高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
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「全国展開」発言で説明が二転三転、指示文書提出を要求 [民進加計調査会合]

 27日開かれた民進党の加計(かけ)学園疑惑調査チーム会合は、安倍首相の「(獣医学部を)速やかに全国展開したい」発言を受け、検証の主題が変わった。「広域的に」と入れた山本幸三地方創生担当相の指示文書や、全国展開を指示した文書の提出を内閣府に求めた。

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「総理からとてつもない発言があった」と始める桜井氏(中央左、2017.6.27筆者撮影)

 この日の会合には、萩生田晃一官房副長官と和泉洋人(いずみ・ひろと)首相補佐官の出席を文書で求めていたが、いずれも無断欠席した。萩生田氏には「10/21萩生田副長官ご発言概要」の真偽、和泉氏には前川喜平前文科事務次官の「出会い系バー通い」を報じた5月22日付け読売新聞記事の真偽を確認するためだった。

 安倍首相が24日、産経新聞主催の講演会で「改革推進の立場からは、今治市だけに限定する必要は全くない。速やかに全国展開を目指したい。地域に関係なく2校でも3校でも、意欲のある所にはどんどん獣医学部の新設を認めていく」と発言したことで、検証の主題も変わった。

 冒頭、共同座長の桜井充参院議員はこの発言に触れ、「成功したら広げていくという特区の考え方を全く理解していない。ご自身で『1校に限る』という告示を出したはず。『(獣医学部新設に)私の意向は入りようがない』と言っていたが、総理の影響力があることを立証している」と指摘。「独裁者。民主主義の根幹を分かっていない」と批判した。

 この首相発言に対する見解を関係3省にただした。

 文部科学省の松尾泰樹大臣官房審議官は「文科省は需給の観点から抑制してきた。特区の枠組みの中で今回、1校認めた。今後、さらに獣医学部を創る際には、内閣府・農林水産省と連携し、需給動向を見ながら、特区の枠組みの中で検討していく」と答えた。

 農水省消費・安全局の磯貝保畜産安全管理課長は、活動獣医師のうち産業動物診療と小動物診療の従事者、農林水産分野の公務員が同省の所管にあることを説明し、「家畜、ペットとも減少傾向にあり、獣医は不足してない」と答えた。

 内閣府地方創生推進事務局の塩見英之参事官は「われわれ規制改革を推進する立場としては、1校に限らず、できるだけ門戸を開放したい。さらに特区として2、3校は考えられる」との見解を示した。

 桜井氏は「それなら、特区でない。1校やってうまくいったら全国にというのが趣旨。それが、2校3校にというのは矛盾する。何でもありの暴力だ」と反論した。

 さらに「国家戦略特区の原則は」と問うと、塩見氏は「特区の中で構造改革を行うことで国際競争力を強化し、そして必要であれば検証の上、全国に展開していく」と答える。桜井氏は「そうだ。加計学園の獣医学部は開校してないのに、2校3校やりましょうというのはおかしい」と指摘した。

 「では、1校創ることになった経緯は」と桜井氏が尋ねると、塩見氏は「日本獣医師会からの強い要望があった。1校だけで検証すると決めたわけじゃない」と答えた。

 桜井氏は「全然違う、あなたが言った原理原則に合ってないじゃないか」と反論。安倍首相が「何か指摘があれば、一つ一つ丁寧に説明する努力を積み重ねたい」と20日に発言したことを念頭に、「フェイズ(局面)が変わったんだから、国会を開いてちゃんと説明を」とやり場のない怒りをぶつけた。

 宮崎岳志衆院議員は「先に結論ありきで理屈を作っているからおかしくなる」と述べ、首相の「全国展開」発言に関し、具体的な指示があったかを尋ねた。

 松尾氏は「指示はない」と答え、磯貝氏も「文科相さんと同様」と答えた。塩見氏は「全国展開は当然のこと。できるだけ多くの学校に参加してもらうのは、従来の方針と違っているものではない」と答えた。

