高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

泉田氏への批判続出、野党共闘模索 新潟5区

 10月22日投開票の衆院補選が予定されている新潟5区で17日、共産党の小池晃委員長が街頭演説した。野党が統一候補の擁立を模索する中、登壇者からは同区から自民党公認で立候補を表明した泉田裕彦前新潟県知事(55)への批判が相次いだ。

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「安倍内閣が解散総選挙に打って出たら、自公を少数勢力に追い込もう」と鼓舞する小池氏(2017.9.17筆者撮影)

 28日招集の臨時国会冒頭での衆院解散も排除しないとの安倍首相の考えが伝えられ、同区では民進・社民・自由の各党と連合が候補者の一本化をめぐって調整を続けている。

 午後、JR長岡駅前で開かれた演説会では、初めに各野党が連帯のあいさつをした。社民党新潟県連副代表の長部登(おさべ・のぼる)県会議員は昨年の新潟県知事選と参院選新潟選挙区での野党候補勝利の実績を挙げながら、今回の候補者調整に言及。

 「これから協議に入るが、各党との連携を深めながら、皆さんが納得できる候補を立てて市民とオール野党の力を結集して闘う。社民党はその接着剤の役割を果たす」と強調した。

 泉田氏について「前知事は新潟県内の原発再稼働に主導して慎重な姿勢を見せてきた。そこに最も圧力をかけていたのは自民党。最後はその自民党の力で辞めざるを得なかった。それが何で自民党に行くのか」といぶかしんだ。

 「行く意欲を示すこと自体、許せない。今までの行動がゼロになってしまう。自分の利益のために県民の気持ちをもてあそんでいる。その意味でも勝たなければ」と呼び掛けた。

 小池氏は冒頭、集まった市民に「新潟の皆さんは参院選で勝ち、県知事選で勝ち、日本中を元気づけてくれる」と持ち上げ、拍手を浴びた。

 森友・加計疑惑や南スーダンでの日報隠しなど多くの問題を抱えながら臨時国会の開催要求を無視し、冒頭解散で逃げようとする安倍政権を憲法違反と断じた後、「野党と市民が共闘し、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を狙う自民党に5区で審判を下そう」と訴えた。

 泉田氏について「(県知事としての)前任期の期待を踏みにじる人を国会に送り込むわけにはいかない。勝たせたら、原発再稼働を認めたことになる」とくぎを刺した。

 共産党は党新潟県政策委員長・青年学生部長の西澤博(37)氏を同区と北陸信越ブロックの立候補者として公認する構えだ。他の野党が統一候補擁立の提案をした場合について、小池氏は演説会終了後、「そういう話があれば、いつでも取り下げて協力する用意がある」としながらも「現時点では、西澤氏はその候補の一人」との考えを示した。

 その上で小池氏は、「新潟は知事選と参院選で結果を出している。勝つためには泉田氏を上回る野党統一候補を出さなければならない。補選でも、解散・総選挙になっても、この考えは変わらない」と、あくまで共闘を模索していく意向を見せた。

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「安倍政権のでたらめは危険水域を越えた」と5区からのうねりを提唱する長部氏(2017.9.17筆者撮影)

「共謀罪は廃止できる!」 日比谷野音に3000人

 共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法の成立から3カ月目の15日、同法の廃止を求める集会が東京の日比谷野外音楽堂で開かれ、3000人が集まった。市民は反対運動の展開によって同法を作動させない決意を確認するとともに、野党議員は臨時国会で廃止法案を提出することを表明した。
 
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「共謀罪NO!」の意志表示をする市民(2017.9.15筆者撮影)

 主催したのは「共謀罪NO!実行委員会」。同法が7月11日に施行されたのを受け9月7日、市民団体や法律家団体、消費者団体などが結成した。アムネスティ・インターナショナル日本や日本消費者連盟、総がかり行動実行委員会など14団体が参加する。

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共謀罪廃止貫徹を誓う山口氏(2017.9.15筆者撮影)

 初めに、主催者を代表してアムネスティ・インターナショナル日本の山口薫氏が「私たちは今、市民運動の危機に直面している。この危機感から連絡会を結成した」と結成の経緯を説明した。

 山口氏は同法の問題点として、〇憶)〔外儖会の審議を打ち切って(本会議で)採決されたこと◆峩λ店坩戞廚蕨辰傾腓Δ世韻悩瓩砲覆覯椎柔がある。準備行為の定義があいまいで広範にわたるこうした準備行為を特定するために日常的な監視が行われる恐れ——を挙げた。

 その上で、「共謀罪法は廃止できることを皆さんにお伝えしたい」とあきらめない姿勢を示し、賛同の拍手を受けた。

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国連特別報告者の指摘に対する政府の対応も批判する海渡氏(2017.9.15筆者撮影)

 「共謀罪NO!実行委員会」の弁護士、海渡雄一氏は同法を「277種類の罪について犯罪の合意だけで処罰するもの。組織的威力業務妨害や組織的強要罪、信用毀損(きそん)罪などの共謀罪は、国や企業の活動に対し批判を展開する市民活動や労働運動に適用される可能性がある」と解説。

 沖縄の米軍北部訓練場ヘリパッド建設に反対する沖縄平和運動センターの山城博治議長が逮捕され5カ月も勾留されたり、経済産業省前で脱原発の運動をしていた男性が逮捕されたこと、エドワード・スノーデン氏が暴露したようにNSA(米国家安全保障局)が日本の公安に諜報(ちょうほう)システムを譲渡していることなどを挙げ、「公安警察による市民監視と弾圧強化の兆候が見え始めている」と指摘した。

 その上で海渡氏は、「悪法は早いうちに芽をつぶさなければ、戦前の治安維持法のような悪法に育っていきかねない。反対運動を存在させることによって共謀罪法の作動を止め、政権交代したときに廃案に持ち込もう」と訴えた。

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政権交代の緒戦として10月22日の衆院補選での野党共闘を訴える有田氏(2017.9.15筆者撮影)

