2017年の韓国ドラマ「七日の王妃」(全20話)を見ました。
同じ時間帯に放送されていた「怪しいパートナー」と「君主」よりもかなり視聴率は低かったのですが、私はこの3つの中であれば断トツに「七日の王妃」が面白かったです。(ただし「君主」は10話で停滞中)
朝鮮王朝時代の人物である中宗、端敬、燕山君を中心としたフィクションですがそれぞれの人物設定と心情をしっかり描いていて、どんどん物語の中に引き込まれました。


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度々ドラマや映画に取り上げられる燕山君をモチーフにした朝鮮の第10代王イ・ユンを演じたのがイ・ドンゴン。こけた頬に鋭い目つきで周りを震え上がらせる狂気の王を演じた彼の演技は圧巻でした。

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そして後の中宗となるヨン・ウジンは王の弟イ・ヨクを演じています。童顔に見られがちな顔立ちですが、前半の野性味溢れた表情、恋に苦悩する男、そして王としての威厳までさまざまな顔を見せてくれました。


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ヒロインであり7日間だけ王妃となった端敬王后シン氏のチェギョンを演じたのはパク・ミニョンです。彼女は現在31歳ですが、10代を思わせる快活な表情から、成熟した大人の女性の姿を見せてくれました。
私の中の好きになる女優さんの基準は「泣き顔と笑顔が自然にできる人」です。このドラマは、前半のパク・ミニョンの笑顔にやられ、後半に行けば行くほど増えてくる泣き顔にもやられました。


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1話の出だしは白装束のチェギョンが死刑台に連れられて行くところから始まります。白い布を顔に被せ首にロープが巻かれ、今まさに死刑が執行される場面から一気に時代は遡り子供時代のチェギョンがヨクと出会う話へと進んでいきます。
二人には婚約の話が出ていたのですが、チェギョンの両親は娘の結婚に消極的です。一方、ヨクは兄であり王でもあるユンから疎まれるだけではなく死の恐怖まで味わっていました。そんな中、チェギョンとヨクが良かれと思っておこした行動が、後に命に係わる事件へと発展します。ヨクは知恵を働かせチェギョンを無罪にした後、全ての罪を被って流刑となりますが、道中命を狙われ深い傷を負った彼は生死をさまよいます。
ヨクが死んだとの知らせを受けたチェギョンは彼一人に罪を負わせたことを激しく後悔します。
そして5年後、ヨクは別人となって戻ってきました。それはチェギョンと再会するためであり、先王の密書を探し出し、自分を殺そうとした兄ユンに復讐するためでした。

ドラマの前半では、残忍な面がある一方で、弟のヨクを殺すことをためらってしまう面をユンは持っていました。けれど、後半になっていくと彼の狂気に拍車がかかります。もちろんそこには理由があるのですが、チェギョンの出現でユンの人間らしい暖かな一面も見えてきます。
この辺りのドラマの演出やストーリー展開はとても巧く、非情なユンを思わず応援したくなります。が、ユンの思いはチェギョンに通じません。子供の頃に両親の愛を受けることが出来なかったように、大人になっても愛を受けるのは弟ヨクなのです。

チェギョンとヨクの愛も素晴らしかったです。傷つきながらもお互いを認め合い、助け合い、愛を育む姿に心を打たれました。信じては裏切られ、何度も涙を流しながらもお互いを思いやる心を持ち続ける二人に、最後は涙が出てしまいました。

中盤からチェギョンは兄弟が和解できることを信じて行動します。結果は彼女の想像を遥かに超えた厳しい現実が待っていました。それがヨクの嘘・偽りでした。
世の中には相手を思ってつく嘘もありますが、ヨクの嘘は二人の間に大きな溝を作ってしまいます。けれどそれを超えた先に更に大きく深い愛が待っていました。

さて、タイトルにもあるようにチェギョンの王妃としての立場はたった7日間です。
ヨクが王になりハッピーエンドで終わる訳ではありません。兄ユンが予言した通り、二人には更なる試練が待っていました。ラストは駆け足で物語は過ぎていきますが、それでも満足できる結末が待っていました。


最後に、視聴率で次に見るドラマを決めることが良くありますが、良い意味で視聴率の数字だけではドラマの良し悪しは決められない、と教えられたドラマでした。


10段階評価:9.2