場所 南アルプス 甲斐駒ケ岳尾白川下流域 刃渡り沢
日時 2013年1月12日(土)
メンバー L高橋 SL柳瀬 平賀 山田 高濱(記)

当初計画では2泊の予定で尾白川坊主ノ沢に入る予定だったが、3連休の最終日14日に南岸低気圧の影響で大降雪が予想されたため、1泊に予定を変更し尾白川下流域の刃渡り沢ほかに転進することにした。しかし高濱が双翼の滝を登攀中、墜落してしまい、一日目敗退となってしまいました。パーティーのみなさんほか在京会員の方にも多大な心配、迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。

(記録)
前夜発、道の駅はくしゅう泊。当日はくもり。車にて尾白川林道を日向山登山口ゲート手前に設けられた通行止め表示地点まで行き駐車。そこから歩いて1時間30分くらいで林道終点。林道終点から沢に降りる。刃渡り沢対岸の幕営適地にテント設営後、10時ごろ刃渡り沢に出発。パーティー編成は(柳瀬・平賀)(高橋・山田・高濱)。
2箇所ロープを出すナメ滝を通過後、双翼の滝に到着。
柳瀬パーティーは滝を左から巻くが、向かって左側の滝の中央右側のラインが氷の密度もあり登れそうな気がしたので高濱リードで行かせてもらう。様子をみて悪かったらやめちゃっていいからな、との高橋さんのアドバイスだった が、取り付き点はすこし水は滴ってはいたものの氷自体はしっかりしたこともあり、ついつい登り始めてしまう。
しかし取り付いてみると、登るごとに水滴の滴りがひどく目をあけるのも辛くなり、落ち口手前では氷の状態もグズグズになる。下から支点をとるよう声がかかるが、悪場を抜けたい一心でアイススクリューをきめられそうな所を探し登るうち、かなりの高さまで登ってしまう。
もう我慢できないとスクリュー支点構築作業のためフィフィでアックスにテンションし、右手を外しギアラックのスクリューに手を掛けた瞬間、左アックスがすっぽ抜け墜落した。墜落距離5m程度。(事故発生時刻11:55頃)

証言では、頭からロープにテンションがかかることなく取り付きのスロープまでどすんと落ちたらしい。墜落直後、周囲の人間に墜落時の状況を説明しようと口を開いていたようだが、本人は落下直後から十数分の記憶はなく、それ以降の記憶も混濁している。後頭部のほか左脇、左肘および左臀部を強打したようで痛いが、意識もあり足は動く ので自力で下山することになる。

高橋さんほかで氷に残されたアックス、スクリューを懸垂下降で回収後、柳瀬さん設置のフィックスロープをたよりにテントまで戻った頃から、やっと記憶がはっ きりしてくる。テント撤収16時、駐車地点到着17時ごろ。帰京後、都内病院で頭部CTと胸部レントゲン検査を受診した。いずれの検査でも特段の異常は認められ なかったが、左肋骨部については痛み、発熱の状況からヒビは入っているだろう、との診断結果であった。

(事故原因)
事故の主要因は、
①周りのアドバイスを聞かなかったこと。
②能力不足(登攀技術,氷の状態の判断力)。
③安全面の不配慮(中間支点の省略およびアックスの固定状況の確認不足など)。
にあると思う。

今回はたまたま運よく大事に至らなかっただけで、普通なら無事ではすまなかっただろう。時間をおいて少し客観的になって考えられるようになって逆に怖くなってきている。
十分反省し復帰に努めます。

(写真)
6:45頃尾白林道のゲート手前に駐車して出発
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本峰
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錦滝(着氷状態はイマイチ)
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林道終点から尾白川に降りて刃渡り沢の出合手前の比較的平坦な場所を整地し幕営する。
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