高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

2015年07月

民主主義の幻想を捨てよ

 集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案が今国会で成立する見通しである。参議院での審議が始まるも、60日ルールが適用可能な会期日程では止める策がない。隔靴掻痒(かっかそうよう)の状況は、民主主義が完成に近づいている証しと考える。

 同法案には、国民の圧倒的多数が反対との印象を抱く。賛成する人はこれまで、産経新聞や『正論』の愛読者と、米国大使館に出入りする怪しげな大男の計2人しか見たことがない。現実は世論調査以上の不評を買っているのは間違いない。

 しかし、民意を意思表示する余地はどこにあるのか。次の選挙ではすでに片が付いている。国会周辺のデモは近年類を見ないほどの市民を集めた。7月15日には、主催者発表で6万人が駆け付けたが、歩道には柵が設置され、車道にはみ出れば警官隊が押し戻す。立すいの余地もなく、地下鉄の出口階段には人がたまっていた。

 周辺の警備状況は、60年安保のときと様変わりしている。当時は国会正門は開いていて、前庭では集まった学生たちがジグザグデモを縦横に繰り返せた。中には国会に突入した者も。今は規制線を越えて抗議したら、即警察に連行されるだろう。半世紀の間に警察権力が強化された結果である。

 民主主義を礼賛するのが現代人の通例だが、この条件で一体、どうやって意思表示せよと言うのか。国会議員に反対を求めるファックスを送ったり、電話する人もいる。麻生太郎副総理は衆院本会議の採決前、派閥の会合で「抗議の電話をもらった人、どれくらい来た」と問い掛けた。ある議員が「120人くらい」と答え、「多いね」などの声がするも、麻生氏は「数十件ね、ほとんどかかってこない」ととぼけている。

 与党議員の姿勢がこれでは、いくら訴えても無駄である。政治家は国民ではなく、命令者である党執行部や大本の米国の方を向いているのだから。かといって、暴動を起こせば、徹底弾圧の格好の口実にされるはず。警察に届け出なければ演説も行進もできず、事あれば必ず見付け出すことができる。街中を監視カメラが捉え、ほぼ全員が携帯端末を身に着けている。

 「今の日本は真の民主主義じゃない」。そう突き放す人もいるかもしれない。では、今の米国や欧州が「真の民主主義」なのか。米国は貧困層が多数を占めながら、戦争を唯一仕掛けまくっている国である。けがや病気になっても医者にかかれないほど安全網が貧弱でありながら、桁外れの配当に預かる株主がいる。この絶望的な社会制度が民意の産物であるはずがない。

 欧州諸国は欧州委員会ができてから、官僚がほぼ全てのルールを差配する。各国議会は無力化し、住民の意見を政治に反映させる機能はなくなった。英国とて、二大政党が似たような政策を交互に進め、新自由主義を拡大している。対外的には米国の侵略戦争を助け、対内的には苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)と監視強化を進めながら。自分たちをますます追い詰める政策を、誰が望むというのか。

 「真の民主主義」という言葉は、「真の共産主義」という言葉を連想させる。かつて共産主義者は共産諸国の実態を引き合いに批判されると、「今のソ連は真の共産主義じゃない」と反論したものだ。しかし、実在しないものを神聖視するのは科学ではなく、宗教である。

 マックス・ウェーバーによれば、普通選挙法の普及は大衆プロパガンダの必要性から、政党における会計や広告などについての戦略の強化を促すので、権力の分散という意味での民主化をもたらすことは決してなく、むしろ少数者による支配を強めるとされる。

 彼は『経済と社会』の第一部で次のように述べている。
 「大衆の役割とは、その投票が選挙時に獲得の対象とされるのみである」

 民主主義は少数者が多数者を支配するための擬制ではないか。民衆の政治参加を投票のみに狭めると同時に、民衆同士を対立させ、責任をなすり合わせる効果も持つ。「国民がばかだから駄目なんだ」と万人がののしるのが現実ではないか。

