高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

2017年07月

ニュース研究 空き屋・ごみ屋敷報道の真意

 7月12日、東京・世田谷区が老朽化した空き屋を民法の「不在者の財産の管理」の規定を使って解体したとNHKが伝えた。この処置は空き屋・ごみ屋敷「問題」を騒ぎ立ててきた報道の結末であり、国民財産を召し上げ外国人に引き渡す近未来を予感させる。

■相次ぐごみ屋敷の強制排除

 NHKが報じた解体された民家は、人が住まなくなって長年放置されていた平屋の木造住宅。壁が崩れるなどして周辺住民から苦情が寄せられたが、区は持ち主の所在が確認できなかったという。

 民法第25条は、不在者が管理人を置かなかった場合、家庭裁判所が利害関係者や検察官の請求により、財産管理人を選任したり競売に掛けるなど必要な処分ができることを規定している。

 同区によれば、民法が規定するこの制度を活用したのは都内で初めてとのこと。敗戦後大幅改定されて以降、ずっと使われてこなかった条項が動き出したことに警戒心を抱く。

 日本国憲法は公共の福祉に反しない限り行政権力から私有財産は保護されるべきものと考える。公権力の行使に慎重であるべき行政の姿勢転換は、勇み足に映る。

 行政の姿勢転換はすでに起きていた。近年、マスメディアが騒ぎ立ててきたごみ屋敷「問題」がそれである。ごみ屋敷とは、自宅内外にごみをため込んだままにしている建物や土地のことを指す。

 ごみをため込むのはその土地・家屋の所有者本人であり、周辺に不動産を複数所有する資産家であることが少なくない。リサイクル業としてそのような行動を取っていると主張する者もいる。第三者から見てごみであっても、本人には大事な家財道具であるとも言え、近隣住民や行政が強制的に介入するのは適当でない。

 ごみをため込む行動が強迫性障害(OCD)の一つ、脅迫的ホーディング(Hoarding、貯蔵・退蔵)やセルフ・ネグレクト(自己放任)であるとする精神医学上の分析や、自治体のゴミ出し支援制度を利用した取り組みなどを紹介した記事もある。これらは非主流のインターネット媒体に掲載された良記事と言えるが、テレビのバラエティー番組や大新聞では行政権力を使ってこれらをいかに排除するかとの視点が貫かれている。

 16年10月23日付けの毎日新聞は「『ごみ屋敷』条例16% 大半高齢者 対策進まず」と題する記事を載せた。「ごみ屋敷」に対処する条例の有無を県庁所在地と政令市、東京23区の計74市区を対象に同社がアンケートしたところ、条例があるのは12市区で16%にとどまったとの内容である。

 ごみ屋敷をやゆする民放番組もそうだが、大新聞がこのような調査をすること自体に権力の意思を感じる。いつものことだが、「対策進まず」「とどまった」との修辞法が、全国的な法整備を暗に期している。

 条例を使った強制排除は、全国に広がっている。ウィキペディアにも載っている有名な例は15年11月、京都市が50代男性の自宅前の私道に積み上がっている古新聞や雑誌を行政代執行によって撤去したこと。前年11月に施行された「京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例(ごみ屋敷条例)」に基づいている。

 確認できる限り、最初のごみ屋敷排除は10年5月、三重県名張市の事例である。「臭い」と言うだけで問題発覚後半年程度で強制代執行に踏み切っている。

 16年10月、TBSテレビが「『ごみ屋敷』全焼、住民とみられる遺体見つかる」との報を伝えた。福島県郡山市で「ごみ屋敷」として知られた住宅で火事があり、焼け跡からこの家に住むとみられる男性が遺体で見つかった。記事によれば、同年3月、郡山市が行政代執行を行い、ごみを強制的に撤去したが、近所の人の話ではその後もごみが集められていたという。

