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 過去の記事では、15.6型は厳しいが27型程度の外付け液晶ディスプレイであれば、スケーリングを行なわない環境の方が生産性が上がるので、お勧めだとした。しかし、27型でも文字が小さすぎて見にくいという人もいるだろうし、解像度を情報量のために使うのではなく、スケーリングして文字のきれいさに活用するという方法ももちろんありだ。今回は、Windows 10において、スケーリングを行なうと、どのようなメリット/デメリットがあるのかに焦点を当てる。

 スケーリングとは画面の拡大だ。4Kのような高解像度をそのまま使うと文字が小さすぎる場合は、スケーリングによって画面を拡大できる。Windows 10では、デスクトップを右クリック→「ディスプレイ設定」、あるいは「設定」アプリのシステム→ディスプレイに表示される「テキスト、アプリ、その他の項目のサイズを変更する」において、スケーリングが変わる。設定できるのは、100/125/150/175/200/225/250/300/350%となっている。100%がスケーリングなしだ。

 200%にスケーリングすると、縦横2ピクセルずつを使って1ピクセルを表現するようになる。当然、単純に縦横2倍にすると、縁がぎざぎざになったり、ぼやけた感じに見えたりするようになる。アイコンについては、スケーリング時に高解像度なものが使われることもあるが、多くの場合、表示される画像は荒くなってしまう。ただし、200%くらいまでなら、なんとか許容範囲だろう。

 一方、文字については、スケーリングの度合いに応じた高解像度のものが使われるようになる。例えば「富」という漢字はうかんむりの下に横棒がある。スケーリング100%、10.5ポイントのMSゴシックで表示させると、縦の解像度が足りないためこの横棒は表示されないが、200%にすると全ての線がきちんと表示されるし、アンチエイリアスも緻密になるので、文字の精細度がぐっと増す。かつ、見た目のサイズはもちろん縦横2倍になっているので、文字は非常に美しく、読みやすくなる。特にメイリオや游書体などの新しいフォントはその効果が高い。小さな文字とにらめっこして目が疲れかねないといったスケーリング100%とは真逆の世界だ。Windows 10も、以前まではややフォントの見栄えが良くなかったが、11月の大型アップデートでこのあたりが解消され文字が美しくなっている。

 情報量と使い勝手を向上させるために4K環境を導入した筆者も、200%スケーリング状態でしばらく使っていると、今後もこの文字表示の美しさを維持したいと思うようになる。ただし、現状のWindows 10は、スケーリングに対していくつかの問題を抱えていることを知っておかなければならない。

 まず、Windowsフォームを使って作成された古いアプリ(Not DPI Aware)は、スケーリング時に画像だけでなく文字も単純拡大するので、ぎざぎざな文字になってしまう。こういったアプリは今なお多数存在しており、一例を挙げるとiTunesもそうだし、サードパーティどころか、デバイスマネージャーなどWindows 10標準のアプリでさえNot DPI Awareなものがある。

 この時点で、Microsoftがデスクトップアプリのスケーリングにあまり関心がないことが見て取れるわけだが、こういった場合、各アプリの実行ファイルのプロパティを開き、「互換性」タブの「高DPI設定ではスケーリングを無効にする」にチェックを入れると文字は高解像度のものに置き換わり、視認性が良くなる。

 ただし、これはアプリごとに変更を行なうため、設定が面倒だ。また、変更したとしても、アイコン画像やUIのパーツのサイズは変わらないため、アイコンと文字とがちぐはぐになったり、ボタンがうまく押せなくなることもある。アプリの設計とスケーリング倍率次第だが、ボタンが押せないほどレイアウトに支障が出る場合は、文字の見やすさを諦めて、ぎざぎざの文字のまま使うしかない。

 一方、スケーリングに対応したアプリ(System DPI Aware)であれば、アイコンなどの画像が引き伸ばされてややぼやけることはあるものの、レイアウト崩れなどはなく、文字も高精細化される。筆者が使っているアプリとしては、秀丸、Chrome、Firefox、Microsoft Office 2016の各種アプリなどは、System DPI Awareだ。

 しかし、こういったアプリでもマルチディスプレイ環境では問題が出るのだ。HD程度のモバイルノートはスケーリングなしで使い、27型4K液晶をセカンダリディスプレイとし、そちらはスケーリング150%程度にする(あるいはその逆)、などといったシナリオは割とあるだろう。しかし、System DPI Awareなアプリケーションも、ディスプレイごとにスケーリング設定が違うと、表示がおかしくなる。

 例えば、スケーリング100%の外付け液晶側でアプリを起動し、そのウインドウをスケーリング200%のノートPCに移動すると、System DPI Awareなアプリも、Not DPI Awareのように、ぎざぎざの文字で表示される。この場合、ウインドウを元の液晶に戻せば表示は正常になる。

 もう少し詳しく書くと、アプリのスケーリングはディスプレイ設定でメインに設定されている方のスケーリング設定に引きずられる。上記の設定で、まずメインに設定されている外付け液晶でアプリを起動し、そのウインドウをノートPC側に表示する。ここでいったんサインアウトし、同じアプリを起動すると、表示場所を覚えているので一発でノートPC側に表示されるのだが、スケーリングは結局うまく働かず、ぎざぎざな文字になる。

 マルチディスプレイ環境が原因で、スケーリングが正常機能しなくとも、支障ないアプリだけノートPCだけに表示するように運用しておけば、さほど大きな問題にはならなくて済む。しかし、ノートPCは、持ち出して単体で使うこともある。そうすると、全てのアプリでスケーリングが効かない状態になるので、これはさすがに耐えられないと、いったんサインアウトして、きちんとスケーリングが効くようにする。しかし、その後、外付け液晶に繋ぐと、またスケーリングがおかしなことになるのだ。