 桜井氏は「(16年)12月22日に3大臣が『1校に限る』と合意し、内閣府もサインしている」と返し、逢坂誠二衆院議員は「地域要件が変わったのか」とただした。塩見氏が「そこで言う地域とは」と逃げを打つと、「総理に聞いてきて」と迫った。

 玉木雄一郎衆院議員が「『広域的に』という定義に京都産業大学は入るか」と質問した。塩見氏が「入る」と答えると、出席委員から「えーっ」「めちゃくちゃだ」と罵声が飛ぶ。

 桜井氏は「山本大臣はいろんな地域でどんどんできたら困るから『広域的』という文言を入れたと私に答弁した。だから京産大が落ちた」と糾弾した。民進党が入手した16年11月1日付けメール文書は萩生田氏の指示で『広域的に』の文言が挿入されたことを示しているが、20日の会見から山本地域創生担当相は自分の指示だと罪をかぶっている。

 桜井「広域的の意味を教えて」
 塩見「強調であって、具体的な基準はない」
 桜井「じゃあ、何で入れたのか」
 塩見「『広域的に』の言葉はない場合に比べれば、地域が限定され、いろんな地域が対象に……」

 福島伸享(ふくしま・のぶゆき)衆院議員が業を煮やして口を開いた。

 「『広域的に』と入れさせた山本担当相の指示の資料を出してくれ。答弁能力ないんだから。出なければ、こちらから捜索隊を出す」

 党国対委員長の山井和則衆院議員が「安倍首相の『全国展開』発言で新たな事態に入った」と切り出し、会合前に自民党の竹下亘国対委員長に臨時国会か閉会中審査の開催を求めるも拒否されたことを報告した。

 「これは国民の願いでもあるし、総理は先週月曜日『国会の閉会、開会に関わらず、丁寧に説明していきたい』と述べている。ゼロ回答では、国民にうそをついたことになる」とけん制した。

 首相発言について逢坂氏は、「加計疑惑隠しのために口から出任せを言ったんだ。具体的に検討するよう、指示など出していないのではないか。内閣府は尻ぬぐいをさせられている」と吐露した。

 共同座長の今井雅人衆院議員は、首相発言について「整合性がとれるよう、整理して文書を」と内閣府に提出を求めた。

 宮崎氏は日本テレビ系番組『真相報道バンキシャ!』で安倍首相が「あまりにも批判が続くから、頭に来て言ったんだ。そもそも、加計学園のためにやったんじゃなかったんだから」と再現音声で伝えたことについて、真偽を確認するよう求めた。

 さらに宮崎氏は、今治市に建設中の同獣医学部施設の建築費が坪あたり150万円と、鉄骨造の平均坪単価の倍近い見積もりがされていることについて、文科省に資料提出を求めた。同市と愛媛県は最大96億円の補助金を拠出する議案を可決しているが、建築費を水増しし、全額を賄おうとの疑惑が生じている。

 次回は29日13時から開かれる。あらためて萩生田氏の出席を要請するため、両共同代表と衆参議員の代表者が官邸に申し入れた。

ニュース研究 言論弾圧の進むドイツの現状

 先回は「共謀罪」法案可決を報じた海外記事を通し、わが国より深刻な欧州の市民監視事情に言及した。今回は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じた言論弾圧が進むドイツの現状を報告した『ACTIVIST POST』の記事を紹介し、わが国の現在を考察する。

■「自由」のための家宅捜査

 先回紹介した記事は、英国で「テロ事件」を口実にしたインターネット規制や、ドイツで6歳児から指紋を採られ、スマホを監視されていることに触れていた。欧州の現状はわが国の暗い未来を暗示しているようでならない。

 今回取り上げる記事は、21日に掲載された。SNSへの投稿者が逮捕され、家宅捜索を受けている実態を示している。これは「共謀罪」で市民運動を根絶やしにしようとするわが国の動きと軌を一にしているように思える。

 まずは、「Germany Begins Raiding Homes For “Freedom”」と題する記事の筆者全訳を下に掲げる。

… 続きは、本日のメルマガ『高橋清隆のニュース研究』6月26日号「言論弾圧の進むドイツの現状」でご購読ください。

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逃亡する萩生田氏、「詰んでいる」と桜井氏 民進加計疑惑調査

