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 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

2014年05月

全国縦断シンポジウム・第1回(東京) これでいいのか日本!

全国縦断シンポジウム・第1回(東京) 
これでいいのか日本!

日時 2014年6月19日(木)午後6時開演(5時開場)

会場 憲政記念館

発言者 森田実、平野貞夫、佐高信、菅原文太 司会 南丘喜八郎

主催 一般社団法人「躍進日本! 春風の会」 代表 村上正邦

問合わせ 電話03-3500-2200

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「解釈改憲を許すな」、官邸前で大規模デモ

 首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が報告書を提出した15日の夕方、安倍首相の記者会見に合わせて官邸前で大規模なデモが起きた。集まった市民は「戦争する国、反対」「安倍首相は憲法を守れ」などと、集団的自衛権容認の「方向性」表明に抗議した。

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戦争準備を急ぐ安倍首相に抗議するため官邸前に集まった市民(2014.5.15筆者撮影)

 13日に人間の鎖で国会を包囲した「解釈で憲法を壊すな! 実行委員会」は当初、衆議院第2議員会館前で集会を予定していたが、安倍首相の記者会見開催に合わせて急きょ官邸前に場所を変更した。2時すぎに報告書が提出され、4大臣会合で集団的自衛権容認への「方向性」が確認されていた。

 会見が始まる18時には、解釈変更への急加速に抗議する市民が一帯の歩道からあふれるほどに詰めかけた。抗議集会の冒頭、実行委員会を代表して「許すな! 憲法改悪・市民連絡会」の高田健(69)代表がマイクを取る。
 
 「安倍さんは『この国を戦争する国にするという人がいるが、そんなことはない』と言うそうだが、まさにそういう道を目指しているからこそ、私たちは今日ここに集まって抗議している」と述べ、安保法制懇の報告書と解釈改憲への反対を呼び掛けた。

 機動隊が官邸側に待機する中、集まった市民はドラムの音に合わせ「戦争反対、9条守れ」「解釈改憲、絶対反対」などのシュプレヒコールを繰り返した。

 国会議員も駆け付けた。社民党の福島瑞穂参議院議員は「日本の政府は急迫不正の侵害がないから、集団的自衛権の行使は違憲であると今までずっと言ってきた。日本国憲法をどう解釈しても、集団的自衛権の行使、解釈改憲はあり得ない。安保法制懇はインチキ、でたらめ」と両断した。

 さらに福島氏は、安倍首相の著書に「米国は血を流す。しかし日本の若者が米国のために血を流さないのであれば、イコールパートナーと言えるのか」と記されていることを紹介。「集団的自衛権の本質は、自分たちが攻められてないにもかかわらず、他国防衛のために日本の若者が血を流すこと。どんなにわずかでも、日本の集団的自衛権を認めてはならない」と訴えた。

 日本共産党の志位和夫委員長は「これまで01年のアフガン報復戦争、03年のイラク侵略戦争と、日本は自衛隊を派兵した。しかし、海外で武力行使できないという歯止めがあったために戦争地域まで行って戦争することはできなかった。それをやれるようにするのが今度の企て。『絶対に許すな』の声を上げていこうではありませんか」と呼び掛けた。

 シュプレヒコールや演説などの抗議活動は、1時間半続いた。

 神奈川県藤沢市から来たという山田信幸さん(55)は「われわれの学生時代は、社会運動に少しでも参加すると過激派と見られ、危ないイメージがあった。しかし、家族を持つ立場として、社会の良くない部分に対して、自分の体でアピールするときが来た。国民はおとなしくないんだぞというプレッシャーをかけ続けることが大事だと思う。若い人たちにも伝わるよう、もっと広げていかなければ」と話す。

 東京都内に住むという女性(68)は「ベトナム戦争でアメリカにくっついた韓国は、若者5000人が死んでいる。今まで自衛隊は紛争で殺していないし、殺されていないのは9条のおかげ。それを変えて、認めたら大変」と危機感を見せた。

 「この抗議で安倍政権の考えは変わりそうか」と向けると、「反対運動がなければ、ますます安心してやるでしょ。自分の意志表明をしておかないと。歴史の転換点だと思うから、ここで何もしなければ、悔いが残ると思う」と吐露した。

