高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

2016年10月

有料メルマガを始めます

 メールマガジン『foomii(フーミー)』に11月から配信できることになりました。有料ですが、ぜひご購読いただけますようお願い申し上げます。毎週月曜日の配信で、最初の配信日は11月7日になります。継続購読で初月が無料になります。
■ご案内ページ
「高橋清隆のニュース研究」


11/4追記:バナーも作成してもらいました。ぜひご活用ください。
bunner_175x175

「TPP強行採決阻止を」、国会前で反対の声次々と

 自公政権が環太平洋連携協定(TPP)の承認案と関連法案の採決を急ぐ中、国会周辺では強行採決を阻止しようと市民が声を上げている。衆院特別委員会で参考人質疑が行われている31日午前、衆院第2議員会館前には約150人が集まり、批准阻止を訴えていた。

IMG_0277
「米国の2人の大統領候補は反対なのに、政府はなぜ批准を急ぐのか分からない」と福島氏(2016.10.31筆者撮影)

 パルシステム生活協同組合連合会の原秀一専務は、「国際的資本が今でも富を独占している。TPPはさらに取り損なった分を含め、根こそぎ、ごく一部の企業に集中させようとするもの。そのことで日本がこれまで築いてきた食の安全やみんなが平等に受診できる国民皆保険制度をつぶすことになる。きょうは強行採決阻止の取り組みをみんなと一緒にやっていきたい」とあいさつした。

 福島瑞穂参院議員も姿を見せ、応援演説した。一番の問題として投資家対国家紛争処理(ISDS)条項を取り上げ、「雇用も公共調達も社会保険も共済も農業も著作権も表現の自由もありとあらゆることがグローバル企業の障壁として訴えられる可能性がある。しかも、国際司法裁判所のようなきちんとした組織でなく、任意団体的な仲裁機関にすぎない所が裁く」と批判した。

 さらに福島氏は、公共調達について「自分たちの地元のために優先的条項を持ったり、優先的に公共調達している自治体はたくさんある。まともないい所にインセンティブ(誘因)を与えてやるべきだが、これも訴えられかねない。自治体が地元を有利にしているということで政府が訴えられるめちゃくちゃな理論になっている」とやり玉に挙げた。

 砂山太一全農協労連中央執行委員長は朝、新潟から駆け付けた。週末、福岡市内でTPP批准反対のデモ行進をした体験に触れ、「マスコミは報じないが、われわれの行動が『何やってんだ』という顔でなく、『すごいことやってるじゃないか』と共感の目で見られていた。新聞の世論調査でさえ、今国会での批准は拙速との意見が6割を超えている。国会は民意をしっかり受け止めることが大事だ」と主張した。

 「国民の間にいよいよTPPの問題の本質が浸透し始めていると感じる。きょう、あすで(批准を)決めるなんて、国民は納得していないし、こうした世論も広がっているのではないか」と強調。

 その上で、「先週、国会議員に抗議のファックスが200通くらい入っていると聞いた。どういう立場を取ったらいいか、与党内でも揺れ動く心が出ている。2日には署名提出が計画されている。皆さんとTPPを止めるんだとの思いを1つにして運動を地域で広げ、国会に結び付けた闘いを」と訴えた。

 集まった市民らは庁舎にいる議員に届くよう、「みんなの故郷守りたい」「主権侵害のTPPは止めよう」「強行採決なんかで決めさせない」などとシュプレヒコールを挙げていた。

 午後は15時半から参院議員会館講堂でオークランド大学のジェーン・ケルシー教授の講演会、17時から衆院第2議員会館前で抗議行動、19時半からは国会議事堂前(北側憲政会館前)での採決直前緊急行動が予定されている。

IMG_0271
月曜朝にもかかわらず抗議に集まった人々(2016.10.31筆者撮影)

TPP採決阻止へ、国会前に市民が続々と集結

 環太平洋連携協定(TPP)の承認と関連法案の衆院での採決をめぐり与野党の攻防が続く中、東京千代田区の衆院第2議員会館前では、採決を阻止しようと続々と市民が集まっている。28日午前11半現在、約250人が歩道に座り込み、建物前の端から端まで連なっている。

IMG_0248
会館前にずらりと並んだ市民(2016.10.28筆者撮影)