 52年ぶりの獣医学部新設に官邸の関与があったかを調べる民進党の加計(かけ)学園疑惑調査チームは23日夕、国会内で会合を開いたが、出席を求めていた萩生田光一官房副長官は欠席。共同座長の桜井充参院議員は「詰んでいる」と突き放した。

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官房副長官の欠席を報告する桜井氏(中央、2017.6.23筆者撮影)

 調査チームは、NHKが19日夜の番組で報じた「10/21萩生田副長官ご発言概要」と題する文書の真偽について直接本人に聞こうと出席を求めていた。欠席の場合に求めていた理由文書も提出がなかった。

 同文書の日付は加計学園が実施主体に決まる3カ月前に当たる。「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた。今年11月には方針を決めたいとのこと」「農水相が獣医師会押さえないとね」などと首相官邸の意思を示し、加計学園事務局長の実名まで書かれている。

 萩生田氏は同文書の内容を強く否定し、「強い憤りを感じる」とのコメントしたのみで、事実関係について釈明していない。

 桜井氏は萩生田氏の欠席について、「都議選の選挙応援があるとのことだったが、その応援もドタキャンしている」と報告。出席した内閣府大臣官房総務課長は同文書の内容について、「文部科学省が作成したものなので、お答えを差し控えたい」と責任転嫁した。

 調査チームが入手した16年11月1日内閣府発信のメールには「指示は藤原審議官曰く、官邸の萩生田副長官からあったようです」の文言があり、添付文書と思われる文書には「広域的に」「限り」などの修正が入れられている。これが8日後の国家戦略特区諮問会議での獣医学部新設の基準として盛り込まれた。

 内閣府地方創生推進事務局の塩見英之参事官は、このメールの書き手を「課長補佐以下の人間が、出席した人たちから聞いて、自分の臆測も入れて書いたものだと思う」と説明し、内閣府の藤原豊審議官と萩生田氏の記述部分を否定した。

 桜井氏は「こんな思い違いをしていたとしたら、大変なこと。書いた担当者は処分の対象になるはず」と皮肉った。日本獣医師会から「広域的」に限るよう要請された文書や、京都産業大学との比較検討した痕跡を残す資料の提出を求めていたことに対し、内閣府職員は小さな声でのらりくらりと説明を続けた。

 桜井氏は「特区で官邸に行ってるのは、今治市だけ。課長と課長補佐が。何らかの力が働いているのは明らか。平成30年までのスケジュールや共有メールに書かれた通りに事態は進んでるじゃないか。将棋で言えば詰んでいる。『負けた』と言わないだけ」と突き放した。

 元総務官僚の小西洋之参院委員は16年11月1日付けメールに添付されたと思われる添削文書について、中段以下の「修正理由」がばっさり削除されていることに言及。「文部科学大臣が書いたり認めたりした文言に、『削れ』と言えるのは官邸だけ」と断じた。
 
 調査チームは27日午後も会合を開くことを決定。内閣官房と、一度も出席してない藤原審議官の出席を要請するとともに、萩生田氏に官邸での面会を申し入れる方針。

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NHKが19日暴露した萩生田発言文書

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11月11付けメールに添付されたと思われる獣医学部設置の根拠[文科省修正案]

遅いマイブーム

 私は、いつも流行遅れだ。テレビや映画の視聴については、特にその傾向が顕著である。その原因は自分の潜在意識にありそうだ。

 NHKの朝ドラ『あまちゃん』は二〇一四年前期に放送されたが、見たのは同年の暮れ。アルバイトも辞め、昼間から缶ビールを手にぶっ続けでネット動画を再生した。無関係な自分の過去を連想し、何度も泣きながら。年が明けると、今度は楽しかった実家での年末年始を思い返しながら、紅白歌合戦の「あまちゃんコーナー」を何度も見た。

