どんぐり山の会

私たちは、アルパインクライミング(岩・雪・氷)主体の山岳会です。アルパイン、フリー、ミックス、沢、雪山などなど楽しみながら登攀しています。 アルパインクライミングをやりたい!やってみたい方、集会にいらしてください。


2016年5月22日(日) 松木ジャンダルム 中央ルンゼ
メンバー 海田(L) 水木(記) Kさん(他山岳会)

経緯

とある山行の後、私は少しバーンアウトしていた。
登りたいところがない……

ただ、ナチュプロを使ったトラッドクライミングがしたい…というのだけは心の内にあった。
そして、否定はしないが、ボルトルートに煩わしさを感じ、数字 所謂グレーディングにも、あまり興味がなくなった。
数字やグレードがゴールではないし、あくまで自分が行きたい所へ行く為の練習、ないし過程だと捉え始めた。
もちろん、自分を知る、という意味では価値があると思っている。
そんな中、ふとこの松木ジャンダルムを思い出した。
あそこなら求めてるクライミングができるのでは?
興味を持ち始め、色々調べる…が、ゲレンデ扱いだったのも今や昔。
記録に乏しい…。
しかし、真新しいボルト等が打たれている事から、地元の山岳会等では登られているのだろう、と推察。
しかし、トポは登山体系等の古い文献から簡素な物しか得られなかった。
で、冬のアイスでジャンダルムを視察。
顕著な中央ルンゼのルートだけ下から読み取った。
今回は他のルートの視察、それに正面からはよく分からない 右壁の全容を見る為に、中央ルンゼを登る事を考えた。

しかし、行く前から周りの声は否定的。
「あんなとこ何しに行くの?」
「ボロボロだよ!」
「俺ピン抜けたからね!」等々。
同行の海田さんも
「中央ルンゼの横の直上ルートか右ルートがいいんじゃない?」
と……(^o^;)
「行ってみてきめましょう!」
となった。
個人的には自分が下から見たルートの通りに登りたい、というのがあった。
なぜなら、単純に下からルンゼを通し弱点を見たわけだが、その目の力を確かめたかった。
弱点や強点を見る目は磨きたいのでね( ´∀`)

2016/5/21
19:00新秋津➡21:40銅親水公園駐車場

今回は皆土曜が空いていたので、早目出発。
夜は小宴会と簡単な作戦会議。

2016/5/22
5:30起床➡6:45出発➡8:15中央ルンゼ基部➡8:45登攀開始➡12:30ジャンダルムトップ➡13:30懸垂後 基部➡15:00下山 林道歩き➡16:00駐車場➡20:20帰京

朝は一度4:00に目が覚めた。
すぐ二度寝!からのハッ!と気付くと5:30。
もう同行二人は寝具を片付けちぅ(^o^;)
まぁ、焦らず朝メシですな。
食べながら片付けながら、ギアをチョイスしてゆく。
何しろ手探りな部分が多かったので、必然ギアは増えた。

持っていったギア↓

カム 0,1~3 2セット +4と5
エイリアン3本
ナッツ1セット+ボールナッツ3㍉5㍉
捨て縄4本
ハーケン6枚
ヌンチャク計10本
スリング240が1 120が8 60が3
ハンマーにナッツキー
後は各々カラビナに確保器等の通常登攀ギア

6:45出発。
沢山ハイカー達がいた。
しばらく歩けばすぐにジャンダルムも左側面が見えてくる。高まるなぁ…(。>д<)
およそ一時間で正面が見えてくる。
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正面からの松木さん。
緑!!




正面に着くとテント3張り。
「お!来てやがる!誰もいないと思ったのに!」
しかし、考えた。地元の人達が来ているならちょーどいい。情報を得られるかも♪
川を渡渉し、樹林の切れたガレ付近を上がっていくと、正面に右壁が。
右壁の概要をつかんだ。次は来るで!
基部を左へ巻いてゆく、所々浮き石の多いガレ場だが、全員の岩を見た印象は「思ったよりもいい!」だった。
中央ルンゼへ着くと、その先、直上ルートと思われるところにクライマー女性2人。テントの人だろう。
早速話す。
しかし彼女らも県外から初めて来たとの事で、懸垂地点の情報をくれただけだった。

さ、8:45登攀開始。
中央ルンゼである。ジャムはしないだろう、とテーピングはしなかった。
そして懸垂地点がよく分からなかったので、荷物も背負った。
装備をつけ、荷物を背負い、ダブルロープを引く!
重い!
1ピッチ目はその重さに疲れた。
1ピッチ目はルンゼを行くが、クライミング自体は難しくない。ただ、叩くとポコポコする剥がれそうな岩を確かめ、尚且つナチュプロをとれるポイントを探り、クラック、立木を観察しながらの登攀。これは最後まで続いた。
「ロープ残り5!」
振り替えるとかなり登った。顕著なルンゼはまだ抜けてないが、ボロボロのリングボルトやピトンが刺さっている。ここでピッチを切った。
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1ピッチ目を切ったところから見上げる。
出だしがいやらしかった。



