保守系言論誌『月刊日本』の辻説法会が23日、東京・新橋駅前で開かれ、南丘喜八郎主幹や坪内隆彦編集長、支援者の小俣博照氏らが、福島原発事故への対応などについて政府を批判した。

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従米マスコミに相対する言論空間を引っぱる南丘氏(2016.2.23筆者撮影)

中選挙区制と派閥の復活を
 小俣氏は、選挙制度について問題提起した。「自民党が政権を取り、経済に力を入れているとされるが、何かよくなったか。この15年間、暮らしが悪くなる一方なのは、今の選挙制度のあり方が最大の原因」と指摘した。

 高度経済成長時代の自民党の業績をたたえる一方、「今の自民党は総裁に逆らえない。公認権とお金を握っているから。中選挙区時代は派閥の長が同志を集め、毎夜勉強会を開いた。“族議員”と言うと悪い側面を思い浮かべるが、厚生労働分野や、通産、運輸など、所属議員がそれぞれのテーマを持って必死に取り組んだ」と派閥制を再評価した。

 政治家の資質に触れ、「若手も一生懸命勉強した。だから、今のようなくだらない事件はなかった。政治家を目指す人は、日本を何とか良くしたいとの一心でバッジを付けたもの。今は学歴はあるが、人間的にちょっとという人が多い。そういう人を批判する前に、入れた人が悪い」と苦言。「中選挙区制に戻すべき」と主張した。

TPPはグローバル企業による略奪
 坪内氏は、環太平洋経済連携協定(TPP)の問題を取り上げた。マイケル・ムーア監督の『シッコ』を引き合いに「米国では、庶民は医療にアクセスできない」と規制緩和を批判する一方、「今は米国民も目覚めつつある。『日本を見習って、国民皆保険制度を』と訴える民主党のバーニー・サンダース上院議員が大統領予備選で支持を集めている」と紹介。

 続けて「ところが、日本は自らの手で国民皆保険を空洞化させようとしている。TPPは大手製薬会社に利益をもたらすが、混合診療を認め、薬の特許期間を延長し、一般の医療費が莫大に高くなる。この恐るべきもくろみを、日本のテレビ・新聞は一切報じない」と批判し、次のように訴えた。

 「『月刊日本』はこの問題を再三取り上げてきた。規制改革の名の下にわが国の優れた医療制度を破壊することは断じて許されない。小泉・竹中政権が進めた郵政改革に象徴されるグローバル企業による略奪に拍車を掛けようとしている」

原発事故は従米政治の産物
 南丘氏は、権力と結託したマスコミの在り方を批判した。2011年の福島原発事故に触れ、「岡山大学の津田敏秀教授の調査では、当時18歳以下だった同県民の甲状腺がん発生率が、全国平均の20〜50倍に達する。ところが、安倍政権は一昨年、リオデジャネイロで五輪欲しさから『アンダーコントロール』だと言った。全部うそ。新聞やテレビはこの調査を一切報じない」とやり玉に。

 さらに「事故を起こした原子炉は、米GE社が造った欠陥炉。設計者がこのことを告白し、『必ず事故を起こす』とGE幹部や政府高官に明かしている。米国のテレビは福島原発事故の直後、彼のインタビューを伝えたが、日本の新聞は報じない」と紹介。

 「マスコミが真実を伝えない中、安倍政権は米国の奴隷として、国民から集めた税金でオスプレイを買い込み、米国企業のために奉仕し、われわれ国民はこき使われている。他の国の人は日本を米国の植民地だと思っている」とやゆした。

 TPPについても「協定の正文は英語、フランス語、スペイン語で、日本語ではない。日本側は採用するよう1度も働き掛けていない。国民をだますために翻訳もしなかった」と指摘した。

 その上で南丘氏は、「わが国は国連の非常任理事国だが、国連は英語で“United Nation”すなわち連合国で、中国ではそう訳している。つまり占領軍のこと。民主党も自民党も、国民をだまして今日まで政権運営をしている。テレビ・新聞が本当のことを伝えない中、われわれは精一杯、国民に真実を伝えていきたい」と表明した。

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