「現憲法下で最後の選挙か」、福島氏が危機を訴え

 7月10日投開票の参院選に立候補している社民党の福島瑞穂氏(現職)は25日、東京・高円寺駅前で街頭演説会を開き、「日本国憲法下で行う最後の選挙になるかもしれない」と危機感を吐露。改憲勢力による3分の2以上の獲得阻止を呼び掛けた。

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老若男女に声を掛け、対話を試みる福島氏(2016.6.25筆者撮影)

 同駅南口に現れた福島氏は、今回の参院選の争点を。院鵑良挈義悗里燭瓩寮治を続けるか99%のみんなのための政治をつくるか憲法を生かすか殺すかCΩ業か原発推進か——と定義。

 「子供たちに私たちが引き継がせたいものは一体何か。誰の子も殺させない。子供たちの未来に戦争も原発事故も貧困も要らない。いずれも政治の結果です。政治をどうするかによって未来は変えられる」と通行人に向けた。

 改憲の動きについて「安倍総理は戦争法案を強行し、これから憲法を改正しようとしている。今参院選で(非改選を含め)発議に必要な3分の2以上の獲得を目指すと言っている。自民党はすでに改正案を発表し、自衛隊を国防軍とし、世界中で戦争ができる中身。こんな憲法は嫌だ」と訴えた。

 さらに「きのう英国がEUから離脱し、株が1万5000円台へと1200円以上も激安になった。皆さんの年金積立金は何と半分株にぶち込まれている。今回の暴落で、どれだけ損しているか」と述べ、安倍政権が行った年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革を批判した。

 最後に福島氏は、「今回の参院選が、日本国憲法下で行う最後の選挙になるかもしれない。私たちはそれくらいの覚悟でやっている。どうか皆さん、冷静なご判断を」と改憲阻止への投票行動を呼び掛けた。

「日本人は魂を抜かれた」と南丘氏 『月刊日本』6.21辻説法

 保守系言論誌『月刊日本』の辻説法会が21日、東京・新橋駅前で開かれ、南丘喜八郎主幹らが「日本人は魂を抜かれた」などと日米間の不平等な関係を改めようとしない政府を批判した。

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「闘う言論誌」を引っぱる南丘氏(2016.6.21筆者撮影)
 南丘氏は幕末に結んだ不平等な日米修好通商条約を解消するのに、明治の政治家たちが40年近く命懸けで闘ったことを紹介し、戦後体制に言及。「71年前、わが国は大東亜戦争に負けてから、民族の誇りを踏みにじられ、米国の従属下で唯々諾々(いいだくだく)として今日まで来た」と皮肉った。

 「いわゆる55年体制をつくったのは米国。自民党の結党資金はCIAを通じて提供された。その一部の金は社会党にも流れた。日本共産党はモスクワと北京から資金提供を受けた。残念ながら、わが国の主要政党は他国の工作資金でできている」

 南丘氏は現在の日米関係に触れ、「だから自民党は米国に対して物を言えない。日米安全保障条約は不平等条約。日米間の従属的な関係の骨格をつくっている日米地位協定は、行政的な取り決めで、国会審議を経なくていい。ところが、殺人事件があった後も、政府はこれを改定しようとの意志表示もしていない」と批判した。

 「運用で手心を加えてもらおうなどと、奴隷根性が消えていない。71年間、日本は物質的に豊かになったが、魂を抜かれた。残念ながら今、本物の政治家はいない」と嘆いた。

 山浦嘉久論説委員は、17日にネット上で金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が暗殺されたとの情報が流れた問題を取り上げた。妹の金与正(ヨジョン)が後継の委員長に就任したが、中国が文句をつけ、金正男(ジョンナム)に替えるよう圧力をかけているとの内容である。

 この情報は韓国政府が否定したことでガセネタとして扱われたが、北朝鮮のテレビを見たマスコミ関係者が「番組に微妙な変化が起きている」と評じたことや2、3日後に核問題の6者協議に復帰したことを紹介し、「何か大きな変化が起きたことは間違いない。しかし、残念ながら、わが国には全く情報が入ってない」と嘆いた。

 山浦氏は「日本と北朝鮮が親和的になるのを最も警戒しているのは米国。だから、日本は北朝鮮に対しては2歩も3歩も遅れている。あるいは冷戦構造時代の感覚でしか付き合いができない。朝鮮半島や台湾に対し、わが国は旧宗主国の立場。その責任においても、そろそろ冷戦時代の感覚を廃棄して、前向きな姿勢で接触すべきときが来ている」と訴えた。

