高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

2019年03月

美しい心を聴いた

 日曜日の午後、新潟県立三条高校吹奏楽部の定期演奏会を独りで見に行った。ローカル新聞記者として取材して以来だ。母校でも何でもないが、楽しかった記憶がある。

IMG_5113

 前半は『アルセナール』コンサートマーチや『木星』、『フレンド・ライク・ミー』の金管8重奏などに続き、歌劇『トゥーランドット』ハイライツが演奏された。生の楽曲は、どんな録音にも勝る。鉄琴の「カチーン」という甲高い打音や、シンバルの「バシャーン」と響く豪快な衝突音、フルートの空気を振動させる息遣いが、客席にいる私にも伝わる。

 幕間に放送部による「ラジオトークショー」がオンエアーされた。部員による悩み相談などを披露し、観客を退屈させまいと工夫している。後半は白衣をまとう二人の男女が登場。博士と助手による寸劇を交えながら、『パイレーツ・オブ・カリビアン・メドレー』やバブル時代を象徴する『ダンシング・ヒーロー』、星野源の『アイデア』、二〇一六年の映画から交響組曲『君の名は。』と続く。

 博士役の女子生徒は利発そうな声で、「それでは皆さん、ご一緒に『タイムスリップ』」などと観客を巻き込む。『アイデア』のさび部分ではダンサーも登場する。全身で盛り上げると、それに呼応して会場中が手拍子を取った。終わりのあいさつでは、協賛してくれた地元企業や手伝ってくれた演劇部や写真部、放送部への謝辞も忘れない。

 生徒たちは皆、笑顔だった。この高校は進学校だから、この子たちはあと一、二年もすれば大都会の住民になる。構造改革やアベノミクスのあおりを受け、ガールズバーで働いたり、奨学金返済に追われるのだろう。しかし、今、打算から解放されて楽しんでいることだけは確かだ。

 たそがれ時の帰り道、廃校になった小学校跡やシャッター通りと化した商店街を歩く。朽ちるに任せた木造家屋や色あせた看板が崩れている廃業スナック店舗を尻目に、私の心の中だけは温かかった。

■関連記事
悲しき街、悲しき大衆
無知の正義

『週刊金曜日』に拙稿が掲載

 『週刊金曜日』3月29日号「金曜アンテナ」に拙稿「『竹中平蔵、売国奴』の大抗議」が載りました。ぜひ、お近くの書店で手に取ってみてください。

「70なんて、はな垂れ小僧」亀井節炸裂、公望さん囲む会

 元日本郵政公社常務理事の稲村公望氏(70)の古希を祝う「公望さんを囲む会」が3月23日、東京・内幸町の日本プレスセンターで開かれた。発起人の1人、亀井静香前衆院議員(82)は稲村氏を「郵政の鬼」と持ち上げるも、「こういう会を開くには若すぎる。70なんてはな垂れ小僧だ」と叱咤激励した。

IMG_4783
亀井氏の激励に苦笑する稲村氏(2019.3.23筆者撮影)

 10階「アラスカ」で開かれた会合には、稲村氏の郷里、奄美の友人・知人のほか、元NHK会長の海老沢勝二氏や平沢勝栄衆院議員、経済学者の菊池英博氏など、各界の著名人も駆け付けた。東京奄美会の田中達三顧問のあいさつや、祝い舞い、海老沢氏の乾杯の発声の後、亀井氏が登壇した。

 亀井氏は「稲村さんは郵政の鬼と言っていい。郵政は国家にとっては神経系統だ。単純に民営化すれば日本がつぶれると、私は自民党を出た。そのとき以来の盟友であり、戦友でもある」と述べ、郵政民営化に反対して高級官僚の座を追われた稲村氏をたたえた。

 2009年の国民新・民主・社民の3党連立による政権交代を振り返り、「私が郵政改革担当大臣として新たな郵政事業を構築したときの知恵袋。今からも稲村さんは皆さんと一緒にこの大事な神経系統を守り、育てていくと確信する」と持ち上げると、稲村氏が壇上に歩み寄った。

 手を差し伸べられた亀井氏は、急に我に返る。「こういう会を開くには、まだ若すぎる。生意気だ」と一転。「70なんてはな垂れ小僧だ。俺なんか82になったが、年なんて考えてない。年を考えたこんな会など開くのは、おまえの堕落だと思っている」と亀井節が炸裂した。