 「独裁は民主主義に反する」などと怒る人がいるが、ファシズムは民主主義から生まれる。ウェーバーが民主主義を歓迎したのは、強い指導者の出現を期待したからである。

 わが国では、明治と大正期の大半は納税額による制限選挙だった。選挙権を持つ市民には家柄や財産、教養に恵まれたいわゆる名望家が含まれていて、彼らが地方の有権者の票を左右し、立候補者もその中から選ばれた。名望家の影響力が政党の地方組織の力をしのいだので、中央に振り回されることは少なかった。住民はどうしても困ったことや抑えきれない意見があれば、彼らに訴えた。貴族院は非政党主義を取り、軍部への迎合にも冷静だった。

 1925年に普通選挙法が議会を通ったとき、一緒に成立したのが治安維持法であることに注意する必要がある。われわれが警察にお伺いを立てずにできる政治活動は、4年に1度小学校の体育館であらかじめ決められた候補者の名前を書くことだけである。

 さらに言えば、近世以前は法による支配はなく、もっと自由だった。直情径行で残忍な処分を下す大名や将軍もいたし、海外ではギリシャ神話に見られるような暴君もいたはずである。ある歴史家は、江戸時代の武士を今の暴力団のような存在だったと指摘している。しかし、権力が及ぶのは、顔の見える範囲にすぎなかった。

 モンテスキューは人による支配から法による支配を説いたが、法を整備することによって、民衆は近代国家の広範な鉄のおりに押し込められた。イエズス会の工作で天下統一させられていた日本においても、明治維新によって民衆はあまねく管理されることになった。

 民主主義とマスメディアは近代支配の両輪だ。顔の見える範囲で政治が行われたアリストテレスの時代と違い、広範な近代国家においては文字通り、メディアが政治と民衆とを媒介する。他の人がどう考えているか知るのもメディアに頼るしかない。どれほど多数派を占める意見でも、テレビや新聞が伝えない限り「世論」とはされない。そのマスメディアは支配権力が牛耳る。

 われわれを口封じした民主主義制度を批判する者が見当たらないのはなぜか。憲法前文にそのようなものを礼賛する記述があるからであり、放送法第1条の3や新聞倫理綱領に「民主主義」の文言があるからだ。学校でも刷り込まれているから、エリートほど民主主義を信奉する傾向が強い。

 わが国の民主主義は小選挙区制の導入や定数是正に加え、内閣人事局制度も手伝って完成度を高めている。大多数の国民が反対する「戦争法案」を止めるには、この選挙制度への幻想を捨てなければならない。民主主義の流儀に従っていたら、また戦争の共犯者にさせられる。



「おもてなし」は奴隷国家の宣言

 2020年の東京五輪を控え、準備が着々と進められている。競技場だけでなく、外国人の慣習に沿った硬軟両面での整備が広範な分野で進む。「おもてなし」は、日本人が外国人のしもべとして尽くす宣言に聞こえてならない。

首都圏を租界化する戦略特区
 外国企業による日本侵略を促す制度に国家戦略特区があるが、「東京圏」は五輪を契機に「世界で一番ビジネスがしやすい環境を整備する」を目標に掲げる。政策課題は「グローバル企業に対する雇用条件の整備」「外国人向け医療の提供」「外国人の滞在に対応した宿泊施設の提供」など10項目あるが、外国人優遇策が目白押しだ。

 具体的には、外国人の起業や留学生の起業・就職を容易にする「高度外国人材の受け入れ推進」やメイドなど「外国人家事支援人材の受け入れ」、「外国人介護人材の活用」、医療では「保険外併用療養の特例」導入や医療ツーリズムの実施、外国医師が外国人患者を診る業務解禁、国際医学部の新設などが並ぶ。

 外国人滞在を支援するため旅館業法に特例を設けるほか、農地転用を容易にするため許可権限の農水大臣または知事から市町村長への移譲や、法人税減税の検討も盛り込む。

 一方、雇用については「雇用労働相談センター」を開設し、ベンチャー企業やグローバル企業を支援する。これは福岡市のいわゆる「解雇特区」でも出てきた機関で、企業側の運営で従業員を切りやすくする装置である。

 特区内の労働者は日本人である。しかも、外国人向け医療やカジノを日本人は利用できない。プライベートジェット機専用の滑走路を羽田に整備しろとの提案も出ている。まさに首都圏を租界化するプロジェクトである。特区で規制緩和をやれば、ラチェット条項で戻せない。