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応援に駆け付けた福島前社民党党首。「これは安倍総理のリーガルクーデター」(2014.5.15筆者撮影)

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日本共産党の志位委員長。「報告書は集団的自衛権を無制限に進めようという内容」(2014.5.15筆者撮影)

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首相官邸前は警察が厳重警備(2014.5.15筆者撮影)

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抗議の訴えは午後7時半まで続いた(2014.5.15筆者撮影)

人間の鎖が国会を包囲、解釈改憲反対に2500人

 憲法9条を解釈改憲し、わが国を戦争する国にしようとする安倍政権。首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」の報告書提出が迫る中、集団的自衛権容認に抗議する市民2500人が13日、人間の鎖で国会を包囲した。

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国会を包囲する人間の鎖。生徒たちは何を思う(2014.5.13筆者撮影)

 これは「解釈で憲法9条を壊すな! 実行委員会」が主催したもので、「5・13国会包囲ヒューマンチェーン」と名付けられた。集団的自衛権の行使容認の動きを止めるため4月8日に銀座でのデモ行進に参加した市民が再結集を呼び掛けた。事務局団体として9つの市民団体が名を連ねる。

 安倍首相は安保法制懇の報告が出たら、それを根拠に「政府方針を決める」予定だ。与党協議を経て閣議決定を行い、秋の臨時国会で関連法制を変え、年内の日米防衛ガイドライン改定へと進める思惑である。

 小雨のぱらつく正午、東京都千代田区の衆議院第2議員会館前には、政府の暴走に抗議する大勢の市民が集まった。国会議員や学者、ジャーナリストも応援に駆け付けた。12時20分、事務局団体の1つ、「許すな! 憲法改悪・市民連絡会」の高田健(69)代表が訴える。

 「安倍総理が日本を戦争する国にしようとしていることに、私たちはいても立ってもいられない。安保法制懇の報告書は今日出る予定だったが、話では15日とどんどん後退している。今私たちができることをやって、戦争への道を阻止したい」

 続いて、千葉大学の栗田禎子教授が演説。集団的自衛権の概念が米国のベトナムへの参戦や旧ソ連のアフガン侵攻を正当化した点を挙げ、「まっとうな慎ましい国が国民を守るためではなく、国際政治を牛耳りたい大国が持ち出す無理無理の議論だ。行使することで大国が墓穴を掘ることにつながった」とわが国での行使容認をけん制した。

 日本共産党の志位和夫委員長は「あさって報告書が出るようだが、見なくても中身は分かる。集団的自衛権を認めるために安倍総理がお友達を集めて作ったのが法制懇。初めから結論ありきで、こんな報告書は要らない」と批判した。

 弁護士の宇都宮健児氏もマイクを取り、政府が30年以上にわたって集団的自衛権を認めてこなかったことを指摘。「このおかげで自衛隊は海外で人殺しをしなかったし、自衛隊員の死者も出なかった。この憲法第9条を根本的に変え、さらに日本国憲法が誇る平和主義をかなぐり捨てるのが集団的自衛権行使容認だ。日本を海外で戦争する国にしていいのかが問われている」と提起した。

 午後1時、機動隊の装甲車や警察官が国会周辺に張り付く中、抗議する市民は首相官邸前や国会正門前を経て、憲政記念館、国会図書館の脇まで広がった。プラカードを掲げ、「安保法制懇の報告は要らない」「戦争する国、反対」「主権者は私たちだ」などのシュプレヒコールを挙げる。

 午後1時30分、密集する議員会館前から手薄だった憲政記念会館前に市民が移動すると、人間の鎖が国会を完全に取り囲んだ。事務局が「ただいま、ヒューマンチェーンが完成しました」とスピーカーで知らせると、一帯は歓声と拍手に包まれた。

 時折、国会見学する生徒たちを乗せたバスが通り過ぎる。人垣を物珍しそうに見ると、市民も笑顔で手を振って答える。安倍首相が進める解釈改憲と国家安全保障会議(日本版NSC)、特定秘密保護法の始動で戦場に送られるのは彼らだ。