 しかし、こんなのはかわいい方だ。マスコミ批判や亀井静香氏に関する本を三冊出したが、全く売れず、失意にくれた二〇一二年ごろから、自宅にこもって夜な夜な酒をあおる陋習(ろうしゅう)が根付いた。最初に見ていたのは、ZOOの『choo choo TRAIN』やTRFの『寒い夜だから』などのPV。二十年以上遅れている。

 発表当時は、これらが嫌いでしかたなかった。前者は郷里の新潟に舞い戻って来たばかりのころで、嫉妬もあったのだろう。たまに東京に行くと帰りにスキー客がいちゃいちゃ騒いでいるのを見て、無性に腹立った。後者は東京でサラリーマンをしていたころで、街で彼らの音が聞こえてくる度、早く共産主義にならないかと思った。

 ドリカムにはまったのは、〇七年暮れから。この年の春に開かれた四年に一度の『史上最強の移動遊園地』を知らなかったことを悔やんだ。浦和レッズサポーターになったのは一九九三年末。前年までの天皇杯で三菱を応援しに行かなかったことを後悔した。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に魅了されたのも半年遅れだ。

 そのときの流行に浴さないのは、人間嫌いのせいだろう。一緒に騒げば、批判したい他者と同じになってしまうから。しかし、時間差は着実に縮まっている。大衆への憎悪が少しは減ってきた証しかもしれない。

「腐った検察変えるには政権交代を」、市民と識者が訴え

 森友告発プロジェクトが主催する「安倍はやめろ!! 緊急市民集会」が21日、参院議員会館講堂大講堂で開かれ、安倍昭恵氏らを告発中の大口昭彦弁護士や「オールジャパン平和と共生」運営委員の植草一秀氏らが演説。警察・検察の恣意的な現状を是正するには、政権交代しかないとの意見が相次いだ。

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安倍退陣の大衆運動を呼び掛ける大口氏(2017.6.21筆者)

 「フォーラム4代表」の古賀茂明氏は「ここに来た人は森友学園や加計(かけ)学園をめぐる問題や安倍政権の危険性を分かっていると思うので、今さらこうした問題について私が説明するまでもない。ここに来ない人たちを、いかにわれわれの仲間にするかということに力を入れなければ」と提起した。

 日本会議の勧誘のうまさを紹介しながら、「われわれも謙虚に人の話を聞かなければ」と主張。前川喜平前文部科学事務次官やそれに続く文科官僚による匿名の内部告発を絶賛し、「次はぜひ、1人くらい顔を出してもらい、ここにも来てもらいたい。われわれはこういう人を応援し、守ろう」と提言し、拍手を浴びた。

 社民党副代表の福島瑞穂参院議員は3月13日の予算委員会で加計学園について質問した際、安倍首相が「福島さん、責任を取れるんですか」と応じたことに触れ、「何も言ってないのに、1人で逆上した。あれで国民は、心証的に安倍さんが黒だと分かった」と切り出した。

 19日にNHKがスクープした文書「10/21萩生田副長官ご発言概要」に触れ、「萩生田官房副長官はうそをついている。彼が具体的に指示しているし、安倍総理がそう言っているってことじゃないか」と指摘。「責任を取ってもらおうではないか」と主張した。

 さらに福島氏は「総理のご意向」などと書かれた一連の文書を菅官房長官が「怪文書」と断じていたことや、森友問題で安倍首相が「私や妻が関わってたら、総理大臣も国会議員も辞める」と発言したことを挙げ、「関与は明らか。辞めてもらおう」と訴えると、「そうだ」と歓声が沸いた。

 植草氏は市民活動家、かむろてつ氏の「戦争・搾取・弾圧が安倍政権の真三本の矢」との定義を引用し、「戦争法制やTPP、共謀罪法にしても、その通りに動いている」と指摘した。

 ジャーナリスト、山口敬之による準強姦事件で告発状を受理した高輪警察署が逮捕状を作りながら中村格(いたる)警察庁刑事部長(当時)が握りつぶした件について、「私が高輪署に無実の決定的証拠になるエスカレーター上の防犯カメラ映像の提出を求めたのに、10日たって『消えた』と言われた。政権の邪魔になる者はでっち上げ逮捕する一方で、お仲間は犯罪をしても無罪放免される。この腐った警察・検察の体制を変えるには、政権そのものを変えるしかない」と訴えた。

