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ギター弦みたいに、ナノチューブ(黒色)は押さえられると振動するよう励起される。あまたある可能な状態のうち二つが選択的に選ばれるのを磁場(電極:青色)が確かなものにする。
(Credit: M.J. Hartmann, TUM)

カーボンナノチューブは、量子コンピュータで用いる量子ビットとして使用できるーーー

Technische Universitaet Muenchen(TUM)所属の物理学者らは21日、どのようにしてナノチューブが「振動」という形式で情報を保存することができるのかを示す研究結果を発表した。

これまでは主に電荷を帯びた粒子を用いて実験されてきたが、というのも、ナノ機械素子は電荷を帯びてしまうと電気的な干渉による影響をほとんど受けなくなるからだった。

ゆえに今日まで、たいていのシステムが基づいているのは電荷を帯びた粒子で、これは「電磁トラップ」のなかに保持されていた。

しかしこのようなシステムの欠点は、ナノ素子とは反対に電磁気的な干渉にとても晒されやすいということで、したがって広範囲にわたって保護される必要があった。

さて、今回ドイツのTechnische Universitaet Muenchen(TUM)所属の物理学者らによって発見されたのは、情報を機械的な振動で保存し量子力学的に処理する方法だ。

両端が押さえられたカーボンナノチューブは振動するよう励起される。あたかもギターの弦であるかのように、驚くほど長い時間にわたって振動し続けることができるという。

「実際のところ、この「弦」は百万回以上振動するようになってる。こうすることで、情報を一秒間は保持することができる。取り組むのには充分な長さだ」と研究の主著者であるSimon Ripsは語る。

この手の弦は、数多くの物理的に同等な状態のあいだで振動してしまうのであるが、ナノチューブの近くにある電場を用いて、あまたある状態のうち二つに選択的に取り組むことができるようにすることでこの障害は克服されたという。

そして情報が光電気的に書き込まれたり読み込まれたりする、というわけだ。

「私たちのコンセプトは利用可能な技術をベースにしている。これで量子コンピュータ実現にまた一歩、近づくことができるだろう」とTUMにあるEmmy Noether research group Quantum Optics and Quantum Dynamicsの所長を務めるMichael Hartmann氏は語ってくれた。

量子コンピュータについては量子力学的な現象を活かすことで、従来の2進法的なデジタル機器などよりも遥かに高性能なコンピュータが実現されるようになると言われている。

現在、世界中の科学者らが量子コンピュータ技術の基盤となるようなものを探索中だ。

研究はPhysical Review Lettersに発表された。


Technische Universitaet Muenchen. "Quantum computers counting on carbon nanotubes." ScienceDaily, 21 Mar. 2013. Web. 22 Mar. 2013.
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/03/130321141514.htm