高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

2016年02月

「大切な人死んだら嫌」、安保法廃止へ署名と対話 横浜

 横浜市のJR桜木町駅前で2月28日、“平和と民主主義をめざす全国交歓会(ZENKO)神奈川”による安全保障関連法の廃止の署名活動と、“私たちの街頭活動チーム(わたかつ)”によるシールアンケート&街頭対話が共催され、道行く老若男女が自分の考えを表現していた。

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アンケートボードの前で考える人々(2016.2.28筆者撮影)

自民得票上回る署名を
 晴天の日曜日、駅前広場では多くの市民が行き交う中、三線(さんしん)の伴奏に合わせ、『戦争を知らない子供たち』の替え歌が響く。

 「国会がいかに私たちの意見と離れた所でやっているか。2000万人の署名を集め、目覚めてもらいましょう」

 この呼び掛けに足を止め、話を聞く人の姿があちらこちらで見られた。
 
 署名活動は「戦争をさせない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の呼び掛けた「戦争法の廃止を求める統一署名」の一環として実施された。ZENKOは全国で2万1148筆(2月26日現在)を集めている。

 「総がかり」全体では未集計だが、4月末までに2000万人分を集め、衆参両院議長と安倍首相に提出する予定。この数字は14年の総選挙(比例区)で自民党が得た1766万票を上回り、「安倍政治を許さない」声を形にするもの。

 目立つのは、中学・高校生など、まだ選挙権のない若者の賛同である。「街に遊びに行く途中」署名に協力した中学3年生の女子生徒2人は「今の政治は、若い人を大切にしてくれない」と不満を漏らした。

 署名の動機について、1人は「少子高齢化と言ってるのに、戦争に駆り出されたら、子供が、若い子がみんな死んじゃう。大切な人とか死んだら、嫌だから」。もう1人は「ジャニーズのファンだけど、そういう人が死んだらつらい」と打ち明けた。

 安全保障関連法の施行は3月29日だが、野党5党はこれを廃止する関連2法案を19日、衆院に共同提出している。統一署名に参加したZENKO神奈川の青島正晴(60)は、今後の戦略を展望する。

 「市民の運動も統一しようという気運が高まっている。安保法廃止、立憲主義を守れと言うのは、どの団体も異論が無かった。頭でなく、具体的な行動を一緒にやっていくことが重要」

 連帯は、署名だけではない。この日、駅前を「憲法守ろう桜木町自由広場」と名付けた。“わたかつ”と協働したのも初めて。彼らとは、1月下旬、東京・東中野で開かれた山本太郎参院議員との対話集会で出会った。

 新しい参加者も増えている。「東日本大震災以降、目覚めた人が多い。特に、若い人が」と青島さん。今日、初めて来て、署名を集める側に立った人もいた。

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「戦争法」廃止に署名する女子中学生(2016.2.28筆者撮影)

アンケートできっかけつくる
 署名の机から20メートル程離れた場所に、大型パネルが8枚並ぶ。安保法制の是非やマスメディアの在り方、原発事故への対応など、諸問題が提起されている。

 「安倍首相は、今年夏の参院選挙後に『緊急事態条項』の新設をはじめ憲法改正を行う考えを答弁した。知っていますか? どう思う?」

 「8日、高市総務相は、政治に不公平な放送を『電波停止』する考えを述べた。知っていますか? どう思う?」

 質問ボードの周りには20人ほどの人垣が出来た。質問文を興味津々に読んだ市民らは、「知っている・反対」「知らない」など、自分の考えと一致する箇所に備え付けのシールを貼っていく。

 これは“わたかつ”が「みんなの街角デモクラシー対話広場」と称して、普段は東京都内で実施している路上イベントである。リーダーのJack(ジャック)さん(日本人)は、特定秘密保護法の閣議決定間近い13年夏すぎにこの活動を始めた。

 ツイッターやツイキャス、ユーストリームなどで広まり、仲間ができた。今回の“遠征”にも5人が帯同した。場所選びの方針は2つ。同じ街ではやらない、私鉄の小さな駅前を選ぶ、という。「人に話を聞いてもらえる可能性が高い所がいいんです。ゆったりとした気持ちで対話したいから」と話す。

 千葉県柏市が公表した子供の甲状腺がんの調査で、11人が2次検査の必要なC判定を受けたことなどを問うボードの前で、1人の男性が立っていた。Jackさんは「この辺なんか、どう思います」とさりげなく声を掛ける。男性は「汚染されてるのは、分かっていました」と答え、3年前、柏市内から避難していることを明かした。

 高市総務相発言のボードの前で、Jackさんが「プレッシャーかけてるんですかね」と向けると、「今まで言ってないことを言い出したのが怖い。まだまだ進めてくる気がする」と応じる。

 「右傾化する方向にメデイアをコントロールとか、出てきますね」
 「古館さんが番組降りるとかねえ」
 「参院選に向けていろいろ手を打ってくると思うけど、電波もその一つでは」
 「でも、若い子がたくさん気付いてきてる」