 注目すべきは、「特区」が政権交代に関わらず一貫して推進されてきたことである。小泉政権の「構造改革特区」に始まり、菅政権の「総合特区」、安倍政権の「国家戦略特区」に続く。もともと『年次改革要望書』に盛り込まれていたものであり、世界の支配権力がわが国を計画的に占有しようとの意図が見え隠れする。

太らせ刈り取る支配権力
 戦争で勝ちながら、技術を教え込んで去るお人好しの国などない。経済安定九原則やドッジ=プランで日本経済の自立を支援したのは何のためか。プラザ合意も構造改革も、初めから企図されていたと考えるべきではないか。

 国際的なスポーツイベントは支配権力が画策し、ブラックユーモアを世界に発信する場だ。1964年の東京五輪は、「わが国を太らせる宣言」だったのではないか。開会の10月10日はユダヤ教の祭日である。

 二回目の東京五輪は、「刈り取り宣言」と目する。「計画的に」との表現に反発を感じた読者もいるだろう。ならば、なぜわが国のインフラは安普請なのか。鉄道に枕木を使い、街路には電柱が立ち並び、電線がクモの巣のように張る。高速道路は国道や鉄道の高架の上をむき出しで走り、川をまたぐ。

 わが国の国民1人当たりGDPは世界1を記録しながら「ウサギ小屋」に住んできた。役員報酬も驚くほど少なく、一般の従業員と大差ない。物の値段が定価なのはなぜか。あくまで労働要員として、横領できないようにするためではないのか。礼儀正しく、行列をつくって順番を守り、サッカー場では来たときよりも美しく掃除して帰る。不平があっても跡を濁さず、にこにこして辞める。

 こうした立ち居振る舞い方は、外資による略奪を円滑にしたのではないか。そもそも、なぜ外国人がテレビや映画に普通に出ていたのか。商店のチラシもマネキンも、全部外人ではなかったか。舶来音楽と相まって、経済降伏に先立って文化的併合をさせたといえないか。

 ちなみに近年、「最近のマスコミはけしからん」という声を聞くようになった。5大紙とNHKはそろって消費増税、TPP、日米同盟の強化を主張しているからだろう。しかし、マスメディアは誕生時から民衆をだますために発明され、本来の役割を発揮してきたことは、戦前の反米報道や戦中の大本営発表、占領期のウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムを見れば一目瞭然(りょうぜん)のはず。1960年代から続く成長期、つまり「太る」段階においてはメディアと国民が利益共同体だったから気付かなかったにすぎない。ゆでられ始めたカエルは心地よい。

収奪者に尽くす主権者
 成長から「刈り取り」に転換する予兆はあった。その象徴が「秋葉原通り魔事件」である。すなわち、秋葉原が技術立国日本の陳列棚から奴隷と殺りくの舞台に転落したことを世界に宣伝する儀式だった。エプロンドレスに身を包んだ日本人が「ご主人様、お帰りなさい」と仕えるメイド「文化」は創られたものである。一般人の大量殺傷は、来る戦場行きを暗示した。

 本来主人である国民の奴隷化と、戦場行きは着々と進んでいるではないか。18歳以上への選挙権年齢の引き下げはすでに決まり、派遣労働の受け入れ期間の制限撤廃を盛り込んだ労働者派遣法改正、集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案は今通常国会で成立する見通しだ。

 国民資産の略奪も完了寸前だ。三角合併の解禁で、主要企業の株式の7割は外国人の保有。GPIFの「より機動的な運用」で、年金基金はハゲタカに運ばれている。日本郵政の親子同時上場で、戦後の国民の汗の結晶である郵貯・簡保資金は国際金融資本家の手中に収まるだろう。

 一方、国民経済は財政赤字を理由に投資を手控え、税は直間比率をますますいびつにする。働く女性を礼賛して国民の残り半分にも課税しつつある。職場では英語を公用語とする企業が増えていて、「真性保守」を自認する安倍首相は小学6年生から英語を必修化する。

 主人とゲストの主客逆転は、すでに起きている。先日、九州新幹線に乗ったら、グリーン車と指定席は外国人ばかり。最下等の一般車に主権者の日本人がおとなしく座り、仕事をしていた。

