【PJニュース 2009年11月7日】2003年5月17日にりそな銀行が国家救済された際、当時の竹中平蔵金融相らが大規模なインサイダー取引をした疑いについて10月23日、記者が亀井静香金融・郵政担当相に調査の意志を尋ねた。亀井大臣が興味を示す中、証券取引等監視委員会に参考資料が届き、当局の動向が注目される。

IMG_0941
記者団に囲まれ動画中継もされる中、りそな疑惑の調査動向に関心を示した亀井大臣(撮影:高橋清隆、10月23日)

 りそな銀行救済に伴う株価変動で外資系ファンドが大きな利益を上げたが、政策決定者である当時の竹中金融相らがこの機密情報を私用した可能性を、エコノミストの植草一秀氏が指摘している。「退出すべき企業は大企業も同じ」「大銀行でも破たんがあり得る」との方針を一転させたことで、りそな株は急反発した。

 金融庁の非クラブ記者を対象にした「第二会見」で記者がこの問題について調査の意志を尋ねると、亀井大臣は「その関係どうなってるのか、ちょっと聞いておいてください」と答えた。大塚耕平副大臣が証券取引等監視委員会の自主判断を強調するも「事実関係は調べます」と発言し、大臣は監視委員会への情報提供を指示した。

 この直後、参考資料の提供を申し出ていた記者に大塚副大臣担当の金融庁職員から電話があった。「大臣は関心を示している」としながら、監視委員会にはその旨連絡したが、同委員会の独立性を確保する理由から直接提出してほしいとの内容だった。これを受け、記者は植草氏のネット上の論稿『りそなの会計士はなぜ死んだのか』山口敦雄(毎日新聞社)などの紹介サイトを、概要文とともに同委員会ホームページ上から送信した。

 2日、同委員会に調査状況を電話で尋ねると、「お答えできない」としながらも、参考資料のメールが届いたことを認めた。さらに6日、追加で郵送した書籍や雑誌記事などが4日付けで受け取られた配達証明書が来た。同委員会は告発・勧告の処分を行った場合ホームページで公開するが、その他の場合は公表しないとしている。

 会見でのこの質疑応答は金融庁ホームページに掲載されているほか、ニコニコ動画が配信。30人ほどの記者が出席し、日本証券新聞ジャーナリストの岩上安身氏などが記事化した。投稿サイト「阿修羅」や2ちゃんねるでも増殖し、関心が広がっている。当局が何の動きも見せなければ、国民の批判を浴びるのは必至だ。

 りそな疑惑について調べる者は、相次いで事件に巻き込まれてきた。これまで旧朝日監査法人の平田聡会計士、朝日新聞の鈴木啓一記者が死んだほか、竹中氏が総務相に就いてから批判記事を書いてきた読売新聞の石井誠記者が後ろ手に手錠を掛けられた状態で「自殺」し、植草氏と太田光紀国税調査官が痴漢容疑で逮捕されている。【了】

関連記事
「植草一秀教授は無実だ」、検察が矛盾とわたしは見る
植草一秀教授 著書で無実訴え、 『知られざる真実−勾留地にて−』(イプシロン出版企画)
【書評】『売国者たちの末路--私たちは国家の暴力と闘う』副島隆彦・植草一秀(祥伝社)

関連情報
ブログ「植草一秀の『知られざる真実』」
『売国者たちの末路—私たちは国家の暴力と闘う』副島隆彦・植草一秀(祥伝社)
『知られざる真実−勾留地にて−』植草一秀(イプシロン出版企画)
偽装報道を見抜け!―世論を誘導するマスメディアの本質