7月1日に行われたエジプトのイスラム国の総攻撃については、不明な点が多々あります。

イスラム国側はエジプト軍兵士80人ほどを殺したと主張、地元病院筋も死者は70人ほどと発表した一方で、エジプト軍当局は犠牲になった軍人は17人だけだと発表。

エジプト軍はそれを裏付ける証拠として、これでもかーっ!!というくらい大量の「テロリストの死体」写真を公開、それらの多くがエジプト軍の軍服を着ていたので病院筋はエジプト軍人の遺体だと勘違いしたのだ、とのことです。

一昨日になって軍は、今度はCGをふんだんに使った「愚かなテロリストの攻撃のシナリオの真実」と題した動画を公開。
 
自動車爆弾がどのようにして軍のチェックポイントにつっこんで自爆したか、またそれぞれのチェックポイントに何人のテロリストが、どのような武器を使って攻撃をしてきたかなどが、詳細に説明されています。

それが真実だとするならば、エジプトのイスラム国の自動車爆弾の威力はシリアやイラクのそれと比較すると全然弱い、ということがわかります。

シリアやイラクの自動車爆弾は、装甲車の周囲をさらに鉄板でがっちがちに固め、敵に撃たれても停止することなく確実に目標につっこんで自爆できるかたちに進化しています。

今回、エジプトのイスラム国が「3発自爆した」と言っている割には死者が少なかったのは、目標に突っ込むことに失敗し、その前で撃たれて自爆してしまったからのようです。

他方、イスラム国の側も負けじとたくさんの写真を公開しています。
エジプト軍のチェックポイントに迫撃砲を撃ち込む写真や・・・
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破壊されたチェックポイントなど・・・
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もちろん、エジプト軍人の死体の写真もたくさん出しています。

さらに昨夜は、イスラエルにグラッド・ミサイルを撃ち込んだという犯行声明と写真も公開しました。
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これはイスラエル当局も認めている事実です。

エジプトのイスラム国、これまで妙にマイナーな存在だったのが、ここへきてぐっと存在感を増してきた印象です。

イスラム国側と国家側が異なる情報を出してくるのはエジプトのみならず、シリアやイラクでもよくあることで、実際の戦闘だけでなくメディア戦も活発に展開されています。

一方、エジプトのシシ大統領は昨日、シナイ半島の軍を軍服姿で訪問し、演説をしました。

エジプトでは大統領が軍の最高司令官なので、軍服を着ることはまあ別におかしなことではないのですが、シシは大統領選に出馬するって発表したスピーチの時、「みなさんの前で軍服を着て現れるのは今日が最後です」って言ってた記憶が・・・。

「あのね、これ着たからって、別に軍政に逆戻りとか誤解しないでね」と昨日本人も言ってましたが。汗。

もともとシシは陸軍の元帥ですし、国の非常事態に軍人魂がうずくというか、いてもたってもいられない気持ちなんでしょうね。まあ、気持ちはわかります。

スピーチの概要は、エジプト軍がシナイ半島で行っているテロとの戦いは非常に困難な状況であるが、偉大な戦いであり、ここ数年のうちに必ず結果がでる、国民も私も軍を限りなく信頼し感謝している、というようなものでした。

あと、シナイに展開しているエジプト軍人の数は全体の約1%だ、とのことでした。

うーん・・・。

軍人の100人に1人はいつ死んでもおかしくない任務についていると・・・。

エジプトブログにいつも書いているように、私はエジプトに住む一外国人として、エジプト軍や警察に対する感謝を忘れたことはありません。

シシは「数年以内」に解決って言ってましたが、これはシナイだけの問題だけではなくイスラム国の問題である上に、シナイに限ってもテロリストだけでなく全部族民に関係する問題なので、「無理だな・・・」とつい思ってしまうのですが。