 ネット上には、男性はごみ屋敷を4件所有する地主で、総資産は4億円以上あったとの情報もある。近隣住民との不和もあり、「放火だ」との指摘も見付けた。かつての「騒音おばさん」の立場かもしれない。不確かな情報であるが、強制排除を宣伝するため、放火で焼き殺すとの判断は大いに有り得ることだと思う。

■空き家対策法で執行しやすく

 空き屋についても、同様の対応が見られる。兵庫県尼崎市では… 続きは、本日のメルマガ『高橋清隆のニュース研究』7月31日号「空き屋・ごみ屋敷報道の真意」でご購読ください。

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ニュース研究 空き屋・ごみ屋敷報道の真意

 7月12日、東京・世田谷区が老朽化した空き屋を民法の「不在者の財産の管理」の規定を使って解体したとNHKが伝えた。この処置は空き屋・ごみ屋敷「問題」を騒ぎ立ててきた報道の結末であり、国民財産を召し上げ外国人に引き渡す近未来を予感させる。

■相次ぐごみ屋敷の強制排除

 NHKが報じた解体された民家は、人が住まなくなって長年放置されていた平屋の木造住宅。壁が崩れるなどして周辺住民から苦情が寄せられたが、区は持ち主の所在が確認できなかったという。

 民法第25条は、不在者が管理人を置かなかった場合、家庭裁判所が利害関係者や検察官の請求により、財産管理人を選任したり競売に掛けるなど必要な処分ができることを規定している。

 同区によれば、民法が規定するこの制度を活用したのは都内で初めてとのこと。敗戦後大幅改定されて以降、ずっと使われてこなかった条項が動き出したことに警戒心を抱く。

 日本国憲法は公共の福祉に反しない限り行政権力から私有財産は保護されるべきものと考える。公権力の行使に慎重であるべき行政の姿勢転換は、勇み足に映る。

 行政の姿勢転換はすでに起きていた。近年、マスメディアが騒ぎ立ててきたごみ屋敷「問題」がそれである。ごみ屋敷とは、自宅内外にごみをため込んだままにしている建物や土地のことを指す。

 ごみをため込むのはその土地・家屋の所有者本人であり、周辺に不動産を複数所有する資産家であることが少なくない。リサイクル業としてそのような行動を取っていると主張する者もいる。第三者から見てごみであっても、本人には大事な家財道具であるとも言え、近隣住民や行政が強制的に介入するのは適当でない。

 ごみをため込む行動が強迫性障害(OCD)の一つ、脅迫的ホーディング(Hoarding、貯蔵・退蔵)やセルフ・ネグレクト(自己放任)であるとする精神医学上の分析や、自治体のゴミ出し支援制度を利用した取り組みなどを紹介した記事もある。これらは非主流のインターネット媒体に掲載された良記事と言えるが、テレビのバラエティー番組や大新聞では行政権力を使ってこれらをいかに排除するかとの視点が貫かれている。

 16年10月23日付けの毎日新聞は「『ごみ屋敷』条例16% 大半高齢者 対策進まず」と題する記事を載せた。「ごみ屋敷」に対処する条例の有無を県庁所在地と政令市、東京23区の計74市区を対象に同社がアンケートしたところ、条例があるのは12市区で16%にとどまったとの内容である。

 ごみ屋敷をやゆする民放番組もそうだが、大新聞がこのような調査をすること自体に権力の意思を感じる。いつものことだが、「対策進まず」「とどまった」との修辞法が、全国的な法整備を暗に期している。

 条例を使った強制排除は、全国に広がっている。ウィキペディアにも載っている有名な例は15年11月、京都市が50代男性の自宅前の私道に積み上がっている古新聞や雑誌を行政代執行によって撤去したこと。前年11月に施行された「京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例(ごみ屋敷条例)」に基づいている。

