高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

臓器移植報道の真意

 埼玉医大総合医療センターに入院する10歳未満の男の子が4月21日、脳死と判定され、家族が臓器提供を承諾したとの報道があった。扱いこそ小さいが、日本新聞協会加盟の各紙・各テレビが伝え、いずれも臓器移植を歓迎する内容。その目的は、悪魔教徒に鮮血や臓器を捧げるのを促すことと確信する。

■提供者の少なさあげつらう報道

 4月22日付毎日新聞夕刊によれば、日本臓器移植ネットワークが発表した。記事を読む限り、脳死と判定された男の子の臓器提供に関する意思は不明である。同日のNHKウェブ版の記事によれば、家族は「息子から生きる意味を学び、そして『生きたい』という意思を強く感じ、家族で話し合った結果、臓器提供を決断しました」と話している。

 摘出された臓器は、心臓が国立循環器病院研究センターで10代の男の子に、肺が福岡大学病院と東京大学医学部付属病院でそれぞれ50代の女性に、肝臓が国立成育医療研究センターで10歳未満の女の子に、膵臓(すいぞう)と片方の腎臓藤田保健衛生大学病院で30代女性に、もう片方の腎臓が防衛医科大学校病院で60代男性に移植されるとしている。

 2007年に施行された臓器移植法は10年7月、15歳未満の脳死臓器提供を可能とした改正法が施行された。それ以降、15歳未満の提供は12件あった。

 4月19日の東京新聞電子版には、「40歳代の男性 445例目の脳死判定 壬生で女性に移植」と題する記事が載った。日本医大多摩永山病院(東京都)に入院していた40代男性が17日、脳死と判定され、肺は獨協医大病院(壬生)の40代女性と東京医大病院の50代男性、肝臓は名古屋大病院の40代女性、膵臓と片方の腎臓は千葉東病院の50代男性、もう片方の腎臓は東京女子医大病院の60代男性にそれぞれ移植するとの内容。心臓と小腸は「医学的理由」で断念したという。

 同記事に「男性は書面で臓器提供の意思を示していなかったが、家族が承諾した」とある。

 臓器提供に関する報道は執拗で、一貫してこれを奨励する内容になっている。
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「安倍さんの存在が憲法違反」と森裕子氏

 自由党の森裕子参院議員は26日夕、安倍首相が同日、憲政記念館で開かれた憲法施行70周年記念式典で憲法の基本原則を尊重しつつも改憲に意欲を見せる祝辞を述べたことについて、「そもそも安倍さんの存在が憲法違反」と批判した。

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「権力はその気になれば何だってできる」と訴える森氏(2017.4.26筆者撮影)

 参院議員会館内で開かれた「共謀罪を考える超党派の議員と市民の勉強会」に出席した森氏は、午後1時から開かれた式典での安倍首相の発言に触れ、「衆参両議長と違い、『憲法の3原則は守る。しかし……』と続け、憲法を変えたいとの本心がにじみ出ていた」と評した。

 同勉強会の呼び掛け人の1人でもある森氏は、司会を務める福島瑞穂議員(社民)に向き、「そもそも、安倍さんの存在が憲法違反だ。加計(かけ)学園の質問をしたとき、質問権を封じる恫喝のような答弁をした」とやり玉に挙げた。

 「これは憲法63条違反。蓮舫さんや共産党の質問に対しても、『何回同じことを聞いたら分かるんですか』『午前中の質問を聞いてなかったんですか』などと答弁を拒否している」と強調した。

 さらに森氏は、2013年6月24、25日の参院予算委員会で安倍首相を含む閣僚と与党委員が欠席したことも憲法違反だと指摘した。

 その上で森氏は、共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法について「これができれば、戦争できる法律が全て準備できたことになる。この政権の暴走を止めなければ」と訴えた。

 憲法第63条は、総理・閣僚の議会出席と答弁の義務を定めている。

 社民党の福島氏が3月13日の参院予算委員会で「加計学園が獣医学部を創りたがってるのは知っていたか」と質問した際、安倍首相は「特定の人物、あるいは学校の名前を出している以上、何か政治によってゆがめられたという確証がなければ、その人物に対して極めて失礼ですよ。あなた、責任取れるんですか」と色をなして抗弁した。

 13年6月に閣僚と与党議員が参院予算委員会を欠席したのは、審議を遅らせることで野党の問責決議を誘発し、翌月に控えた参院選で「ねじれ国会の解消」を国民にPRしたい思惑があったとみられる。

