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Image of calculations from the paper. (Credit: Image courtesy of University of Bristol)


このたび、イギリスはブリストル大学とオーストラリアはクイーンズランド大学の科学者率いる研究グループが発表したところによると、

"本当の"計算をすることのできる量子アルゴリズムを、はじめて実証することができた

とのことだ。

今回、研究グループが実行したのは位相推定アルゴリズム(phase estimation algorithm)というアルゴリズムで、従来型のアルゴリズムと比べると格段なスピードアップを図ることができる。

これは、量子コンピュータの要とでもいうべき心臓部分であり、その他あまたある重要な量子アルゴリズム※のなかでも重要なサブルーチンだという。

※例えば、Shor's factoring algorithm量子シミュレーションといったようなものがある。

プロジェクトに携わったXiao-Qi Zhou氏は次のように語る。

「今回の実験が行われる以前にも量子アルゴリズムが実証されたことは幾らかありましたが、どれも、解答については事前に把握されていなければなりませんでした」

「というのも、以前の実証においては、実験的に実現可能にするべく量子回路が単純化されていたからなんです」

しかし、この単純化には"答えを事前に知っておくこと"が必須だったのだ。

「先行研究とちがって、私達がつくりあげたのは"完全な"量子回路です。これは、いかなる単純化も伴わず、位相推定アルゴリズムを実行するためなんですね」

こうすることで、あらかじめ答えを把握しておく必要性がなくなったという。

解答が量子アルゴリズムを伴った量子回路によって"本当に"導き出されたのは、今回のが史上初みたいだ。

ブリストル大学の量子光学研究センターのディレクターを務めるJeremy O'Brien教授は次のように語ってくれた。

「"完全な"量子アルゴリズムを、あらかじめ答えを把握しておくことなしに実行できるというのは、実用的な量子コンピュータに向けた重要な一歩なんです」

「これで、量子シミュレーションとか量子計量学(metrology)、ひいては因数分解にまで応用することのできる可能性が開けました」

研究はNature Photonicsに発表された。

量子アルゴリズムは、その進歩によっていつの日か、新しい物質や新薬、新手のクリーンエネルギー装置を設計することができるようになる可能性があると言われている。

University of Bristol. "Quantum algorithm breakthrough: Performs a true calculation for the first time." ScienceDaily, 24 Feb. 2013.
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/02/130224142829.htm