( ゚毒゚)< しんどい。

つらい

カテゴリ: 廃



つた。

丸ごと退廃に 飲まれてしまった一帯は

寝て起きて働く 人間のサイクルから外れ

茂っては枯れる 植物のペースといった様相。

端々に人間文明下における 時代の変遷

や 損壊と修繕から 生まれる まだら模様

が 美しさに似た何か を醸し出している。


かわら。 




はんえい。

春めいた空気の気持ちよさ に
ぼう っとしながら 町を歩いている
と 気付けば急に 辺りは廃の佇まい。

生活のすぐ隣に シームレスに存在する 廃
の気配は 忍び寄る恐怖 みたいな
緊張感を 仄かに匂わせて よい。

きくちる。




くたぶれ。

空は 平静さを取り戻し あんなに尖って いた
太陽も ずいぶん丸く なったようで。
落ち着き払った空気は 衰退の風景に よく馴染み。

つい腑抜けた隙に 背後から伸びて きた蔦
に 絡め捕られ 向こう側に取り込まれて
しまいそうな 悪くない季節 である。

はざま。




くろす。

もう待てど 列車は来ない 誰かの理想が
潰えた景色は 夢の跡 的な剥き出し
の 現実の有り様 なのだけれども。

人々の賑わい が退いていった跡 に
植物が繁栄して いく様子は かつて
破れた夢と また別の夢の中の よう。

くろされ。




こんくり。

燃え広がる炎 のように 緑が萌え広がって

ゆき。その勢力に それなりの速度が 伴って

いれば もう災害たり得るのでは という。


そのまま 世界を一飲み にしてしまう か

と思えば 一年周期で寄せて引いて を

繰り返し 波のように 此岸を侵食していく。


むこぎし。




たち。

最近 周辺が伐採されたらしく 唐突 に現れた

掘り炬燵の廃屋。窓から覗く鮮やか な緑

に対し くすんだ室内は 潔さを感じさせ。


もちろん再生だのリノベだの されるワケもない

終焉を待つだけ の建築物は 人生の

畳み方の 模範たり得る佇まい であった。


ほりごた。







くずれ。


路傍の古民家は 内と外

文明と非文明の均衡を失い。

でろり と中身が出てきちゃって。


その 開いた穴からは かつてあった

人の生活の気配が ゆっくり と

尽きるまで漏れ出して いるよう。


なかみ。


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