高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

2016年04月

感謝

 4月7日KN様、4月25日SR様、ご支援ありがとうございました。
 励みになります。

「安倍総理は反省し、出直ししなければ」と亀井氏

 亀井静香衆院議員は27日、現在のわが国を「黒船が押し寄せている」と形容し、従米路線を強める安倍政権について「深く反省し、原点に立ち戻り、出直ししなければ」と政策変更を求めた。東京都内で開かれた、保守系言論誌『月刊日本』の創刊20周年パーティーで述べた。

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祖国日本の自主独立を追求する唯一の現職政治家、亀井氏(2016.4.27筆者撮影)

 冒頭、来賓の一番手として登壇した亀井氏は、同誌の南丘喜八郎主幹を「平成の頭山満」と持ち上げた。安全保障法制の整備や環太平洋連携協定、緊急事態法を盛り込む憲法改正など外圧に沿うだけの政権運営を念頭に「今、米国や諸外国の黒船が日本に押し寄せて来ている」と表現。

 「国権派と称する人が愛国者のお面をかぶって、靖国の社も占拠したまま、天皇陛下を中心にみんなで力を合わせてこの国を守り、みんなで幸せになろうという日本人の心はどこへ行った」と国民を犠牲にする与党政治家や官僚を批判した。

 一方で「民権派は国民一人ひとりの権利が守れなくて、国家による統制が強まっていくことに抵抗しない。残念ながら、民権派の力が非常に弱くなってしまっている状況」と分析した。

 弟分だった安倍首相について「こんな政治をやる男じゃなかった。おじいさん(岸信介)は東条英機総理に徹底的に抵抗した数少ない政治家じゃなかったか。お父さんの(安倍)晋太郎氏は大変な自由人で、私もかわいがってもらった」と吐露。

 亀井氏は首相本人にも忠告した話として「今の安倍総理は深く反省し、原点に立ち戻り、出直ししなければ、先祖にも申し訳が立たないだろう」と政治路線の転換を求めた。

 その上で、「われわれ民権派にとって『月刊日本』はただ1つの戦いの拠点」と結んだ。
 
 右翼と左翼の呼称がなかった明治時代、政府首脳を「国権派」、自由民権主義者を「民権派」と呼んだ。右翼の巨頭、頭山満は薩長藩閥中心の政府に敵対しながら民権派とも交流を持っていた。

 靖国神社はもともと、戊辰戦争の薩長側犠牲者を祭るために造られた。長州藩士、大村益次郎の銅像は、幕府の彰義隊のいた上野の山々をにらみつけている。

■参考サイト
『月刊日本』ホームページ

スティグリッツ氏はアベノミクス・TPP全否定 藤田議員が暴露

 3月16日に首相官邸で開かれた国際金融経済分析会合で消費増税延期を提言したノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授がアベノミクスとTPPを全否定していたことが分かった。21日、衆院第2議員会館内で開かれた「TPPを批准させない4.21院内集会」で民進党の藤田幸久参院議員が暴露した。

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院内集会で報告する藤田氏(2016.4.21筆者撮影)

 消費税引き上げをめぐるスティグリッツ氏の発言はマスコミで一斉に報じられ、緊急事態法を盛り込む憲法改正のための衆院解散の口実に使われつつある。氏のTPP批判は東京新聞と日本農業新聞が報じ、篠原孝衆院議員(民主)が紹介しているが、その背景が改めて明らかになった。

 藤田氏によれば、スティグリッツ氏の来日は「TPP阻止国民会議」で講演するため。同会議代表世話人を務めた故宇沢弘文東大教授はシカゴ大学時代の恩師で、一周忌に当たった。官邸での会合と旧民主党の「シンクネット・センター21」への招へいは便乗にすぎない。

 藤田氏は「スティグリッツ教授が内閣府に提出した資料では、アベノミクスを全否定していた。金融はうまくいってない、マイナス金利は格差を拡大する。消費税より炭素税をとの主張だった」と報告した。