 こうして互いの意見を交換していく。

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自分の意見に該当する欄にシールを貼る市民(2016.2.28筆者撮影)

中学生とも対話に挑む
 男子中学生3人がボードの「反対」欄にシールを貼っていた。女性スタッフが話し掛けると、隣で署名して来たという。「どうしてこっちに来たの」と問うと、「歌が聞こえたので、(アイドルの)大原櫻子かなと思って引き寄せられて」と顔を見合わせて笑った。

 署名の動機を尋ねると、「戦争行きたくない」「自分らが困るから」と答える。スタッフが防衛装備庁の設置や武器輸出三原則の解禁について紹介し、「武器を造って売れて喜ぶって、怖くない? 抑止力が必要って言うけど」と向けた。

 「難しいです」
 「日本が強くなったりして、攻めて来られたら、それはそれで嫌。止めてほしい。どんどん競争になるから」
 「俺たちが武器を使わされるのは嫌です」

 総務相発言については、「ずるいと思う。正しい情報をくれなくなるかも」と不安げな表情を見せた。

 男子らが、配布した山本太郎氏の『永田町恐怖新聞』を手にしている。スタッフがただす。

 「山本太郎って知ってる?」
 「知らない」
 すかさず筆者が質問。
 「亀井静香って知ってる?」
 「知らない」
 「じゃあ、小沢一郎は?」
 「スピードワゴン」
 小沢一敬(かずひろ)という人がいるお笑いコンビだった。

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通行者と対話するJackさん(右端、2016.2.28筆者撮影)

子供含め各層との共闘必要
 “わたかつ”がこの日、3時間アンケートを実施した結果は次の通り。

 「緊急事態条項」を含む改憲については、回答総数137。「知らない」54、「知っている」のうち「賛成」6、「反対」77。高市発言は回答総数141。「知らない」66、「知っている」のうち、「当然」が4、「大意はない。メディアは中立」3、「政権圧力だ」が68だった。

 これらがマスコミの世論調査と大きくかけ離れていることはご察しの通り。緊急事態条項の新設については昨年4月27日に産経新聞とFNNが発表しているが、88.2%が賛成になっている。共同通信の調査では、高市発言が報道の自由を「脅かしていると思う」と答えた人は、「どちらかと言えば」を含めても67.4%にとどまる。マスメディアが民意を映しているといえるだろうか。

 野党が廃止法案を提出したのは、世論に押されてのこと。国民の意識の広がりは無力ではない。ZENKOの青島さんは署名活動について「関心のない人、知らなかった人たちに対し、情報を届け、対話する意味がある」と強調する。

 Jackさんは「中高生の方が関心が高いと思う。経済的徴兵制にしても、自分たち世代の話で、直接降り掛かってくるから」と共闘の必要性を訴えた。「まさか、こういう題材で、政治意識が高まるとは」と残念がりながら。

■関連記事
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民主主義の幻想を捨てよ

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ボードに書かれた質問文。高市発言についてのもの(2016.2.28筆者撮影)

更新情報

 別館「和解の部屋」を更新しました。ぜひ、お越しください。
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自分の意思で生きる

 自分の意思で生きる、とは当たり前のことと思われるかもしれない。しかし、親兄弟、先生などから主体性をそぐような言葉を浴びせられて育った人間には難しいことかもしれない。私もその一人である。

 「人の言うことが聞けないのか」
 「自分が正しいと思ってんじゃない」

 こうした忠告が潜在意識に染み込んだ私は、いつも他人基準で生きてきた。中学生のときは、クラスで一、二番のチビなのにバスケット部に入れられる。言い付けを守っておとなしくすると、今度はいじめに遭った。不本意な選択なだけに、屈辱感はひとしおだった。

 学生時代、自己を取り戻したいと、ボクシングを始めた。それをきっかけに、時々本心を確認するようになったが、周りの意思に沿おうとする習慣はなかなか抜けない。〇五年の「郵政選挙」のときは怒り心頭に発して出馬を企図した。しかし、近所の居酒屋で打ち明けると、全員が足を引っぱる。こんな所で相談するのは、「あんぽんたん」と罵倒されて育ち、他人は自分より見識があると思い込まされてきた結果だと思った。

 私が皿洗いや弁当配達の仕事を繰り返しているのも、低い自尊心の表れだろう。載らない記事ばかり書くようになった私はお金に困り、父親に金策の相談をすると、「皿洗いでも何でも仕事はあるだろう」と一蹴され、それらが適職と自分に言い聞かせた。

 先日、NHK「ラジオ深夜便」に、前職で一緒に仕事をしたカメラマンが出演していた。山間集落が冬を越す苦労を報告している。高校に進まずに山に移住したいと熱望した中三の頃を思い出した。福島県境に近い母の実家で山里暮らしの魅力に取り付かれたが、親や塾の先生に猛反対され、断念している。

