高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

2014年09月

安倍政権の暴走に2000人が抗議

 臨時国会が召集された29日、安倍晋三内閣の暴走に対して市民2000人が団体の枠を超えて集まり、抗議した。「戦争反対、9条壊すな!」「雇用を守れ、格差をなくせ」などとシュプレヒコールを上げ、国会を取り囲んだ。

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国会議員会館前に集結した市民。国民を戦争に駆り立てる安倍政権に抗議する(2014.9.29筆者撮影)

 正午、衆議院第2議員会館の前は、プラカードにメッセージをしたためた市民で埋め尽くされた。事務局団体の1つ、「許すな! 憲法改悪・市民連絡会」の高田健(69)が実行委員会を代表してマイクを取る。

 「憲法も原発も教育も、数え切れないほどの安倍政権に対する怒りを持った人たちが共闘して、主権者として怒りの抗議をするのは今日が初めて。安倍政権の圧政の暴走に対する怒りを示すためにヒューマンチェーンで国会を取り囲みます」とあいさつした。

 国会議員も駆け付けた。糸数慶子参院議員(無所属)は「安倍政権が誕生してから通った数々の法律を見ると、戦争一色に向かっている。極端に右傾化する現状を、世界の多くの方々と共闘して食い止めたい」と述べた。米軍基地に蹂躙(じゅうりん)された沖縄の現状を欧州や国連で訴えていることを報告し、「沖縄の問題は米国に追従する安倍政権の姿を現している」と告発した。

 山下芳生(よしき)日本共産党書記長、吉田忠智(ただとも)社民党党首、山岸良太弁護士、清水雅彦日体大教授らがあいさつした後、各参加団体の代表者が演説。マスコミの言論封殺や雇用規制の緩和、消費税再増税、原発再稼働など、国民を苦しめる安倍政権の政策を批判した。

 集まった市民は「STOP!安倍政権」「平和憲法を守れ」などと書かれたプラカードを掲げ、シュプレヒコールを繰り返しながら移動。午後1時半、国会議事堂を包囲する人間の鎖が完成した。

 世田谷区から来た60代の女性は、特定秘密保護法や消費税引き上げ、集団的自衛権容認の閣議決定、教育改革などを挙げ、「安倍さんには今すぐ辞めてもらいたい」と怒りを露わにした。

 板橋区から来た70代の男性は「教育改革など、安倍政権は戦前に戻そうとしている。朝日新聞を同じマスコミがたたくのは自殺行為。いずれ「非国民」と言われるようになる気がする」と批判するとともに、「デモに若い人がいない。生活するのがやっとで余裕がないのでしょう」と広がる政治的無関心を嘆いた。

古い絵画

 実家の押し入れから、高校生のとき描いた油絵が出てきました。

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    太宰 治(高橋清隆・画)

汚れた幽谷と希望

 19年ぶりに渓流釣りをした。私にとって心の古里とでも言うべき神聖な所で。ローカル新聞の記者として同行取材して以来である。渓流釣りは一番の趣味だが、常にやるべきことを優先した結果、無駄な時間を過ごしてきた。9月半ばにさおを持って山に入り、その変わりように驚いた。

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 新潟県の片田舎で生まれた私は、長期の休みになると福島県境に近い母親の実家に滞在した。中学に入るとイワナ釣りに魅せられ、街から友達を引き連れて入渓するようになった。次第に山里の暮らしに憧れるようになり、高校に行かずに山に住むと宣言したら、親や先生に猛反対され、断念した経緯がある。

 夜明けとともに、実家から小さな車で聖地に向かう。時折交差する川の水は白く濁っている。私の不在期間にダムが完成し、現在国道工事があちこちで進められているせいだろう。ダムの建設工事が始まった15歳のとき、1人で抗議に行ったことを思い出す。

 ダム湖を過ぎ、通行止めのゲート手前で車を止める。地下足袋に履き替え、背のう1つで谷沿いの道を歩く。中学生の頃は砂利道だったが、アスファルト舗装してある。工事用道路として使用されているようで、突然頭上に高架が現れたり、立ち入り禁止の橋が接続したりしている。

 7キロほど歩くと見覚えのあるコンクリート橋に差し掛かる。ただし、すぐ隣に立派なアーチ橋が架けられていた。完全に護岸された斜面を、雑草にしがみつきながら降りる。と、一台の乗用車が橋を渡った。国土交通省の巡視車である。もはや秘境の趣はない。

 前日買ったミミズを忘れたから、餌を現地調達しなければならない。網を持って川底の石をジャブジャブ動かすが、川虫がいない。これはただ事ではない。「水害の影響で釣れないみたいだよ」とは聞いていた。しかし、別の瀬に行っても、沢に入っても同様だった。

 どの渓も新しい土砂が体積している。釣れないのは当然である。浮き石を返してもコケが付いていないのだから。豪雨による水害は11年前と3年前、今年と起きている。

 半ば諦めて背のうを置いた場所に戻ると、小さなカタツムリが1匹、岩をはっていた。私はすかさず押さえ、虫かごに入れた。本流の深いふちを見つけ、さおを出す。ここにいなければ、どこにもいないはずに思われた。

 落ち込み直下に仕掛けを投入し、大岩の脇を過ぎようとすると、当たりが来た。しかし、穂先のしなりは小さい。上げると、体長5センチほどのイワナだった。今年、漁協が放流した稚魚に違いない。

 絶壁に挟まれた沢に入ったり、本流を高巻きしたりして遡行を続ける。雲行きが怪しくなり、木の葉が風に運ばれてきた。雨がぽつりと顔をたたく。慌てて枯れ沢を駆け上がった。鉄砲水を警戒してのことである。

