以下に僕が考える両ワクチンの特徴を書きます。あくまでも僕の視点ですので、参考程度として、詳細は主治医にご相談くださいね。
 

●ガーダシルの特徴・利点
  • 子宮頸がんだけでなく尖圭コンジローマも予防できる。
  • 必要があれば3回の接種を4ヶ月で済ませることができる。
 この2点ですね。後者は公費負担の期限で活きてきますが、これはまた別の機会に。 
尖圭コンジローマについてメモ書き
尖圭コンジローマの年間推定患者数は3.9万人(女性は2.1万人)。HPV-6,11が原因の90%を占めるとのこと。
尖圭コンジローマの妊婦から生まれた子どもにまれに発症する「再発性呼吸器乳頭腫症(RPR)」は、一度かかると、年間4-6回の手術を必要とする難治性の病気で、予防が望ましいことからこれはガーダシルの利点かもしれません
しかし、ガーダシルにRPR予防の適応があるわけでもなく、あくまでオマケとしておきます。  
 
●サーバリックスの特徴・利点
  • 免疫効果を増強する添加物(アジュバント)が独自のものであり、これによりガーダシルに比べてHPV-16.18に対する高い抗体価が得られる。(注1)
  • 2価ワクチンとされているものの、HPV-31,-33,-45に対する有効性が示され(交差予防効果)、EUでは適応が追加されている。(5価ワクチンに昇格?) (注2)
(注1) この点については補足が必要で、たとえ抗体価に差があっても、両者ともHPV感染を防ぐのに十分な抗体価を得られるので、最終目標の「子宮頸がん予防」で差が出るとは限りません。(抗体価を直接比較したデータはありますが、子宮頸がん予防を比較した試験はないのです)
しかしワクチンの効果はガーダシルよりもサーバリックスの方が長く続く可能性はあると思われます。
一方で、新しいアジュバントなので未知のトラブルがある可能性はあります。
(注2) 今後ガーダシルでも同様の交差予防効果が判明する可能性はあります。

 歯切れが悪い文章ですが、尖圭コンジローマへの効果があるガーダシル子宮頸がん予防だけに限ればサーバリックスも捨てたもんじゃない。というのが僕の感想です。
 ただ一番重要なことは、20歳から始まる子宮頸がん検診を必ず受けることです。

コメント
1. Posted by プリティーママ   2012年04月24日 08:46
先生の子供さんには、どちらを選びますか?ガーダシル・サーバリックス?
2. Posted by doc   2012年04月26日 20:45
こんばんは、プリティーママさん。僕はまだ決めかねています。きっと直前にえいや!と決めるのではないでしょうか。つまり現時点ではこの2つに関してはどっちでもいいと思っています。最も重要なことは子宮頸がん検診をしっかり受けることだと思います。
今後、もっと対応する種類が増えた多価ワクチンが出てきます。また、男性に対してガーダシルの適応が通るかもしれません。その時はまた一緒に考えましょう(^^)。
3. Posted by なっち   2012年11月15日 03:19
こんにちは。カナダ トロントに住む13歳の娘を持つ主婦で、今年8月に主人の海外駐在に伴い13歳の娘を連れてきました。トロントでは13歳にHPVの予防接種を希望者のみ学校で受けることになっています。
娘は既に2011年9月と10月、2012年の3月にサーバリックスを日本で接種済みですが、先日ファミリードクターに行ったところ、看護婦さんが「こちらはガーダシルを推奨していてサーバリックスはカバーする病気が少ないからせっかく打ったのに残念だったですね。損しちゃいましたね。」と言われました。
多少落ち込みながら家に帰り私なりに色々調べたところサーバリックスもガーダシルもさほど変わりは無いように思われましたし、むしろサーバリックスの方がHPVに関しては多少良いのでは?とすら思いましたので、このままでいいかな…と思ってるところです。
長くなりましたが質問は、既にどちらかを接種してしまってる場合、間が1年もあいてないのに他のHPVの予防接種を受ける事などできるのでしょうか?
4. Posted by doc   2012年11月15日 20:32
なっちさん、カナダからありがとうございます(^^)。
看護師さんから言われた「カバーする病気が少ない」という表現は間違ってはいませんが、子宮頸がん予防という点では差はないと思います。なっちさんが仰るように、むしろサーバリックスに分があるようにも思います。
また、サーバリックスに続いてガーダシルを受けることが可能かどうかについては、おそらく大きな問題はないと思いますが、「よく分かりません」というのが正直なところです。
どうしても追加で打ちたいのであれば、近いうちに9価ワクチン(開発コード:V503)が出てきますので、それまで待ったらいかがでしょう。その時にはサーバリックスを接種した人が打てるかどうかのアナウンスが出るかもしれません。
ちなみにV503についてはFinancial Timesでも取りあげられていますが、やや混乱していて何とも言えません。↓
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/d31e3764-da5a-11e1-b03b-00144feab49a.html
5. Posted by なっち   2012年11月18日 13:37
お忙しいところ、すぐにご回答ありがとうございました。娘に痛い思いをさせて、また副作用のことも心配しながら受けさせたのに…とおもいましたが、安心しました。
恐らく追加接種はしないとは思いますが、先生のおっしゃる通りまたV503が出たらまた色々調べて考えてみようとおもいます。ありがとうございました。
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