 さらに「日朝間の最大のくさびは拉致問題。わが国はこの真相を知らされていない。拉致事件の背後には、米国が一枚かんで演出した可能性が強い。北朝鮮が大日本帝国の残治国家であるとの疑いを米国が持っていたことは事実で、今も持っている。米国の目線をうかがって隣国と付き合うのでなく、日本独自の目線で北朝鮮との付き合いを再興すべきでは」と提起した。

【書評】『世界を騙し続けた[洗脳]政治学原論』天野統康(ヒカルランド)

 フィナンシャルプランナーの天野氏の新著で、4月末に出された『[詐欺]経済学原論』の下巻に当たる。副題に「政〈金〉一致型民主社会へのパラダイムシフト」と付された通り、民主政治が国際銀行権力によって操作されてきた仕組みの謎を解き明かす。


 3つの章で構成され、最初に現代政治システムを分析し、30年間の日本経済の没落の仕掛けを解明した後、欧米型自由民主制社会の超克術を提言している。

 天野氏は民主主義を人類史の中で最高の政治制度として肯定している。欲望と理性、気概が精神の三要素だが、これらは対立し、社会的矛盾の原因にもなる。これらを調和させるため、真理と自由、平等、友愛の4つの権利を基に導入されたのが普通選挙法だと説明する。

 しかし、現実には格差と対立が絶えないのが世の中である。その理由は国際銀行権力が民衆に目隠しし、騙(だま)してきたから。著者によれば、民主主義には目的がある。それは「誰もが支配されない、自由で平等な社会」の実現で、権力は目的を無意識化させることで民主の4原理すなわち真理、自由、平等、友愛を分裂させてきたと指摘する。

 日本経済の没落もその一現象にほかならない。マスコミ的には日本社会が制度疲労を起こしたからとか、「A層」でも財政出動が足りなかったからという意見が主流を占める。しかし天野氏は、上巻で述べた「信用創造」の量が決定的に左右したと分析する。

 天野氏は、1980年代までのわが国の経済モデルを「産業資本主義」と表現する。その諸制度は戦時体制を温存したもので、日銀の国有化や銀行の統合、窓口指導などが主要素を成す。窓口指導では、どの業種にどれだけ貸し出すかを日銀が統括した。

 企業形態も米国と異なり、メインバンクと系列企業による株の持ち合いや、経営者権限の保護、従業員の手厚い福祉制度と企業別組合があった。窓口指導と合わせて「護送船団方式」とやゆされたが、この独自の仕組みが世界一の成長率を支えたのである。

 日本型資本主義と決別を告げる原因になったのは、バブルとその崩壊である。一般には85年のプラザ合意による急激な円高ドル安政策と空前の超低金利政策の導入の結果とされるが、天野氏は窓口指導による貸出額の増減に原因を求める。

 この時期、不動産融資をはじめとした投機関係の融資は貸出総額の27%にも達した。額で言えば98兆9000億円で、名目国内総生産の25%。不動産価格は千代田区の市場価値だけでカナダ全土を上回った。それを1989年6月、窓口指導で急激な引き締めを行ったのである。

 これに乗じる形で「日本の経済システムそのものが悪いからだ」と宣伝し、『前川レポート』に沿い日銀を独立させた。国際会計基準を導入し、優良企業を二束三文でハゲタカに譲り渡し、『年次改革要望書』に従って構造改革を進めた。

 その結果、上場企業の外資比率は31%に拡大し、非正規雇用は37.5%を超える。今の子供の夢は「正社員になること」である。しかし、天野氏は言う。「この問題の根の深さは、巨大な国際銀行権力によって誘導されたとはいえ、民主主義の中で国民が自己決定してきたことだ」。

 著者の提示する処方箋は、市民が民主的価値を体現することである。支配者が無意識化させてきた自由民主制の基本原理を意識化し、市民として実践していけるかどうかが試されていると主張する。併せて制度変更も必要で、憲法に政府通貨の発行を明記させ、それを実行させることであると説く。

 政府通貨にすることで、市民は銀行権力による目隠しから覚醒し、借金地獄からも解放される。財政赤字を口実にした消費増税もなくなり、銀行の経営状態や財テクによる景気変動から解放されると強調する。