 国会議員も駆け付け、連帯のあいさつをした。民進党の有田芳生(ありた・よしふ)参院議員は「28日からの臨時国会で、野党の力で廃止法案をまとめ、提出する」と表明。「それだけではない。何としてもみんなの力で共謀罪を廃止する新しい私たちの政府をつくろうではないか」と呼び掛けた。

 有田氏はいつ総選挙があってもおかしくない状況であることを強調し、4年間の政権公約を野党で作ることを提案。具体策として、「共謀罪法」や「戦争法」の廃止、アベノミクスをやめさせる、憲法改正阻止などを例示した。

 1930年代、スペインやフランスで反ファシズムの統一戦線ができたことを紹介し、「今、私たちが立ち向かわなければならないのは、安倍政権。そのために野党が一致して選挙でも勝つ態勢をつくっていくことが重要。私たちの政府を」主張した。

 共産党の藤野保史(ふじの・やすふみ)衆院議員は、共謀罪施行前に法務省と警察庁が全国の警察と検察に出した通達に言及。「この通達をいくら読んでも、一体何をしたら共謀罪で捕まるかさっぱり分からない。結局、判断は警察マター。恣意的乱用を防ぐ仕組みが全くない」と問題視した。

 藤野氏は警察庁の来年度概算要求に「テロ対策予算」と銘打って今年度の倍以上の額が計上されていることに触れ、「具体的には国内外における情報収集、現場執行力の強化などの項目が非常に大きく増えている。テロ対策を口実に国民監視を強めようという安倍政権の姿勢がはっきり表れている」とけん制した。

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「安倍総理には約束通り辞めてもらおう」と福島氏(2017.9.15筆者撮影)

 社民党の福島瑞穂参院議員は同法廃止へ向け野党4党が結束したことを喜び、「どんなことがあっても廃止法案を提出し、そのことによって共謀罪を作動させない。さらに共謀罪を廃止できる数を選挙で一緒につくっていこうではないか」と呼び掛けた。

 「共謀罪は労働組合や市民の運動、平和運動などの弾圧のために使われてきた」と指摘し、1960年代の米国でベトナム反戦運動を展開し暴動の共謀容疑で逮捕され裁判で無罪になった「シカゴ7」の言葉を引用。

 「もしも戦争を終わらせる共謀があるのなら、自分たちもその共謀に参加しなければならない」

 「まさにそうではないか。戦争を止める共謀、人権を守る共謀、働かせ改悪を止める共謀……。みんなで一緒に力を合わせようではないか。安倍内閣を1日も早く打倒しよう」と訴え、「そうだ」の歓声と拍手を浴びた。

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各参加団体の代表者からの発言(2017.9.15筆者撮影)

 参加団体の各代表者からの発言の後、日本消費者連盟事務局長の纐纈美千世(こうけつ・みちよ)氏が集会宣言を読み上げた。特定秘密保護法で知る権利がゆがめられ、通信傍受法で通信の秘密が危うくなり、さらに共謀罪の施行で言論・表現の自由に対する制約が急速に進んでいることを指摘。「このままでは民主主義のプロセスが破壊されてしまいます。私たちの共謀罪廃止の闘いはその実現まで、決して終わることはありません」と結んだ。

 集会の後、参加者たちは「言論封じの共謀罪は要らない」「内心の自由を奪わせないぞ」「テロ対策とうそつくな」などとシュプレヒコールを上げながら、銀座までデモ行進した。

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内幸町の日比谷通りを進むデモ隊(2017.9.15筆者撮影)



「安倍改憲阻止の一点で結束を」、市民アクション発足集会

 「安倍9条改憲NO!全国市民アクション(市民アクション)」の発足集会が8日、東京都中野区内で開かれ、発起人ら有識者が演説した。実行委員会を代表して高田健氏は「安倍改憲阻止の一点で結束を」と呼び掛け、1500人を超える市民が気勢を上げた。

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戦争阻止へ空前の共闘を呼び掛ける高田氏(2017.9.8筆者撮影)

 「市民アクション」は安倍晋三首相による憲法9条改正を阻止するために4日、結成された。「戦争させない1000人委員会」や「解釈で憲法9条壊すな!実行委員会」など19団体で構成する「総がかり行動実行委員会」のほか、「九条の会」や「安全保障関連法制に反対する学者の会有志」「安保関連法制に反対するママの会」など加盟団体や賛同団体が参加する。

 発起人には作家の落合恵子氏やルポライターの鎌田慧(さとし)氏、哲学者の梅原猛氏、精神科医の香山リカ氏、ジャーナリストの佐高信(まこと)氏など19人が名を連ねる。

 あいさつに立った「総がかり行動実行委員会」の高田氏は、2020年改憲を公言した安倍・自民党政権が目標時期を前倒しで進めていると指摘し、「この全国市民アクションは、安倍9条改憲に反対する可能な限り広範囲な共闘を目指すもの。私たちはさまざまな意見や立場を乗り越えて、この一点で結束して闘う」と表明した。

 さらに高田氏は、「安倍政権下での憲法論議をしないのは間違いとの意見を聞くが、そうではない。99条に反し、立憲主義に違反する安倍総理と、まともな憲法論議などできるわけがない。私たちが「安倍改憲NO!」と言うのはこの意味において」と、新団体の命名意図を説明した。

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60年安保を超えた市民運動と労働運動の結合を唱える鎌田氏(2017.9.8筆者撮影)

 鎌田氏は、北朝鮮のミサイル発射や核実験に触れ、「緊張が高まっているが、安倍内閣は戦争しないとの決意が全くない。とにかく米国の尻馬に乗って米国の指示に従うことしか考えていない」とやり玉に挙げた。

 「しかし、私たちの決意は絶対戦争はしない、戦争は食い止める形で戦後ずっと闘ってきた。安倍内閣の言う積極的平和主義は、軍備強化して平和を守ろうという全く間違ったもの。9条を変えるというのは先輩たちに対する侮辱であり、攻撃だ」と批判した。