 さらに3月17日の記念講演でスティグリッツ氏は「特にこれを話したい」と言って、TPPの問題を取り上げたという。次はその一部である。

 「自由貿易協定批准書なら3ページくらいで済む話。6000ページもある文書を読んだ人は誰もいないだろう」

 「これは自由貿易協定でなく管理貿易協定。特定の利益団体が恩恵を受けるために発効されるもの」

 「TPPは悪い貿易協定。国際企業の最悪な利己性が強調されている。米国議会では批准されないだろう」

 マスコミは国民に目隠しをしたまま、TPP批准のため安倍政権に力を貸す。労働法制の改正をはじめとする「第3の矢」はその国内法としての準備にすぎない。「財政危機」の宣伝とマイナス金利とあいまって国民は貧しくなる一方だ。

TPP「継続審議でなく廃案に」、4.20抗議行動

 環太平洋連携協定(TPP)の批准阻止に向けた抗議行動が20日夕、東京・千代田区の衆院第二議員会館前で開かれ、畠山和也(はたやま・かずや)衆院議員(共産)らが「継続審議ではなく、廃案に」と訴えた。

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日暮れとともに議員会館前に集まった市民(2016.4.20筆者撮影)

 抗議行動は同会館内での野党議員と市民との情報交換会の後、18時半から開かれた。この日は午前中、衆院特別委員会でTPP承認案と関連法案が審議されていた。

 冒頭、集まった約200人の市民が会館内に残る国会議員に向け、「TPPの批准はさせない」「TPPを日本に入れない」などとシュプレヒコールを上げた。

 あいさつに立ったアジア太平洋資料センターの内田聖子(うちだしょうこ)事務局長は、石原伸晃経済再生相の答弁拒否と西川公也委員長の不公正な議会運営による審議中断や、熊本地震を受けての延期と再開に触れ、「この1週間の国会対応は本当にひどい」と政府・与党を批判した。

 内田氏は「重要5品目」をめぐる19日の質疑に言及。「玉木雄一郎(民進)議員が『無傷だった品目は幾つか』と尋ねると、石原大臣は答えられないし、森山農水大臣も答えられず審議が止まった。何時間もたって『ありません』とは、ふざけるなと言いたい」と怒りをあらわにした。

 その上で、「これはもともと分かっていたこと。改めて国民の前に明らかにしたことで、(重要品目を除外または再協議の対象とするとした)国会決議違反であることがこれまで以上に明白になった」と強調した。

 畠山氏は2011年の東日本大震災のときの国会運営を振り返り、「あのときは与野党の情報交換の場を設け、困難を解決するため力を合わせた。熊本から大分に至るまで大きな地震が続発し、震災対応を優先すべきなのに月曜日に再開した」と政府・与党の対応を問題視。

 「ところが、開いたら答弁できない。『守られたものは無かった』と告白される始末。私の方からは7年後の再協議規定について質問したが、これは関税がゼロになることとセット、つまり引き換えのようにこの規定が置かれたことを石原大臣が認めた」と指摘した。

 さらに畠山氏は「4日間しか審議してないのに、国会決議が守られなかったことがはっきりした。情報公開でも、出てきたのは黒塗りの資料や西川委員長の暴露本の問題。国会に対して、あまりに不誠実。この法案は継続審議ではなく、廃案にすべき」と主張した。

 「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」の池住義憲(いけずみ・よしのり)副代表は、「TPPはやり方も中身も違憲。今、批准に向けた審議を国会でやっているが、議員をばかにし、有権者を無視したもの。データも出さないで審議しろと、とんでもないことがまかり通っている。先送りではなく、即時廃止を」と訴えた。

 主催者によれば、TPP批准阻止に向けた抗議行動は今後、毎週水曜日同刻同場所で開く予定。

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「4月中の可決成立は厳しいと報じられるが、気を抜いてはいけない」と内田氏(2016.4.20筆者撮影)

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「輿論(よろん)と論戦の力で廃案に」と訴える畠山氏(2016.4.20筆者撮影)

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自衛隊イラク派兵差止訴訟控訴審でも勝訴した池住氏。「TPPでも司法の判断を仰ぎたい」(2016.4.20筆者撮影)

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TPP参加拒否と審議への不信を意志表示する市民(2016.4.20筆者撮影)