 全編を通じてうならされるのが、引用文献の多さである。リチャード・ヴェルナーやフランシス・フクヤマはもとより、マルクスやヘーゲル、プラトンや般若心経まで及ぶ。

 プラトンは「気概」の重要性を見いだす箇所で登場し、欲望と理性だけでは資本主義的な欲得に支配され、臆病で打算的な人間になると警告する。般若心経を出したのは、さまざまな条件付けから解放された一人の人間の確立に向け、東洋思想と西洋思想の長所を融合する必要性を訴えるため。それにより、真の人類共同体の構築が可能となる。

 われわれの目の前の出来事について、考えさせるくだりも多い。自民党憲法改革案への批判もその1つ。同案は「公共の秩序」を根本規範とし、これに反する諸権利を認めない。人権は国家が与えるものとし、現憲法が保障する表現の自由(21条)や選挙権の平等(44条)、選挙権(15条)、教育を受ける権利(26条)や学問の自由(23条)を侵害し、自由・平等・友愛・真理の4権利を損なうからである。

 にわかにマスコミをにぎわすヘイトスピチーチにも触れている。私見では、正(問題)・反(反応)・合(解決)手法による言論封殺策動と確信するが、著者は連帯願望すなわち所属集団への友愛の操作による分裂・対立宣伝工作であると告発する。少数派による多数派支配の構図への糾弾も実は同じとの指摘は慧眼(けいがん)である。

 民衆が物事の善悪の価値判断をマスコミに委ねている実態を「マスコミ真理教」と表現し、福島原発事故で東電幹部が何ら責任を取ってない状況を例に挙げている。私はマスコミ報道を全て宣伝だと連呼してきたが、それでも影響を受けている可能性を省察させられた。進化論や地球温暖化だけでなく、地球が丸く、GDP拡大を是と考える時点で、十分洗脳されているのかもしれない。

 マスコミにさらされる「悪者」を糾弾することが暗黒社会を引き寄せているとの指摘は全く同感だ。児童ポルノやセクハラ、個人情報保護などの宣伝に踊らされた結果、狙った人を誰でも逮捕できる社会になりつつある。「基本的人権と民主主義を掲げる社会において恐怖政治が実現」するさまを「まるでジョークのような話」と皮肉る。

 同書は最後、民主制の行方に希望を提示する。

 「正しい思想を持ち実践する個人が増えれば、正しい現状認識が生まれ、正しい方向性と手段の用い方が導かれる。そして、人間解放のために経済を管理する社会が実現する。そうなればマネーは利己的な欲望や支配のための道具ではなく、人々が健康で文化的な生活を営むために活用される素晴らしい道具になるだろう」

 民主主義の下で本来得られるはずの幸福を享受したい人は、同書を洗脳を解く手掛かりにしていただきたい。

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TPP批准阻止を海外メディアに訴え 山田元農水相ら

 山田正彦元農水相らがTPP批准阻止を7月の参院選の争点にするよう訴える記者会見を15日、東京都千代田区の外国人特派員協会で開いた。TPPが議論に上らないのは、メディアの在り方に問題があるとの意見が相次いだ。

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(左から)植草、原中、山田、内田の各氏(2016.6.15筆者撮影)

 会見には原中勝征(はらなか・かつゆき)前日本医師会長と経済学者の植草一秀氏、アジア太平洋資料センターの内田聖子(うちだしょうこ)氏も同席。日本プレスセンターで開かないのは、日本のマスメディアがTPPの問題を一切取り上げないことが背景にある。

 「TPP交渉差止・違憲訴訟」原告代表も務める原中氏は、2014年にTPP反対国民会議のメンバーとしてワシントンに行き、15人の上・下院議員や農業、自動車関係の代表者にわが国の国会決議や全国知事会決議文などを渡して説明した経緯を紹介した。

 さらに原中氏は米国での研究所に勤務中、多くの米国人の友人を持ち、米国を第2の故郷と感じていることを吐露。「しかし、TPPの内容は国の歴史、国民性、文化、習慣を無視して、国民生活に関係する全ての基本を崩壊する経済協定ではないか」と提起した。

 同協定が米国に押し付けられ、秘密裡に交渉が重ねられてきたことに触れ、「この状態が継続すれば、わが国は経済的破綻をもたらし、米国にとっても価値のない、弱小国になりかねないと危惧している」と訴えた。