 今では、親兄弟の忠告はもっともなことと理解し、彼らに感謝している。私は早速、そのカメラマンに連絡を取り、山里を訪ねることを決意した。自分の意思で。

読者と共に

 23日に「TPP差止・違憲訴訟」第3回口頭弁論の記事を載せたところ、多数のアクセスがあった。植草一秀氏が「植草一秀の『知られざる真実』」でご紹介くださったおかげか、「シャンティ・フーラの時事ブログ」様や「真実を探すブログ(肉眼の奥に眠る心眼を啓く)」様、「アイリス あいりす」様など、わが国の前途を憂える多くのブロガーがこの問題を取り上げてくださった。

 さらにツイッター上では、「なめ猫♪」様、「N.Murata」様、「天地人★アルデバラン★星花愛」様、「一昨日来やがれ!」様「エネルギー療法家 光屋神路祇」様、「非自公民の脱原発に一票(しろ)」様、「堀端 謙一郎【反戦・反核](国民連合)」など多くの方がこれら情報を拡散してくださった。この場を借りて感謝申し上げる。われわれの小さな行動の広がりが、司法や政治の在り方に変化をもたらすと信じている。

 私は8年前にブログを開設して以来、記事以外の日記的な私情の吐露は極力避けてきた。もともとインターネットは民衆監視のために米国国防総省防衛高等研究プロジェクト庁(DARPA・ダーパ)が開発したもので、ブログやフェイスブック、ツイッターもスカイプも、公安が人物特定のために使っていることを知っているからである。

 私がブログを開いた理由は、当時市民記者として登録していたPJニュースがライブドア社と契約しており、同社の倒産危機に際して記者全員がブログ開設を強制されたからで、しぶしぶの行為だった。

 しかし、今では他のブロガーが肯定的に引用してくれたり、読者から共感のメールを頂くうれしさが、恐怖や懸念をしのぐようになった。嫌なことだらけの世の中だが、美しいもの、気高いものを守ろうとする心こそ美しく、そうした価値観を分かち合うとき、何物にも代え難い豊かな気持ちになることに気付いたからである。

 「アイリス あいりす」様が書かれていた言葉に共感した。

 「私達の拒否する姿勢を強くもって行くことは、私達の精神構造を高めるからです。人類は自分の心を信じて行動すべきなのです。誰にも操作されずに、このようなデモにも参加して、自分の心をはっきりと表示することです。そのことをしていくことで、私達はもっと進化していくのです。」

 私は記事へのアクセス数や読者の反応に一喜一憂する弱い人間だが、一人でないと思えば頑張ることができる。グローバル企業のさらなる利益のために、われわれアジアの民衆が奴隷のように扱われる筋合いはないのだから。読者がわずかでもいるなら、書いていきたい。

追記
 なお、「シャンティ・フーラの時事ブログ」様が“ご支援のお願い”と口座番号までご紹介くださった。過分なお心遣いに、改めて感謝申し上げたい。

『コンビニ夢物語』試写会、「勇気の原動力に」と姫井氏

 姫井由美子元参院議員原作の映画『コンビニ夢物語』の試写会が25日、東京都内で開かれた。『コンビニ改造論』(花伝社)などで本部と加盟店との不当な関係を告発してきた姫井氏だが、愛と調和を主題にした作品に仕上がっている。

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母親役を演じた女優の仁科亜季子さん(右)と姫井氏(2016.2.25筆者撮影)

 『コンビニ夢物語』(角川書店)は姫井氏による初の小説で、昨年12月に出版された。日本海に面した兵庫県香美町の小さな酒店が舞台。父の急変で帰郷した息子が、コンビニに転換したいと言い出したことから、古くからの商店主や幼なじみらとの葛藤が始まる。

 ネタバレになるので詳細は省くが、見終わった後、心に温かいものが残る。不覚にも終盤、泣いてしまった。親と子、男と女、地域の商店主や同級生らとのあらゆる関係が調和へ向かう。人間が至福を感じるのは、物理の充足でなく、心のつながりが得られたときではないかと、再確認させられた。

 姫井氏は07年の参院議員当選直後、コンビニ店主から手紙をもらって以来、コンビニが抱える制度的な問題に向き合ってきた。当時の石破茂農水相に国会で質問し、「フランチャイズを考える議員連盟」や「一般社団法人フランチャイズサポート機構」などを組織してきた。

 コンビニ問題のプロだけに、劇中のお店の描写は完璧だ。しかし、コンビニ企業を告発する内容にはなっていない。映画のパンフレットにも「今やコンビニは必要不可欠です。地域活性化や雇用拡大に役立つ一方、コンビニオーナーは順風満帆ではありません」とある。むしろ、お店をめぐる家族や地域の調和を描くことで、制度的な調和を訴えているように見える。

 上映後、姫井氏は「あの映画のような地域でも、紋切り型でない、地域の特性を生かしたコンビニができるという、勇気の原動力になれば」と期待を込めた。一方で、本部と加盟店をめぐる諸問題については「法律にしないと解決はしない」と話し、引き続きフランチャイズ法の制定に取り組む覚悟だ。

■参考記事
店主たちの夢乗せ、映画『コンビニ夢物語』完成
姫井議員がコンビニ問題で法整備訴え
■関連サイト
『コンビニ夢物語』公式ホームページ
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       高橋清隆

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反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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