 今や駅をはじめ、街の至る所に外国語表示がある。外国人に喜んでもらえるよう、言葉を覚え、地域を案内する講座を自治体が率先して開く。われわれは富を献上し、一層劣悪な条件で働きながら、大量に上陸する収奪者に尽くす。これが「おもてなし」の実態である。

 世界へ向けた「おもてなし」のプレゼンで占領儀式の開催を引き寄せた女性が、合いの子であることに注意する必要がある。「合いの子」の表現に抵抗感を抱く読者もいるかもしれない。しかし、差別を助長するとして「国際児童」などへの言い換えが定められているのは、彼らの増加を促す意図があるからではないか。偏見には共同体を守る歴史的英知が潜むとエドモンド・バークは指摘している。

 支配権力は来る東京五輪を、奴隷国家日本の誕生を祝う式典にしたいのだろう。この屈辱的儀式に景気回復やお祭り騒ぎを期待していては、悪夢の実現を後押しするだけだろう。

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「関税ゼロにしたら全部限界集落」、篠原孝氏がTPPの末路を警告

 民主党衆院議員で「根っこの会」(亀井静香代表)幹事長の篠原孝氏は23日夜、日本経済復活の会で講師を務め、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に反対する理由を自身の体験を交えて説明した。

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新自由主義と闘う篠原氏。日本経済復活の会顧問でもある(2015.7.23筆者撮影)

 篠原氏は米国がTPPを推進する背景として、1989年からの日米構造協議に注目。「米国は貿易摩擦を解消しようとスーパー301条を設けたがうまくいかず、日本のしくみを変えようと考えた。系列や排他的取引慣行、談合などを攻撃してきた」と経緯を説明した。

 金融・保険分野の規制緩和に続く流れだが、最も悪影響を与えたものとして大規模小売店舗法の廃止を挙げる。「地方を疲弊させた一番の原因。日本中の街がシャッター街になり、郊外のショッピングセンターが取って代わった。県庁所在地でさえ」と断言する。

 地方を支える根幹の法律をなぜ、わが国はあっさり葬ったのか。「通産官僚がどうせ撤廃しても(米国小売企業は)売れないと思って譲った。事実、トイザらスはもうからなかった。しかし、商店街は消え始めた」と内幕を明かす。

 長野1区選出の篠原氏は、「須坂市の祗園祭は花火が打ち上げられなくなった。地元企業が全部つぶれたから。逆に、幹線道路に系列化した外食店が立ち並び、地元のお店が全部なくなった」と嘆く。

 規制緩和に突き進む社会の末路を、篠原氏は37年前に予見した。農水官僚として米国留学したときのこと。「中西部・カンサス州を53時間もバスに揺られた。ある町に着くと、さっき来た町ではないかと思った。停留所も建物も、中で食べる食事も同じだから。地域の特産物なんてない」と空疎感に襲われた。

 人生についても疑いを抱く。「仕事も、すみかもしょっちゅう変わる。どうやって一生付き合える友達ができるのか。女房や旦那だって変えて。どう見ても、まともな社会じゃない。過剰流動性があると言えばそれまでだが、こんな社会にしては駄目だ」と。

 篠原氏は逆に、日本が駄目になるときはどんなときかと考えた。「定着性がなくなり、バラバラになったときではないかと行き着いた。だからTPPは反対」といきさつを話した。
 
 関税を撤廃した場合の例として、木材を挙げる。米国は占領期の1950年に丸太の関税をゼロにし、1964年に板材の関税もゼロにした。自国の木材を買わせるためだ。「へき地の別称である中山間地では、木を伐採して引き出すと赤字になる。それで山が放置される」と影響を指摘する。

 長野県は森林率70〜80%を占める市町村がひしめく。「地方創生は簡単。山の木を売れるようにすればできる」と篠原氏。「農産物の関税をゼロにしたら、田舎の市町村は全部限界集落になる」と警告した。

 長野県栄村は、かつて7500人あった人口が2000人を切ろうとしている。「あるお年寄りに言われた。『何が限界集落だ』と。『おれんとこはもう、崩壊集落だよ』と。泣けてきて。昔はやっていけたのに、山の木が収入源にならず、全く手を付けない。ちょっとしたお金でできるのに」と悔やむ。

