思考に独立性のある人は、大体がちょっと変わっている。
とある仕事の機会に可愛らしい女子と話すことがあった。見た目はその世代の女性らしく至って普通なのだが、考えていることが独特だった。例えば、休日はプログラミングをやっている。クライアントもサーバーもガッツリだ。彼女の仕事は、それとは無関係の事務職なのに。
その理由を最初は「好きだから」と言ったが、よくよく聞いていくと、今後ロボティクス社会が発展したときに、人間は余暇が増えるはずで、そこにビジネスチャンスがある。また、そのとき人々の仕事は多くが置き換えられるはずで、そこに追随したい。そのためにいま必要のないことをやっている、とのこと。論理しっかり。
思考の独立性があると、いま当たり前のようにやっていることを異なる視点で切り取ることができるから、ゼロベースで考えることができる。言い換えると、考えた結果は、みんなが普通に考えることと違ってくることになる。だから、ちょっと変わっている、のだ。
ゼロベースで考えると、ときに誰かの安定を壊すようなアイデアが生まれる。人間の安定に対する欲求は強いから、そのアイデアは感情的に否定されることが多いと思う。ここで、空気を読める人は、ゼロベース思考ができても、それを控える。しかし、真に思考が独立しているということは、そこでそうした感情論に左右されないということだ。悪意はない。変わっているのだ。
勇気を持って、ちょっと変わった人になりましょう。そして、よくよく考えるとおかしい世の中の普通を否定しましょう。
September 29, 2016
dogandchopsticks at 08:25
近くで見て学ぶ経営もあるらしい
経営経験が増えると、見たことのある景色が増えるという。言い換えると、見たことのある景色に経験を活かせるということでもある。
数年前に一緒に仕事をしていた、若手ミドルマネジメントがいる。今年の春に要職に就いて以来、堅実な事業推進を行っている。
彼は、着任してすぐにある重要なアクションをした。成果の出ていないチームの改革だった。利権のある社外役員を実質的に締め出し、自由と安定を失うことに抵抗する中堅を外した。残るメンバー個別に話をして理解を求め、血は入れ替えられた。まだ成果には結びついていないが、スピーディーな改革で、今後に可能性を感じる状態になったと思う。
そのチームはずっと難儀を抱えていた。過去、その事業を任されていたリーダーが2人いたが、頭を悩ませつつも、結局なにも変えられなかった。そんなチームを着任後すぐに変えるのは簡単なことではない。
どうして彼はそれができたのか。
たまたま別の機会に話すことがあったので、その一気呵成の動きを支えたものが何だったかを聞いてみた。
「一緒にやっていたときに見せてもらって、あの時と同じだと思ったんです」
数年前、自分が事業を任されて2ヶ月のうちに大胆な事業リストラと組織再編をした。そのとき自分の右腕になったのが、この彼だった。そのときに見た景色を、彼はきちんと見ていたのだ。
決して俺スゲーという話でなく、むしろドキッとした。いま、他の若手にそういう方法を見せられているだろうか。自分の振る舞いが誰かの経験値になり、間接的に事業に影響を与えるのだ。気が引き締まる。
今すこぶるイジけたくなる事件が起こっていて参ってるのだけど、イジけてる場合じゃないな、と痛感。頑張ろう。