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「自民に天罰、公明に仏罰、維新と日本ファーストに神罰を」と佐高氏(2017.9.8筆者撮影)

 佐高氏は日本国憲法が男女同権と国際協調の精神によって成り立っていることを説明し、「これは天皇制と真っ向から対立する」と指摘。最近、夕刊フジに掲載された北朝鮮問題をめぐる亀井静香衆院議員(無所属)の発言を紹介した。

 「米国は今、どんどん北朝鮮を追い込んでいる。日本も日米同盟が大事と言って、米国と一緒に合同軍事訓練をやっている。日米間に真の友情があるなら、軍事的威嚇をやめさせるべきだと主張していた。そして、米国がそれに乗らなければ、同盟関係を破棄するくらいの考えでやらなければと。こういう局面では、私たちは亀井さんまで巻き込んで安倍改憲を阻止しよう」と訴えた。

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「麻生のナチ発言、甘利のUR口利き、下村の闇献金疑惑、沖縄反基地運動の山城さんの5カ月に及ぶ不当勾留、稲田朋美の都議選での公職選挙法と自衛隊法に触れる発言、南スーダンPKOの消えた日報、森・加計疑惑…全部忘れちゃ駄目」と訴える落合氏(2017.9.8筆者撮影)

 落合氏は18年度概算要求で防衛省が2.5%強増の5.3兆円を計上し、弾道ミサイル攻撃への対応として約1800億円が盛り込まれていることに言及。「外国製の武器を買うようだが、これは陸上での迎撃ミサイルも含めない額。これだけのお金があれば、福島で住宅手当を打ち切られた方々がどれほど助かるか」と嘆いた。

 その上で、落合氏は「私の考える安全保障は〃法9条を守る▲謄蹐怖いなら、原発を廃炉にF本にある米軍基地をなくす。ターゲットになるから」と提言。「この3つを心に持って、小さな違いはそのままに、私たちは私たちの運動を大きく続けていこう」と呼び掛けた。

 社会派風刺芸人、松元ヒロ氏によるミニライブの後、憲法学者の清水雅彦日本体育大学教授がミニ学習会の講師を務めた。清水氏は、安倍首相の唱える加憲論について「日本会議メンバーで安倍総理のブレーン、伊藤哲夫氏の影響がある」と分析した。

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5月3日の安倍首相による改憲発言を「明らかな憲法違反」と断ずる清水氏(2017.9.8筆者撮影)

 伊藤氏が代表を務める日本政策研究センターの機関誌『明日への選択』16年9月号に掲載された論考を紹介。「改憲はまず加憲から」との考え方に基づき、単に「3分の2」の一角である公明党の主張に適合させるだけでなく、むしろ護憲派にこちら側から揺さ振りをかけ、「統一戦線」を容易に形成させないための積極的戦略を提言している。

 清水氏は、5月3日の憲法記念日に同センターが刊行した『これが我らの憲法改正提案だ』(伊藤氏ら3人の共著)を取り上げ、「ここにはさらに野党共闘に揺さ振りをかけるため、『公明や維新の会、民進党の一部も巻き込む』と書いてある。私たちが揺さ振られない運動をつくらなければ。とりわけ、民進党に頑張ってほしい。野党第1党として先頭に立って野党共闘を維持し、このような改憲の攻勢に立ち向かってほしい」と訴えた。

 その上で清水氏は、「安倍首相は『積極的平和主義』という言い方をしてきた。消極的平和主義が戦争しない、軍隊を持たないといった、何かをしないことによって得られるのに対し、積極的平和主義は本来、何かをすることによって得られる平和という考え方。日本国憲法前文は平和的生存権の権利主体を日本国民にせず、全世界の国民にしている。一国平和主義ではなく、これこそ積極的的平和主義。この理念を実現しなければならない」とくぎを刺した。

 最後に、実行委員会から行動提起がされた。全国で学習運動などに取り組むと同時に、9条改憲を許さない3000万筆の請願署名を来年5月までに集め、国民投票にかける前の国会発議をさせない構えだ。「戦争法」が可決した19日の毎月の国会議員会館前行動に加え、11月3日国会正門前、来年5月3日ほかの大集会を提案し、大きな拍手で了承された。

 友達と十数人で参加した東京大学教養学部の学生、小泉伊知郎さん(20)は「私たちは新安保法制が成立した15年に入学し、国会前のデモにも参加した。大学での軍事研究も解禁された年でもある。戦争法が通り、危険な任務も可能になったが、南スーダンでのPKOであまりに危ないため自衛隊が撤退した。これには9条がけん制になっている部分もあると思う。9条を変えられれば、歯止めが利かなくなってしまう。3000万人署名にも協力するが、それ以前に、多くの学生たちに問題意識を広げていきたい。賛否は一人ひとりが決めること。しかし、国民投票にかける以前に署名に協力し、発議させないために数の力で圧力をかけたい」と話していた。

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行動提起に拍手で応える満員の聴衆。入りきれない市民はロビーのモニターに見入った(2017.9.8筆者撮影)


安倍9条改憲阻止3000万人署名始まる 新宿

 安倍首相が意欲を示す憲法9条改正を阻止するための署名活動が4日、JR新宿駅西口で始まった。「戦争法」廃止を求める1600万人署名を上回る3000万人を目指す。

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買い物帰りに署名する市民(2017.9.4筆者撮影)

 署名活動は、「解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会」主催の「共謀罪廃止!安倍改憲を許さない!9・4街頭宣伝」で全国に先駆けて行われた。

 同実行委員会の高田健氏は「日本の周りは物騒になってきた。北朝鮮は水爆実験をし、米国のトランプ大統領は『そんなことをすれば北朝鮮をせん滅する』と脅している。河野太郎外相は『圧力をかける』の一点張り。火に油を注ぐだけで、本当に全滅しかねない」と日本政府の対応を批判した。

