高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

2014年12月

視聴者を無視して恥じない犬HK

 14年12月の衆院選での不可解な報道に対し、筆者はNHKに質問を繰り返した。官邸の要望で「公正中立」姿勢を強化したはずの公共放送は、真摯(しんし)な回答を示さず、権力の犬であることを明確にした。

 不可解な報道とは、投票日夜に総合テレビが放送した「衆院選2014開票速報」である。岩手4区の小沢一郎(生活)候補と広島6区の亀井静香(無所属)候補の当確について、民放各局および通信社・新聞社のインターネット版とNHKの報じる時間に大きな差があった。

 後で確認できた限りでは、小沢氏の最初の当確は20時17分までに報じられているが、NHKが出したのは22時3分頃。亀井氏の初報が20時16分までなのに対し、NHKは22時31分頃。NHK以外は立て続けに伝えた。大幅に遅れたNHKは、小沢氏と亀井氏の中継をしなかった。

 当日、筆者は亀井氏の選挙事務所に詰めていた。記憶違いでなければ、初報は地元の民放テレビが20時の投票終了直後に発している。NHKのスタッフがカメラも入れて7、8人いたのを覚えている。交換した名刺があるから確かだ。

 広島放送局から来た取材班の責任者に後日、電話した。「中継がなかったのは、当確が出なかったからか」とただすと、「まあ、カメラも連れて入ったのだから、当確がなくても中継するつもりだった」と残念そうな声。中止の指示者を尋ねると、「上の方から」と言葉を濁した。

 当時選挙事務所にいた人に聞き取りを試みたところ、支持者の1人が「東京から中継なしの決定が来た。すまん」とNHKの人間に謝られたことを証言してくれた。

 筆者はNHKに中止の理由を尋ねることにした。NHKは十数年前から、電話による苦情や質問に職員が対応するのをやめている。何を言ってもアルバイトがマニュアルを読むだけなので、メールで質問を送信する。様式には住所や電話番号、年齢、性別なども記入しなければならないが、仕方がない。

 できるだけ多くの言質を取るため、まず初歩的な質問をした。

(2014.12.18 0:35送信)
  同番組で、次の候補者の当確をNHKが伝えたのは何時何分でしょうか。
・亀井静香(広島6区)
・小沢一郎(岩手4区)

 ところが、1週間たっても返信がない。いつまでに回答がもらえるかと再送信したら、翌日午前、次のような回答が来た。

(2014.12.25 11:52受信)
放送したことがすべてですので、個別のお問い合わせにはお答えしておりません。
ご理解をお願いいたします。


 何ら調査の要らない回答である。催促しなければ、どうしたのだろう。無視するつもりだったのか。誠実な答えだって、8日も掛からないだろうに。こちらが何も出さなければ、何も教える気がないらしい。仕方なく、次のように聞いた。

(2014.12.25 22:40送信)
 NHKが広島6区の亀井静香候補の当確を伝えるのが遅かったのはなぜですか。
 他メディアは広島の民放テレビが20時早々に出したのを皮切りに、NNN20時19分、毎日20時30分、テレ朝20時39分などとなっています。一方、NHKは私の知る限り最速で22時31分と把握しています。


 これに対し、次の返信があった。
(2014.12.26 12:01受信)
NHKでは、立候補者の選挙結果の当確および当選の判定については、担当記者のそれまでの取材や出口調査などを踏まえ、また、開票状況をみながら総合的な観点から行っています。


 これも何ら調べなくて済む回答。視聴者を愚弄(ぐろう)している。細かい質問をしてもそれに見合う答えをもらえる気がしない。同日夜、率直に次の質問をした。

(2014.12.26 23:40送信)
 広島6区の亀井静香候補について選挙事務所からの中継が中止になった理由をお教えください。
 同県庄原市内にある同候補北部選挙事務所にはNHKのスタッフがカメラも入れて7、8人待機していましたが、20:15分頃「中継なし」の決定が東京から来ています。