 座り込みは午前10時から始まった。労組や農業団体などの代表が次々と演説し、強行採決の阻止を訴えている。演説の合間には時折、「TPPを批准させない」「強行採決絶対反対」などと一斉にシュプレヒコールを挙げていた。

 都内の小学校に勤務する30代の女性は、「採決を阻止しようと来た。TPPに入れば、子供たちの給食も安全にならないだろう。世界でまだ批准した国がないのに、何で急いでやるのか」と首をかしげる。「実家が北海道で、周りに農業をやっている同級生が多く、離農の話がたくさん出ている。借金をいっぱい抱え、今でも大変なのに、TPPが始まれば農業を続けられないというのが実感」と悲痛な表情を見せていた。

 埼玉県から来た60代の食品団体の男性職員は、「TPPは仕事の利害だけでなく、ISD条項はじめ、医療保険制度や薬価の問題、サービス、著作権など国民生活を根底から崩す。ここで止めなければ、『何で止めなかったのか』と将来世代に恨まれる。新聞では1日にも採決と報じられているが、絶対に許せない」と憤っていた。

 座り込み集会は国会の動向をにらみながら、午後も続く。

IMG_0262
 のぼりやプラカードに思いがにじむ(2016.10.28筆者撮影)

『君の名は。』の謎が氷解

 映画『君の名は。』をすでに十一回見ている。飽きない理由の一つは、凝縮された物語性にある。二十日の毎日新聞「そこが聞きたい 新海誠氏」で、同作に切り捨てた部分がたくさんあることが明かされている。


 目まぐるしい展開で進む物語に、疑問は尽きない。瀧と三葉はどうして恋に落ちたのか、三葉の母はなぜ早く死に、父はなぜ政治家に転身したのか、そしてなぜ町民への避難指示を決断したのか。『君の名は。Another Side:Earthbound』加納新太(角川スニーカー文庫)は、これらの幾つかの疑問に応えている。加納氏はシナリオ協力として映画制作に参加した。

 同書は「テッシー」や四葉ら四人の視点から裏話が披歴されているが、最重要のものは三葉の父、俊樹の経歴と世界観だろう。彼は文化人類学者として糸守町に現地調査に来て、二葉と出会う。宮水神社の祭神は、人間に機織りを教えた倭文神建葉槌命(しとりのかみたけはづちのみこと)である。この神は、ほかの神々がどうしても服従させられなかった竜すなわち星の神、天香香背男(あめのかがせお)を屈服させたと伝えられる。千年前に糸守湖を造った隕石(いんせき)落下の寓話(ぐうわ)だろう。

 難病で二葉を亡くした俊樹は、町を恨む。前近代的な土着信仰の秩序が彼女を奪ったと考え、政治でそれを撲滅しようと心に誓う。人との結びつきが何より嫌いで、直感や心の衝動を合理主義で抑えていた。一方の二葉は運命愛を受け入れていて、最後の言葉は「これがお別れではないから」だった。冒頭、三葉が「大人の問題」といった意味は深い。

 俊樹が運命を受け入れたのは、彗星(すいせい)が二つに割れるのを見たとき。みんなの協力で町を救おうとの結論に至った。織物や組ひもは、人と人との結び付きを暗示する。町長室に入ってくる本物の三葉を見てうろたえたのは、二葉の姿を重ねたから。二葉の言葉は最後まで正しかったと悟る。

 『君の名は。』は、切り落とした部分だけで何本も映画が作れそうだ。

■関連記事
『君の名は。』中毒
映画の力

君の名は。 Another Side: Earthbound 角川スニーカー文庫 / 加納新太 【文庫】
君の名は。 Another Side: Earthbound 角川スニーカー文庫 / 加納新太 【文庫】

TPP強行採決阻止で野党が結束

 環太平洋連携協定(TPP)衆院特別委員会の審議が止まった19日午後、衆院第1議員会館内で「市民と国会議員の情報交換会」が開かれ、同委員会理事の篠原孝氏ら6人の野党国会議員が、28日にも予想される同協定案承認と関連法案の強行採決を全力で阻止することを誓った。

IMG_0220
野党筆頭理事を務める篠原氏(2016.10.19筆者撮影)