 山田氏は農水相時代にTPPの話が初めて出され、米国政府要人とじかに対話してきたことを披歴し、わが国の政治状況を紹介。「米国の大統領選挙でもTPPの問題が取り上げられているが、日本の参院選ではほとんど話題にされない。マスメデイアが全く触れようとしないからだ」と指弾した。

 「安倍首相はTPP参加によりGDPが14兆円増え、80万人の雇用が増えると説明するが、何を根拠に算出したのか。国会内で内閣府の担当者と議論したとき、どの産業でどれだけ増えるのかと質問したら、答えられなかった。米国ではメディアも批判しているのに、日本では突っ込んだ報道が一切ない。深刻で、重大な内容を含むのに」と嘆いた。

 植草氏は、安倍首相が6月1日の会見で「アベノミクスの是非」を参院選の争点にしたことを問題視し、「安倍政治を許すのか、許さないのかが本当の争点」と解説した。

 自身が立ち上げた「オールジャパン・平和と共生」運動を紹介し、「戦争と憲法・原発・TPP・沖縄と基地・格差」の5つの主題で野党と市民の連帯を促していることを説明。TPPについて「一番国民に分かりにくいが、長期的に考えると最も重大な問題」と強調した。

 「第1の問題は、その目的が、国民の幸福の増大でなく、多国籍企業の利益の追求であること。第2は、農業や食の安全、医療と保険、金融資産の収奪などによって国民生活に深刻な影響を及ぼすこと。第3は、ISDS条項により、日本の主権がなくなる」と指摘した。

 内田氏はNGOとして多くの貿易協定を監視してきた体験を報告した上で、TPPの秘密性を問題に挙げた。「昨年11月、参加国のニュージーランド政府が協定文をウェブ上に掲載した。6000ページ超の付属文書もあるが、日本政府は800ページ程度の正文仮訳を載せただけ。この意味は、国民に詳細を理解させないこと」と批判した。

 内田氏は協定署名以降、テキスト分析チームを立ち上げ、法務や農業、労働、医療など各専門家による邦訳を発表してきたことを紹介。「聖域は絶対守る」との政府公約が偽りであることがすでに赤裸々になっていると説明した。

 その上で内田氏は「投資や知的財産権の分野に多くの章を割いている。ISDSは国内法を超越し、国外の裁判機関が企業を助け、賠償金は税金で賄われることになる。今後は政治に働きかけていきたい」と抱負を述べた。

 外国人記者が「TPPに反対なのか、協定の中にある特定の項目について改善すべきと考えるのか」とただしたのに対し、原中氏は「日本も変わらなければならないのは分かっているが、2000年続くコメを中心とした国民文化への影響をどう考えるのか。お金が支配者になる危険な協定という側面がある」と答えた。

 山田氏も「ISDSを外せばいいとの意見もある。しかし、分析したら、生活のあらゆる分野を変えるので、絶対に批准させてはいけない」と、あくまで参加を否定する考えを示した。

 交渉の透明性についての評価を尋ねられたのに対し、山田氏は「分析チームで検証したら、政府仮訳は大事なところを幾つか隠していることが分かった。米国との密約があることが、国会でも少し明らかになっている。私たちは政府発表が十分になされていないことに、強い怒りを覚えている」と語った。

 植草氏は「GDPの85%以上を占める6カ国以上の批准が発効の条件なのは、米国と日本が参加しなければならないということ。それにもかかわらず、正文は英語と仏語、スペイン語のみで、日本語が入っていない。政府の姿勢は弱腰と言わざるを得ない」と批判。

 原中氏は、「TPPの内容を見ると、小泉政権時代に米国と交わしていた『年次改革要望書』の命令の延長であることが分かる。つまり、日本の政府や習慣を米国のシステムに組み込むことを意図し、国の在り方まで変える性質を持つ。日本の個性をなくし、経済力を奪うのは、米国にとってもよいことではないはず」とけん制した。

 記者が「多くの日本人はTPPに反対だが、今度の選挙も自民党に入れるのだろう。これにはどんな背景があるのか」と問われると、山田氏は「日本のメディアが全く報じないから」と即答。植草氏は「日本の言論空間は16社体制が支配している。その大半は大資本がスポンサー。だからメディアは牛肉が安くなるとか、保護を受けてきた農家が反対しているとしか伝えていない」と説明した。