 確認できる限り、最初のごみ屋敷排除は10年5月、三重県名張市の事例である。「臭い」と言うだけで問題発覚後半年程度で強制代執行に踏み切っている。

 16年10月、TBSテレビが「『ごみ屋敷』全焼、住民とみられる遺体見つかる」との報を伝えた。福島県郡山市で「ごみ屋敷」として知られた住宅で火事があり、焼け跡からこの家に住むとみられる男性が遺体で見つかった。記事によれば、同年3月、郡山市が行政代執行を行い、ごみを強制的に撤去したが、近所の人の話ではその後もごみが集められていたという。

 ネット上には、男性はごみ屋敷を4件所有する地主で、総資産は4億円以上あったとの情報もある。近隣住民との不和もあり、「放火だ」との指摘も見付けた。かつての「騒音おばさん」の立場かもしれない。不確かな情報であるが、強制排除を宣伝するため、放火で焼き殺すとの判断は大いに有り得ることだと思う。

■空き家対策法で執行しやすく

 空き屋についても、同様の対応が見られる。兵庫県尼崎市では16年11月、老朽化して倒れる危険がある空き屋を、空家対策特別措置法に基づき、行政代執行で取り壊した。

 神戸新聞の記事によれば、同法に基づく強制撤去は阪神間で初めてだという。撤去されたのは1947年に建てられた木造平屋で、11年11月に住民の男性が亡くなった後、空き屋になっていた。

 大阪市では13年11月、住民から通報のあった民家を行政代執行により強制撤去した。登記簿に記載されている男性はすでに死亡していて、戸籍や聞き込みなどから同市城東区内に住む娘を突き止めたが、「どうでもいい」「お金がない」との返事だったという。産経新聞の記事によれば、行政代執行は同市で約7年ぶり、やっと2例目だった。

 空き屋撤去に弾みをつけたのは、15年の空家対策特別措置法施行である。同法は地域住民の生命や身体、財産を保護し、生活環境の保全を図ることなどを目的とし、著しく保安上危険となる恐れがある空き屋や著しく衛生上有害となる恐れがある空き屋を「特定空き屋」に定め、強制対処できるとしている。

 同法の目玉は、財政上の措置や税制上の措置を促したことと、強制対処に段階的な手順を定めていることである。

 使わない家屋が放置される背景として、税制上の問題があった。建物があれば、土地の固定資産税が最大6分の1まで優遇される特例がある。更地の固定資産税は評価額の70%が標準課税なので、解体するだけで固定資産税は最大4.2倍に増える。しかも、解体には安くない費用がかかる。

 空家対策特別措置法は建築基準法にある緩和規定に倣い、行政代執行に至る手順を段階的に定めている。すなわち、助言または指導に始まり、改善されないときは勧告、命令に至る。命令の際も、通知書の交付や意見聴取の機会を設けることを課している。都市計画法など他の法令での強制執行より、自治体は活用しやすい。

■強制執行強化は規制改革委員会から

 しかし、これまでほとんど使われなかった行政代執行が、こうした法令の援用と相まって乱発され始めたのは確かだ。ごみ屋敷や空き屋対策だけではない。1月24日、京都市の円山公園で不法占拠状態にある木造2階建ての建物が行政代執行で除去された。都市公園法に基づき設置許可を得た飲食店だが、許可を更新していなかったとされる。

 行政代執行強化の最初の主張は、確認できる限り1999年の規制改革委員会議事録に見られる。オリックス会長の宮内義彦氏を委員長に、タクシーの規制緩和や郵政民営化などを提言し、かんぽの宿問題など悪名高き残骸を国民に押し付けた機関。その後、総合規制改革会議、規制改革・民間開放推進会議と名前を変え、現在の安倍政権では規制改革会議として農協解体や種子法廃止、水道法改正などの旗振り役をしている。

 1999年11月の第13回委員会では、住友不動産常務の松井久夫氏が都市再開発の現場に立ち会ってきた経験から、たった1、2人の反対者がいるために開発ができない事例を挙げ、都市再開発法で認められた行政代執行を首長(東京23区では区長)がちゅうちょなくできる仕組みづくりを求めている。

