22日投開票の衆院選に山口4区から立候補した「今治加計(かけ)獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦氏(39、無所属)は10日午前、下関市内で開かれた安倍晋三候補の出陣式に出席した昭恵夫人に安倍氏本人との討論を求めた。

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山本議員と共に話し合いを求める黒川氏(左から2人目、2017.10.10下関市内で筆者撮影)

 同市内の公園で開かれた安倍候補の出陣式は、大勢の支援者や地方議員に交じり、無数の公安警察官の姿が見られた。規制線が敷かれ、マスメディアの記者も自由な移動が禁じられ、物々しい雰囲気の中で進行した。

 安倍候補自身は出席せず、昭恵夫人が代わりにあいさつした。会場の一角に、SPとマスコミ記者が取り囲んでいる場所があった。森友・加計の両問題で加計孝太郎氏と安倍首相を告発している黒川氏と、彼を応援する参院議員の山本太郎氏が中央にいた。

 支援者が「昭恵さん、頑張れ!」とコールするのに合わせ、両氏は「頑張れ—」と唱和する。来場の真意が見えず、警察や支援者らはぴりぴりしていた。

 出陣式は30分ほどで終了し、昭恵夫人が握手しながら出口へ向かう。逃げるようにして街宣車に近付く夫人に、黒川・山本両氏が足早に接近した。

 「今回、選挙に出る黒川と申します。よろしくお願いします」

 中継されている以上、無碍(むげ)にはできない。昭恵夫人は両氏に手を差し出した。黒川氏は続けた。

 「ぜひ、安倍さん本人と討論できる場を設けてください」

 関係者にブロックされながら車に乗り込んだ昭恵夫人は、マイクを通し、「山本太郎議員も来てくださいました。ありがとうございます」と応えた。

 
 発車前、黒川氏のスタッフは、安倍候補の秘書に演説会の開催を求める要望書を手渡していた。文面は14日または15日に下関市役所前広場で安倍候補との合同立ち会い演説会の開催を求めている。

 黒川氏は「選挙期間中、一度も選挙区で演説しないというのは、有権者に対する冒とくだ。政策の中身について討論する場を提供する必要があると思う。それを伝えたかった」と話す。

 山本氏は昭恵夫人の対応について「突然のことなのにああいうふうに返すのは、さすがだと思った。でも、中身があるかどうかは別」と、人間性を認めながらも疑惑と政策について本人から一切説明がないことを指弾した。

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出発する街宣車。前方左窓からの手は昭恵氏(2017.10.10筆者撮影)