 国会議事堂から出てきた高校生と思われる一群に、呼び掛ける男性がいた。

 「皆さん、日本国憲法を読んでくださいね。知らないままでいないで、読んで、考えて、何が正しいのか、何が必要なのか、自分の意見をつくってください」

 千葉県船橋市から来た植草昌実さん(50)である。「若い人だから知ってもらいたい。読みもしないで『時代遅れ』とか『押し付けだ』という人が多いから」と話す。

 長野県から来たという五味美穂子さん(68)は、「今の情勢は非常に危ない。民意と遠い所で、審議をしないでいろんなことが決まる。秘密保護法も、自衛隊が出掛けて行けるようにするのも、どんどん進められることに切なく、黙っていられない」と参加の動機を打ち明けた。

 千葉県市川市から「万難を排して来た」という田中英峰さん(67)は、「改憲にはもちろん反対だが、いろんな方と話して考えを整理したいので参加した。(解釈改憲の動きを)止めるのは選挙ではもう無理だ。違う角度から運動していかないと。もっと集約した形で」と阻止の方策を思案する。

 埼玉県上尾市から参加したという渡辺三枝子さん(66)は、「5月3日の憲法記念日に地元の田園地帯で演説したら、農家の夫婦が『そうだ、そうだ』と共感してくれた。みんな危機感を持っているが、テレビやラジオを見ているだけでは分からない。みんな、こうやって声を上げていけばいい」と運動の広がりに期待を寄せた。

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正午、衆議院第2議員会館前に集結した市民(2014.5.13筆者撮影)

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午後1時、人間の鎖を試みる(2014.5.13筆者撮影)

日米の専門家が秘密保護法の問題明らかに

 米国国家安全保障会議(NSC)の元メンバーで、キッシンジャーの腹心として沖縄返還交渉に当たったモートン・ハルペリン氏と、日米密約を暴いて有罪判決を受けた毎日新聞の元記者、西山太吉氏が10日、東京都内で対面し、特定秘密保護法案の問題点を明らかにした。

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ジャーナリズムの弱体化を嘆く西山元記者(左)。ハルペリン氏は「話は聞いていたが、会うのは初めて」と歓迎した(2014.5.10筆者撮影)

 対面はハルペリン氏の来日に合わせ、日弁連が弁護士会館で開いた「秘密保護法国際シンポジウム——米安全保障専門家が語る 知る権利と秘密保護のあり方——」で実現した。最初にハルペリン氏が講演し、後半で対談した。

国際基準から乖離、記者も処罰対象
 ハルペリン氏は冒頭、「民主主義が効果的に機能するには、国民が当然、政府が何をやっているか知ることができるため、情報にアクセスを認められなければならない」と主張した。

 わが国で13年12月に成立した特定秘密保護法について、「採択の仕方が適切でない。なぜ通さなければならなかったか、その根拠も納得がいかない。ツワネ原則から乖離(かいり)した部分が多い」と提起した。

 ツワネ原則の正式名称は「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」で、自由権規約19条とヨーロッパ人権条約10条を踏まえ、国家安全保障のための合理的な措置と市民による政府の情報へのアクセス保障を両立するための指針を示す。

 ハルペリン氏は「日本政府の官吏が『ツワネ原則は民間の市民団体が作った』と突き放すが、市民社会の人たちの言うことを下に見て軽蔑する感覚を抱く。通常、市民が中心にまとめた見解は、各国が真剣に受け止めるもの。中身も誤解されているのではないか」と吐露した。

 ツワネ原則が(現颪魑〔扱いにするときには段落ごとに指定しなければならない△發軍示されるとどのような害があるか、影響を特定しなければならないいつその文書が開示されるか規定しなければならない、と定めていることを挙げ、「日本の秘密保護法ではこれらの要件が欠落しており、問題ではないか」と指摘した。

 ハルペリン氏は「守秘義務を定めた国家公務員法で足りない部分を埋める方法はいくらでもあったはず。あらためて超厳罰の秘密保護法を通す必要はなかったのではないか」と首をかしげた。