 これは01年3月にまとめられた「規制改革に関する第1次答申」に盛り込まれている。医療、福祉・保険、人材など6分野のうち、都市再生に容積率の緩和やPFIの具体化などとともに「都市再開発法における行政代執行の強化」が明記された。

 行政代執行の積極的活用は、地方分権の見地からも主張されている。12年6月に開かれた「地方分権の進展に対応した行政の実効性確保のあり方に関する検討会(第1回)」では、現行制度の概観として砂防工事などでの間接強制(執行罰)や成田空港建設での団結小屋除去の直接強制などとともに、建築物への行政代執行が挙げられている。

■空き屋に巣くうハイエナビジネス

 空き屋対策に関する全国自治体の条例は、この検討会でも注目された。特別措置法整備の推進力になったとみられる。しかし、同法施行は強制撤去の津波を引き起こすのだろうか。施行後2年たち、確かに行使した事例は増えたが、最大の影響は相続放棄の増大と考える。

 自治体が取り壊しに補助金を出して古屋を壊しやすくなるかもしれないが、前述のように更地になれば固定資産税が一気に増える。使い道のない不動産を持っていても費用がかさむだけなので、この制度によって放出する人が増えるのではないか。相続税も上がっているし。

 塩漬けになった空き屋や解体後の土地が不動産市場に流れれば、供給過剰になって価格が下落するかもしれない。しかし、不動産仲介業者は手数料で稼ぐので活況を呈すだろう。都市部のデベロッパーも大規模開発がしやすくなるはずである。

 一方、「特別空き屋」に指定された物件の持ち主や、指定されるかもしれない空き屋の持ち主は頻繁に手入れ・管理する必要が生まれる。遠隔地にある空き屋に通う手間と交通費は馬鹿にならない。そこで管理代行サービスという業者がいて、月1回の巡回を1万円程度でやってくれる。空家対策特別措置法の施行は、これらビジネス拡大の契機になる。

 しかし、一連のごみ屋敷や空き屋報道と同法の整備は、これらの産業を助けるためにされたのか。私見では、これらは副次的な側面にすぎない。すなわち、大目的に従じたハイエナビジネスである。ハゲタカでもシロアリでもない、小ざかしいたかりにすぎない。ごみ屋敷など、昔からあった。人口が減っているのに、空き屋が増えて何が問題なのだろう。

■租界化政策で我々は外人の僕に

 では、大目的とは何か。それは大量の外国人の受け入れである。08年6月、自民党議員80人でつくる「外国人材交流推進議員連盟」(中川秀直会長)が移民1000万人構想を提言した。これは政権交代で頓挫したが、第2次安倍政権は14年2月、「毎年20万人を95年間にわたり受け入れる」構想を打ち出している。これでいくと、2110年には5人に1人が移民になる。

 他方、旅行者が増えているのはご覧の通りだ。03年に国土交通省が「ビジットジャパン」を提唱し、観光局を新設した。同年に524万人だった訪日外国人は今年上半期だけで1376万人に達している。昨年同期から17.4パーセントの伸びで、政府は30年までに年間6000万人を目指す。

 こんなことは誰も望んでいない。しかし、マスメディアはインドネシアからの看護実習生やフィリピンメイド志願者を愛らしく映し、NHKはベトナム人成年と日本女性との恋愛ドラマを黄金時間に放送している。「中国人の爆買いが景気を支える」と連呼し、韓流ドラマを流してきた。

 これらは世界権力の意思とみる。外国企業による日本侵略を促す制度に国家戦略特区があるが、「東京圏」は五輪を契機に「世界で一番ビジネスがしやすい環境を整備する」を目標に掲げている。「おもてなし」は日本列島の先住民であるわれわれが外国人に仕える意識形成のスローガンではないか。