 結局、釣れたのは稚魚1匹だった。10キロの道を戻る途中、観光バス4台が私の脇を過ぎた。国道工事の見学ツアーである。今朝見た国交省の車が先導している。高巻きした際、道路を福島方向に入っていく車列が見えていた。「こんな所に魚なんかいるはずないのに。ばかねえ」と笑われている気がした。

 車にたどり着くと、足は地下足袋ですれて皮がむけている。母親の実家に寄ることにした。今は最奥の集落になっている。2歳上のいとこも来ると聞いていた。家は改築され、近代的な造りになっている。石組みの洗い場に沢の水を引いただけの台所は、システムキッチンに変身していた。

 ダム建設に際し、2つの集落が水没した。杉並木に沿って静かな家屋が点在したのを覚えている。最奥の集落には、先生1人、児童1人の分校があった。今や湖底となった川で、私は泳いだこともある。冷えた体で石に腰掛け、焼いたカジカをもらった。漢文で「桃源郷」の話が出てきたとき、ここの風景が頭に浮かんだ。

 「観光センターに行こう」。いとこが言い出した。ダムサイトにある展望台のことだ。周辺村落で唯一の娯楽施設である。私は気が進まない。足を踏み入れたことはないが、そんな所で遊具に乗ったり、観光価格のアイスクリームを食べても、うれしくも何ともないからである。

 「昔の集落の写真持っていない?」。私は尋ねた。「ないなあ……」。すると、いとこは急に笑みを浮かべ、続けた。「観光センターの中に、沈んだ集落の写真が展示してあるよ。確か」。

 「本当?」。私は不審な顔をしながらも元気を取り戻す。すぐさま車で駆け付けた。展示室の入り口には、「3Dシアター 300円」と表示されている。受付の女性が、「映画見ますか。3Dですよ」と勧めた。私が「2Dなら見ますが」と返すと、クスクス笑う。真面目な答えなのに。この世が3Dなのに、屋上屋を架すのか。

 それでも、写真展示を見るために300円を払い、入場した。重厚な建物の中にはダムの模型やビデオモニターが並び、解説のパネルが掲げられている。県の天下り機関がやりそうな、陳腐な演出だ。その脇に古い写真がひっそりと張られていた。水没した集落の稲刈り風景や、卒業式の写真である。点数が少ないが、提供者も少なかったのだろう。しかも、誰も見ていない。私は悲しさが込み上げてきた。

 表に出ると、ダム湖面にモーターボートが幾隻も浮かぶのが見えた。「みんなバス釣りだな。自分の船を車に積んで来るんだ」。

 ここは今や、ブラックバス釣りのメッカだそうだ。同じく外来種のブルーギルも水面を黒く染めるほど繁殖していた。国道沿いには大駐車場を備えたラーメン屋もできている。昔はいとこの家から7キロも下らなければ、店などなかったのに。もはやここには、清冽な神聖さなどみじんもない。静かな山里は近代に犯されたのだ。

 相次ぐ豪雨災害だって、HAARP(高周波活性オーロラ調査プログラム)によるものだろう。「200年に1度」の雨が10年に2回も自然に降るわけがない。支配者は災害とボランティア勧奨を繰り返し、日本人をただ働きに慣れさせていると確信する。

 しかし、気落ちしてはならない。無力感による服従こそがリプテリアン(爬虫類人・はちゅうるいじん)の狙いだから。それにダムはもう造られないはずだし、車も取り上げられつつある。地球温暖化や財政赤字、野生生物保護などは発展を止める口実だ。われわれはこれを奇貨として、自然との融合を楽しむべきである。「リプちゃんは子供だなあ」と笑いながら。

 私はいとこの家で自家栽培のジャガイモをもらい、前向きな気持ちで汚れた渓谷を後にした。「いざとなったら賃金労働なんかやめて、自給自足で暮らすから」と胸を張って。

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植草一秀氏が『月刊日本』で講演(10/3)

『月刊日本』講演会の御案内

■演題 強欲資本の手先に成り下がる安倍政権

■講師 植草一秀(うえくさ かずひで)

 戦後一貫して日本の支配者であり続けたのは、米国・官僚・大資本です。この米・官・業による日本支配を側面支援してきたのが利権政治家であり、権力迎合の御用報道機関であるマスメディアです。私たちは、目の前にある現象の背後にある本質を掴まなければなりません。

 いま目の前には、株価上昇によるアベノミクスの甘い幻想が広がっています。「大企業の賃上げ交渉で久しぶりにベースアップが実現した」との情報に踊らされ、人々の暮らしが良くなるような錯覚に取りつかれています。「TPP参加によって日本が繁栄する」と美辞麗句を並べられると、ついその言葉に乗せられてしまいます。

 しかし、これらは全てトリックであり、幻想なのです。植草さんは、これらトリックと幻想を剥ぎ取り、真実を白日の下に晒します。

●日 時/10月3日(金)・午後5時開演(4時30分開場)
●会 場/衆議院第二議員会館一階・多目的会議室
※第二議員会館一階の玄関ホールにおいで下されば、係の者がご案内します。
●会 費/無 料
※出席ご希望の方は、下記までお電話ください。
 ☎03-5211-0096
植草一秀先生講演会

鎌倉の海水浴場を守った銘菓「鳩サブレー」 久保田陽彦氏(豊島屋社長)インタビュー

http://www.zaiten.co.jp/zaiten/201410.shtml
『ZAITEN』10月号(目次のみ)

 なお、この記事掲載により原稿報酬が発生する見込みなので、右「ご支援のお願い」の文言を一部訂正させていただきます。ただし、とても生活できる状況でありませんので、引き続き、ご理解とご支援を賜りたく、お願い申し上げます。
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       高橋清隆

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反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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