 しかし、外国人の見方は違う。経済協力開発機構(OECD)日本代表部に出向してパリにいたとき、デモをする人たちに「日本はずるい。自分の国の緑を切らないで、人の国の山を荒らして。けしからん」と言われたという。

 TPPの影響として篠原氏はもう一つ、医療崩壊を挙げた。「TPPを一番後押ししているのは、医薬品メーカー。軍事産業とともに米国の主力産業になっている。『日本の医療保険制度は壊さない』というのは、日本の保険制度の中で米国の高い薬を使わせようとしているから」と説明した。

 その上で篠原氏は、今後わが国が目指すべき方向として「環的中日本主義」を提唱した。石橋湛山の説いた「小日本主義」を踏まえたもので、自立した循環国家として国際社会の中で尊敬を集める道を追求する。

 亀井氏との関係にも言及。「なぜ合うのか民主党の連中が不思議がってるが、基本政策が100%一致しているから。原発や集団的自衛権、TPP、消費税にしても、地方を大事にする点でも。格好つけてないし。自民党を飛び出したようなところは自分にはないが」と吐露した。

「日本はさらに米国の属国に」、『月刊日本』が街頭演説

 保守系言論誌『月刊日本』の執筆陣が21日、東京・新橋駅前で街頭演説会を開き、安倍政権の進める安全保障政策の変更や保守論壇の弱体化を批判した。

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「米国は自国の若者の代わりに日本の自衛官の血を流させようとしている」と南丘主幹(2015.7.21筆者撮影)

 この日の弁士は、南丘喜八郎主幹や山浦嘉久論説委員、稲村公望中央大学客員教授、哲学者の山崎行太郎氏ら12人。午後5時、SL広場で坪内隆彦編集長が「本日は編集部一同、われわれの主張を皆さまに直接訴えるために参りました」と呼び掛けると、歩行者が次々と足を止めた。

 南丘氏は安全保障関連法案の成立を目指す安倍政権の姿勢に触れ、「日本はさらに米国の属国になることを安倍総理は選択した」と両断した。祖父の岸信介元首相は在日米軍を本国へ返すことを前提に日米安全保障条約の改定を模索しながら、当時のダレス国務長官に一蹴されたことを指摘。

 「岸さんは平等条約を自分の代で作っていきたいと、苦悩しながら安保条約の改定に踏み切った。しかし、安倍総理は独立自尊の精神を捨て、米国べったりの姿勢。米軍の代わりに自衛隊を世界の戦闘の最前線に送り込む、これが安全保障関連法案の要だ」と批判した。

 山浦氏は、現在議論されている安保法制を「自衛隊が米軍の一部を肩代わりできるように変えるもの」と規定。「今まで米国が世界の警察官を自認し、世界中にいろんな軍を派遣してきたが、今や自分たちの能力だけで完遂できないので自衛隊を使おうと考えた」と指摘した。

 国民国家を成立させる基本的条件は、司法裁判権の独立、通貨発行権の独立、軍の統帥権の独立の3つであることを説明し、「今回の安保法制は軍の統帥権を米国に譲り渡す。これではわが国の国家主権を放棄したようなもの」と糾弾した。

 「30万人の自衛官は、祖国防衛のためなら一身を賭しても構わんという気概でなっている。それが全く関係ない米国の要請で戦闘に巻き込まれ、仮に死亡した場合、皆さんの名誉はどうなるか。安保法制で論議されていない」と問題視した。

 山浦氏は独立国になるには憲法改正が不可欠とした上で、「米国の家臣のような形で国民の生命・財産を米国に献上する形から離脱しないと、私たちがご先祖様から受け継いだ麗しき民族共同体を自らの手で崩壊させてしまう」と警告した。

 稲村氏は「安倍総理は戦後レジームの克服と言って票を集めたが、やってない」と口火を切った。内閣支持率の低下に触れ、「自民党総裁選が9月にあるが、どうなるか。経済政策も日本国民をおもんぱかるものでなく、一部だけを潤わせている」とやり玉に挙げた。