 「唯一の被爆国で憲法9条を持つ日本は、両国の間に入って話し合いのテーブルに着かせるのが仕事では。私の意見に賛成なら、ぜひこの署名に協力を」と呼び掛けた。

 この日は街宣活動に34人が参加し、47筆の署名が集まった。

 安倍9条改憲を阻止するため、同実行委員会などは幅広く個人・団体に呼び掛け、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の結成を予定。キックオフ集会を8日18時半から東京・中野区の「なかのZERO大ホール」で開催する。

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平和的解決を訴える高田氏(2017.9.4筆者撮影)

■関連ページ
「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9・8キックオフ集会

コンビニの闇を暴いたDVDが登場 マスコミは無視

 24時間365日店を閉められず、セブンイレブンだけで年間数百人の加盟店オーナーが倒れている。近くに同じチェーン店の新店舗ができ、廃業に追いやられる店主には借金だけが残る。ノルマを達成するため、自らおでんやクリスマスケーキを買うアルバイト店員……。

 マスコミが決して報じないコンビニエンスストアの闇を暴いたDVDが8月、誕生した。題して『コンビニの秘密——便利で快適な暮らしの裏で』監督:土屋トカチ/監修:古川琢也/企画・制作:NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)。コンビニの構造的問題に光を当てている。

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 全国のコンビニ店舗数は5万5000店以上。総売上高は10兆5700億円を超える。その一方で、冒頭の悲劇や弁当やおにぎりなどの大量廃棄、バイト従業員の恒常的なサービス残業など、環境や労働面でもさまざまな問題を抱える。

 コンビニで生まれる「食品ロス」、すなわち食べられるのに捨てられる食品は年間22万5500トンで、食品小売業から出る「食品ロス」の3割強を占める。スーパーのように廃棄前に「見切り販売」すれば環境にも経営にも優しいが、実施している店舗は全国で1%に満たない。これをやると、本部が契約の不更新(契約解除)をちらつかせて圧力を掛けてくるからである。

 加盟店オーナーはコンビニ本部の社員ではなく、本部とフランチャイズ契約を結ぶ「経営者」の立場。この契約の中で定められているのが「コンビニ会計」と呼ばれる特殊な会計方法で、本部が「見切り販売」させたがらない理由が潜む。DVDに出てくる「コンビニ会計」の仕組みを、下に概説する。

 加盟店オーナーは契約に基づき、ロイヤリティと呼ばれる上納金を本部に収めなければならない。ここではロイヤリティを大手コンビニ3社の平均値に近い60%で計算してみる。仕入れ値70円のおにぎりを20個仕入れ、1個100円で販売し、16個が売れ、4個が廃棄処分となった場合を考える。

売り上げ:100×16=1600円
仕入れ値:70×20=1400円
利益:1600−1400=200円

 双方の取り分は
コンビニ本部 120円
オーナー    80円

 となる。しかし、コンビニでは廃棄処分した商品や万引きなどで紛失した商品は、仕入れ値に含めることができず、オーナーの負担になる。仕入れ値(1400円)から廃棄処分(70×4=280円)を引くと最終的な仕入れ値は1120円となり、利益は(1600−1120=)480円になる。

 双方の取り分は
コンビニ本部 288円
オーナー   192円

 一見利益が増えたように見える。しかし、コンビニ会計では、廃棄されるおにぎりの仕入れ値はオーナー負担となる、廃棄処分品の仕入れ値を利益から引くと、赤字になる。

192−280=−88円

 一方、廃棄する予定だった4個を半額で見切り販売した場合、計算が変わってくる。

定価販売:100×16=1600円
見切り販売:50×4=200円

売り上げ:1600円+200=1800円
仕入れ値:70×20=1400円
利益:1800−1400=400円

 双方の取り分は
コンビニ本部 240円
オーナー   160円

 本部の利益は48円減る一方、オーナー側は黒字へ転化する。廃棄処分が増えた方が本部の利益が上がるのである(興味のある方は、下掲の資料でじっくり計算してほしい)。「見切り販売」させないよう不更新をちらつかせて圧力を掛ける理由がここにある。

 同作品には、両親を過労で亡くし2000万円の借金が残ったオーナーや、「ドミナント」と呼ばれる集中出店戦略で打撃を受け、窮余の策で「見切り販売」を始めると本部から契約解除されたオーナー、タイムカードで退勤を押してから残業するアルバイトなどが登場する。

 加盟店オーナーが過労死しようと借金を増やそうと、本部だけは必ずもうかる仕組みにしている。元大手コンビニ本部の法務担当は「加盟店主で、契約書の中身を理解して入っている人は99%いない」と告白し、「これは奴隷制度、人身御供のシステム」と両断する。

 苦しむオーナーたちは「コンビニ加盟店ユニオン」を組織し、2010年からフランチャイズ規制法(FC法)の制定を訴えている。憲法で保障された生存権を確保するため、24時間365日営業しない選択も認めることや、廃棄処分品の仕入れ値を売上原価に組み込むこと、オーナーの売価決定の自由、新規出店に当たっては既存加盟者との協議を義務付けることなどを定めている。

「オーナーや学生・生徒に見てほしい」と監督

 8月22日、東京都内で同作品の完成上映会とミニシンポジウムが開かれた。監督の土屋氏は講演で、「10年がかりで勉強してきたことを形にできた」と安堵(あんど)の表情を見せた。土屋氏はずっと以前、コンビにオーナーからメールをもらい、「名ばかり経営者で苦しんでいる」「まるで地獄だ」などとつづられていたが、意味が分からなかったという。

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  講演する土屋監督(2017.8.22筆者撮影)

 転機が訪れたのは13年に『ブラック企業にご用心』(PARC)という作品を撮ったこと。「題材の4分の3が過労死だったので、ヘビーすぎると思い、コンビニのバイトを取材したら、『僕、冬場は給料の2割がおでんです』と言われた。買い取らないと、シフトが減らされるのだと。それで、古川さんの本を読み、初めて実態を知った」と吐露した。