 ただし、現在は、マルチディスプレイ環境での異なるスケーリングに対応したアプリ(Per monitor DPI Aware)も登場している。詳細に調べたわけではないが、WindowsストアアプリなどユニバーサルWindowsプラットフォーム準拠のものなら、Per monitor DPI Awareなようだ。代表例としては、ファイルエクスプローラーやEdgeなどである。

 こういったアプリであれば、ディスプレイごとにスケーリングが違っている場合に、ウインドウを異なるディスプレイへ移動させても問題ないし、スケーリング設定を変更した場合に、サインアウトすら不要という理想的なスケーリング環境となっている。

 しかしながら、試してみたところ、Per monitor DPI Awareなアプリであっても、4Kで使うと問題が出るものが存在することが分かった。たまたま見つけたので、非常に希な存在なのかもしれないが、Gameloftの「怪盗グルーのミニオンラッシュ」は、4Kでフルスクリーン表示すると、文字とウインドウのレイアウトバランスが崩れて、文字がはみ出して読めなくなる。これは、スケーリングとは関係なく、解像度が高すぎるのが理由と思われるが、こういった所にもWindows環境がハードウェア面での高解像度化にソフトウェア面で追随できてないことが現われている。

 さて、ここまで文字のスケーリングについて説明してきたが、画像や動画はどうなるのか? まず動画について、YouTubeの再生は、Per monitor DPI AwareなEdgeはもちろん、System DPI AwareなChromeの場合でも、再生エリアはスケーリングに関係なくドットバイドットで表示される。言い換えると、スケーリング200%にしていても、フルスクリーンにして、4K動画を再生すると、きちんと4Kネイティブで再生される。

 同じように写真についても、System DPI Awareな「Paint Shop Pro X6」において、スケーリングが有効になっていても、編集する写真はドットバイドットで表示される。一方、ブラウザで表示される画像は、スケーリングによって引き伸ばされる。これは、そうしないとページ全体のレイアウトが崩れてしまうため、致し方ないところだ。

 と言うわけで、Windowsにおけるスケーリング環境は色々と問題をはらんでおり、諸手を挙げて万人にお勧めはしがたい。運用で回避するとするなら、

・なるべくNot DPI Awareなアプリは使わない

・マルチディスプレイ環境では、なるべく全部のディスプレイのスケーリング設定を合わせる

と言ったところだろうか。どれくらいスケーリングすべきかは、ディスプレイサイズにもよるし、視力に基づく見えやすさによって変わってくるが、4Kの場合150%で2,560×1,440ドット相当、200%で1,980×1,020ドット相当になり、この辺りが目安かと思われる。ディスプレイサイズも踏まえるなら、27型なら150%、15.6型なら200%にしておけば、ほとんどの人が見やすい文字サイズになるだろう。

 4K解像度で問題が一部問題があったが、ユニバーサルWindowsプラットフォームアプリに移行できればこういった手間をかけずに、解像度、視力、見栄えなど、自分が重視する点に合わせて環境を構築できるが、Windows 8.1以降、Office、写真編集、テキスト編集、動画編集など業務に耐えうる生産性アプリがどれだけリリースされてきたかを考えると、まだまだその実現には時間がかかりそうである。過去の連載で筆者が、スケーリングなしでの運用をお勧めしてきたのには、こういった理由がある。

 と言うことで、Windows 10における4K環境でのスケーリングのKAITEKIDOは2Kとしたい。

 Microsoftは米国時間11月12日、「Windows 10」に対するアップデート「November Update」の提供を開始したが、この一環として、Windows 10に統合した「Skype」のビデオ通話機能をコンシューマー向けプレビュー版として公開し、「Messaging」アプリも使えるようにした。

 統合された新たなSkypeアプリのプレビュー版は、November Updateを適用したWindows 10で利用できる。「Start」メニューから開始することもでき、必要に応じてタスクバーにピン留めできる。

 Microsoftは12日のブログ投稿で次のように述べている。「この(Windows 10に統合したSkypeの)プレビュー版で、われわれは1対1のメッセージング、通話、顔文字など、Skypeのビデオ通話およびメッセージング機能を厳選してネイティブのWindows 10アプリに組み込み、デスクトップから素早く簡単にコミュニケーションできるようにした」

 Microsoftは、今後リリース予定のOS「Windows 10 Mobile」にもSkypeのビデオ通話機能とMessagingアプリを統合する計画だ。同社は2015年末までに既存および新型の「Windows Phone」搭載デバイス向けにWindows 10 Mobileのリリースを開始するとみられている。

 米Microsoftは29日、Officeのウェブブラウザー版である「Office Online」にSkypeの音声・動画通話機能を統合すると発表した。Microsoftアカウントを持っているユーザーを対象に世界中で11月から利用可能になる。

 Office OnlineのWord、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlookで文書を編集しながらインスタントメッセージや音声・動画通話でコミュニケーションができる。また、チャット履歴は文書と紐付けされ、次回起動時にも内容を確認することが可能だ。

 Google Chrome向けの拡張機能も提供される。ChromeのツールバーからPC上のOfficeファイルやオンラインストレージサービス「OneDrive」「OneDrive for Business」のファイルを開いて編集することができる。

 Android版Officeは40%軽量化されるほか、ログイン操作も改善され、素早くアカウントにアクセスできるとしている。また、Android 6.0“Marshmallow”と企業向けプログラム「Android for Work」に対応。

 Mac向けVisual Basic Editorにも対応し、プロジェクトビューアーからモジュールを追加できる機能や、2つの新しいコマンド「GrantAccessToMultipleFiles」「AppleScriptTask」が使用できるようになるという。

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