 日本郵便の副会長を務めた稲村氏は、日本郵政グループ株の親子同時上場について「何のための上場か。外資がもうけるためにやってるのか。そんなんじゃ駄目。全国津々裏々に金をばらまいて、老いも若きも、健常者も障害者も、日本国民を豊かにして、それからやってください」とけん制した。

 安保法制の整備に触れ、「弱い者が集まって強い者に抗うのは日本人の得意だが、強い者の言う通りにやれというのが今度の集団的自衛権。超大国の言う通りハイハイとやれば命が守られるのか」と向けた。

 安保関連法案は参議院に送られたが、「黙って見ている参院にいつからなった」と挑発。「米国でいえば上院、昔でいえば貴族院に当たる。衆院で議論してきたものを、良識でいいかどうか判断する府だが、60日ルールが使えるよう延長したことに誰か声を上げたか」と訴えた。

 『月刊日本』に「マルクスとエンゲルス」を連載する山崎氏は冒頭、「極左的なことを分からず、毛嫌いしていては保守も駄目になる」提起。

 「今日来るとき、ツイッターで『国会周辺でやっているデモは共産党が中心になっているから行かない方がいい』と言っている保守の人がいたが、とんでもない。保守主義はマルクス主義の対抗手段として出来上がった。それを理解していない保守は百田直樹みたいになる」と批判した。

 百田氏や櫻井よしこ氏のような「保守」論客の特徴として「憲法改正や南京事件、沖縄問題、従軍慰安婦にしても、自分で調べ研究しないで、全部受け売り」と指摘。「同様に『米国に押し付けられた憲法』と言うが、誰が作ったか分かっていない」と告発した。

 「現憲法ができたのは、半分は米国の命令だが、日本人に協力者がいたから。東大法学部の宮沢俊義という法学者がその中心人物だ。江藤淳はそのことを批判したから、論壇から消えている。東大、官僚、ジャーナリズムの既得権益グループの中で触れちゃいけないことを問題にしたから。これこそが戦後レジーム。安倍首相が『戦後レジームからの脱却』と言うなら、そこから脱却しないといけないのに、乗っかかっている」

 山崎氏は「保守も右翼も、マルクスやエンゲルス以上にならないと思想の強化はできない」と主張。例として、戦前の非合法共産党幹部の田中清玄氏が転向して右翼の親玉になり、占領下で昭和天皇に進言し、日本国憲法の受け入れと米軍の駐留を認めさせたことを挙げた。

 「左翼が強くなれば右翼も強くなる。思想的に左も右も弱体化している」と両勢力の奮起を促した。

 同誌編集部によれば、次回演説会は8月4日17時から同じ場所で開く予定。

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山浦論説委員(2015.7.21筆者撮影)

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稲村氏(2015.7.21筆者撮影)

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山崎氏(2015.7.21筆者撮影)

篠原孝議員が復活の会に来る

 日本のイスラエル化を警告し、農協解体やTPP参加、消費税増税に真っ向から反対するほぼ唯一の民主党衆院議員、篠原孝氏が23日の日本経済復活の会でほえます。危機感を持つ国民は、耳を傾けてみませんか。

第131回日本経済復活の会


○講師 
 ー銚狭Ю萓 衆議院議員経済産業委員・環境委員、元農林水産副大臣、
        農学博士
 ⊂野盛司 日本経済復活の会会長

○日時 平成27年7月23日(木)午後6時〜午後9時
          (開場5時45分、講演開始6時)
○場所 文京シビックセンター 5F 区民会議室 会議室A
    東京都文京区春日1−16−21

○会費 1000円(資料代を含みます。食事は出ません。)

※当会合に関する一切の問い合わせと、御来会の可否は小野(03-3823-5233)宛にお願いします。メール(sono@tek.jp)でも結構です。

■参考サイト
「日本経済復活の会」告知ページ
新聞に載らなかったトンデモ投稿
亀井静香―最後の戦いだ。
亀井静香が吠える 痛快言行録
偽装報道を見抜け!世論を誘導するマスメディ…
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       高橋清隆

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【記号】13160   
【番号】10900411

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【口座】ゆうちょ銀行  
【店名】三一八(読み:サンイチハチ)
【店番】318     
【預金種目】普通預金  
【口座番号】 1090041 
【口座名】盒鏡粁粥  

著者プロフィール


反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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