環太平戦略的洋経済連携協定(TPP)批准の国会審議を来週に控えた3月30日、「TPPを批准させない3.30国会行動」が東京で開かれた。憲政記念館での決起集会では、多国籍企業が資金力で加盟各国の政治を支配する構造への批判が相次いだ。

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批准阻止の意志表示で、アピールを採択する参加者(2016.3.30筆者撮影)

 決起集会は衆議院第二議員会館前での座り込みに続き、午後5時から開かれた。民進、共産、社民、生活の野党4党からと無所属の亀井静香衆院議員の合わせて9人の国会議員も参加。約700人が地域・各界からの決意表明を聞いた。

 TPP交渉差止・違憲訴訟の会弁護団共同代表の岩月浩二氏は「米国で可決するはずもない法案を通すことを許しているのは誰か。マスコミだ。米国ではCNNまでTPP、ISDSはけしからんと紹介するようになっているのに」とわが国のマスメディア報道を批判した。

 岩月氏はTPPの表記が“大筋合意”の頃から「環太平洋戦略的経済連携協定」から「環太平洋パートナーシップ」に変わっていることを挙げ、「これは経済・投資分野に限らず連携することを示している。これはクーデターだ。グローバル資本が知らない間に加盟国の政治を支配し、国民を犠牲にしていく。そういう枠組みとして計画されている」と指摘した。

 ママデモ代表の魚ずみちえこ氏は、国際連帯組織「サード・トレード・ネットワーク」のサーニャ・リードスミス氏からの情報として、「TPPのシナリオを書いているのは多国籍企業出身のアドバイザー」であると紹介した。

 「彼らが米国政府にポジションを得て、自分たちに有利なルールを作り、諸外国を支配していく。選挙キャンペーンのお金も支払っていて、安倍内閣もこれに倣った政策を出しているのでは」と提起した。

 魚ずみ氏は「国会議員の皆さんにお願いがある」と来賓席を向き、妊娠から子育てまで女性がいかに食に気を配っているかを告白。「人が当たり前に、普通に生きられるように、企業の利益のためだけのTPPの批准をどうか止めてください」と訴えた。

 集会では「国会議員は自らの責任で行った国会決議を守るために、全力を挙げるべきです。いのちよりも大企業の利益が優先される社会をつくるTPPに、『ノー!』”の声を上げ続けましょう!」などのアピールを採択した。

 参加者はこの後、キャンドルに火をともし、「TPPの批准をさせない」「日本の農業・漁業を守れ」「遺伝子組み換え絶対食べない」などとシュプレヒコールを上げ、日比谷公園までデモ行進した。

 北海道農民連盟に所属する農業従事者50人は、そろいの赤いジャンパーを着て参加。北見地区の佐藤正光さん(58)はTPPの秘密性に触れ、「国民にも国会議員にも情報提供していない中で、ちゃんと審議できるのか。国民の命や自然環境より、大企業の利益を大事にする協定は何としても止めたい」と批准阻止を期していた。

 TPPの国会承認と関連11法案を審議する衆院特別委員会は4月5日から開かれる。

 自民党は2012年12月の総選挙の際、「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。日本を耕す!!」と訴えて政権を奪還した。13年の自民党決議には「国民に十分な情報公開と説明責任を果たす」と明記されているが、協定文が公開されて以降、一般市民が参加できる政府による説明会は1度も開かれていない。

■参考サイト
TPP交渉差止・違憲訴訟の会ホームページ

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岩月氏(2016.3.30筆者撮影)

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魚ずみ氏(2016.3.30筆者撮影)

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デモ行進する原中勝征(はらなか・かつゆき)前日本医師会長(左から2人目)、山田正彦元農水相(同3人目)ら参加者(2016.3.30筆者撮影)