 わが国の秘密保護法の具体的な乖離点として、さらに2つを挙げた。1つはジャーナリストが処罰対象になること。「『特定の状況下で』という限定的な条件が付いているとの説明だが、あまりにあいまい。本来の仕事をしているだけのジャーナリストが刑事罰の対象にされるのではないかと常に恐れを抱かなければならない」。

 もう1つは、国家公務員が一律に処罰されること。「行政処分で十分ではないか。例えば、解雇や秘密情報へのアクセス権をはく奪するなど。ツワネ原則では刑罰が必要なら、特定の条件を設定することになっている」と述べ、同原則が“蛎Г梁仂櫃砲覆詒詭を狭めて指定内部告発者の保護3示による公益性が勝るときは罰しない、と定めていることを挙げ、「日本は3つの方法で不適合だ」と断じた。

「思いやり予算」の元は密約、秘密法で暗黒社会に
 対談は、ジャーナリストの土江真樹子氏と海渡雄一弁護士がコーディネーターを務めた。

 沖縄返還協定に際し、土地原状回復費400万ドルを日本政府が肩代わりする密約があったことを西山氏は暴露している。この密約の妥当性について尋ねられたハルペリン氏は、「当時、開示すべきだった」と否定。「敵国からの反撃が怖かったのではなく、国民からの反発が怖かったので秘密にされた」と分析した。

 有事の際に沖縄への核持ち込みを日本が事実上認めるという密約については「こちらの方がずっと重要。核があるのかないのか、あるとすればどこにあるか全て秘密だった。抑止のために。だが、私は同意してなかった」と個人的な心情を明かした。

 「当時、記者たちは密約の存在を感じていたか」と向けられた西山氏は、「外交交渉で密約など想定外のこと。だが、米国は1ドルも払わないと聞いていたのにVOA(放送局「アメリカの声」)の撤去に1600万ドル、軍用地復旧に400万ドルがかかる。私は変だと思い始めた」と振り返った。

 「政府は『米国が出さないと言うから、われわれが払う』と言えばいいだけのこと。そうでなければ返還協定に反する。協定書には、VOA撤去は米側の『自発的支払い』と書いてある。美しい形に装うことを狙っている。こうして国民をミスリードする」と批判した。

 西山氏は密約として、これらと核持ち込みのほかに米軍用地改良工事費6500万ドルを挙げた。「ミスリードの最大のもので、いまだに解決されていない。これが『思いやり予算』につながり、毎年数千億円を払っている。だから在日米軍は絶対に出て行かない」と苦言した。

 「この問題が残っている上に、特定密約保護法が出ている。秘密に秘密を重ねるもの」と皮肉った。秘密保護法の整備と並行して進むのが、集団的自衛権の行使容認。「片務性の解消」がその理由とされるが、「在日米軍は世界のどこにも出て行く。周辺事態法でそれを自衛隊が後方支援するので、日米同盟に対する双務性は十分果たせている」と解釈改憲の動きをけん制した。

 「思いやり予算」が米軍駐留を長引かせているとの指摘についてコメントを求められたハルペリン氏は、「もし日本側が支援をしたくないなら、支払いをやめられたらよろしいのでは」と答え、会場から拍手と笑いが起きた。

 ハルペリン氏は、自身が所属しツワネ原則を定めたオープンソサエティーが推進するオープン・ガバメント・パートナーの適格国に日本を入れる運動を提唱した。しかし、西山氏は「入れるわけない」と一蹴。「それより、民主党政権が国会に提出した情報公開法改正を実現すべき」と提案した。

 「秘密指定する機構ができると、官僚は内容を充実させる。最終的には全部指定にされ、情報公開法は事実上なくなる。暗黒社会の到来だ。メディアは権力と対立関係にあってようやく抵抗し、チェックできるのに、秘密法制の実施機関に大メディアが入ってきている。完全に負け。新聞協会も何も言わない」と嘆き、市民運動の盛り上がりに期待を寄せた。

THINKERが「知育から子供を守る子育て」を提案

 THINKER代表の鶴田ナオキ氏(43)が6日、東京都内で子育てをテーマに講演した。産業社会の労働力として期待され、型に押し込められている現代の子供たちが、自由な未来を切り開く人間になるような育児法について、ワークシートを使いながら提案した。