 アジアではマレーシアのマハティール元首相が「TPPは国を売る」と反対する一方、米国の主要な大統領候補もTPP反対を唱えている現状について感想を尋ねられると、植草氏は「米国のエリザベス・ウォーレン上院議員などはISDS条項が米国のために良くないと反対しているし、マハティール氏も反対している。米国では労働組合や製造業などが将来関税が引き下げられ、日本から車が入ってきて雇用が失われるからと反対している。トランプは時代錯誤か誇大妄想か分からないが、日本からの輸出で不利益を受けると考えている印象を受ける。他国でも、それぞれの立場によって意見が異なる」との見方を示した。

精神を鍛える

 ロンダ・バーン著『ザ・シークレット』には、欲しい物を手に入れる方法が書いてある。「願う」「信じる」「受け取る」の三つの段階を踏めば、必ずかなうと説く。物に限らず、望む現実も引き寄せることができるという。

 このうち、最も難しいのは、「信じる」ことと強調する。なるほど、何となく「こうなったらいいなあ」と思いながら、実現したときの状況を臨場感を持って想像しにくいことは多い。

 剣術ではよく、「斬(き)る前に斬る」と言う。物理動作を起こす前に、頭の中にイメージを作るのだ。極真空手の有段者の女性の先輩と飲みに行ったとき、髪の毛一本で割りばしを両断するのを見せてくれたことがある。彼女は毛を振り下ろす前、深呼吸しながらイメージをつくっていた。

 実現した姿を想像しにくい場合、訓練が必要だ。逆に、訓練を積むことにより、実現しやすくなるというのが真理に違いない。武道ではまた、「体を鍛えるのではなく、精神を鍛える」とも言うが、その通りである。ひ弱な人間が大男を倒すのが難しいのは、倒すイメージをつくるのが難しいからにほかならない。武道は肉体を媒介に精神を強くする道と解す。

 ボクシングジムに通い、左フックをみぞおちや脇腹に打ち込んで相手を倒す経験を重ねていれば、外人や大男が相手でもひるむことはない。何となれば、あっさり倒せると確信しているからである。

 ロンダ・バーンの本を読み、私も幾つかの願いをかなえたが、実現できないことも多い。「信じる」ことができないからである。貧乏生活から脱するのに手っ取り早いのは、文学新人賞を取ることと考え、小説を書いてきたが、何度応募しても落選する。

 理由は悟っている。「願う」段階で、大賞を受賞する姿を想像できないのである。書く努力が足りないからだろう。

「TPPを参院選の争点に」 銀座で批准阻止を訴え

 環太平洋連携協定(TPP)批准阻止を訴える街頭演説会が12日、東京・銀座で開かれ、山田正彦元農水相らが「国民生活が破壊される」などと同協定を批判するとともに、批准の是非を7月10日投開票の参院選の争点にするよう訴えた。

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TPP批准阻止への投票行動を呼び掛ける植草氏(右、左は山本氏。2016.6.12筆者撮影)

 経済学者で「オールジャパン・平和と共生」運営委員の植草一秀氏は、次の参院選について「最大のテーマは安倍暴政の3年半に国民が三行半(みくだりはん)を突き付けるかどうか」と切り出した。

 6月1日の記者会見で参院選の争点を「アベノミクスを加速させるか、後戻りさせるのか」と発言した安倍首相を「常識的な判断ができなくなった」と両断。「アベノミクスを加速させたら炎上・爆発するのが関の山」と突き放した。

 この3年半に平均GDPが0.7%まで落ち込み、家計の所得も実質3年連続マイナスとなり、非正規雇用が4割を超えた。フルタイムで働いても年収200万未満の国民が1000万人を超え、1人親世帯の子供の貧困率がOECD中最悪になったと指摘し、TPPに言及。

 「TPPに参加すると、3つの問題がある。1つは医療。いつでも誰でも、どこでも受けられたものが、一部の金持ちしか受けられなくなる。2つ目は規制の撤廃で、人々の生活が不安定化すること。最低賃金が撤廃されて外国人労働者が流入し、さらに国民の賃金が下がる。食べ物の安全・安心も壊される。3つ目はISD条項で、日本のことを日本で決められなくなる」

 その上で植草氏は、「4月10日の参院選は、安倍政治を許さないという一点で市民と候補者が手を携え、暴政にブレーキを掛けなければ。安倍政治を評価する上で、(候補者選定の)リトマス紙になるのがTPP阻止を明確にしているかどうかだ」と強調した。