 冒頭、山田正彦元農水相が「このままで行けば、28日にも強行採決と聞く。米国で批准できず、ベトナム、オーストラリアも米国の様子待ちで先送りする中、日本がここでやったら大変との思いで皆さんもお集まりいただいたと思う」とあいさつした。

 斉藤和子衆院議員(共産)は、山本有二農水相が佐藤勉衆院議院運営委員長(自民)のパーティーで強行採決に言及したことに触れ、「審議が始まる以前にも委員会の理事が辞任している」と9月の福井照衆院議員(自民)の例を引き合いに「“強行採決”という言葉が軽々しく繰り返される今の状況は許されない」と政府・自民党の姿勢を批判した。

 安倍首相が参院選後、一貫して「TPPの早期批准を」と訴えていることについて、斉藤氏は「選挙のとき明確に全く言ってなかったし、北海道自民党議員候補の広報にも、自民比例参院広報にも一言も触れず、国民の信任得たと言えない」と述べ、民意無視の中での強行採決をけん制した。

 宮本徹衆院議員(共産)は「月曜日(17日)に安倍総理が『結党以来、強行採決を考えたことはない』と答弁した翌日、山本大臣の発言があった。今の安倍政権と自民党は、国会を形骸化するにも程がある。国会は政府の下請けではない」と糾弾した。

 さらに宮本氏は、「交渉で何を話したか全て情報を出すことで、国会決議が守られたか検証できる。コメを交渉除外にしたかどうか1つも明らかにしない」と政府の秘密主義を批判。参加12カ国でまだ批准がないことについて、「それぞれの国で反対運動が広がっている。自分たちの暮らしより多国籍企業の利益が優先されるのがTPP。この本質を見抜いての反対か」と分析した。

 福島伸享(ふくしま・のぶゆき)衆院議員(民進)は、今臨時国会での早期批准に執着する安倍首相について「誰の指示でこんなしゃかりきになっているのか分からない。初めから『強行採決しろ』と官邸が言っているからこそ、委員会の理事や大臣の失言が相次ぐ。与党幹部・官邸の腹は固まっている」と推察した。

 福島氏は脱原発を唱える候補が勝利した16日の新潟知事選の結果に触れ、「争点は原発だけでない。先の参院選でも米どころの奥羽越列藩同盟の県で野党が取った。コメの価格偽装やTPPの問題が利いていて、この声を官邸は恐れている。このまま強行したら政権はないよと、ぜひ国会の外から声を上げ、私たちに力を」と参加した市民に訴えた。 

 徳永エリ参院議員(民進党)は農業被害について、11年の東日本大震災と福島の原発事故や昨年の茨城県の鬼怒川・利根川の氾濫、4月の熊本地震、8月の北海道での台風などを挙げ、「これから頑張ろうというときにTPPや新農政改革まっしぐらな状況。安倍総理が国民のことや一生懸命な農家を思うなら、何も今、特別委員会で急いで審議する必要はない」と突き放した。

 国会承認について「米国の大統領選挙の動向を見極める必要がある。総理は日本が先に批准することで米国の批准に弾みがつくとしているが、それはない。むしろ再交渉を要求され、もっと厳しい状況に追い込まれる。全く間違っている」と両断した。

 舟山康江参院議員(無所属)は米国で反TPPの気運が高まっていることについて「格差拡大や貧困を深刻化させるとの認識が広がっているから。NAFTA(北米自由貿易協定)で雇用が減った苦い経験から、TPPでも外国人労働者が流入して仕事がなくなることを危惧している」と分析。「日本では政府の情報統制がうまくいっているのか、実態が知られていない」と嘆いた。

 舟山氏は「政府は雇用が80万人増えると試算しているが、(数字に)外国人労働者は排除していない。このままでは米国の二の舞になる。『雇用が増えるならいいなあ』『グローバル化は世界の潮流だし、経済が低迷しているから世界に出ていかなければ』などと政府発表をうのみにしていたら大変なことになる。(国会審議があれば)諦めずに問題点の追及をやっていきたい」と意欲を示した。

 篠原孝衆院議員(民進)は「安倍総理はなぜかこれ(TPP)に血眼になっている。パリ協定(地球温暖化対策を進める国際的枠組み)をほったらかしにして、国際的信用ががた落ちになりつつある。TPPなど、どの国も注目していない」とばっさり。