 しかし、2日たっても返事がない。このまま越年による逃げ切りをもくろんでいるのだろうか。催促のメールを送ると翌日、次の返事が来た。

(2014.12.29 13:05受信)
中継などを含む放送内容については放送時間の制約などを考慮し、公職選挙法の趣旨を踏まえながら、報道機関として自主的な編集権に基づいて判断し、お伝えしました。


 NHKは徹底したマニュアル化によって、視聴者の声を聞かなくていいシステムを完成させたのだろう。

 質問中、拙ブログにNHK放送センターからアクセスが頻繁にあった。これまで見たことのないアドレスである。ただでさえ、問い合わせた人の個人情報を収集している。NHKは「みなさまの声にお応えします」と言いながら、意見を反映させないばかりか、質問にすら答えない。

 安倍首相は選挙前、在京テレビ局6社に「公正中立」「公正」を求める要望書を出したマスコミ各社幹部とも会食を重ねている。公正を順守している自負があるなら、質問に堂々と答えられるはず。マニュアル対応に逃げるのは、まともに回答できない理由があるからではないか。

 マスメディアはTPP参加や消費税増税、日米同盟強化など、足並みをそろえて支配権力の宣伝をしてきた。今回の選挙で安倍首相の恫喝に屈し、視聴者を売ったNHKは、犬の中の犬になり果てた。

■関連記事
苦情・質問で国民から金と情報を略取するNHK

感謝

 YR様、12月16日にご支援、ありがとうございました。

亀井静香氏が当選、「悪政正す一揆を全国に」

 衆院広島6区で亀井静香(78)が13回連続の当選を決めた。自民党の小島敏文(64)と共産党の寺田明充(63)を引き離した。

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当選を決め、支持者に挨拶する亀井氏(2014.12.14)

早い当確、「今日は原点」

 投票締め切りの午後8時、地元民放テレビが当確を伝えると、庄原市内にある選挙事務所では、詰めかけた支援者らが歓声を上げた。2年前の選挙は当確が出たのが10時すぎだっただけに、緊張の張り詰める時間なく喜びに沸き立った。

 「一揆だ!!」の鉢巻きを着けた通称「亀女(かめじょ)」こと亀井静香後援会婦人部の面々が「万歳」を叫ぶ。後援会の役員や詰めかけた支持者らが、誰彼構わず握手し、肩をたたき合う。倉庫を利用した事務所内は、熱気に包まれた。

 午後8時半、亀井氏が選挙事務所に姿を見せると、大きな拍手で迎えられた。小林秀矩広島県議に手を引かれ壇上に立った亀井氏は、「ありがとうございます。ありがとうございます」と四方に頭を下げる。

 「これが皆さん、一揆なんです。悪代官をやっつける。今この悪政をこの地から正していく一揆をやった。皆さん方がやったんだ」とお礼を述べた。

 「日本はこんな国だったのか。地方を良くし、国を良くし、みんなが幸せになっていく国に持っていく、まさに今日は原点。全国に先駆けて一揆をやった。これを全国でやれば、日本は変わる。頑張ります。皆さん、やりましょう。子や孫のためにも」と呼び掛けた。

地元民は地域の立て直しを期待

 亀井氏当確の報を受け、選挙事務所で各人に声を聞いた。

 北部選挙本部の住田鉄也代表代行は「最高の気持ち」と表現。「弱者のために政治はあるという先生の信念が有権者に共感を呼び、大きなうねりになったのが一番の勝因。県北は農林関係の産業が多く、限界集落もある。先生の一揆の精神に共鳴し、先生を支えなければという思いが高まってきた」と分析。今後の亀井氏には「信念を貫いて、新しい日本を創っていただきたい」と期待を寄せる。

 同市内で農業を営む70代の男性は「ほっとしている。『若干優位』と報じられていたが、こんなに早くて」と顔をほころばせた。亀井氏への期待として、「農業問題をしっかりやり、人口が少なくなっていることに歯止めを掛けてほしい。TPPや農業改革で、このままではもたないから」と話す。

