父が運転免許を返上した。
とっても良いことだと喜んでたのも束の間、「あそこへ乗せてけ」コールが頻繁に。
幸い、父には娘が2人いる。
私たちはお互いに押し付けあいつつも、まぁそれなりに運転手をしてる。

「今日は作手のHさんとこへ行けるか?」
と父が言う。
作手のHさんってところは我が家から30分ほど山に向かっていくド辺鄙な場所だ。
往復1時間。それを2往復しなきゃいけないので、とっても迷惑!
だけどさ、Hさんという90才前後の小さい婆さんも山中の一軒家で一人暮らし。
婆さんも父も本が好きで、1日話をしてても飽きないほどに二人は気があうらしい。

私もこのH婆さんが好きだ。
ちょっと偏屈で、ハッキリモノを言う。
だけど、教養があって老人特有の愚痴っぽさがない。
時間があれば、私もH婆さんとじっくり会話してみたいと思ってる。

「あんなに辺鄙なとこじゃ大変じゃないの?こっちに降りて来たら良いのに。
そしたら爺さん(父)だってもっと会えるし、私ら(姉妹)だってHさんのお世話もできるよ!」

父にそう言ってみた。
「よし、今度行ったらHさんにそう言ってみる!」
父も乗り気だ。

そして先日、夕方のお迎えに行った。
「こんばんわ〜」
「あ〜、よ〜おいでました。」※よくおいで下さいました。
H婆はそう言いつつ、私に塩せんべい大袋をさしだした。
父も重い腰を上げ、靴を履き始めたところでH婆が私に言った。
「私も便利な街に降りたいですが・・・」
お〜!父がちゃんと話をしたんだ!
「1年ぐらい前にこの裏の倉庫に3本足の猫が住み着いて、私が世話をしんとエサも食べられんです。」

ある日、H婆の家に来た野良猫。
後ろ足の1本が皮1枚でブラブラ残ってる状態だったそうな。
野良猫が来るのも珍しいような寒い高原の一軒家だ。
山中でケガをおい、何とかたどり着いたんだろうね。
野良なので捕獲は無理。
そっと倉庫にエサを置いてやるそうな。

しかし、Hさんは90才(?)だよ!
野良猫のためにど田舎暮らしを続けるって・・・
アッパレというべきかナ〜

しかし、私がモンダイにしたいことは別にある。
父とH婆の間柄って、不倫か?