 「米国が反対しているから日本はやった方がいいかもという見方もあるかもしれないが、『じゃまくせえ、生意気に承認しやがって。何だ』と思われるのが落ち。日本が承認など、したって、しなくたって、米国は考慮するはずがない。他の国と同じように、様子を見ていればいい」と述べ、批准を急ぐ自公政権を批判した。

 経済学者で「オールジャパン:平和と共生」運営委員の植草一秀氏は、輸入米の売買同時入札(SBS)をめぐり業者間で輸入価格を実際より高く見せかける取引が横行していた問題に触れ、「安い値段で流通する場合、価格に影響が出ることは経済学の初歩。農水相は『価格に影響しない』の一点張りだが、根拠がない」と退けた。

 TPPの本質について「構造は米国対日本ではなく、(日米の)グローバルな1%対グローバルな99%」と指摘。強行採決発言について「農水大臣は、佐藤さんに強行採決をお願いするために来たと解釈できる」と分析。その上で、「数の足りない野党の限られた手段として、どんな屁理屈でも理由でも、審議を引き延ばすことに全ての力を注いでいただきたい」と議員に求めた。

 集会の後、参院議員会館前で「水曜デモ」が行われた。斉藤議員や植草氏のほか、農業団体や労働組合の有志ら市民約300人が参加。各演説の合間、「ママデモ」メンバーの掛け声で「TPPは要らない、暮らしを守る」「憲法壊す、TPPを止めましょう」などのシュプレヒコールをした。

 この中で、北海道から駆け付けた農民運動全国連合会(農民連)の白石淳一会長は輸入米価格偽装事件に触れ、「SBSを含めMA(ミニマムアクセス)米は米価を引き下げると訴えてきた。農水省は『輸入米は価格に影響しない』と判で押したように繰り返してきたが、今回の問題で、根拠が一挙に崩れた」と非難した。

 白石氏は「8トンの輸入枠を新設するTPPは批准しない、やめるしかない」と主張。「全国の農業の仲間が国会の行方を固唾(かたず)をのんで見ながら農作業を続けている」と政府に再考を求めた。

 主催した「TPPを批准させない!全国共同行動」は、参院での自然成立に衆院での採決が限度となる28日、午前10時から夜まで衆院第2議員会館前で座り込みを実施する予定。31日も午前10時から座り込み、午後からオークランド大学のジェーン・ケルシー教授の講演会を予定している。

IMG_0197
        山田氏(2016.10.19筆者撮影)

IMG_0205
        斉藤氏(2016.10.19筆者撮影)

IMG_0210
        宮本氏(2016.10.19筆者撮影)

IMG_0211
        福島氏(2016.10.19筆者撮影)

IMG_0218
        徳永氏(2016.10.19筆者撮影)

IMG_0219
        舟山氏(2016.10.19筆者撮影)

IMG_0221
        植草氏(2016.10.19筆者撮影)

IMG_0222
        熱心に話を聞く市民(2016.10.19筆者撮影)

IMG_0234
        デモに駆け付けた市民。思いをメッセージボードに託す(2016.10.19筆者撮影)

■関連記事
反TPP水曜デモ始まる 議員会館前に120人
新聞に載らなかったトンデモ投稿
亀井静香―最後の戦いだ。
亀井静香が吠える 痛快言行録
偽装報道を見抜け!世論を誘導するマスメディ…
Archives
記事検索
ご支援のお願い
 このブログでは、マスコミが伝えない社会の動きや事象分析を紹介したいと考えています。取材・執筆には時間と労力がかかります。     つきましては、当ブログの記事に賛同いただける皆さまに寄付を賜りたく、お願い申し上げます。少額でも助けと励みになりますので、ご理解とご協力をいただければ幸甚の至りです。

       高橋清隆

郵便局からのお振り込み
【記号】13160   
【番号】10900411

銀行からのお振り込み
【口座】ゆうちょ銀行  
【店名】三一八(読み:サンイチハチ)
【店番】318     
【預金種目】普通預金  
【口座番号】 1090041 
【口座名】盒鏡粁粥  

著者プロフィール


反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

メールはこちらから
livedoor プロフィール

donnjinngannbohnn