 府中市内から駆け付けた70代の男性は、「中山間地域の代表として、期待している。彼ならやってくれると思う。今の農業はTPPで大変なことになっている。中山間地は農業でしか生きられず、生活がかかっている。田舎が駄目になったら、都会も駄目になる。それが分かる人だ」と信頼を置く。

マスコミが完全アウェイの庄原

 選挙事務所に凱旋(がいせん)した亀井氏に報道各社がインタビューした。国民を不幸にしか導かないマスコミに手厳しい亀井氏は希有な政治家だが、庄原市内の選挙事務所では、全員が味方である。

 テレビ局の記者が「今回は初めて無所属で臨んだ選挙戦だったが」と向けると、「俺は無所属じゃない」と声を荒げた。詰め掛けた支援者たちに手をやり、「みんなと一緒なんだよ」と叫ぶ。場内から「そうだ」「亀井党だ」とヤジが飛び、拍手が鳴る。

 「今回、接戦だったが」と向けると、「下らない質問すんな」と亀井氏。「選挙戦のポイントは」とただすと、「一揆だと言ったろ」と一蹴。そこら中で「ワハハ」と笑いが起きた。

 「無所属という立場でしたが」と重ねると、「亀井党だと言ったろ」。「国を良くしたいと言っていたが、どういう立場で変えていきたいか」と問われると、「全国に一揆を起こすんだ。聞いておけよ、ちゃんと。何のために挨拶したんだ」と返答。会場中から「ワハハ」と嘲笑の声が上がり、「マスコミしっかりしろ」「あほう」とヤジが飛んだ。

 「今後は新たな政党に入ったり、新党を創ったりするつもりは」と尋ねると、「亀井党に属してる」ときっぱり。大きな拍手と罵声の中、各社インタビューは終了した。

「ミスター郵政」の稲村公望氏も参戦

 日本郵便前副会長で中央大学客員教授の稲村公望氏も同選挙事務所に駆け付けた。旧日本郵政公社理事時代に郵政民営化に反対した、亀井氏の同志だ。

 稲村氏は今回の広島6区の戦いを、次のように位置付ける。

 「グローバル化とナショナリズムのバランスをどうするかということ。05年に堀江貴文が出て亀井氏を落とそうとする動きがあったが、同じ動きが再燃していることを懸念した。それを押し返し、早々に当確を出したのは意味がある。広島県だけの話でも、国内だけの話でなく、世界の大きな潮流の中で注目を受ける選挙区だったと思う」

 選挙結果については「自民党が『保守』と称しながら、実際は新自由主義の政策を実行していることへの反発が出たのではないか」と分析する。

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当確の第1報を聞き、歓喜に湧く選挙事務所(2014.12.14)
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亀井静香後援会婦人部こと別称「亀女(かめじょ)」(2014.12.14)
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支援者とともに万歳する稲村氏(2014.12.14)

「孤独じゃない」と亀井氏、熱い選挙活動終え

 衆院広島6区の亀井静香候補は13日午後8時すぎ、選挙活動を終え、尾道市内にある選挙事務所に姿を見せた。今回の選挙戦を「燃えに燃えた」と振り返り、さっぱりした表情だった。できることはやり尽くしたとの達成感がにじむ。

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選挙事務所に戻り、スタッフに頭を下げる亀井氏。感無量の様子だ(2014.12.13筆者撮影)

 事務所に入った亀井候補は「ありがとう」「ありがとう」と運動員一人ひとりの肩をたたき、労をねぎらっていた。

 マスコミ記者に「今回は無所属の出馬、孤独な戦いではなかったか」と向けられると、「孤独じゃない。こんなに仲間がいて」と運動員らを指差す。「佐藤公治先生とね。幸せ一杯だ」と胸を張った。

 地元密着の選挙活動で見た住民の生活について「頭で考えている以上に、皆さんの置かれている状況は厳しい」と深刻な面持ちを見せる。

 突然の解散を受け、もう一度出馬を決めた理由については「晋三総理が戦争大好き人間や経済を全然分からない、社会政策も全然分からないおかしな連中に囲まれて。本人はいいが、党もちゃんとやらず、選挙の後が心配だ。だから俺が出なければと立候補した」と打ち明けた。