 行政代執行を活用しやすくする法令の整備は、このための事務的側面と確信する。5月23日にまとめられた「規制改革推進に関する第1次答申〜明日への扉を開く〜」の投資等分野には「官民データ活用(不動産登記)」がある。

 ここでは、相続登記がなされていないことが民間開発の妨げになっているとともに、不動産市場の活性化のためには所有者情報の整備と無償公開が必要だと指摘。相続登記を促進するためにマイナンバー制度の導入が検討されている戸籍と連動させ、土地所有者情報をオープンに利用できるようにすることで、空き屋の活用や都市開発の円滑化が進み、不動産市場の活性化されると主張している。

 この答申のその他重要課題(インバウンド支援等)には「旅館業に関する規制の見直し」もある。いわゆる民泊の推進である。

 マッケンジー元日本社長で米国の代理人の大前研一は、「BBTリアルタイムオンライン・ケーススタディVol.12 もしも、あなたが Airbnb日本法人社長/富山県知事ならばどうするか?」という電子書籍で、日本では特区活用による民泊緩和の動きと空き家率が14%に達したことを挙げ、「特区に限らず、全国各地で民泊が緩和されれば、空き屋問題の解消に大きく貢献する」と提言している。

 これは単なるケーススタディなのかもしれないが、外人相手の民泊業の拡大は上記の政策の当然の帰結の一つに映る。

 「ごみ屋敷は本当に迷惑」「空き屋が増えたら大変」などとマスコミに同調して「解決」を求めていたら、租界の僕(しもべ)にされるだけだろう。

山本担当相も虚偽答弁か、資料提出求める [民進加計調査]

 民進党の加計(かけ)学園疑惑調査チーム会合が26日、国会内で開かれ、24日の衆院予算委員会で「京都府と適宜連絡を取っていた」と加計学園に対する特別扱いを否定した山本幸三地域創生担当相の答弁がでっち上げである可能性が出て来た。

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「(閉会中審査の)2日間でますます疑惑が深まった」と徹底究明を期する今井氏(中央右、2017.7.26筆者撮影)

 同学園の獣医学部新設をめぐっては、16年11月8日に文部科学省内で共有された「加計学園への伝達事項」など、特別に優遇されていたことを示す文書が次々と出てきている。

 この日の会合では、16年10月17日に開かれた国家戦略特区ワーキンググループのヒアリングの議事要旨が配られた。ここには京都産業大学副学長が、「文部科学省への事前協議ということでお話をさせてもらったが、今、門戸は開かれていないとのことで、文科省として具体的な協議を進めることはできないとのこと。何回かに渡ってお願いしているが、はねつけられてしまっている」と現状を報告するくだりがある。

 共同座長の今井雅人衆院議員が「京産大は事前協議をさせてもらえなかったのか」と尋ねると、文科省の担当者は「事前相談は受けた」としながらも、「特区の枠組みを使ってのプロセスが進んでいたのは今治市と承知していたので、そういうシミュレーションは持っていた。ただし、設置審は別にやる」とあくまで公平であることを強調した。

 今井氏は「京産大は10月17日以降、内閣府から何の連絡も受けていないと(14日の)記者会見で言っているのに、おととい質問したとき山本大臣は『京都府と適宜連絡を取って、知事や副知事とも話をしたりしていた』と答弁した」と指摘。内閣府に山本氏の答弁を裏付ける記録の提出を求めた。

 内閣府の担当者は「その内容は、事前に何かを調べて大臣にご発言いただいたということではない」と説明。今井氏は「内閣府の事務方が確認していないのに大臣が答弁したのか。大臣が直接、京都府とやり取りしたというのか」と向けると、「そういうこともあるかもしれない」と答えた。

 今井氏は「大臣本人が連絡を取るのか。京都府に連絡するのは事務レベルでしょ。連絡を取り合った資料なりペーペーがなければ、一昨日の答弁は虚偽になる」と問題視。党国対委員長の山井和則衆院議員は「うそだったら、大変なこと。口から出任せで言うことなど許されない」と非難。山本担当相の答弁書の提出を求めた。