「トランプを羽交い締め」「地位協定改定や安保(廃止)も」、亀井・興起節が炸裂 『月刊日本』激励会

 創刊21年を迎える保守系言論誌『月刊日本』(主幹・南丘喜八郎)を叱咤(しった)激励する会が24日夜、東京都内で開かれ、来賓の亀井静香衆院議員や小林興起元衆院議員は「総理は羽交い締めしてでもトランプに軍事制裁をさせてはいけない」「憲法の押し付けをやめろというなら、日米地位協定の改定と安保条約(の廃止)も」などとマスメディアが扱えない正論をぶっ放した。

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衆院議員最長老(80)になった今も、亀井節は健在(2017.4.24筆者撮影)

 最初にあいさつに立った亀井氏は、開口一番「今の日本、くだらねえメディアばかり」と両断した。「反権力のにおいをなくしたら、言論機関と言えないが、残念ながら、そんな状況になってきている」と嘆いた。

 小学3年で敗戦を迎えた亀井氏は戦前に思いを馳せ、「当時、何が一番問題だったかと言えば、言論の自由がなかったこと」と提起。東条内閣の戦争継続に反対した中野正剛衆院議員の自刃を引き合いに「暗い時代だった。今の日本も、残念ながらそう」と権力迎合を強める新聞やスキャンダルにきゅうきゅうとする雑誌を批判した。

 「そんな中で、南丘さんは誰に対してでも言論の場を提供し続けている」と持ち上げ、「別に偏っているわけじゃない。一般のメディアが載せない人たちの意見を載せるから偏っているように見えるだけ」と擁護した。

 国際政治に触れ、「トランプ(米大統領)や習近平(中国国家主席)、プーチン(露大統領)というエゴの塊が日本を食い物にしている。日本がその大国に尻尾ばかり振って、事なかれ主義でやっていけるのか。そういう状況下で、トランプが北朝鮮を軍事制裁と称して占領した場合、日本列島は完璧にアウト」と警告した。

 北朝鮮が「建軍節」の25日にもミサイル発射する恐れがあると報じられ、一般の国民の間に危機感が広がっている。「ここはみんなで、自分の国のエゴを通しまくってくる国に対し、独立国家として異を唱えるべき。総理は羽交い締めしてでも、トランプに軍事制裁を加えさせてはいけない」と主張した。

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郵政民営化阻止に議員生命を賭し、一貫して日本の独立を唱える小林氏(2017.4.24筆者撮影)

 終盤に登壇した小林氏は、マイクを取るなり「小林興起を大衆の前でしゃべらせるマスコミは、『月刊日本』しかない。なぜなら、私は本当のことを言うから。どアホウのテレビや新聞に書いても、1行も載らなかった」とぶちまけた。

 旧通産官僚出身の小林氏は、森友学園疑惑について「総理夫人に、なぜ国家公務員を付けるのか。不正を働けということでしょ。電話が来れば、総理から電話が来たのと同じ。奥さんから恨みを買ったら、総理に恨みを買うよりもっと怖い。世の中の常識」と解説した。

 さらに「電話を受けた役人が『これは総理夫人のお考えですか』と聞くばかがいるか。『できるだけ意向に沿います』というはず」と強調。ごみの埋設を理由に9億5600万円の国有地を1億3400万円に値引きした異常さを挙げ、「総理夫人付き秘書官をやめさせよ。戦後の歴代権力者だって、田中角栄だってやらなかったこと。めちゃくちゃ」と糾弾した。

 マスコミが政権広報を務める現状を「日本は落ちるとこまで落ちた」と突き放した小林氏は、「トランプはなかなかいいことを言っているから、日本も言いましょう」と安全保障政策に言及した。

 「日本は占領が終わっていない。占領下では、憲法押し付け以外に日米安全保障条約と日米地位協定が結ばれた。これらは1セット。憲法の押し付けをやめろと言うなら、地位協定の改定と安保条約(の廃止)も。冷戦が終わってどの国が怖いかと言えば、米国じゃないか。米国と仲良くするための日米同盟は必要だが、日米同盟さえあれば、ロシアや中国、韓国、北朝鮮を含め、日本を攻める国などあるわけない」

 その上で小林氏は、「こういう話は『月刊日本』しか書かない。日本ではまれな雑誌」と絶賛した。

■参考サイト
『月刊日本』ウェブサイト

ニュース研究 現金強奪報道の真意

 福岡市で20日、貴金属販売会社の男性が現金3億8000万円余りを強奪されたとの報道が一斉にされた。翌21日には、東京・銀座で現金7200万円の入ったトートバッグが狙われ、うち4000万円が奪われた事件が報じられた。

 一連の報道の目的はずばり、現金廃止の必要性を大衆に刷り込むこと。その先にはICチップの人体埋め込み計画が控える。

■現金所持を掣肘する両事件

 福岡の事件は、銀行の駐車場で起きた。被害者の男性が1人でいたところ、スプレーを顔に吹き付けられ、引き出したばかりの現金の入ったスーツケースを2人組に持ち去られた。