 「オーナーは会計の仕組みを分からないまま契約している」と問題視する一方、「苦しんでいても、インタビューを受けてくれる店主がいなかった」と打ち明けた。今回の作品では、顔と名前を出して訴えてくれる人をネット上に見付け、宮崎県まで訪ねている。

 作品の意義について、「加盟店オーナーはじめ、高校生や大学生など、これからアルバイトする人たちに見てほしい。いきなり変えることはできないが、本部はおかしいと思ってもらえれば」と期待を込めた。

マスメディアはコンビニの機嫌取り

 シンポジウムで古川氏は、制作の動機について「08年に『セブンイレブンの正体』(週刊金曜日)を書いたが、内容を一般の方はご存じない。アベノミクスでセブンイレブンやローソンのベアが上がったとか、リサイクルに取り組んでるとか、良いイメージしかない。しかし、セブンイレブンが出資し、税金も投入したアグリガイアシステムは09年に破綻した。コンビニ店舗から出る廃棄弁当はコストが合わず、再利用できないのだ。そうした実態をマスメディアは全然報じない一方、ベア上昇や弁当がおいしくなったことなどを取り上げ、盛んにPRに協力している」と打ち明けた。

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  シンポジウムで話す古川氏(右から2人目、2017.8.22筆者撮影)

 コンビニ加盟店ユニオン副執行委員長の三井義文氏はセブンイレブンの加盟店オーナーだったが、昨年契約を拒否された。契約書にもない決まりを本部側が守らせようとするのを、「説明不足」と反論し続けてきたからである。

 三井氏は「ユニオン」という名称を付けることに当初、多くの組合員から抵抗があったことを明かした。「自分たちは経営者だと思っていたから。しかし、自己責任で仕入れ、自己責任で廃棄するのに、仕入伝票も見られないことに気付いた」と振り返った。

 発端は、ある飲料が近くの量販店で68円で売られているのを知ったとき。自分の店では同じ商品の仕入れに85円の値が付けられていた。不審に思い、本部に「伝票を見せて」と言うと、「見せられません」と拒否された。

 1日の売り上げは集計して本部の口座に送金することになっている。前職が銀行員の三井さんは「店の残高はいくらか」と開示を求めると、本部は「そんなものはありません」と返された。

 「契約書には『本部は会計を代行する』とある。売り上げから仕入れを引けば、いくらか残っているはず。利益は出ているのだから。それなのに、『セブンイレブンの口座なので、売上金はあなたのものではない』と告げられた。コンビニ会計だって、数行『食品廃棄は営業費として加盟店の負担とする』と書いているだけ。不利なことは一切説明なしだ」とやり玉に挙げた。

 司会を務めるPARC共同代表理事の内田聖子氏は「ここまでひどいのに、なぜ加盟店オーナーになる人がいるのか。メディアが書いたりして社会が圧力掛けるべきなのに、どういう仕掛けになっているのか」と尋ねた。

 古川氏は、メディアがコンビニ業界に収入の多くを依存している実態を指摘した。

 「企画会議でコンビニ問題を出すと通らない。コンビニで売らない会員制の定期購読誌のようなものなら別だが。コンビニに機嫌を損ねたら、自分たちはおしまいとの危機感があるのだろう。新聞も売り上げ部数が減っているし。最近、『週刊現代○○日発売号 セブンイレブン限定発売』などの表記も目にする。テレビはあれだけCMを流し、批判しづらい現実がある。ネットメディアは今のところ紙ほどではないが、広告が増えており、今後どうなるか分からない」

 NPO法人コミュニティスクール・まちデザイン理事長の近藤惠津子氏は、「私が大切に思っているのは、食と農がずっと続いていくこと。コンビニは私の考えの対極にある」と突き放した。

 自身が大学などで、コンビニに置かれている商品を検証する講座を開いていることを紹介。「洗わずに食べ荒れる『シャキシャキ野菜』や『サラダミックス』など、大半の学生が食べていた。商品開発の成功談などを読むと、すごいと感動するが、本当かなと思うところがある」と提起した。

 食品リサイクルについて、「売れ残った弁当をブタの餌にするというのが脚光を浴びたが、変だなと思っていた。売れ残った物を餌にして何が偉いの、と。今回の作品ではコンビニに行く食品製造のリサイクル工場を見学したが、これが循環なのか、疑問だ」と首をかしげた。

 その上で、「コンビニは便利だが、知らないことが本当に多い。労働問題も、消費者として知るべきだ」と強調した。

FC法阻むのは業界と政治家の癒着?

 会場から、質問も出た。「本部はなぜ24時間365日店を開けるのを強制するのか」との問いに対し、古川氏は「見切り販売を抑制するため。閉まると弁当を値引き販売する動機が強まる。それによって本部の利益が減るのを恐れているのでは」との見解を示した。

 「廃棄弁当リサイクルでは、ブタが食わなかったと聞いたが」との質問に対し、三井氏は自身の地元でもあるアグリガイアシステムの事業破綻について説明した。

 「アグリガイアシステムはセブンイレブンと提携した30億円のプロジェクトで、2分の1が農水省の補助金、もう半分が銀行団の資金で始まった。翌年、千葉日報の記者が『倒産したが』と私の所に取材に来たので、驚いた。廃棄は本部指定の業者に1万円で依頼していたが、前年『3万円になるが、セブンイレブンのイメージになるから』と言われ、変えていた。倒産の話は本部から来なかった。廃棄弁当はブタには食わせられなかったと業者から聞いた。味が濃すぎて、ブタの体には良くなく、ブタ業者は買わなかったのだ。しかし、こうしたことはその後一切発表されなかった」

 報道が止まった理由について三井氏は、「国が関わっているから自民党がつぶしたんでしょう。当時の農水大臣は石破茂で、この事業がエコになると農水大臣賞まで出している。フランチャイズ法ができないのも、国との間の“握り”があるからではないか」との見方をした。