 共同座長の桜井充参院議員は「山本大臣は全く信用できない。(16年)12月22日の『(獣医学部新設を1校限り認めた)三大臣合意』だって、たぶん口から出任せを予算委員会で言ったから、慌てて作った。何回請求しても内閣府は『ありません』『11月9日のものが全てです』と言ってきたのをある日突然、『私が取り付けました』と出してきた。稟議(りんぎ)書もなく、大臣の決裁だけでできるわけない。うそつき大臣」とこき下ろした。

 山井氏は加計孝太郎理事長の証人喚問をするため引き続き予算委員会の開催を求めていることを報告し、「4条件の閣議決定を破る違法行為を働き、京産大を放っておいて加計学園を優遇し、これで設置審を通したら大問題だ」と述べ、8月中の臨時国会開催を主張した。

 18年度の大学の新設は文部科学省の大学設置・学校法人審議会が認可を審査していて、8月下旬に結論が出る見通し。審査は「すでに山を越えた」との情報もある。岡山理科大学は23日の獣医学部志望者を対象にした説明会で、「来年4月には必ず開学できる」と説明している。

「明確な虚偽答弁。辞めてもらおう」と福島瑞穂氏

 安倍首相が加計(かけ)学園の獣医学部新設への意向を知ったのを1月20日と答弁したことについて25日、福島瑞穂参院議員(社民)は自身の質問に対する3回の答弁を示し、「明確な虚偽答弁」と断じ、「責任を取って辞めてもらおう」と訴えた。

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市民との共闘で倒閣を呼び掛ける福島氏(2017.7.25筆者撮影)

 参院予算委員会の閉会中審査が開かれたこの日も、国会議員会館前で安倍政権の退陣を求める市民集会が開かれていた。昼休みに入った正午、野党国会議員も応援に駆け付けた。

 最初にマイクを取った福島氏は開口一番、「安倍総理はきのう、重要なことで虚偽答弁をした。うそをついている。退陣してもらおうではないか」と集まった人々に訴えた。

 24日の衆院予算委員会で大串博志議員(民進)が「加計学園が今治市に獣医学部を創りたがっているのを知ったのはいつか」と尋ねたのに対し、安倍首相は「国家戦略特区の事業者が決定した1月20日」と答えたことを指す。

 福島氏は虚偽答弁の根拠として、3月13日と6月16日の参院予算委員会での答弁と、4月18日付け質問主意書に対する答弁書を挙げた。いずれも加計学園理事長の加計孝太郎氏が獣医学部新設の希望を持っていることを知っていたかをただすもの。

 3月13日の質問に対して安倍首相は「特区というのは、そんなに長い戦略特区だから、その前にこれをやるということは大体決まっていて、多くの人たちがみんな知っている。関係者はみんな知ってる」と答えた。

 6月16日には「特区でなく構造改革特区だったが、そこで申請されたことは承知していたが、私は議長を務めているから、国家戦略特区で申請されれば、私の知り得るところとなる」と答弁。

 4月18日付け質問主意書は国家戦略特区諮問会議が獣医学部新設のための制度改正を決定する16年11月19日以前に知っていたかと尋ねたものだが、これに対する答弁書には「獣医学部新設については平成19年11月の愛媛県今治市等からの提案にかかる説明資料で学校法人加計学園が候補となる旨として記載されており、こうした提案を受けて安倍総理を本部長とする構造改革特区推進本部で平成25年12月11日、平成26年5月19日、平成27年8月25日に政府の対応方針を決定するとともに、平成27年6月30日の『日本再興戦略』を閣議決定した」と記されている。