 銀座の事件は、男性が貿易関係の取引を終え、バッグ2つを持って1人で歩いていたところを襲われた。数メートル先には犯人の仲間と見られる人物がバイクで待機していたと伝えられる。

 いずれも犯人は、事情を知っていたものと思われる。福岡の事件被害者は、金塊を購入するために現金を引き出しに銀行に寄った。私は公安の関与を疑う。4億円近い金塊が動くことを、公安が追跡していないはずがない。地金の移動が監視対象であることを、私は内閣調査室のOBから聞いた。

 銀座の事件も、有価証券か希少金属を現金化した直後と解す。2つのバッグのうち1つは手を付けられておらず、どちらに現金が入っているか犯人は知っていたと思われる。しかし、4000万円もの現金を持ち合わせている民間の事業所など普通、あり得ない。

 福岡で事件のあった夜、福岡空港で韓国人の男4人が関税法違反(無許可輸出予備)で逮捕されている。彼らが真犯人かどうか、私には分からない。ここで重要なのは、彼らが犯人かどうかではなく、巨額の現金強盗事件が報道されたという事実である。もちろん、お茶の間に伝えられる筋書きの大半はうそだと思っているが。

 リードに挙げた2つの報道だけでも、1人で多額の現金を持ち運ぶのを掣肘(せいちゅう)する効果がある。しかし、それ以上の意図を感じる。すなわち、現金廃止の企てとICチップの埋め込みへの誘導である。

■金券・貴金属めぐる悪宣伝全開

 これらについては、4/10号「現金廃止計画がIMF文書に」および3/28号「那須雪崩遭難事故報道の真意」で扱ったばかり。同じネタが続くのははばかれるが、同様の事件が連日トップで扱われ始めた以上、ニュース研究者として頰かむりするわけにはいかない。支配権力は彼らが勝手に作った計画通りにアジェンダを遂行しなければと焦っているのだ。
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『月刊日本』に加計学園の拙稿が掲載

 保守系言論誌『月刊日本」5月号に拙稿「加計学園・獣医学部新設の闇」が掲載されました。「国家戦略特区に群がる政商たち」の特集内で、6ページ強を割いています。

月刊日本 2017年 05 月号 [雑誌]
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2017-04-22


 記事の目玉は、加計孝太郎理事長が2014年3月13日、日本獣医師会を訪ねた際のことを顧問の北村直人元衆院議員に確認したこと。北村氏は面会の事実を認めた上で、「今井(尚哉総理首席秘書官)に言われたかどうか分かりませんが、会ったという既成事実をつくっておきたかったのでしょう」と答えた。紙幅の関係で割愛したが、さらに「そうすれば、事務方は忖度してやっていくと想像できるから」と続けている。

 同号は22日から全国の書店に並んでいます。ぜひ、手にとってご覧ください。

月刊 日本 2017年 05月号 [雑誌]
月刊 日本 2017年 05月号 [雑誌]

洗脳ドラマも役に立つ

 昨年はやったTBSドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』を今さら見ている。国民生活を疲弊させる経済政策を正当化し、生き残りに意識を向けさせる宣伝(プロパガンダ)と確信するが、幸せへの憧れを喚起するからだ。

 このドラマは、院まで出て派遣切りに遭った女性が、システムエンジニア(SE)の男性宅で住み込み家政婦として働くため、契約結婚をする物語。「ニュース研究:戦時ドラマの横行」で洗脳ドラマであると指摘した。題名中の「逃げる」とは、深刻な経済状態の中で選択の余地のない決断をすることを指す。和製『青いパパイヤの香り』である。

 きちんと見ると、ほかにも洗脳ドラマの根拠があった。放映されたのは米大統領選のころだが、親友のシングルマザーの子供の名は「ヒラリー」。ケネディー駐日大使の『恋ダンス』も話題になった。しかし、見終えると、必ずいい気持ちになる。かわいい女性との甘い生活を疑似体験できるからだろう。手の早い「イケメン」男性とのやり取りを除けば。

 星野源演じる「平匡(ひらまさ)さん」は、私と重なる。自尊感情が著しく低く、嫌われる前から身を引きたがる。「青明大学文学部」を出たこんなかわいい女性が自宅にいるなら、悪政も書くことも、もはやどうでもいいように思える。サラリーマンになって「ただ腹を空(す)かせて、君の元へ帰」りたい。

 私はこのドラマを2回通して見て、木造アパートから1LDKのマンションに引っ越そうと思った。しかし、疑念が頭をよぎる。平匡さんは京大卒だが、私は三流私大の学部しか受からなかった。SEは高給取りだが、私は金にならない記事を書いているだけ。