 内田氏が「国会議員は動かないのか」と向けると、三井氏は「民主党は法制定に取り組んでいたが、終わった。自民党の議員はコンビニの問題を知っているが、やらない。日本フランチャイズチェーン協会との関係があるとの証言がある。恐らく金が流れているのだろう」と補足した。

↓「コンビニ会計」の仕組み(上映イベント当日資料より)
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■参考ページ
『コンビニの秘密——便利で快適な暮らしの裏で』(PARCホームページ)

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 2016年11月から配信してきたfoomiiのメールマガジン『高橋清隆のニュース研究』は、2017年8月末をもって配信を終了しました。読者の皆様には突然のお知らせとなってしまい申し訳ございません。

 今後は1人でも多くの人にご覧いただけるよう、同主題の記事も当ブログで発表していこうと思います。

 これまでご購読ありがとうございました。

「加計孝太郎と安倍総理を詐欺容疑で告発する」黒川氏が連帯呼び掛け

 「今治加計獣医学部問題を考える会」(以下、「考える会」)共同代表の黒川敦彦氏は8月29日、国会議員会館内で開かれた「安倍やめろ!8・29緊急市民集会」(主催・森友告発プロジェクト)で「加計孝太郎と安倍総理を詐欺容疑で告発する」と宣言し、400人を超える参加者から賛同の拍手を浴びた。

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森友告発と加計告発の共闘を呼び掛け、喝采を浴びる黒川氏(2017.8.29筆者撮影)

 黒川氏は愛媛県今治市に住み、5月に「考える会」を結成。情報公開請求制度を使い、これまで10000ページに及ぶ同市の加計学園獣医学部新設に関する資料をウェブ上に公開している。

 この日の集会では、ノンフィクション作家の森功氏と共に特別講演をした。「今治の地から・現地報告」と題し、加計学園疑惑の本質として〔鵤毅芦円の補助金詐欺▲丱ぅセーフティー偽装パーティールーム建設での補助金請求未遂を挙げた。

 (孤科学省提出資料によれば、岡山理大獣医学部の建設費は坪単価が150万円だが、今治市建築指導課に提出した坪単価は88万1600円と乖離(かいり)している。一般的に鉄骨造は鉄筋コンクリートより2割ほど安いはずで、70万円くらいでもおかしくない。「倉庫に毛が生えたような建築仕様」との専門家の評価を紹介した。

 現在、計画されている施設・設備は高度なウイルス研究を行うに十分な機能を持っていないことを説明。「バイオセーフティーレベル3の実験室の設置をうたうが、この構造でレベル3のウイルスを使えば簡単にバイオハザードが起きる」との専門家の指摘を紹介。

 8Φ翕錣裡軍にはワインセラーが設置されたパーティールームが描かれていて、そこにも補助金が流れるはずだった。この問題が指摘されてから、設計会社はこの部分を削除している。
 
 黒川氏は、これら52枚の図面と関連文書を独自入手し、7月23日にNHK『クローズアップ現代』に持ち込んだが、お蔵入りにされた。業を煮やして持ち込んだ民放テレビの幾つかが8月23日に報道し、明るみに出た。パーティールームの削除修正もこれを受けてのこと。

 しかし、黒川氏は「設計会社は『当初計画していたが、皆さんに言われて取りやめた』と説明したが、設計したSDI創建は加計孝太郎の会社。自分が提案し、自分で取りやめただけ。小学生以下の言い訳か」とやり玉に挙げた。

 黒川氏は、今治市議25人が1人当たり1000万円の賄賂をもらったとして8月21日、収賄罪で告発状が出されていることを報告した。内部告発に基づくものである。

 「市内においても騒然としてきている。場合によっては誰かがしゃべったりして、本当に逮捕者が出る可能性もある。これから僕ら今治市民がやるべきことは、加計孝太郎と安倍首相を詐欺容疑で告発すること」と述べた。

 その理由として黒川氏は「これをやると、大学設置審が本当に嫌がるから。設置審で駄目になった例は、理事長の犯罪くらいしかない。さらに後ろには安倍総理がいて一緒に犯罪を仕掛けている」と説明。

 建築費水増しについては大方証拠がそろっていて、法律の専門家と打ち合わせても告発状を出せるレベルになりつつあることを明かした。

 「できれば1000人くらいの名前で告発状を出して、このままこっそり10月末に設置審を通そうとしている安倍政権に対して待ったをかける。この加計学園が認可されなければ、安倍さんは非常に苦しい状況になり、恐らくつぶせる」との見通しを示した。

 その上で、黒川氏は「ぜひ東京でも、皆さんの力をお借りし、全国運動として加計孝太郎と安倍晋三の告発運動をやっていきたい」と呼び掛けると、賛同の拍手と歓声が沸いた。

 集会では、加計問題の行方を別の視点から考えさせる発言も相次いだ。

 伊藤塾塾長で「安保法制違憲訴訟の会」共同代表も務める伊藤真弁護士は、米国ワシントンD.Cのホロコースト博物館に掲げられている「ファシズムの初期兆候」14を読み上げた。それには「強力で継続的なナショナリズム」「人権の軽視」「団結の目的のため敵国を設定」などと並び、「身びいきのまん延や腐敗(汚職)」が含まれ、この箇所になると参加者から感服の声が漏れた。

 伊藤氏は「こういうことを許していては、本当のファシズムにつながってしまう」と訴えた。

 岡山理大獣医学部新設について、文科省の大学設置審はほとぼりが冷めることを想定して10月末に認可適当を出す可能性が高い。しかし、臨時国会での追及や新たな文書発覚による世論の盛り上がりも無視できない。

 「オールジャパン平和と共生」運営委員で冤罪(えんざい)事件と闘う経済学者の植草一秀氏は、「9月末招集の臨時国会で冒頭解散の可能性も排除できない。そうなれば10月22日投票の総選挙になり、国会審議も吹き飛ぶ。こんな策略もあるかもしれないと知った上で、私たちは絶対に勝たなければならない」と注意喚起した。
 