2ピッチ目。
ルンゼを抜けるとガレが始まった。
落石を起こさないように、慎重に進む。
デカイ岩の下を左へ。すると傾斜のゆるくなったガレ場へ。
しかしこのまま上がるとロープの動きですら落石を起こしそうだった。
下には直上ルートを登っている女性クライマー達がいるはず。
トランシーバーをいれ、一度ピッチを切る事を伝える。
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ガレ場から見上げる。




3ピッチ目。
ピッチを切った少し上まで上がり、やはりガレを歩く。
今度は少し傾斜が強まっている。
バンドの上の岩もいまにも落ちそうなものばかり、慎重にランナーをとりながら進む。
このバンドの上の立木でピッチを切ろう。そう思い、クラックにカムを決めた時だった。
足元の岩が崩壊!30センチ角位の岩を落としてしまった!
「ラーーーーーーーーーーック!!!」
私は両手保持していたため、滑り落ちる事はなかったが、その転がる岩の行く先を見ているのはなんとも気分が悪い!
女性クライマー達も
「ラク!ラーーーク!!」
と叫んでいる。海田さん達の声も聞こえた。
ふぅ、皆無事か…(´д`|||)
胸を撫で下ろすも嫌ーな気分。
しかし、この時海田さんには小さいが落石が左肩に当たっていた。
申し訳ありません。
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ガレ場。
緩い傾斜はノービレイで、ロープを巻き上がってもらった。


4ピッチ目。
何本かのクラックの入ったスラブ。
どこからでも登れそうだが、ランナーをとるために、どれかのクラック沿いを選ぶ事になる。
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立木で見えないが写真右側がクラックの入ったスラブ。





5ピッチ目。
スラブを左上しながらのトラバース。
かなりのランナウトを強いられるので、ここが一番核心かなぁ。
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5ピッチ目。
最初傾斜が緩いのでペタペタ行けるが、段々傾斜も強まり、恐怖のトラバース。



カムとナッツで支点を作り、後続二人に先に行ってもらい、私も続く。
更に5㍍くらいの岩があるが、落石の危険を考え
割愛。
全5ピッチ。無事完登。

この後、下降点を探すのに右往左往。
結局右壁の天狗岩より懸垂3発。
その奥のルンゼに残置ロープがあるのがわかったのは下降後だった。
降りてメシを食い、新しいボルトの打たれたフリーで少し遊び、15:00終了。
右壁のルートも大体わかった。
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右壁にある同門岩。
圧迫感がある。




今回はクライミングの難しさより、根性試しというか、なんというか……
しかし、目的の事は達成出来たと思う。
本チャンらしい気持ちで臨めるのも緊張感があってよかった。
トップはとにかく落石に気を配らなくちゃ やけど。
人が少なければ本当にいいと思う。
いや、まぁ、少ないんだけどね(^o^;)
次回は違うルートを登ろう!
もっとシビれるはず!

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駐車場より太刀岡山全景




2016年5月8日(日) メンバー海田(L) 水木(記)
太刀岡山左岩稜

経緯
2年くらい前かなぁ…
甲府幕岩へ行く途中に見えたこの山。
一緒に行ったY先輩に「あれは太刀岡山だね」と教えられ、登攀対象だと知る。
ちょっと前にここへそのY先輩と行く企画が立ち上がるも、噛み合わずお流れ…。
だからという訳ではないが、今年は松木のジャンダルム、ないし、その近辺のクラックをやりたいと考えてるワテには、練習のつもりでこの場所を選んだ。
ついで感が否めない(*´ω`*)
だからかねー、直前まで全くやる気がおきない。
そういやそのY先輩に「練習が似合わない男」と評されたっけ…
確かにトレや訓練に身が入らない気質。
しかし、いつだって終わると「あー、楽しかった。勉強になった」という風になるのもいつものこと。
やし、結果、「いいクライミングだった」と思う事に期待した。

一方で同行の海田さんのモチベーションはどうだったのだろう?
「水木さんジャンダルムいつ行くのさ?」
「5月の中旬以降に行きたいけど、その前に一つはさみません?太刀岡山は?」
「あそこムズいんじゃなかったっけ?」
「下部だけですよ!後は岩稜歩きでしょ?ちょーどいんじゃない?」
確かこんな会話があったはず。
ワテよりは緊張感があっただろう。