 職安で求人を見付け応募するが、次々と落ちる。仮に採用が決まれば、読者を落胆させるかもしれない。マンションに越しても、女性が来ない可能性も。独身に甘んじている原因は、平匡さんを上回る自尊感情の低さのようだ。潜在意識に肯定感を植え付けるため、もっと見る必要がある。

日本は欧州案を丸のみか 日欧EPA

 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)を主題にした勉強会が17日、参院議員会館内で開かれ、同協定締結で日本政府が訴えられる危険性が高まることや、日本側がEU案をすでに丸のみしている可能性が指摘された。

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TTIP反対で300万人が請願署名したと報告するルシル氏(2017.4.17筆者撮影)

■2つのメガ協定で日本も被告に

 この勉強会は「TPPを批准させない!全国共同行動」が急きょ企画した。日欧EPAの締結を目指した首席交渉官会合は5日まで、東京で開かれていた。

 報告したのは、欧州のNGO「シアトル・トゥー・ブリュッセル・ネットワーク」(S2B)代表のルシル・ファルギエール氏とNPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表の内田聖子氏。いずれも同交渉の秘密性と協定内容の危険性を指摘した。

 S2Bは欧州16カ国に30の構成組織と、ほかに数百の協賛団体を持つ。ルシル氏は米国とEUの貿易協定(TTIP)に反対する欧州の運動間の調整・連携を担当している。

 ルシル氏はTTIPの懸念事項として、秘密主義や「新世代の貿易協定」である点、遺伝子組み換え作物(GMO)や農薬、食品の安全基準への影響、企業のための司法制度、小規模農民に対する脅威、データ保護とインターネットの自由、公共サービスを挙げた。

 その上で「TTIPでの懸念は全て、日本との協定でも言える」と指摘。秘密主義に関して「日本より欧州の方が少しましかもしれない。それでも私たちには受け入れ難い」と批判。「協定文は当初公表されず、反対運動の圧力がEU委員会にも伝わり、要約が発表されるようになった。しかし、あくまで要約で、正確な内容はつかめない」と嘆いた。

 「新世代の貿易協定」の意味について「今や関税は十分に低いのに、国境をまたいでルールや基準、規制など非関税障壁を取り払うもの」と説明。「例えば、車の部品や電気製品の規格・基準をはじめ、GMOや化学物質、食品安全基準、金融規制、データ保護基準に及ぶ」と強調した。

 さらに、欧州ではすでに企業が法令作成に影響を及ぼしていることが大きな問題になっていると指摘。「TTIPと日欧FTAは、選挙で選ばれた議員が関わる前に、企業がルールと法律に影響を与えるための新たな道をつくる。『規制の協力』と呼ばれるが、これは間違った道である」と訴えた。

 ルシル氏は投資家対国家紛争解決(ISDS)を「企業のための司法制度」と両断。衝撃的な事例として、原子力からの離脱を決めたドイツ政府が原発企業に問題にされたり、債務を抱えたギリシャ政府の方針が投機ファンドによって「けしからん」と攻撃を受けたことなどを挙げた。

 「これまでISDSで日本を訴える事例は起きていない。相手方が南(発展途上)の小さい国々だったから」と分析し、近年ISDSを使った訴訟が急速に増えていることを説明。「EU諸国内で起こされた訴訟件数を足すと、米国を楽に抜く。2つのメガ協定(環太平洋連携協定・TPPと日欧FTA)を結べば、日本が訴えられる蓋然(がいぜん)性は高い」と警告した。

 欧州委員会は市民の反発を受けて14年、ISDSをICS(投資裁判制度)に名称変更した。しかし、ルシル氏は「制度の抱える基本的問題が残る」と容認しない。「企業が一方的に国を訴える制度のままで、投資家保護の規定がある限り、この問題は続く」と主張する。

 ルシル氏は最後に、なぜ自由貿易協定問題を重視するかに言及した。「私の真の関心は気候変動や環境破壊の問題。理由はそれらが害を及ぼすから」と明かす。「EUや米国、日本でも恐らく格差が拡大していると思う。それをナショナリズムや民族主義で解決しようとして、トランプ政権が誕生し、EU内にも同様の動きがある」

 その上で、「こうした危機をもたらした経済政策を変えなければ」と訴えた。

■金融と医療を標的、「TPPよりひどい」

 内田氏は冒頭、日欧EPA交渉が2週間前に行われていながら、ほとんど報道されなかったことを指摘。「メディアでは関税の問題、食の問題として扱われているのはTPPと同じ。でも、そんなことはない」とくぎを刺した。

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欧州への甘い先入観の払拭を訴える内田氏(2017.4.17筆者撮影)

