「今治加計（かけ）獣医学部問題を考える会」など市民５団体が３日、文部科学省を訪れ、岡山理科大が来春の開学を目指す獣医学部について厳正な設置審査を求める要望書を提出した。希望の党結党など総選挙をめぐる報道が席巻する中、森友・加計両疑惑を忘れさせない意図がある。
文科省の担当者に要望書を手渡す黒川氏（左、2017.10.3筆者撮影）
文科省を訪れたのは、ほかに「森友学園問題を考える会」「森友・加計告発プロジェクト」「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」「加計学園問題追及法律家ネットワーク」の代表者ら。
要望書は「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦氏と「森友学園問題を考える会」の木村真・豊中市議の連名で、林芳正文部科学相や大学設置・学校法人審議会長らに宛て、「以下の観点を考慮し、厳正なる審査」を求めている。
考慮すべき観点として、�〃�設費水増しによる補助金詐取疑惑の存在��建築中の施設にバイオハザードリスクが存在��設置審査に極めて高い政治介入を危惧�ず�治市が１０月から４、５カ月かけて審議する第三者委員会の結果——を挙げている。
��では「政治によって行政がゆがめられてはならない」との前川喜平・前文科事務次官の言葉を引き、「設置認可に強い政治的意図が働き、追及を受けたときに文科官僚が記憶にない、記録にないという答弁を繰り返せば、子供たちに対し何を信じ勉学に励みなさいと説明すればいいのか」と問い掛けている。
午後１時すぎ、文科省１２階の空き部屋に通された５団体の代表者らは、高等教育局専門教育課の山本悟課長補佐に要望書を手渡した。黒川氏は「審査が厳正に行われることを強く願う。解散総選挙の大きな争点の１つが森友・加計問題と言われている。文部科学省の審査がどうなるか、全国の市民の関心事になっている」と言い添えたが、担当者は無言だった。
業を煮やした木村氏が「ひどい対応だ。テーブルもないし。信じられへん」と抗議したが、担当者はただ受け取るだけで、コメントを差し控えた。
要望書の提出に先立って同省内で開かれた記者会見で黒川氏は「当初、設置審が１０月４日開かれるとの情報があったが、１０月２３日以降にずれ込んだらしいと複数のメディア関係者から聞いた。つまり、総選挙が終わった後。総選挙の争点の１つが森友・加計問題を説明してこなかった安倍政権の姿勢を問うものだったはず」と指摘。要望書提出は、両疑惑を選挙突入でうやむやにしようとする安倍政権をけん制するためであることを明かした。
「今治加計獣医学部問題を考える会」と「森友学園問題を考える会」は２６日、モリカケ共同追及プロジェクトを発足させ、大阪府内で記者会見を開いている。総選挙へ向け、希望の党を中心にした野党再編報道が席巻する中、両疑惑が忘れ去られる可能性がある。３日の会見は、さらに３団体を加えたプロジェクトで国民の関心を引く狙いもあった。
会見で同プロジェクトは、加計晃太郎理事長と安倍晋三首相に対し、詐欺罪と詐欺幇助（ほうじょ）罪で１０月中にそれぞれ刑事告発することを発表した。提出時期について「森友・加計告発プロジェクト」の田中正道共同代表は「グッドタイミングを見計らって」と吐露し、現政権に最も打撃を与える時機を示唆した。
「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川氏ら２人は今治市に大学建設用地の返還と補助金の差し止めを求める住民訴訟を９月６日に起こしている。「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」共同代表の醍醐聰（だいご・さとし）・東大名誉教授は「自民党が勝ったところであったことをなかったことにできない」と強調した。
希望の党が「しがらみのない政治」を前面に掲げているが、「森友学園問題を考える会」の木村氏は「脱しがらみと言うなら、森友・加計両疑惑はしがらみの最たるもの。追及してくれるものと思っている」とくぎを刺した。
記者会見に臨むモリカケ共同追及プロジェクトの面々（2017.10.3筆者撮影）
文科省を訪れたのは、ほかに「森友学園問題を考える会」「森友・加計告発プロジェクト」「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」「加計学園問題追及法律家ネットワーク」の代表者ら。
要望書は「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦氏と「森友学園問題を考える会」の木村真・豊中市議の連名で、林芳正文部科学相や大学設置・学校法人審議会長らに宛て、「以下の観点を考慮し、厳正なる審査」を求めている。
考慮すべき観点として、�〃�設費水増しによる補助金詐取疑惑の存在��建築中の施設にバイオハザードリスクが存在��設置審査に極めて高い政治介入を危惧�ず�治市が１０月から４、５カ月かけて審議する第三者委員会の結果——を挙げている。
��では「政治によって行政がゆがめられてはならない」との前川喜平・前文科事務次官の言葉を引き、「設置認可に強い政治的意図が働き、追及を受けたときに文科官僚が記憶にない、記録にないという答弁を繰り返せば、子供たちに対し何を信じ勉学に励みなさいと説明すればいいのか」と問い掛けている。
午後１時すぎ、文科省１２階の空き部屋に通された５団体の代表者らは、高等教育局専門教育課の山本悟課長補佐に要望書を手渡した。黒川氏は「審査が厳正に行われることを強く願う。解散総選挙の大きな争点の１つが森友・加計問題と言われている。文部科学省の審査がどうなるか、全国の市民の関心事になっている」と言い添えたが、担当者は無言だった。
業を煮やした木村氏が「ひどい対応だ。テーブルもないし。信じられへん」と抗議したが、担当者はただ受け取るだけで、コメントを差し控えた。
要望書の提出に先立って同省内で開かれた記者会見で黒川氏は「当初、設置審が１０月４日開かれるとの情報があったが、１０月２３日以降にずれ込んだらしいと複数のメディア関係者から聞いた。つまり、総選挙が終わった後。総選挙の争点の１つが森友・加計問題を説明してこなかった安倍政権の姿勢を問うものだったはず」と指摘。要望書提出は、両疑惑を選挙突入でうやむやにしようとする安倍政権をけん制するためであることを明かした。
「今治加計獣医学部問題を考える会」と「森友学園問題を考える会」は２６日、モリカケ共同追及プロジェクトを発足させ、大阪府内で記者会見を開いている。総選挙へ向け、希望の党を中心にした野党再編報道が席巻する中、両疑惑が忘れ去られる可能性がある。３日の会見は、さらに３団体を加えたプロジェクトで国民の関心を引く狙いもあった。
会見で同プロジェクトは、加計晃太郎理事長と安倍晋三首相に対し、詐欺罪と詐欺幇助（ほうじょ）罪で１０月中にそれぞれ刑事告発することを発表した。提出時期について「森友・加計告発プロジェクト」の田中正道共同代表は「グッドタイミングを見計らって」と吐露し、現政権に最も打撃を与える時機を示唆した。
「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川氏ら２人は今治市に大学建設用地の返還と補助金の差し止めを求める住民訴訟を９月６日に起こしている。「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」共同代表の醍醐聰（だいご・さとし）・東大名誉教授は「自民党が勝ったところであったことをなかったことにできない」と強調した。
希望の党が「しがらみのない政治」を前面に掲げているが、「森友学園問題を考える会」の木村氏は「脱しがらみと言うなら、森友・加計両疑惑はしがらみの最たるもの。追及してくれるものと思っている」とくぎを刺した。