 芸術家で映画監督の増山麗奈氏は、「共謀罪」法の成立でいつ、誰もが逮捕されかねない状況であることを指摘。沖縄の基地建設反対運動のリーダー、山城博治さんの「たった1人仲間が奪われても、われわれは命懸け得取り返しに行かなければいけない」との言葉を引用し、「籠池さんの所にガサ入れが入った。もちろん不正は追及されなければならないが、ただ1人犠牲にされた彼を今、私たちは助けなければならないのでは」と訴えた。

 さらに増山氏は、選挙プランナーの斉藤まさしさんが公職選挙法違反の容疑で逮捕され、「未必の故意による黙示的共謀」を理由に有罪判決を受けたことについて「共謀罪の前哨」と指摘。「一方で、お仲間だけは口封じ。子供たちの未来が盗まれている。安倍政権を倒した後、きれいな人に立ってもらうのがゴール」と強調した。

 大口氏は、自身が弁護人となって5月に安倍昭恵氏や迫田英典前財務省理財局長ら4人を国家公務員法違反と背任罪で告発したことを報告。「告発状は預かりになっているが、これを受理させる活動をしている。植草さんがおっしゃった通り、警察や検察は腐っている。籠池さんだけが標的にされた」と同調。

 学校予定地の大阪府豊中市の国有地について、「大阪航空局と近畿財務局は地中にごみがあるとして瑕疵担保責任、売り主責任で8億円の値引きをした。しかし、値引きのための巧妙なタクティクス(戦術)で、ごみなどない」と両断。「自分たちに盾突く者に対してはどんなに無理な案件でも立件に持ち込むくせに、政権を脅かす告発状は受理しない。大衆運動として、彼らに退陣を迫る武器の1つとして、この告発を位置付けている」と説明した。

 『インサイダー』編集長の高野孟氏は開口一番、「こんな世の中を、子や孫に残して死ねるか」と発言。最新の『週刊ポスト』誌に「不潔な、あまりに不潔な安倍政権の恥部——先人の政治作法を完全に捨て去った」の見出しが躍ったことを挙げ、「国民の空気が変わった」と指摘した。

 「前川前次官の毅然とした態度や文科省からの告発文書に対し、官邸は完全に対処を誤った。もみ消そうとしたがしきれない。内閣支持率は15年の『戦争法』成立直後と同様に低くなったが、自民党議員からは『今回はやばい』との声が聞こえている」と明かした。「安倍さんも、菅さんも、人格的に汚いから、支持者を説得できていない。堤防に穴が開いた状態」と強調した。

 その上で高野氏は、「日本では三権分立が確立していない」と提起。韓国の朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾劇や米国でトランプ大統領の意向に反しロバート・マラー元FBI長官が特別検察官に任命されたことを念頭に、「日本も行政権力を手助けするばかりでない司法を見せてくれという闘いを」と訴えた。

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警察・検察の腐敗を糾弾する植草氏(2017.6.21筆者)

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福島氏の話を聞く会場いっぱいの市民。補助椅子も足りず、立ち見も(2017.6.21筆者)

「安倍内閣倒す共謀あるなら共謀を」と福島氏

 「共謀罪」法の廃止と安倍内閣の退陣を求める大規模なデモが19日夕、国会前であり、福島瑞穂参院議員(社民)は「安倍内閣を倒す共謀があるなら、みんな参加して共謀して、連帯していこう」と呼び掛けた。

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市民期待の中、安倍内閣の悪政を両断する福島氏(2017.6.19筆者撮影)

 国会議事堂正門前には、数千人の市民が集まった。「共謀罪は絶対廃止」「強行採決憲法違反」などのコールと主催者あいさつの後、野党国会議員が演説した。

 この中で福島氏は、安倍政権が「共謀罪」法の成立を急いだ理由について「安倍首相は加計(かけ)問題、森友問題を追及されたくないから18日に会期を終えたかった。でも、共謀罪は通したい。そのため、中間報告というとんでもないやり方で本会議で強行に採決した」と指摘。「そのことに対し、全身で抗議したい」と宣言し、拍手を浴びた。