2016年5月7日21:00新秋津発➡太刀岡山登山口駐車場23:45着

着いてからはいつもの酒盛り。
緊張感のない会話をしつつ、明日のギアを選別する。
持っていったギア↓
カム 0,1~0,75 1セット
1~3 2セット
エイリアン 3本
ナッツ1セット
ボールナッツ3㍉と5㍉を一本
スリング240 1本 120 4本 60 3本
後はお守りにラープ スカイフック ハーケン等
後は通常の登攀ギアを各々。
ロープはシングル45㍍を使った。

1:30までタラタラ呑み、就寝。
「目覚まししませんよ?どうせ明るくなって、嫌でも起きるっしょ?」
やはり緊張感のなさげなワテ。
きっと明日は大丈夫なハズ(^o^;)

2016年5月8日
6:00起床➡7:15出発➡7:45取付き 準備8:30登攀開始➡12:45登攀終了➡13:15下山開始➡14:00駐車場着 帰京

狙い通り、5:00には明るくなり、とても寝ていられない。しかし体は寝ろ!と言う。
ダラダラして6:00起床。
メシ、トイレを済ます。
アプローチはすぐだ。
ゆっくりで30分。普通に行けば20分もかかるまい。
やし、最初からメット、ハーネス、ギアは装着。
セカンドの海田さんに、メシやら水分やらをザックに背負ってもらい出発。
その頃には車は7~8台来ている。
見た目はハイカーの方が多そうだ。
駐車場から200㍍ほど上流へ向かい、ガードレール橋で渡渉。小屋脇を通り踏みあとを辿る。
フリーエリアの岩場はすぐ上だ。
フリーエリアを少し覗き、そのまま岩場を左へ移動。
左岩稜の取付きへついた。
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1ピッチ目。
もっともクラックらしいピッチ。
見た目は素直なクラックだ。



取付きに着くと、なにやら岩トレらしい事をしている2人。
「あ、荷揚げのトレなんで、抜いちゃって下さい」
という。
しかし、テーピング中も上から小石が沢山降ってきてこえぇ(´д`|||)
そうこうしてると今度は後続パーティー3名。
(混むかねぇ…GW最終日なのにな)
上の二人が降りてきた。
「すいませんでしたね!登っちゃってください!」
ギャラリー5名の視線を背中に感じつつ、緊張の中登攀スタート!
緊張感なかったし、ちょーどいいのかな?
1ピッチ目やし、体も硬い。後ろから「ガンバ!ガンバ!いいムーヴしてるよー!」などと言われる。
やめちくりー!はずかちー!(´д`|||)
何か上手くジャムを効かせられなかったが、1ピッチ目終了点へ。
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確かカムは4本しか使わなかった。
♯3を3本は欲しい箇所と聞いていたが、一つしか使わなかった。



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2ピッチ目。
凹角の中にフィンガーサイズのクラックと、その左にオフィドゥス。




2ピッチ目。
凹角の中にフィンガーとオフィドゥスがある。
左岩稜は奇数ピッチが難しいとされるので、このピッチには油断した。
5,7とかゆーけど、ちょっち大変やった。
オフィドゥスの中を探るといいのがある。
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2ピッチ終了点より。
海田さんの股の間から後続パーティーのビレイヤーが見えている。




3ピッチ目。
計画段階では個人的には5ピッチ目を警戒していたが、結構皆が3ピッチ目!という。
それでこのピッチに警戒の目を向けたが、問題なかった。
左手手羽ムーヴに右手プッシュの背中フリクション。足がムズい!細かいスタンスを拾い、スラブのボルトにランナーを出せば、上の立木はすぐ。

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当初、チムニーやし、先に荷揚げしよか?とはなしてたが、すっかり忘れてハマる海田さん。



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4ピッチ目。
終了点より一段上がると歩き。
ここはホンマに歩きって感じ。





5ピッチ目。
元々警戒していたピッチだったが、それが3ピッチ目に目が移り、更に壁を見上げて、「あぁ、簡単そやな」となった。スタートのハンドのパートは、壁が寝てるので、フットジャムだけでも行けるんちゃう?と感じさせた。
「実質クライミングはこのピッチで終わりスよねぇ?後は岩稜歩きっしょ?」
4ピッチ目以降樹林もきれ、高度感があり、陽が気持ちいい( ´∀`)
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5ピッチ目スタート地点より。
クラック上がって、左からリッジを歩くまでは良かったが…





