江戸時代以降、岡山は医療・福祉の先進地といわれる。現在でも、岡山は全国でも有数の医療先進県である。県内に岡山大学、川崎医科大学の2つの特定機能病院、医科大学を有し、高度先進医療の提供、新たな治療法の開発、人材育成などを行っている。そして、大規模な福祉施設旭川荘があり、障害者などの治療やケアを行うとともに、川崎医療福祉大学と連携し多くのコメディカルスタッフを輩出している。また、住民の草の根的な活動として地域の子どもたちや老人の健康を支援する愛育委員は歴史も古く、全国的に評価が高い。さらに岡山には、多国籍医師団を擁する国際医療ボランティアの草分けAMDAの本部がある。岡山のこのような現状は、どのような歴史の上に形作られているのであろうか。
この章では、岡山における医療・福祉の今日に至る歴史について、人物や出来事に焦点をあて、振り返ってみる。また、何か物事を成していくためには、その土台となる理念や人々の想いが重要であることはいうまでもない。岡山の人々のどのような想いが、このような歴史を創り上げていったのか、岡山の人的土壌についても想いを巡らせてみたい。