 「考える会」では9月23日16時から、今治市内でデモを計画している。


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  パワーポイントを使い、加計学園における建設費の水増しを説明する黒川氏(2017.8.29筆者撮影)

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  「Jアラートという空襲警報を、生きているうちに聞くとは思わなかった」と好戦内閣を糾弾する伊藤氏(2017.8.29筆者撮影)

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  安倍退陣を迫る第一理由に「人の道に外れる」を挙げる植草氏。(2017.8.29筆者撮影)

ニュース研究 全員を奴隷化するための現金廃止

 今回は独立系メディア『ACTIVIST POST』に8月25日、掲載されたキャッシュレス社会を主題にした記事を紹介する。そこでは、現金廃止を「完全なる略奪」と断じている。

 キャッシュレス化については、4月10日配信の当メルマガ「現金廃止計画がIMF文書に 」でも紹介した。独立系メディアは総じて現金廃止の動きを批判している。ジョン・コールマンやデーヴィッド・アイク、フリッツ・スプリングマイヤーらが「人類奴隷化の一環」と指摘した立場と矛盾しない。

 「また、小さき者にも、大いなる者にも、富める者にも、貧しき者にも、自由人にも、奴隷にも、全ての人々に、その右の手あるいは額に刻印を押させ、この刻印のない者は皆、物を買うことも売ることもできないようにした」

 新約聖書の「ヨハネの黙示録」第13章にあるこの一節は、世界的な支配権力が2000年以上かけて意図的に現金廃止とICチップの人体埋め込みを企図してきたことを連想させる。

 早速、筆者による『ACTIVIST POST』の記事全訳を下に掲げる。

… 続きは、本日のメルマガ『高橋清隆のニュース研究』8月28日号「全員を奴隷化するための現金廃止」でご購読ください。

 2016年11月より、メールマガジン『高橋清隆のニュース研究』[月額:540円(税込み)/配信サイト:foomii(フーミー)]/を配信しています。
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岡山理大獣医学部が認可保留 ウルトラCも?

 安倍首相の意向が働いたとみられる18年開学の岡山理科大学の獣医学部設置について25日、文部科学省大学設置に関する分科会が審査継続(保留)の答申をまとめた。10月末までに認可されなければ18年4月の開学はないが、同年5月以降の開学や次年度以降の設置の可能性は排除できない。

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文科省側の説明を求める桜井座長(中央、2017.8.25筆者撮影)

 文科省が発表したのは、16年11月から17年4月に大学設置・学校法人審議会に諮問された18年開学予定の大学や大学院、短大のうち、大学設置分科会と学校法人分科会の審査を経た答申。

 58の大学や学部等が認可適当とされる一方、1件が申請取り下げ、加計(かけ)学園の運営する岡山理科大獣医学部を含む10件が審査継続(保留)となった。

 同省によれば、通例、答申を受けて8月までに文科大臣が判断するが、10月に判断が下されたこともあり、予断を許さない。

 発表直後に開かれた民進党加計学園疑惑調査チーム会合では、同学園の開学がなくなったのかどうかについて質問が相次いだ。岡山理大の獣医学部が保留になった理由について、文科省は「審査継続中であり、明らかにできない」とした。

 宮崎岳志衆院議員が「満たされていない部分があるから保留になったものの、その部分を改善して再申請すれば、認可も有り得るか」と質問したのに対し、文科省の担当者は「9月中に再申請されれば、有り得る」と答弁した。

 共同座長の桜井充参院議員は「平成30年開設の獣医学部を1校に限り認めた国家戦略特区法に関する1月4日の内閣府・文科省大臣告示はいつまで有効か。31年度以降の開学も有り得るか」と尋ねたのに対し、文科省側は「整理して回答する」とした。

 桜井氏は「今までこうした事例はないから、無理もない」と同情しながらも、「ウルトラCもあるかもしれない」と警戒した。

 衆院国対委員長の山井和則衆院議員は、「保留になった意味は大きい。あれだけ『熟度が高い』と持ち上げ、安倍総理は『成長戦略の目玉』と断言してきたのがうそということ。国民の血税が100〜200億円無駄遣いされようとしていた」と政府の説明を批判した。

 桜井氏は設計図にワインセラーが描かれていたり、建設費が通常の倍近くで計算されていたりする点に触れ、「これらは審査対象か」とただした。これに対し、文科省の担当者は「審査していない。施設整備について、基準はない」と答弁した。

 桜井氏は「今治市は設置審で審査中の資料は出せないとしているが、確認は市がするのか。土地は37億の無償提供、建物は96億の補助が出てほぼただで整備できるとの指摘もある。多額の税金が入るが、地方税だから国は関与しないというのか、じゃあ、どこが判断するのか」と追及した。

 文科省側は「確認する」と答弁するにとどめた。

ニュース研究 相模原殺傷事件報道の真意

 16年7月に起きた相模原殺傷事件は、精神保健福祉法改正のために報道された。同法は権力に盾突く思想の持ち主を精神障害の名の下、強制収容および監視するためのものであり、戦争法や共謀罪、特定秘密保護法とセットで国民弾圧を準備するものとみる。

 この事件は相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、27人が重軽傷を負ったもの。犯人は元同施設職員の植松聖(さとし)で、「意思疎通できない人たちを刺した」と供述。事件の4カ月前、措置入院していた。

 今さらこの事件報道を取り上げるのは、NHKが15日、「差別ない社会目指すべき 高校生が知事に提言 神奈川」とのニュースを流したからである。同県内の高校生による模擬議会を伝えるもので、「共生社会」委員会の生徒が黒岩知事に「差別のない社会を目指すべきだ」との提言をしていた。

 私はマスメディアで大報道される事件など、眉唾物だと思っている。全てがやらせだと即断はできないが、全て宣伝(プロパガンダ)であることは間違いない。10年ごろまでは丹念に事件の真相を追い、法整備との因果関係を調べてきたが、今ではその気力もない。法則が分かっているのだから。