5ピッチ目。
クラックを上がり左へ、リッジに乗り歩き、次は……
え?あれ?これ?
次のリッジへ行くとトポにはあったけど、これ?
立派なペラ子ちゃん、ナイフリッジだった。
左はすとんと切れ、右は 10㍍下に樹林があるも、すとんと切れてる。
ホールドもあるし、ムーヴも簡単だが、恐怖感と逆光との戦い!
逆光でホールドがわからん!
その上も細かなクライミングが続いた。
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5ピッチ目終了点より。
うーん…
ビミョーな怖さ。




6ピッチ目。
トポには岩稜の歩き とあるが、しっかりクライミング要素がある。
歩きしか出来ない人が行けるかなぁ?
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6ピッチ目の出だし。





7ピッチ目。
ナイフリッジを行く。
ここも歩きだけの人はちょっち…(^o^;)
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定番のナイフリッジ記念撮影。
これがなきゃ、左岩稜へ来たことにはならないらしい(嘘す)



8ピッチ目はスラブを上がるとすぐ歩き。
鋏岩の広場へ。

9ピッチ目。
鋏岩。
真ん中やや上が少しいやらしいが、楽しい登攀。
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変わったクラックの入り片。






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トップで立つ!
立派にナイフなのでこえぇ!






全9ピッチを終え、時計を見ると13:00近く。
見晴らしもいいのでメシにした。
途中、途中、写真を撮ったり電話がきたり、と、ゆっくりめの登攀でした。
後続も遅かったので、ゆるゆるクライム。
体調は眠気と、トイレに行きたいという気持ちを抱えての登攀だったので、イマイチだったが、3ピッチ目あたりから気持ちが上がって行くのがわかった。
「ふあー!さいこー!やっぱりイマイチ乗り気じゃなくても登っちゃうと気持ちいんだよなー!」
「そうだよ。登ったもん勝ちだよ!」
下山途中でフリーエリアを覗く。
課題は11~13がメインのエリア。
「ふわぁー!すげー!」
時間が早かったので、フリーをしても良かったのだが、今日は夏日で汗だく。
それに、今の気分を変えたくなかった。
14:00駐車場着。
気分は継続して気持ちいい!
山はやっぱり登ってみるもんだね( ´∀`)
登ったもん勝ち!
さて………
「飲みいきますか!」
帰京とあいなりました。

海田記
1ピッチ目のフィンガーが効かなかったなあ、あせったよ。
結局下のほうのくの字クラックにアンダーホールドが見つかったので右手(だったと思う)アンダーで左手を目いっぱい伸ばしたら上のスローパーに届いた。で、マッチして足上げで登れた。ふう~。リードだったらたぶんカムでA0してるな。
3ピッチ目のチムニーもはまりました。ザックをぶら下げるか荷揚げすればよかった。チムニー幅が絶妙に狭いので足が効かせられない。結局1テンして手だけで登ったような気がする。えらい疲れた。スラブのボルトでハングドッグしてしばし休憩した。
あとは怖いところがあったけど技術的にはクリア。
ナイフリッジにボルトが無いのにはびびった。8mくらいのランナウト。
リードはスリングを岩角に掛けて行った方が良いとおもった。

天気が良くて気持ちの良いクライミングが出来たと思う。
全ピッチリードの水木さんお疲れでした。
ナイスクライミングでした。

*朝トイレに行こうと思って看板にあるトイレを探しに行ったが行けども行けども見つからず。
いったいどこにあるんだろう??

海田、小林

延び延びになっていた雪訓を片付けようと出かけたけど、今年は本当に雪解けが早くてまいった。

マチガ沢は初夏の様子
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巌剛新道展望台から見たマチガ沢
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ずいぶん上のほうでやっと雪が残っていた。トラバースはキックステップで。
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西黒尾根からスキー場方面。スキー場は4月10日にクローズしていたそうな。
もらいもののマフィンと重ねてみた
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尾根筋にも雪なし
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歩き方のチェックやピッケルの持ち方、耐風姿勢、滑落の初動停止、ピッケルの構え方、キックステップの基本、スリーオクロック、などなどやりながら山頂へ。
装備はまるで雪山ですが、周辺に雪はありません。
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下りはむりやりアイゼン履いて降りました。ザンゲ岩周辺には雪あります。運動靴で降りるのは難しいかも。

巌剛新道分岐までおりてきて休んでいるときに変なもの発見。
東尾根のマチガ沢側のシンセン岩峰の左側。
雪代がスッパリ切れているのかと思ったが、雪代の前に何かあるみたい。
何だろう? 人工物に見えるけど? 谷川岳の下には高速道路や新幹線や鉄道が通っているのでそのためのなにかの施設だろうか?
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登り4時間下り3時間
くだりは長かったなあ。年年長く感じる。

時間が余ったので久しぶりに谷川岳資料館をのぞいてみた。
資料がずいぶん充実していた。
38キロのキスリングを体験できます。





 

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