 7月11日にも施行される同法の廃止と「作動させない」ことを主張した後、1968年にベトナム反戦運動で共謀罪容疑を掛けられ、裁判で無罪になった「シカゴ・セブン」に言及。「彼らは、もしも戦争を終わらせる共謀があるのなら、自分たちもその共謀に参加しなければならない、と言った。今、まさにそのときではないか。安倍内閣を倒す共謀があるなら、みんな参加して共謀して、連帯していこうではないか」と呼び掛けた。

 同日夕、安倍首相が記者会見したことに触れ、「ふざけるなと言いたい。話したいことがあるなら、国会でやりなさいよ。反論する野党議員がいない中で、べらべら、べらべら自分の都合のいいことだけ。卑怯者」と突き放した。

 加計疑惑について「水曜日、萩生田官房副長官に『安倍総理と加計孝太郎理事長が腹心の友だと知っていたか』と質問したら、『最近、報道で知った』と答えた。しかし、2013年5月に3人でゴルフした後、河口湖にある安倍総理の別荘でバーベキューしている。萩生田氏は(加計学園傘下の)千葉科学大学の客員教授で、強固なトライアングルではないか」と糾弾した。

 さらに福島氏は、自民党が加計学園の獣医学部新設などについて国民に丁寧に説明するよう政府側に求め、菅官房長官も「丁寧に対応したい」と答えたことを挙げ、「丁寧に説明したいと言うなら、われわれ野党は前川事務次官の証人喚問を要求する」と訴えた。

 安倍首相が2020年までに憲法改正する意思を示したことについては、「戦争法の合法化。憲法9条を破壊させてはならない」と徹底抗戦の構えを見せた。

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「国家の私物化許さない」と安倍首相の退陣を求める市民(2017.6.19筆者撮影)

ニュース研究 海外は「共謀罪」成立をどう見たか

 共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織犯罪防止法案が15日、「中間報告」の名の下、参院法務委員会での審議を省略して本会議で可決・成立した。わが国でのこの動きは海外でどう見られているのか。今回は同法成立を報じた独立系メディア『ACTIVIST POST』の記事を紹介する。

■“五輪前に未然犯罪一掃の監視法”
 紹介するのは、15日配信の“Japan Imposes Sweeping Pre-Crime Surveillance Law Ahead Of 2020 Olympics”と題する記事。まずは、筆者による全訳を下に掲げる。
… 続きは、本日のメルマガ『高橋清隆のニュース研究』6月19日号「海外は『共謀罪』成立をどう見たか」でご購読ください。

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『週刊金曜日』にTPP訴訟の拙稿が掲載


 『週刊金曜日』6月16日号「金曜アンテナ」に拙稿「TPP違憲の訴訟で不当判決、『憲法の番人を放棄』」が掲載されました。お近くの書店でご覧ください。

■参考サイト
『週刊金曜日』同号目次

「闘いは今日から」と安倍政権打倒を誓う 野党・市民が国会前

 「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪防止法案が15日午前7時すぎ、参院本会議で可決・成立した。反対票を投じた野党議員は国会議員会館前で夜を徹して抗議を続てきた市民の前に姿を見せ、継続した共闘による安倍政権打倒を誓った。

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「市民と野党の共闘で安倍政権を倒し、新しい政治を創ろう」と呼び掛ける小池氏(左)と、それに拍手で応える野党議員ら(2017.6.15筆者撮影)

 「強行採決徹底弾劾」
 「採決無効」
 「憲法違反の法律無効」

 午前7時すぎ、伊達忠一議長が同法案の可決・成立を告げた情報が流れると、議員会館前に陣取る市民のシュプレヒコールはかえって勢いを増した。程なく、闘いを終えた野党議員らが肩を落として現れた。