 15日のNHKニュースは、「差別のない社会が理想ですが、まずは差別を注意できる人を増やしていくことから始めようと考えました」との生徒の声で締めくくられた。私はこの考えを聞いてぞっとした。これまで当メルマガで説明してきたように、ヘイトスピーチ騒ぎは言論弾圧が目的だからだ。

… 続きは、本日のメルマガ『高橋清隆のニュース研究』8月21日号「相模原殺傷事件報道の真意」でご購読ください。

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雨の中、2400人が安倍退陣求める 国会前

 安倍内閣退陣を求める大規模な集会が19日夕、国会議員会館前で開かれた。北朝鮮の脅威をあおられ米国から武器・装備品を買い進む政権を批判する演説が相次ぎ、市民約2400人は土砂降りの中、「戦争法と一体の共謀罪は必ず廃止」などとシュプレヒコールを挙げた。

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「米国による核の脅しをやめさせることが一番求められている」と訴える田村氏(2017.8.19筆者撮影)

 主催者を代表してあいさつに立った憲法共同センターの宇田川敬介氏は、「北朝鮮の挑発行動を最大限利用して今、戦争体制づくりが強められている」と指摘。17日の日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)での小野寺五典防衛相の発言に触れた。

 「北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過した場合、集団的自衛権を行使して地上配備型迎撃ミサイル(PAC3)などで対処すると発表した。しかし、日本の上空を通過することがどうして存立危機事態になるのか。戦争法の拡大解釈としか言いようがない」と批判した。

 陸上型イージスシステムの導入調査費が来年度概算要求に盛り込まれる一方、社会保障費は今年度、医療分野で950億円、介護分野で450億円抑制されている。イージスシステムは1基800億円。8月から一定の所得のある70歳以上の高度療養費の上限額や高額介護サービス費の上限額も引き上げられた。

 宇田川氏は「国民の命を守る予算は削る一方で、憲法が禁止する集団的自衛権の行使を促す予算は増やす。この逆立ちした政治に抗議を」と訴えた。

 共産党の田村智子副委員長は、2年前の新安保法制審議時に自公が「日米同盟が強化されれば抑止力が高まって日本の平和と安全が確かなものになる」と主張したことを取り上げた。

 「北朝鮮の核・ミサイル実験が繰り返され、トランプ大統領が挑発すれば、まさに戦争一歩手前の状況になっている。なぜ、トランプに挑発をやめろと言えないのか。北朝鮮に対しても、核兵器は自国を守る力にならないから投げ捨てよと、なぜ言わないのか」と提起。

 「2プラス2を見ても、ますます軍事力に頼って北朝鮮への制裁を強めることしか出て来ない。これでどうやって北朝鮮に核兵器廃絶について語り掛け、世界から核をなくすことができるのか。米国との軍事同盟そのものを見直すべき」と主張した。

 田村氏は広島・長崎の被爆者団体が安倍首相との面談時に国連で7月に採択された核兵器禁止条約への批准を求めたことを挙げ、「ちゃんと批准できる政府をとの立場で面談したことに胸を打たれた。今の政府を変えることがアジアの中でも求められている。臨時国会を開催させ、そこで安倍政権を追い詰めようではないか」と呼び掛けた。

 安保法制に反対する学者の会の西谷修・立教大学特任教授は北朝鮮によるミサイル発射予告に触れ、「一番被害を受けるのは韓国。それを差し置いて日米が盛り上がっている。日本の存立危機事態だとして、集団的自衛権を行使しようとしている」と指摘した。

 「グアムに飛ぶロケットや落ちてくる部品を打ち落とすためにミサイルを米国からばんばん買う。米陸軍だって買わないオスプレイも。世界中が危ないから買わない、捨て場のない物を日本が買い取っている」

 「北朝鮮によるただの実験も『攻撃』だと言って、騒ぎ立てて。日韓軍事演習の方がはるかに大規模なのに」とやゆした。

 一方、西谷氏は「北朝鮮の件は米国には本当は問題でなくても、トランプ大統領はロシアゲートがごまかせる。安倍総理は森友・加計(かけ)疑惑から目をそらせる」と利害の一致を強調。その上で「今、米国と仲がいいから、日本は負けたんじゃないことにする。これが歴史修正主義だ」と両断した。

 参加者たちは時折雷鳴が響く中、傘やカッパで雨を防ぎながら「戦争と一体の共謀罪は必ず廃止」「共謀罪は許さない」「森友疑惑徹底追及」「加計疑惑も徹底追及」「国家の私物化許さない」「朝鮮半島戦争するな」「加計孝太郎氏の証人喚問」「臨時国会直ちに開け」などと、官邸に向かい声を張り上げていた。

 行動提起が最後にあった。主催した、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は9月8日18時半なかのZERO大ホールで「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9・8キック・オフ集会」、9月18日代々木公園B地区で「ともに生きる未来を!さようなら原発 さようなら戦争全国集会」後のデモ行進などを予定する。

 また、共謀罪廃止のための連絡会は9月15日18時半、日比谷野外音楽堂で「共謀罪は廃止できる! 9.15大集会」と集会後デモを予定している。

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  「トランプと安倍の利己のため、めちゃくちゃなことが行われている」と糾弾する西谷氏(右、2017.8.19筆者撮影)

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  雨の中、安倍退陣を求める市民(2017.8.19筆者撮影)

ニュース研究 軍産複合体が演出する米朝対立

 北朝鮮が核を積んだ中距離弾道ミサイルを発射するとの宣伝がかまびすしい。米国大統領の挑発発言とも合わせて伝えるのは、日本人に脅威を与えるためにほかならない。その背後には、利己のため世界地図を勝手に描く軍産複合体の存在がある。

… 続きは、本日のメルマガ『高橋清隆のニュース研究』8月14日号「軍産複合体が演出する米朝対立」でご購読ください。

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新聞に載らなかったトンデモ投稿
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著者プロフィール


反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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