傍聴妨害工作

 「TPP交渉差止・違憲訴訟」の第四回口頭弁論が十一日、東京地裁で開かれた。私は一連の裁判で、初めて傍聴券を逃した。覚悟していたことだが、考えるほど憂鬱(ゆううつ)になる。

 門前集会の後、「TPPテキスト分析チーム」に細かい質問をしていたため、整理券をもらうのが遅れた。列の最後尾に付くと、隣に中年男性が並んでいる。沈黙の気まずさから、声を掛けた。

 「一人で来たんですか」
 「一人に来まってんじゃないか」

 聞かなければよかった。すると、その赤ら顔の男が尋ねてくる。

 「何番」
 「百一番です」

 男性と話していると、すぐ後ろに長身の男が立っているのに気付く。リュックを背負った、学者風情の男である。年は四十代か。

 「あんた、ライターか。どういう裁判取材してんの」

 私が適当に答えると、学者風情は世界情勢を論じたA4判の論考を差し出す。

 「それでは抽選を始めます」

 アナウンスがあり、全員前へ進む。中年男は当たり、私と学者風情は外れた。学者風情は、すぐに消えた。仕方なく、衆議院第一議員会館内で開かれる勉強会に向かう。歩きながら、余計なことを考えた。

 〈読者の期待を背負った私が外れるのはおかしい〉

 先ほどの二人の男を疑い始める。番号を聞いてきた中年男は、向こうから話し掛けてきたのではなかったか。学者風情は、なぜ私の活動内容を聞いたのか。きりのないことを考えるのは、九年前の植草一秀教授の刑事裁判で不可解なことを経験したからである。

 二〇〇七年十二月から始まった京急事件の公判は、判決を含め十二回開かれた。われわれは緩やかな支援者集団をつくり、毎回十人程度で傍聴整理券を得ようと並んだ。しかし、二回だけ誰も入れない回があった。

 一回目は植草氏の性的志向を追及する検察側質問、二回目は弁護側目撃証言。両翌日の新聞各紙は「セーラー服痴漢プレイは?」「役立つ証言出ず」などと植草氏の変態ぶりをあげつらったり、同じ車両に乗り合わせたと名乗り出た目撃者の証言の無効性を宣伝した。

 後に、これらは事実に反することが判明している。特に後者は起訴状にある犯行時間帯に植草被告が誰とも接触しないでつり革につかまってうなだれていたことを証す、決定的に重要な回だった。

 一回目は抽選を待つ間、黒背広に白シャツ、短髪でノーネクタイの屈強な男たちが壁際にずらりと並び、こちらを観察していた。公安であることが疑われたため、二回目は分散して並んだ。

 「それでは受付を締め切らせていただきます。これから電子抽選で傍聴者を選びますので、しばらくお待ちください」

 アナウンスが流れると、斜め後ろの二人の携帯が同時に鳴る。振り返ると、男たちが整理券を見ながら何やら入力している。「よしっ」と言いつつ携帯をパチャと閉じた。メールをしたようだ。二人は先回壁際にいた連中と同じ格好をしている。列が動き出して発表掲示板の前に来ると、彼らは当たったようなしぐさをして建物内に消えた。

 二つの回で支援者が誰一人入れない確率は、ほとんどゼロである。裁判所は正義と公正を示す所だが、傍聴手続きにおいてすら、不正を行っているとみなさざるを得ない。

 今回、TPP違憲訴訟の抽選を待った光景が気持ち悪く思われてきた。赤ら顔の男も学者風情の男も、公安かもしれない。ぶっきらぼうに話せば、詮索されずに済む。学者風情が手にしていたビラは安倍政権の安保政策を批判しているが、高校生でも作れる代物だ。

 確率からすれば、外れたのは妥当な結果である。たった一人で、推定競争率二倍の抽選に臨んだのだから。それに、公安があのような貧しそうな汚れた風貌をしているだろうか。考えるほど分からなくなる。

 少なくとも言えるのは、出来事には意味があるということ。では、今回の外れはどんな意味を持つのか。議員会館に着くと、一つの回答が浮かんだ。植草事件の公判で見た不可解な光景を伝えることではないか、と。

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       高橋清隆

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著者プロフィール


反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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