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パワーポイントを使い、「子供の世界を守る」子育てを提案する鶴田氏(2014.5.6筆者撮影) 

食事や母親の情緒も健康に影響
 THINKERは名古屋を拠点に活動する市民グループで、デザイナーやフリーライターなどで構成される。代表の鶴田氏は11年に『偽情報退散! マスコミとお金は人の幸せをこうして食べている』(5次元文庫)を著し、国際金融資本とマスコミ、政治との関係を描いた。二児の父でもある。

 講演には0歳から7歳(未就学児)の親や子育てに関心のある市民30人が集まった。冒頭、人口の推移を振り返り、現在が急激な減少段階にあることを説明。環境問題は人口削減の口実である事実を指摘した。

 人口削減と労働力の均質化のために急増したワクチン接種や白砂糖、フッ素、テレビ、電磁波、放射能、管理教育などに囲まれながら、心身共に健康な人間に育てるために保護者ができるさまざまな具体案を「健康」「子育て指針」「食事」など10項目にわたって、自身の体験を交えながら伝えた。

 「健康」では、ワークシートを使い、「健康で病気になることはまれで、熱が出てもすぐ治る」「たまに風邪をひいたり、体調を崩す」など10の質問に答えてもらう。アレルギーやアトピーの場合、医師のアドバイスを聞くのも大事だが、その前に食事を見直したり、代替医療の専門家に意見を聞くことを勧めた。

 「うちの子は風邪を年に1、2回しかひかない。食事は完全にオーガニックで毒物(添加物や化学調味料など)を入れないので、病気にはまずならない。それでも、専門家に意見だけは聞きに行く」と鶴田氏。

 注意点として、アトピーやアレルギーを持つと、母親が守ろうと膝の上から離さなくなること。「1歳を過ぎて膝から出ていかないのは、好奇心が足りていない。公園で遊ばせるなど、健康を目指すよりお笑いや遊びを大事にした方がいい」と話す。

 金切り声を上げる子は、白砂糖の摂取をまず疑う。甘味は血糖値を急激に上げないものを選び、せめて黒砂糖や粗糖にと提案した。「放射能を心配しても、白砂糖を与えていたら何の意味もない。母親の情緒安定も、子供の健康の重要な要素。人間関係・家族関係が免疫に影響する」と指摘した。

愛情と抑制の必要、早期知育は逆効果
 「子育て指針」では、「愛情とスキンシップは足りているか」「なるべく泣かせないように子供の要求を聞いている」など12項目の質問を用意した。鶴田氏は「泣いたときにすぐあやさないようにしている親はよく勉強している。自律授乳と規制授乳を意識してやっているかが重要」と話す。

 脳の中で自制心や社会性を司るのが、目の奥にある眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)という部分で、3歳までに完成する。「三つ子の魂百までというのはこのため。新生児を過ぎたら子供の要求に応えるままの自律授乳をやめ、時間を決めてそれ以外は泣いてもやらない規制授乳が基本です」。

 愛情・しつけ・虐待の違いについて鶴田氏は、3つのタイプを挙げる。しつけのない溺愛は、挫折に弱い「日本型非行児」になりやすいという。一方、虐待と身勝手な愛情は、欲望中心の「アメリカ型非行児」にやりやすい。「まずは愛情を与え、抑制刺激を与えないと、アクセルだけでブレーキのない人間になる」とくぎを刺す。

 「生活習慣」については、0から7歳は人間形成の根っこの部分に当たると説明。7から14歳までが感性、14から21歳までが知性を養う。「早期教育は根っこから実を作ろうとするから、実が付かない人間が多い。仕事ができても子供を残せず、恋愛だけで終わる」と乳幼児期の知育を否定する。

 「子供を設けた親御さんは、孫の顔を見たいはず。出世は大事だが、まずは命をつなぐ人間になること。小学校入学前は体と心を作らないと。その後で感性、知性と順番でやらなければ、道を外れることになる」

 習慣で最も大事なのは睡眠。成長ホルモンは夜の睡眠中に分泌されるからだ。10時間以上は必要で、午後8時から午前6時の間が最適という。会話を増やし、家事を見せるほか、絵本の読み聞かせや童歌を一緒に歌うのも重要だ。