 確認できた2つの記事のうち、4月5日の日本経済新聞電子版には、次のくだりがある。

 「今回の交渉で進展が見られたのは、金融・保険市場の開放やビザ発給要件などを決めるサービス貿易、公共事業を巡る政府調達。インターネットを使った商取引や中小企業支援についてはおおむね決着済みで、大枠合意に一歩近付いた」

 内田氏はこの記事を紹介し、「『決着済み』とは重大な問題。この文の下には大きな闇がある」と注意喚起した。

 日欧EPAの交渉分野は27あるが、政府は公表していない。しかも、14分野で合意した疑いがあると指摘。「EUでは市民社会に対する意見聴取をやっている。3月22日にEUはウェブサイトに『中小企業』『規制の協力』など2章のEU提案協定文を公開したのを見付け、仰天した。日本ではメディアも書かない、議員も知らない。EUと大きな差がある」と指弾した。

 EU側提案のリーク文書「保険(金融サービス)」章に日本郵政グループの簡易保険や共済組合による「保険サービスの提供」が差別的だとして、「対等な競争条件の確立」を求めていることを紹介。

 「これは必ずしも郵便局での保険販売の廃止を求めているのではなく、全国の窓口を使ったチャンネルを自分たちにもつくることを求めているのではないか」と分析した。

 共済については、民間保険に適用される監督・監視および執行活動と同レベルのものを共済協同組合に適用することや、同組合に年次財務諸表の公表を要求している。

 内田氏は「TPPよりひどい。EU提案を受け入れれば、このままになる。『おおむね決着済み』とは、一体どうなっているのか、厳しく追及されなければならない」と主張した。
 
 ISDSについては、EU側は15年の米国とのTTIPで投資裁判所(ICS)を提言。日本とのEPA交渉でもこれを提案し、日本側が受け入れた可能性を指摘した。

 「4月3日の日本経済新聞電子版の記事には、『投資裁判所の新設』との文言がある。これは日本がイエスと言ったことを示唆している。名前が変わっても、両市民に有害であることに変わりはない」と強調した。

 ウェブサイトに掲載された「規制の協力」は、各国で異なる規制すなわち企業参入への障害を「美しい言葉でなくすメカニズム」(内田氏)が書かれている章で、TPPでは第25章「規制の整合性」の題名で登場している。

 内田氏は今回掲載されたこの章を急きょ翻訳した。「規制をなくすプロセスが、TPPよりも詳細に書かれている」と評じる。この13条には「両締約国は、相互の同意により、委員会の会合に関心を持つ者を参加させることができる」との文言があることを重視。

 「これは規制を決める会合にビジネスの人が参加できることを意味する。あくまでEU案だが、恐らく日本はすんなり合意しているから、公表したのではないか」と推論する。

 さらに内田氏は、「日EUビジネス・ラウンドテーブル」でのEU産業界から日本への提言書を紹介。「『外国投資の水準が低いのは、金融と医療』とはっきり書いていて、この2部門を狙っている。欧州にはいいイメージがあると思うが、実際そんなことはない」と警戒を促した。

感謝

 YR様、3月17日にご支援くださり、誠にありがとうございました。
 ご報告が遅れ、申し訳ありません。励みになります。

ニュース研究 長島昭久離党報道の真意

 長島昭久衆院議院が民進党を離党したとの報道が10日から盛んに流されている。「共産党との選挙共闘という党の方針は受け入れ難い」との発言がテレビで繰り返された。

 この報道の目的は当然だが、ハゲタカ隷属政権を延命させることである。そこには正邪の倒錯というマスメディアの性質が貫かれている。

■政治家における扱いの差

 今回は、非常に基本的なことを論じる。テレビや新聞の報道が持つ性質を押さえなければ、日々の雑多な報道をいくら調べても仕方なく思えるからである。その法則性は驚くほど単純である。

 10日午前、野田幹事長に離党届を提出した長島氏は、「衆院選挙は政権選択の選挙であり、国家観も目指すべき社会像も、著しく異なる共産党と選挙協力することは、国民の理解を得ることは難しい。保守政治家として譲れない一線を示したい」と述べたという。

 この報道に接し、真っ先に疑問に思うのは、各新聞・テレビがトップニュースで伝えていることである。いつも離党はそれほどのトピックだろうか。2013年に森田高参院議員が国民新党を離党したとき、国民は知り得ただろうか。12年に姫井由美子氏が民主党を離党したときも、どれほどニュースにされただろうか。彼女は8日後、「国民の生活が第一」に入党したときさえ。

 長島氏は比例復活組である以上、議員を辞職するのが筋である。野田幹事長がそう詰問すると、「そのつもりはない」と離党届けを置いて退出したとのこと。当面は無所属で活動する考え。こんなことが許されるのか。
 
