いっはい。 2024年03月21日 丸ごと退廃に 飲まれてしまった一帯は寝て起きて働く 人間のサイクルから外れ茂っては枯れる 植物のペースといった様相。端々に人間文明下における 時代の変遷や 損壊と修繕から 生まれる まだら模様が 美しさに似た何か を醸し出している。 タグ :#空き家#写真
はいよる。 2022年03月24日 春めいた空気の気持ちよさ にぼう っとしながら 町を歩いていると 気付けば急に 辺りは廃の佇まい。生活のすぐ隣に シームレスに存在する 廃の気配は 忍び寄る恐怖 みたいな緊張感を 仄かに匂わせて よい。 タグ :#廃屋#写真
ぼろみち。 2021年09月07日 空は 平静さを取り戻し あんなに尖って いた太陽も ずいぶん丸く なったようで。落ち着き払った空気は 衰退の風景に よく馴染み。つい腑抜けた隙に 背後から伸びて きた蔦に 絡め捕られ 向こう側に取り込まれてしまいそうな 悪くない季節 である。 タグ :#廃屋#写真
なつくさ。 2021年08月16日 もう待てど 列車は来ない 誰かの理想が潰えた景色は 夢の跡 的な剥き出しの 現実の有り様 なのだけれども。人々の賑わい が退いていった跡 に植物が繁栄して いく様子は かつて破れた夢と また別の夢の中の よう。 タグ :#線路#写真
せめふじ。 2021年05月20日 燃え広がる炎 のように 緑が萌え広がってゆき。その勢力に それなりの速度が 伴っていれば もう災害たり得るのでは という。そのまま 世界を一飲み にしてしまう かと思えば 一年周期で寄せて引いて を繰り返し 波のように 此岸を侵食していく。 タグ :#藤#写真
まどみど。 2021年05月16日 最近 周辺が伐採されたらしく 唐突 に現れた掘り炬燵の廃屋。窓から覗く鮮やか な緑に対し くすんだ室内は 潔さを感じさせ。もちろん再生だのリノベだの されるワケもない終焉を待つだけ の建築物は 人生の畳み方の 模範たり得る佇まい であった。
でちやう。 2020年12月19日 路傍の古民家は 内と外文明と非文明の均衡を失い。でろり と中身が出てきちゃって。その 開いた穴からは かつてあった人の生活の気配が ゆっくり と尽きるまで漏れ出して いるよう。