2012年12月20日

不殺生戒本論 心と体

今回は、「心と体」について記します

 眼が自分の眼を見ることはできない。外の物に対してのみ眼のはたらきがある。耳が自分の音を聴くということはない。外の声に対してのみ耳のはたらきがある。鼻が自分の鼻を嗅ぐことはない。外の香りに対してのみ鼻のはたらきがある。身体が自分の体に触れることはない。外の物に対してのみ身体のはたらきがある。全てはただ多くの縁が結合しただけであって、それに実体はなく、それを統一しているものもなく、常にただ業の影に使われて自分の自由などないのである。これは興味深いことである。生まれて死ぬまで業の姿に使われて自分の自由などない。興味深いことである。

 経論の中に------無色界(物質を超えた世界)の衆生は、山林や大地の中に住んでいても、実際には常に虚空の中にいる。餓鬼界の衆生にはこの山林も池や沼も、みな火の集まりに見える------とある。『維摩経』に------舎利弗(しゃりほつ)の見るものは草木や瓦礫であっても、梵天はそれを七宝荘厳とみる------とあるのも興味深いものである。



次回は、「人間界と三悪趣」について記します。


dokusho3mai at 23:28│Comments(0)TrackBack(0)clip!十善法語 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