 さらなる疑問は、なぜ政策観が全く違う彼が民進党にいたのかである。消費税や環太平洋連携協定(TPP)、憲法改正など、同党の主張は彼には侮蔑の対象でしかなかったはずである。比例復活故、党勢拡大にもつながらない彼の存在を歓迎していた党員・サポーターなどいただろうか。

 これら庶民が抱く疑問に応えないマスコミの姿勢は異常である。——と言うのは方便で、マスメディアの本質がいつも通り発揮されているだけというのが私の解釈である。日本国民を米国に隷属させておくために。

 長島氏離党ニュースと同時に流されているのは、民進党の細野豪志代表代行の辞任である。「憲法改正の考え方を示せない」執行部に抗議した形だ。細野氏は10日発売の『中央公論』で教育の無償化や緊急事態条項を盛り込んだ憲法試案をつづる。

 一連の報道は、「森友学園」疑惑で安倍政権の足元がぐらつく中、野党第一党の民進党への期待をくじく宣伝(プロパガンダ)になっている。森友への学校用地値引き8億円と桁が違う加計(かけ)学園の疑惑が追及されれば政権が吹き飛ぶ局面だが、「党内はバラバラ」「離党ドミノに歯止めが掛からない」などの文言を載せ、世論を誘導している。

 長島氏は除籍処分が決まった。党東京都連幹事長の職に在ったことが重大視された格好だが、これは長島氏側も計算済みと思われる。民進党が「アベ友問題」に切り込めば、マスコミは「政策論争そっちのけでスキャンダルを追及している」と指弾し、自民党は法案採決の口実に使う。

■長島昭久という人物

 長島氏がジャパンハンドラーズのカウンターパートとして永田町にいることはご存じだろう。… 続きは、本日のメルマガ『高橋清隆のニュース研究』4月17日号「長島昭久離党報道の真意」でご購読ください。

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ニュース研究 現金廃止計画がIMF文書に

 現金の廃止は人類奴隷化の大きな手段の1つとしてささやかれてきた。公には「陰謀論」として退けられるのが常だったが、この計画が3月、IMFの作業報告書に現れた。今回はこの文書を取り上げた『Activist Post』紙の記事を紹介する。

■忍び寄るキャッシュレス化

 わが国では、都市に住む人はカードなしに生活できないと断じても過言でないだろう。財布やポケットにはクレジットカードはもとより、SuicaやPASMOなどの電子通行券やTカードはじめ、コーヒーショップや百貨店、美容室などのカードが入っているのではないか。現金を預託できないカードでもポイント付与機能があり、事実上の仮想通貨の役割を果たす。

 おまけにスマホや携帯電話には「お財布ケータイ」機能があり、これらカードを搭載していることもある。何十枚ものカードがあれば財布が膨れるので、全部携帯端末に集約されることを望むのは自然なこと。そのうち盗難や犯罪に使われる危険性をマスコミで宣伝して、人体への埋め込みを促す算段だと思っている。

 ICチップの人体への埋め込み計画については、3月28日号「那須雪崩遭難事故報道の真意」でも触れた。ジョン・コールマンやデーヴィッド・アイク、フリッツ・スプリングマイヤーらが指摘してきたが、その根拠は新約聖書の「ヨハネの黙示録」第13章にある。次はその一節である。

 「また、小さき者にも、大いなる者にも、富める者にも、貧しき者にも、自由人にも、奴隷にも、全ての人々に、その右の手あるいは額に刻印を押させ、この刻印のない者は皆、物を買うことも売ることもできないようにした。この刻印は、その獣の名、または、その名の数字のことである。ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間を指すものである。そして、その数字は六百六十六である」

 獣の数字「六百六十六」は、バーコードを指すと解される。バーコードにはどれも3組の2本線が区切りとして入っていて、2本線は「6」を意味する。つまり「666」。全員がコード化される時代の到来を告げていたのだろうか。住民基本台帳ネットワークは整備され、マイナンバーも付与された。

 「右の手あるいは額に刻印を押させ」こそICチップの人体埋め込みを指すと思われる。埋め込んだチップによる電子決済でキャッシュレス社会は完成するのではあるまいか。

 今回の記事が扱うIMF作業報告は、アレクセイ・キレエフと称する所属アナリストが作成したものであり、表紙の注釈に「IMF作業報告は執筆者による発展途上の研究を記述したもので、評価を招き寄せ、議論を促すために公開される」「必ずしもIMFの見解を代弁するものでない」と断っている。

 しかし、長年うわさされてきた主題を世界の金融を司る公的機関が発表する意味は大きい。しかも、記事には「取引における現金使用を減少させる経済的誘因を設けたり、移動可能な預託金の開設と使用を簡単にしたり、金融システムのさらなるコンピューター化を含むことができる」の表現もある。まさに、われわれの目の前で起きていることではないか。