 共産党の小池晃書記局長は「参院のやり方は、本当にひどい。中間報告と称して審議を委員会から取り上げ、本会議での採決に持ち込むとは。これは究極の審議拒否であり、究極の強行採決だ」と批判した。

 「なぜ、安倍政権はこんなことをするのか。加計(かけ)疑惑や森友疑惑の真相にふたをし、1日も早く国会を閉じるため。この重大な問題をあやふやなままにすることは、絶対に許すわけにはいかない」と訴えた。

 糸数慶子参院議員(沖縄の風)は、涙ながらに演台に立った。「まだ私の質問時間が残るのに、質問を封じられた」と嘆いた。先の戦争で沖縄県民の4人に1人が亡くなった歴史や米軍基地反対運動に対する不当な弾圧に触れ、「平和を愛する国民が、今の政治は間違っていると声を上げることを封じるのが共謀罪法。悔しくて悔しくて、どうしようもないが、夜を徹し反対した皆さんの動きは希望につながる。皆さんと力を合わせ、頑張っていきたい」と声を振り絞った。

 福島瑞穂参院議員(社民)は、牛歩戦術を採った7人のうち、自身を含む3人の青票(反対票)が議長の決めた2分の投票制限時間を過ぎたため無効にされたことを報告。「本当に悔しい。議長の『時間です』の声が聞こえなかった。怒りを表明したい。おかしいですよね」と同調を求める一方、「これからは凶暴な共謀罪が作動しない闘いを展開しなければ」と主張した。

 野党連携については「選挙共闘以前に、安倍内閣を早く倒したい。憲法9条の解体を表明し、国民に対する愛情などないじゃないか。この凶暴な安倍内閣を支持するイエスマン・イエスウーマンばかりの与党はおかしい。私たちは絶対に許さない」と語気を強めると、喝采を浴びた。

 山本太郎参院議員(自由)は演台に乗るなり、「最悪の法案を通したことをお詫びする」と四方に頭を下げた。「しかし、法律は廃止することができる。先輩の先生方と1つになって政権交代すれば、安保法制や特定秘密保護法、消費税、労働者派遣法、原発も廃止することができる。皆さんの声援を胸にパワーアップして、悪法をひっくり返す力をつくっていこう」と訴えた。

 有田芳生(ありた・よしふ)参院議員(民進)は開口一番、「私たちの闘いは今日、ここから始まる。共謀罪は廃案にできなかったが、安倍政権を倒す闘いに、共にスクラムを組んでいこう」と呼び掛けた。

 「議席数が少なければ、最後はつらい思いになることを身に染みて感じている。都議選で野党が大きな勝利を挙げ、やがて来る衆院選で共産、社民、自由、民進、沖縄の風の共闘による政権交代の流れをつくっていこうではないか」と訴えた。

 およそ30人ほど集まった野党議員らは歩道を陣取る市民の前で手をつなぎ、上げて見せた。

 「頑張ろう」「頑張ろう」の掛け声に続き、市民と議員によるコールが始まった。

 「安倍政権をみんなで倒そう」
 「共謀罪は必ず廃止」

「共謀罪法案は中身も手続きも違法」と海渡氏

 内心の自由を裁く「共謀罪」法案の審議は15日未明、参院法務委員会の審議を省略して本会議に諮る中間報告の動議を経て午前5時40分すぎ、同法案の質疑と討論が始まった。国会議員会館前では、引き続き市民の抗議活動が展開されている。

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海渡氏(左)と高田氏(2017.6.15.5:50頃、筆者撮影)

 海渡雄一弁護士は中間報告について、委員会で議院の会議に付することを要しない場合を定めた国会法56条の3を引用し、「この条文は緊急の必要性を定めたもので、政府・与党側は提案理由を説明していない。多数議席を背景に投票するだけ」と疑問を呈した。

 「共謀罪」法案について「内容も憲法違反、手続きも違法」と指弾。「安倍政権を倒すことと、共謀罪や戦争法、特定秘密保護法などの悪法廃止運動と一体となって進める必要がある」と主張した。

 「総がかり行動」の高田健氏は「共謀罪」法案の審議について、「どうしてこんなに急ぐのか。それは、安倍政権が戦後レジームからの脱却を目指しているからではないか」と指摘した。

