2006年10月08日

洋楽ファンのためのブート屋さん入門

boot kinnieブート屋さん、ブートレグについて質問があったので書いてみます。ブートとはbootlegのことで、大昔はプライベート盤とも呼ばれていました。アーティストやアーティストが契約しているレーベル(たとえば東芝EMIとかユニバーサルとか)に無断で、勝手に商品化して販売されているレコード、CD、ビデオ、DVDのことです。海賊版と言われることもあり、それは正式に商品化されたアルバムとかのコピー(偽物)を差しますが、リアルタイムに偽物を出すことは今はありません。
日本のブート創世記、西新宿のはずれにはブート屋さんがいくつか誕生しました。10年ぐらい前までこのエリアは新宿の死角ともいえるぐらい栄えていなく、こっそり店を開くには都合のよい土地だったのでしょう。このエリアで当時2大ブート屋といえば、新宿レコードとkinnieです。写真はいまだ所有しているkinnieのレコードの袋!新宿レコードのサイトにはヒストリーがありますんでぜひ見てください。わたしは小学校高学年か中学校低学年ぐらいからここに出入りするようになりました。
boot LPsさてブートの商品ですが、いくつかタイプがあります。まずライブを勝手に録音や録画したもの。日本公演もよく売られており、“オーディエンス録音”とか“オーディエンス録画”といいます。これは録音している人の隣の声とか手拍子がうるさいものが殆どですが、たまに奇跡的にいいものもあります。ちなみに隠し撮りする人のことをテーパー(Taper)と呼びます。今やデジタル録音が主流ですが、カセットテープの時代の名残ですね。
boot in Japan2つめのタイプは、ライブを放送用にプロが録音・録画したものや、実際にラジオやテレビで放送したものを録音・録画したもので、音は“サウンドボード音源”、映像は“プロショット”といいます。中には放送の編集前の完全版や、サウンドエンジニアがこっそりミキサーから録音したものなの流出したものも多くあります。またVHSやLDで正規商品があったけどDVDになっていないものを勝手に商品化したものもあります。有名なところではビートルズの映画「Let it be」はLDからDVDにしたものが手に入ります。私がいったコンサートのいくつかはNHKヤングミュージックショーで放送されたので結構そのブート持っています。でもたまにダビングが繰り返されて画質の悪いものもあります。また海外で放送されて日本で放送されていないものとかあります。有名なRock in Rioはご当地ブラジルでは無編集で全部ながされているみたいで、Page&PlantやHalfordなど好きなアーティストもっています。
 
3つめのタイプは、“アウトテイク”と呼ばれるもので、よーするにアルバムに収録されずにボツになったものや、デモで録音したものが流出したものです。たまにビックリするぐらいアレンジの違うものありますが、演奏を途中でやめてだべりはじめたりするのもあり、コアなファン以外にはちょっとなーというのもあります。近年は正規商品のボーナストラックで収録されるケースが多いです。
 
最後にブートの買い方ですが、コアファンでたくさんブートを買いあさっているかたがいるのでその評価を参考し、“サウンドボード音源”や“プロショット”、“アウトテイク”などある程度ハズレの確率が低いものから手を出した方が無難です。ブート屋の評価はみんな「最高」とか書いているのであてになりません。あとCD-RやDVD-Rは寿命があるので、CDやDVDなどプレスされたものがおすすめです。以下利用したことがある店です。笑っちゃうのは、Airsとか新宿レコードのHPを見て欲しいのですが、アーティスト自身が西新宿のこれらの店に買いに来ることです。あのジミー・ペイジもおなじみさんです。さっきAirsのHP見たらメタリカ全員来てるじゃん(笑)
Airs
XEPHER
新宿レコード
マスタングレコード


◆2009年8月追記
2008年になって新種のブートが出回り始めました。CDが2枚組でたったの1曲しか入っていないのです。
どーゆーことかわかりますか?
CD1枚につき12トラック、2枚で24トラック分、つまりスタジオでのレコーディングで使う24トラックを1トラックごとに納めたという商品です。
killer queen1ボヘミアン1 
私が入手したのは、Queenのキラー・クイーンとボヘミアン・ラプソディーの2曲です。ジャケっとはこんな感じ。
killer queen2キラー・クイーンも結構多重録音しており24トラック使い切っています。ひたすらバスドラだけ入ったトラック聴いたり、どんなふうに楽しむのよ?って疑問をお持ちの方もいるかもしれませんね。これらを宅録ソフトに読み込ませるんです。この24トラックって、曲の開始前とかフェードアウトするところもしていなくて、さらにはトラックダウンの段階でボツにされた部分も入っています。それらを自分の思いのままにリミックスする!これがこのCDの醍醐味です!まぁ私の手持ちの宅録ソフトはどっちかっていうとループとかサンプラーの用なので、長ーい音声ファイルを24本も読みこんで再生するってのは想定外で、フリーズしたり大変なんですけどね(^^ゞ
ボヘミアン2ボヘミアン3
 
ボヘミアン・ラプソディーにいたっては、このように1本のトラックを途中から別の楽器に使ったりと、実質24トラック以上の作業をしているのがわかり、クイーンの涙ぐましい努力もわかったりして、うれしい限りです。
まずはこの24トラックをパート別にさらに分解して、宅録ソフトで自在にミックスして遊べるようにしたいです。
 
◆2010年8月追記
気がついたらマルチトラックのブート買って1年たっていた!でも、ついにKiller Queenのミックス(トラックダウン)ができました。その制作あれこれについて書き込みましたのでよかったらご覧ください。
今時のブートレグ「Killer Queen」をトラックダウンした!
 
◆2014年6月追記
アーティスト自身のブートレグ好きについては書いたとおりですが、最近はアーティスト自身がコンサート前にテーパーを許可する動きがあります。
たとえば2013年のVAN HALENの日本公演ではライブ直前にテーパーOKとなりました。会場では入り口では手荷物チェックがあるのに中のスタッフはテーパーOKを知っているみたいな状況で、私もたまたま席が良かったのでiPhoneでうん十年ぶりにテーパーしてしました。下は最前列で録画した人のYouTubeの投稿。堂々と録画して会場スタッフが知らん顔しているのが慣れません(笑)この人とかの投稿をきっかけに後にやった大阪公演とかはかなりテーパーしてYouTubeにアップしている人がいます。他にも、懐かしいバンドですがTom Tom Clubとかは近年のライブについてテーパーのルールを定めOKです。彼らの公式ファイスブックでは、テーパーとかマニアがYouTubeにアップした秘蔵音源や映像にリンクしてお墨付きをくれたりしてます。時代はかわりました。



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この記事へのコメント

1. Posted by もも   2006年10月11日 21:40
細かく丁寧にありがとうございます!いろいろ欲しいものあるし、わたしもブートデビューしよっかな。

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