 「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」呼び掛け人でもある山本太郎参院議員は「TPPに参加すればワインや牛肉が安くなり、お財布が楽になると思われている方がいる。しかし、ほかの99.9%の部分はネガティブで、リスクが占める協定」と通行人に向けた。

 「どうしてテレビや新聞がまずいところを流さないのか。TPPが誰のものか考えれば、納得のいく話。実は、多国籍企業・大企業のための協定だから。いろいろな国を企業がコントロールして、財産・利益を吸い尽くすのに使われるのがTPP」と一蹴した。

 山本氏はTPP参加リスクの一例として食の安全を挙げた。「200匹のラットに2年間、遺伝子組み換えトウモロコシを与えたら、雌はおっぱいにガンが出来、雄は腎臓・肝臓の機能障害が出た。雄・雌ともに平均寿命も下がったことがフランスの研究で報告され、ル・モンド紙にも載った。TPPを批准すると、人体への影響を避けるのは難しい。食品表示が撤廃され、選べなくなるから」と警告した。

 「テレビはコマーシャルの枠を買ってもらいたいし、新聞も利益の5割が広告。企業が損することを堂々と言えない」とマスコミ報道を切り捨てる一方、「どうするかはあなたの問題だ」と提起した。

 山田氏は、同協定が農業と食の安全、医療や公共調達・国営企業など他分野に影響を及ぼすことを指摘し、「TPPはわれわれの生活を根底から覆す。いくら政府が『大丈夫』と言っても、協定案で決められている。『守られた』というのはうそ八百」と糾弾した。

 その上で、「どうしても、この協定は批准させてはならない。そのためには、今度の参院選で自民党を1議席でも減らすこと。自民党ではない野党統一候補を推して、秋の臨時国会でどんなことがあっても批准させないことが肝心」と訴えた。

 「TPPは国の主権を奪い、国の形を根底から変える。私たちの子供、孫の代に豊かな日本を残すことは、私たちの義務。だまされてはいけない」と批准阻止への連帯を呼び掛けた。

「自公勝てば、緊急事態条項が」、植草一秀氏が警告

 「オールジャパン・平和と共生」運動を提唱する経済学者の植草一秀氏が2日、さいたま市内で開かれた「九条の会・さいたま」主催の講演会に出演し、7月の参院選で自公勢力が勝利した場合、最初にやるのが緊急事態条項を盛り込む憲法改正だと警告し、99%の側が手を組む必要性を訴えた。

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不撓不屈(ふとうふくつ)の精神で公正な政治の実現を目指す植草氏(2016.6.2筆者撮影)

 会場の浦和コミュニティセンター多目的ホールには、市民135人が詰め掛けた。植草氏はパワーポイントを使いながら「米・官・業・政・電」による戦後支配の歴史を振り返った後、安倍政権のもくろむ憲法改正の動きに触れた。

 植草氏は日本国憲法の三大原理として「人権の尊重」「平和主義」「国民主権」を挙げ、「(2012年に出された)自民党憲法改正草案はこの3つを作り変える面が強い」と批判した。

 具体的には、ヾ靄榲人権を保障する現憲法97条を丸ごと削除し、同21条が保障する表現の自由を制限個人より国家を優越させる=民主主義の否定戦争遂行を可能にする、というもの。

 改正草案98、99条が定める緊急事態条項は、内閣にオールマイティーの独裁権を付与するものになる危険が大きく、当然のことながらの危険を増大させる要因になると指摘。「外部からの武力攻撃や内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害があれば、政府の腹1つで、法律と同一の効力を有する政令を決められる。さらに、選挙もやらなくていい。安倍内閣が永続できる」と指摘。

 1933年にナチスドイツが「全権委任法」を成立させてドイツの独裁政治が始まったことを挙げ、「この参院選で改憲勢力が3分の2以上取ると、最初にやるのはこれ。非常に危険で、絶対に取らせてはいけない」と強調した。

 植草氏は次の参院選について「国民が戦争と弱肉強食の政治を望まないなら、32の1人区で徹底的に反自公側の候補者を勝利させる必要がある」と提言。それ以外の候補者については「平和と共生」が公開質問状を出し、原発・戦争法・TPP・基地・消費税の5つの問題について公約を示してもらう方針であることを明かした。

 その上で、植草氏は「党派に関わりなく、政策で選べるようにしたい。25%プラスアルファで、日本の政治は変えられる。99%の側が手を組めば、絶対に日本の政治は絶対に変えられる」と連帯を呼び掛けた。

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