 戦後70年間、わが国は海外で戦争せず、戦争に巻き込まれなかったことを挙げ、「安倍総理は2020年までに憲法9条を変えると表明している。戦争法、共謀罪、憲法改正は1セット。これまでと全く違った日本にする企てを私たちは絶対に許さない。これからの70年間を守るのはわれわれの責任。最後の最後まで戦いましょう」と呼び掛けた。

 すっかり明るくなった議員会館前で、市民は「共謀罪は今すぐ廃案」「強行採決絶対反対」「安倍政権をみんなで倒そう」「今すぐ退陣」などと、質疑と討論の行われている国会に向け、声を振り絞っていた。

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国会に向け抗議のコールを送る市民(2017.6.15.5:55頃、筆者撮影)

「言葉が安倍政権を覆すこと信じてる」と山尾氏

 衆院本会議で内閣不信任決議案が否決された15日午前2時すぎ、国会議員会館前に姿を見せた山尾志桜里衆院議員(民進)は徹夜で抗議する市民に「私たちが紡いできた言葉が最後に安倍政権を覆す力になる」と、引き続き結束を求めた。

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言葉の力を強調する山尾氏(左、2017.6.15午前2時すぎ、筆者撮影)

 山尾氏は今国会の初めに安倍首相が「100の言葉より1つの結果だ」と発言したことを取り上げた。

 「こんなことを言わせていいのか。言葉は思考であり、言葉をやり取りすることで私たちは違いを知り、思考を豊かにできる。この国会で安倍内閣がもたらしたものが森友問題、加計(かけ)問題に代表される、お友達であれば土地が8億円値引きされ、52年ぶりに獣医学部が新設できる特権。一方、共謀罪法案はテロから市民を守る法案と言いながら、現実は皆さんのような物言う市民から権力を守る法案と確信するに至った。こういう法案を通すわけにはいかない」と主張した。

 不信任決議案が数の力で否決されたことを報告し、詫びた後、「でも、私たちは皆さんと一緒に諦める気はない」と表明。「衆院第二議員会館の723の部屋で皆さんの声を聞いてきた。物言う市民の皆さんと私たちの声がつながれば、立法府に何かが残せると信じている。局面が変わるとき、私たちが紡いできた言葉が最後に安倍政権を覆す力になると信じている」と述べ、結束して闘いを続ける重要性を強調した。

徹夜で抗議の市民、「大事な法案、気になって」 国会前

 共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織犯罪防止法案の参院法務委員会での審議が中間報告の動議で本会議採決へ移ろうとしている15日午前零時すぎ、国会正門前では、「未来のための公共」の抗議集会を終えた市民が居残っていた。

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国会正門前(2017.6.15午前零時すぎ、筆者撮影)

 東京都渋谷区から友人と来た46歳の男性は、「こういう大事な法案が通るとき、みんなどうしているのか、気になって」と駆け付けた動機を吐露した。

 「午後、テレビで見ていて、国会の動きが10分おきに二転、三転する。人々が寝静まった午前2、3時に採決してしまおうとの魂胆がありありと見えた」と話す。

 政治の現状について男性は「(11年の)震災以来、国家の動きが確実にファシズムに向かっている。共謀罪法案のような、こんなおかしなものが通ってしまうのは、以前なら信じられない。結局、行動しないと駄目だと思った」と語る。

 徹夜を覚悟で来たのかと問うと、「さっき来たばかり。来るのが遅かったんで、始発まではいようと思う。行き当たりばったり」と意に介さない様子だった。

 正門前は人が徐々に引けていったが、衆院本会議で内閣不信任決議案の採決が始まると、国会議員会館前では「野党は問責決議を連発せよ」「牛歩、牛歩」などのコールや三線などに乗せた平和を祈る歌が響き、それぞれの様式で戦争国家へ向かう安倍政権に抗議している。

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国会議員会館前(2017.6.15午前1時半、筆者撮影)
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著者プロフィール


反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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       高橋清隆

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