 前回選挙で得票が小島敏文候補(自民)に及ばなかった南部に力を入れた。公示は4日だが、尾道市内の選挙事務所は最も早い11月25日に開いた。同事務所の責任者は「2年前の『予行演習』で出た反省点を踏まえて対応した。遠方から大勢の方が『亀井さんを落とすな』と馳せ参じ、手弁当で応援してくれた」と話す。
 
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南部選対本部長を務めた佐藤公治前参院議員と「一揆隊」別名「亀女(かめじょ)」こと亀井静香後援会婦人部の面々(2014.12.13筆者撮影)

「俺は体を張ってでも止める」と亀井氏、弱者圧迫の政治阻止を誓う

 衆院広島6区から立候補している亀井静香氏は13日午前、地元庄原市内での最後の街頭演説をした。亀井氏は自公政権が進める地方と弱者の切り捨て、戦争誘導に対し、「俺は体を張ってでも止める」と訴えた。

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疲弊する郷土民の期待を背負い、構造改革の反転を期する亀井氏。手には他界した「大迫のじいさん」の手紙が(2014.12.13筆者撮影)

 市役所前通りの歩道は、2000人近い市民で埋め尽くされた。亀井氏への期待の大きさをうかがわせる。午前10時すぎ、南部選対本部長を務める佐藤公治前参院議員がマイクを取り、視界にいる全ての人に向けた。

 「この戦いは、亀井静香候補1人の戦いではない。みんなの戦いだ。もし、亀井先生に万が一のことがあれば、この庄原、県北は今の格差拡大の政策、地方切り捨ての政策、弱い者いじめの政策を推し進めてくださいという総意になってしまう。だからこそ、亀井先生をこの6区の代表として出さなければ」

 県議や市議、連合広島代表らによって群衆の中央に迎えられた亀井氏は、「日本がだんだんおかしな方向に進んでる。お年寄りを追い詰め、若い人たちが生まれ故郷で働けない。東京、大阪に出ても非正規雇用で、ビルの谷間で下を向いて生きている。そんな政治を続けさせるわけにいかない」と訴えた。

 「東京だけ豊かになり、地方はどうでもいい、力が強い者だけがどんどん強くなればいいんだという、学者でも何でもない下らない連中が(首相の)周りを囲み、ひどい政治が進んでいる。今、俺は引くわけにはいかない」と宣言した。

 亀井氏は自民党がさらに議席を増やした選挙後を憂えた後、集団的自衛権容認の閣議決定に言及。「米国が自衛隊を出せと言ったら出せるようにした。そんなことを実行していいのか、誰が止めるのか。俺は体を張ってでも止める」と群衆を見詰めた。

 貧困化と戦争誘導を止める野党勢力について、「民主党は(自身を)推薦してくれたが、残念ながら、今は火の玉になってやるような党じゃない。どんな力のある野党がいるか」と問い掛けた。

 亀井氏は農家を追い詰める農業改革や国民生活を圧迫する消費税引き上げを批判した後、財源確保策として、無利子非課税国債の発行と特別会計の一般会計化を主張。「何十兆円、すぐ出てくる」と目算した。

 会計の一本化について「安倍首相も菅官房長官も賛成したが、財務省が反対するからと言ってやらない。役人に政治家が使われている」と嘆いた。自民党政調会長のとき大蔵省を出入り禁止にした体験を引き合いに、安倍氏に「やってみろ」と促したことを告白。

 「やると思えばできる。問題は政治家がそういう決断をするかどうかだ」と気を吐くと、大きな拍手が起きた。

 「頑張ろう」コールを唱和した後、亀井氏は宣伝カーに乗り込む。期待する市民の声援を受けながら、尾道市や三原市などの南部に向け走り出した。

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       高橋清隆

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【口座名】盒鏡粁粥  

著者プロフィール


反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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