 「よく子供がいるから家事ができないというお母さんがいるが、幼少期はミラーニューロンの成長が活発で、子供は見たものを驚くほど吸収する。家事を見せ、簡単なものなら手伝わせるのは、遊びにも教育にもなり、一石二鳥です」と鶴田氏。

 逆に「7歳以下の子供を習い事でせかすのは意味がない。7歳までは自由遊びをたっぷりやさせないと精神の力が付かず、本当の意味でのエリート、人間らしい人間にならない。一般知能(人間総合力)の形成に関わる」と強調する。

 生活にリズムを作ることも重要だ。同じ行動を日、週、月、年で繰り返すことで、心が安定するという。「ひな人間や五月人形を出して片付けるなど、儀式や習慣を意図的にやると楽しめます」。

思考力奪うデジタルより、本物体験
 「メディア環境」では、デジタルテレビやCD、スマホを避けること。「子供の脳は生音を全て聞き分けられるのに、CDは音声信号を大幅にカットしてある。お母さんが歌をうたった方がいい。スマホはどうせ大人になれば使うから、やらせる必要はない」と戒める。

 小児のデジタルテレビ視聴については、東北大学加齢医学研究所が脳の高次認知機能や言語知能に悪影響を及ぼすとの論文を発表している。「悪いと分かっているのに、科学者よりビジネスの方が力を持っているから規制がかからない。砂糖と一緒で、売られている以上、子供が喜ぶから母親は買う」と鶴田氏。

 その一方「でも、金融財閥より親に責任がある。知識があれば避けられるのだから。3歳までは絶対に見せないこと」と喚起する。デジタルテレビは脳波改造という電磁的影響のほか、情報の刷り込みや視点の固定、キャラクターの刷り込みの弊害がある。

 テレビアニメはキャラクターやストーリー構成を深層心理に刷り込む。自己を同一化させると、行動パターンとして繰り返し現れることに。その結果、自分の頭で考えられなくなる。「親が気付いてないから、影響が大きい。ストーリーにすごく感動できても、完成されすぎた大人の作り話は子供に要らない」と警告する。

 その上で鶴田氏は、デジタルより本物体験を勧める。体験牧場や動物園や水族館に行けば、限定された刺激ではなく、5感全部を刺激するからである。

ロボット教育よりファンタジーを
 鶴田氏が最も重視するのが「教育」だ。いわゆる「子育て3法」は知育年齢を下げて子供の時間を減らすのが目的だと看破する。90年代に唱え始めた新世界秩序やTPP、国家戦略特区などの規制緩和で自由競争をあおり、中産階級の下層化と労働力の早期育成を図るのが現政権の教育改革の狙い。親はそこを見抜き、子供を守る必要がある。

 「韓国では大学を出ても10人に1人しか正社員になれず、平均給与が7万円。今の日本人も早いうちから英語を教え、大学を出ても奨学金で借金を背負わされ、さらに正社員になる競争が待つ。一部はグローバルエリートとしてシステムに入るが、負ける者が多い。残った側も優越感と劣等感にさいなまれ、個別IQが高くても一般知能は低い」

 このように鶴田氏は、教育の近未来を説明。そもそも管理教育は米国でうまくいかなかった制度を日本や中国、ロシア、トルコ、フィリピンに導入したもので、労働者育成のために人間を画一化するのが目的だったと指摘した。1906年のロックフェラー書簡は「われわれの夢は、人々がわれわれの作る型におとなしく身を委ねること」と記す。

 「盆栽は大木になれる木を机に載るくらいに小さくする。義務教育は子供の凡才化であり、盆栽化といえる。ロボット化する教育や子育てを逆にやったら、すごい可能性がある」と希望を見いだす。

 最後に鶴田氏は米国映画『ライフ・イズ・ビューティフル』を紹介。「ファンタジーは知育よりずっと大事で、この世が自分で変えられると大人が教えること。『この世界はこうで、現実はこうだから無理なんだ』と聞かせるのが洗脳で、子供にうつる。支配の仕組みを知った上で、関係ないことを子供にやらせませんか」と結んだ。


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       高橋清隆

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著者プロフィール


反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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