 「現金使用を減少させる経済的誘因」はわれわれが幾枚も財布に忍ばせている各種カードの特典であり、「移動可能な預託金の開設と使用を簡単に」はネットバンキングを連想させる。映画『スノーデンの暴露』で「クレジットカードと携帯との組み合わせは危険だ」とのせりふがあった。行動の全てが捕捉されるからだろう。

 記事の後半に「個人貯蓄を銀行預金に回す圧力を掛ける」とあるが、預貯金が一般的なわが国ではピンと来ないかもしれない。他国と違い、ゼロ金利でも現金を金融機関に持ち込むくらいだから。

 インドでは昨年11月、高額紙幣(500ルピーと1000ルピー)が廃止された。不正蓄財と脱税を防ぐというのが理由だが、全土で使われていた現金の約6割が消滅した形だ。買い物客が激減し、暴動まで起きているのに、3月に実施された地方議会選挙では与党インド人民党が圧勝した。わが国と似たような政治状況だが、権力がこれほどまでにキャッシュレス化を推進する姿勢に疑念が払拭できない。
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ニュース研究 ロックフェラーの死をどう受け止めるか

 デービッド・ロックフェラーが3月20日、米ニューヨーク郊外の自宅で死去したと報じられた。戦争と抑圧に明け暮れた20世紀を動かした大富豪の死を、われわれはどう受け止めたらいいのか。

 今回はこの問題を扱った『ACTIVIST POST』の記事を取り上げる。

■マスメディアとネットの真逆な反応

 世界権力と称される欧州13家の一角、ロックフェラー家の当主の死を伝えるマスコミ記事は、一貫して彼の生涯を美しく描く。産経新聞は「黄昏の『パクス・アメリカーナ』」の見出しで、「平和主義者」の死を悼んだ。トランプ大統領の保護主義と正反対の思想の持ち主とたたえ、国際化に貢献したのは、高貴な身分の義務である「ノブレス・オブリージュ」を体現したものだと解説する。

 『フォーブス』日本版は「ロックフェラーが遺した25の人生の教訓とは」と題し、『ロックフェラー回顧録』に記された事業や家庭生活での金言を紹介している。大富豪故、自己啓発本には、彼の人格者ぶりが強調される傾向が強い。伝記を読むと、人間愛に満ちた努力家であると感服させられる。

 一方、ネット上では世界の悪の中心との扱いが珍しくない。戦争も恐慌も大方彼の指示で起こされたとの見方である。実際、「緑の革命」と呼ばれる化学肥料や食品添加物を大量に取り入れた農業・食品工業を取り入れたのは彼だし、第2次世界大戦は彼なしには起こらなかったのではないか。ナチスドイツと米国双方に軍事援助してたのはロックフェラー財閥である。

 下に紹介する記事(筆者和訳)は、独立系メディアならではの視点で書かれている。すなわち、グローバル資本に媚びないし、陰謀論にも堕してない。事実を示した上で、われわれの精神の問題に昇華させている。

 文中に出てくる「イラン国王」とは、パーレビ2世のこと。1953年に国民戦線党首のモハマンド・モザデク首相が石油産業の国有化と政治体制の民主化に踏み切ると、英国の石油資本と米国中央情報局(CIA)が結んでこの政権を倒した。このときできた英米のかいらい政権は、1979年の指導者ホメイニ氏によるイラン革命まで続く。

 冒頭の「戦争犯罪人」とは、キッシンジャーがイラク戦争を唱道したことを指すのか。(次行より記事)
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【書評】『「国富」喪失』植草一秀(詩想社新書)

 天才経済学者、植草一秀氏の新刊本。副題に「グローバル資本による日本収奪と、それに手を貸す人々」とある。目下の政権がいかに国民生活を破壊しているかを分析し、「平和と共生」の理念を具現化する主権者国民勢力による新政権の樹立を訴える。


 同書は3つの章からなる。第1章「失われる国富」、第2章「日本収奪計画と売国の実態」、第3章「国富を守るためにいま、なすべきこと」と続く。題名に「国富」とある通り、物理的側面に焦点を当てて政治の善し悪しを評価しているが、国民が幸せに生きられる生活環境を築くことこそ、政治の役割との思いが垣間見える。

 「失われる国富」の例として挙げている1つに、政府による巨額の米国債保有がある。円高が進んだ際、財務省は為替介入の名目で政府短期証券を発行して日銀からドル買い資金を調達する。積み上がったドルの行き場はなく、米国国債に化ける。

 しかし、政府は米国債を売ったためしがない。07年7月からの4年半、円高進行により54兆円の為替差損を出した。その後13年から15年にかけての円安で損失が一旦解消する局面があった。著者は外貨準備の売却を再三主張したが政府は全く動かず、再び30兆円もの損失を生んだ。