 福島氏はこれら議事録と答弁書を読み上げ、「知ってるじゃないですか。明確な虚偽答弁。うそつくな」と糾弾した。

 さらに「なぜうそつくのか。以前から知っていたら、利益誘導だとばれるから。だから1月20日と言う必要があった」と指摘。「『真実を究明する』『真摯(しんし)に説明する』と言いながら、この期に及んでうそをつきまくっている。国民は信用できない」と批判した。

 その上で福島氏は、「(3月13日の自身の質問に)『私が関係していたら責任を取る』と言ったのだから、責任を取って辞めてもらおうではないか」と主張すると、「そうだ」「辞めろ」の声が湧いた。

 この矛盾については午後、小池晃参院議員(共産)も質問した。5月9日の参院予算委員会では森裕子議員(自由)に対し、「加計学園が、当然これは特区に申請を今治市が出すが、申請した段階で当局から説明を受ける。その段階で当然総理大臣として知り得た」と答弁。

 6月5日の参院決算委では、平山佐知子議員(民進)の質問に対し、「安倍政権になり、(加計学園が)国家戦略特区に今治市とともに申請を出した段階で承知した」と答えている。

 小池氏の質問に対し、安倍首相は「加計学園と今治市、構造改革特区と国家戦略特区の2つがあり、混乱していた。国家戦略特区においては、『今治市』については知っていたということだ」と釈明した。しかし、分けたところで、同学園が獣医学部新設に意欲を持っていたのを知っていたことに変わりない。

「『記憶にない』はイエスの意」と森裕子氏 加計疑惑

 森裕子参院議員(自由)は24日、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が加計(かけ)学園の獣医学部新設をめぐり15年4月に愛媛県今治市職員と面会していた事実を「記憶にない」と答弁したことについて「霞が関で『記憶にない』とはイエス、つまり会ったという意味」と述べ、安倍首相の関与は明らかだと批判した。

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「かっこいい」「森さん素敵」の声援の中、「あっちぇねえ」(新潟弁で「暑いねえ」)とあいさつする森氏(中央、201.7.24筆者撮影)

 衆議院で国会の閉会中審査が開かれたこの日、休憩に入った正午から国会議員会館前で安倍政権の退陣を求める市民集会が開かれた。民進党と共産党の国会議員に続いてマイクを取った森氏は、午前中の今井雅人衆院議員(民進)の質問に対する柳瀬経済産業審議官の答弁に言及した。

 今治市が国家戦略特区提案を出す2カ月前の15年4月2日に同市の課長と課長補佐らが首相官邸を訪ねたことを示す旅費の決裁書と旅程表が、情報公開請求で開示されている。23日発売の『週刊朝日』は面会したのは柳瀬氏との証言を載せた。

 午前中の審議では、民進党の加計学園疑惑調査チームの共同座長を務める今井氏が柳瀬氏にこの真偽をただしたのに対し、柳瀬氏は「お会いした記憶はございません」と答弁。「会ったのか、会わなかったのか」と迫ると「覚えてないので、これ以上申し上げられない」と重ねている。

 森氏は「記憶にないわけがない。首相秘書官になるような、経産省のエース。将来、事務次官になると言われている人が。まだ1年もたっていない」と答弁の信ぴょう性を否定。「しかも、秘書官が一地方の課長・課長補佐と会うことはない」と首相の関与を疑った。

 「私たちも入れてもらえない」と官邸訪問の難しさを強調。自由党の山本太郎共同代表や民進党の加計学園疑惑調査チームの代表者らも入邸を拒否された例を挙げ、「そこになぜ、今治市の課長・課長補佐が入ったのか」といぶかしんだ。

 柳瀬氏が記憶の有無についてのみ答えたことについて、森氏は「否定できないから。会ったから」と両断。「霞が関の官僚が国会で『記憶にない』と答弁するときは、イエス、つまり会ったという意味」と指摘した。

 その上で森氏は、「最初から首相官邸が関わっている。イコール、安倍総理のご意向に決まっている。もう明らかだ」と突き放した。
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       高橋清隆

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反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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