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医療を取り巻く問題

【インフルエンザの治癒証明書についてお願い】

14特に学校関係者の方に知って頂きたいのですが、インフルエンザの治癒証明書は法律で規定されてはいません。通常は必要ないものであり、生徒に強制しないでください。 
学校保健安全法施行規則には、出席停止期間の基準として「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあつては、三日)を経過するまで」とあるのみです。これはご家庭でチェックできます。

当院ではインフルエンザの患者さんに、「治ったか確認するために再検査する必要なく、基準を満たしていて落ち着いていれば登校していい」と説明しています。
それでも学校から「治癒証明書がないと登校できない」といわれてくる方がいます。

いま医療機関はインフルエンザや感染性下痢症の患者さんの診療で手一杯です。待ち時間も長時間になっています。その方々が治癒証明書をもらいに来るとパンクしてしまいます。
我々は学校のローカルルールのために証明書を書くよりも、辛くて診察待ちしている病気の方々の診療を優先させたいのです。またご本人にとって、医療機関に来ると別の病気をもらってしまう可能性もあり、通院の手間、費用の負担もあります。(おそらく診断書代は学校が負担するのでしょうが)

もちろん、症状が残っていて迷う場合や、インフルエンザ以外の病気では治癒証明書が必要なことがあります。しかし、順調に改善した方にただ事務的に治癒証明書を強制することは避けて頂きたいのです。

学校が社会の一員として医療機関の適正利用に協力して頂ければと思います。

以前、ブログ「インフルエンザの「治癒証明書」はおすすめしません。」にも書きました。あわせてご参照ください。 


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『福島県立大野病院事件』 終結から3年 ~まだ終わらぬ表彰問題~

 今日は「福島県立大野病院事件」と呼ばれる刑事事件について書きます。
 2004年12月に帝王切開手術中に妊婦さんが亡くなった件で、2006年2月に医師が業務上過失致死で逮捕されました。2008年8月20日に無罪判決が下されています。
 改めて、亡くなられた妊婦さんとそのご遺族に哀悼の意を表します。

 この事件を契機に医療崩壊が表面化しました。特に産科医療の崩壊は著しく、各地の窮状が連日報道されていたことを覚えていらっしゃる方もいるでしょう。

 医師が逮捕されたというと何か悪いことをしたのでは、と思われる方がいるかもしれません。しかし、この件での妊婦死亡は手術前には予測困難な難しい状態であったことが原因であり、医療ミスの類ではありませんでした。そのため当初から医療界ではこの逮捕に対して困惑の声が上りました。
 結果が悪ければ逮捕なのか?と。

 そしてあの無罪判決の8月20日から3年が経過しました。
 しかしまだ解決していない問題があります。

 それは、2006年4月14日に逮捕した富岡署に対して福島県警が「県警本部長賞」をあたえて表彰したまま、無罪判決が確定してからも表彰を取り消していないことです。

 もともとこの事件は逮捕直後から、医療界だけでなくマスコミや国会などでもたびたび取り上げられ非常に注目されていました。それなのに、まだ裁判が始まっておらず有罪かどうかもわかっていない時期に、あえて富岡署を表彰しています。下の参考を見ていただけば分かりますが、同時に表彰されている事件は皆故意犯であり、明らかな犯罪です。
 福島県警は、「逮捕されたのだから悪いことをしているのでは?」という一般の我々の心理を利用して世論を誘導しようとしたのでしょうか。

 僕は以前この件に関して福島県警に質問をして何度かやりとりをしました。それを以下に示します。この事件をご存じない方でも大まかな経緯は分かると思います。

【1】2008年12月20日 福島県警察本部長への手紙

【2】2008年12月26日 福島県警察本部総務課長からの返信

参考:2006年4月14日に本部長賞状で表彰された事件一覧

 簡潔に言えば、福島県警は表彰を取り下げて自らこの事件を振り返り反省すべきです。
 福島県警に限らず、他の道府県警、警視庁、警察庁にもいえることですが、まずは警察自身で、自浄能力があり信頼に値する組織であることを、自分たちで示すべきではないでしょうか。
(ちなみに冤罪事件として知られる足利事件では、栃木県警は警察庁長官賞など全ての表彰が自主返納されているそうです)

 福島県警の言い分はフェアでしょうか?
 このまま放置していていいのでしょうか?


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