 ほかには、小泉政権が推進した郵政民営化や長銀のハゲタカへの不当廉売、オリックスグループへのかんぽの宿売却計画、現在の安倍政権が引き起こしている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による年金資金の巨額損失などが詳述されている。

 「日本収奪計画と売国の実態」では、グローバル資本の走狗である安倍政権が取り組む目下の政策が解説されている。具体的には、環太平洋連携協定(TPP)や農業改革、医療制度改革、労働規制の撤廃、水道事業民営化、原発再稼働、辺野古基地建設など。

 読んでいて思わず膝を打ったのは、現代成金のキーワードを「ハゲタカメソッド」と呼称しているくだりだ。民営化によく見られる現象で、実態は「官業払い下げ」である。郵政民営化に伴うかんぽの宿売却や国鉄民営化におけるJR東海、空港事業や水道事業の民営化などを挙げ、「誰がやっても必ずもうかる事業」と指摘している。全くその通りではないか。

 「国富を守るためにいま、なすべきこと」では、今日の支配構造の本質が明治維新から変わらないことを説明している。悪徳ペンタゴン(米・官・業・政・電)は米国を頂点とするピラミッドだが、同国を支配するのは国際金融資本だからである。西郷隆盛も江藤新平も田中角栄も鳩山由紀夫も、このピラミッドを壊そうとした知恵者ではなかったか。

 現在の自民党政権は、「国民のための国家」から「国家のための国民」への転覆を目指す。その証左が、12年に公表された自民党憲法改正草案である。基本的人権を制限し、戦争できる国にする条文に修正され、内閣の独裁を許す緊急事態条項や家庭教育への国家の介入も明記されている。

 安倍内閣は保育所で国歌と国旗に親しむよう指針を出したり、小学校の道徳教科書で「パン屋」を「和菓子」に直したり、体育に銃剣道を入れたり、戦時体制への準備を着々と進めている。支配者にとって、日本国民は年間60兆円の米国予算が付く軍産複合体を支える虫けらにしか映らないのだろう。

 全章を通じて出て来るのが、マスコミによる国民洗脳の問題である。問題の本質を有権者が知り得るには、権力と巨大資本の側に立つ「16社体制」を改めなければならない。NHK受信料を任意性にすることは、その第一歩である。植草氏はスクランブルをかける方法を提唱する。

 当のNHKは受信料不払い者を次々告訴し、勝ちまくっている。歴代会長は任意性には頑として反対の意向を示している。私見では、「公共放送」はまさに戦争を遂行するためにあり、そのためには全員に見せる必要があるからと解す。それ故、植草氏の主張を一層支持したい。

 植草氏は安倍政権を「戦争と弱肉強食」路線と捉え、逆の路線を実現する政権の樹立を説く。これが現在、氏が取り組む「オールジャパン:平和と共生」運動である。現内閣が存続し得ているのは、野党第1党の民進党にも前者の別働隊が潜伏しているからである。もう一つの警戒は、みんなの党、橋本維新、小池百合子と続くえせ第3極の台頭である。

 全ての選挙区に1人の候補者を樹立すれば、「戦争と弱肉強食」路線の候補者に勝つことは可能だと分析する。立候補予定者に公開質問状を送り、その回答をホームページで公開する予定だ。試金石となる項目は、原発再稼働・集団的自衛権容認・格差(消費税)の是非である。これらに平和と共生を加え、「日本版五つ星運動」と名付けている。

 模範の1つとなる選挙が、昨年あった。新潟県知事選である。民進党は当初、原発推進の立候補者を側面支援していた。覆したのは、市民連合による有権者の覚醒である。

 渡邉良明博士(政治学・学習院大)は、植草氏を「今日における“日本のガンジー”」と形容している。ガンジーは国際弁護士として南アフリカで活動しながら、有色人種というだけで1等車から荷物もろとも厳寒の荒野に放り出された屈辱がインド独立に導いた。同じように植草氏は、正確な経済分析を行う故、人物破壊工作に陥れられた。

 昨年3月、私は「オールジャパン:平和と共生」の参院選総決起集会を手伝ったことがある。植草氏が設営やビラ貼りに奔走している姿を見て、ある人が言った。「世が正常なら、財務大臣をやっている人が……。それを見て、泣けてきた」。

 現政権が為した政策を検証すれば、腹の立つことばかり。しかし、これを転換させ、所得水準を引き上げ、大学教育まで無償化し、公的医療保険を堅持し、年金給付を拡充すれば、景色は一変するだろう。

 「私たちが連帯し、共闘すれば、必ず明るい未来を切り開くことができる」

 最後の一文に、活動を緩めない著者の信念を見た。

「国富」喪失 [ 植草一秀 ]
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著者プロフィール


反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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       高橋清隆

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