 続けて「頑張ってください」と激励し、愛情いっぱいに手を取り合っていた。

「竹中を日本からたたき出せ」、全国パソナ前で反竹中平蔵デモ

 未来投資会議(議長・安倍晋三首相)の民間議員として規制緩和や政府機関の民営化を決定し、国民の富を大企業や外資に手引きする竹中平蔵氏を糾弾しようと3月24日、竹中氏が取締役会長を務める人材派遣会社、パソナ本社(東京都千代田区)や各拠点前の計7カ所で集会が開かれた。左右を超えた国民運動を理念に、本社前では愛国団体「一水会」も参加し、木村三浩(みつひろ)代表が「竹中を日本からたたき出す必要がある」などと訴えた。

IMG_5051
竹中糾弾に集まった市民(2019.3.24、パソナ本社前で筆者撮影)

 集会は「みちばた興業」『ピープルパワーTV』が主催。東京のほか名古屋・大阪・浜松・静岡・四日市・福岡の各市で午後2時からおよそ2時間開かれた。東京・大手町の本社前では、フランスの反マクロンデモに倣い黄色いベストをまとったり、「竹中平蔵 売国奴」「白蟻(あり)」などのボードを掲げた市民約70人が参加した。

 「みちばた興業」の黒川敦彦代表は、開催の狙いについて「反グローバリズムの国民運動を本格的に立ち上げるため。竹中氏はグローバリズムの分かりやすいアイコン」と語る。

IMG_4918
あいさつする黒川氏(同)

 冒頭、元日産自動車会長兼CEOのカルロス・ゴーンのコスプレをした黒川氏が、「アベノミクスでこの6年間、大企業の利益と一部富裕層の資産は増え続け、富裕層の資産は300兆円になった。その反対側で、庶民の生活が崩れている。皆さんが真面目に働いてないからか。今まで以上に一生懸命働いてますよね。働いて豊かにならないのは、政治が悪いから。一生に政治を変えましょう」とあいさつした。

 保守系言論誌『月刊日本』の坪内隆彦編集長は「10年間竹中批判をやって来たが、ようやくここに来て、火がついた」と述べ、東洋大4年生の船橋秀人(しゅうと)氏の勇気ある行動がそのきっかけをつくったことをたたえた。

IMG_5063
『月刊日本』の坪内氏(同)

 その上で、「パソナ会長をしながら、政府の未来投資会議の民間議員として実際の政策を決めている。それを支えているのが慶応大学、そして今は東洋大学の教授という学者の看板。彼の背後には米国がいて、グローバル資本が付いている強大な力だが、それに対する怒りがこうして全国にあふれかえっている。今こそ、竹中氏の退場を目指して持続的に頑張ろう」と呼び掛けた。

 駆け付けた「一水会」の木村氏は「安倍内閣は『日本を取り戻す』と言いながら、日本を外国に売っている。このパソナ前で訴えているわれわれこそが本当の愛国者。これをもっともっと盛り上げ、まず第一は、竹中氏の利益相反をやめさせる。そして、竹中氏のやって来た罪過を明らかにし、格差社会の是正をしなければ」と行動の道筋を示した。

IMG_4959
「一水会」木村代表(同)

 さらに木村氏は「パナマ文書は富裕層が日本で税金を納めない人たちの名簿だが、竹中氏はこの先駆け。この売国奴を日本からたたき出す必要がある」と訴えた。

 木村氏の誘いで姿を見せた小林興起・元衆院議員は、自身が反対して失職することになった郵政民営化法案に言及。田中角栄元首相が財政投融資で高速道路を整備した例などを挙げ、「日本のために使われていた郵貯資金を米国金融資本のために使おうとしたふざけた法案。その案を作ったのが竹中さん」と糾弾した。

IMG_4995
小林氏(同)

 小林氏は消費増税が法人・所得の両減税の穴埋めに使われていることも指摘し、「法人税を下げろと言うのが米国金融資本の要求。大企業の株は、彼らが持っている。皆さんが払っている消費税は、米金融資本が株でもうけるために使われている。米国にここまでこびる政治では、日本は良くならない。皆さんの若い力で、いい日本をもう1度」と呼び掛けた。

 『ピープルパワーTV』パーソナリティの外山麻貴氏は、「最近気になる動きがあると、常に裏に黒幕として竹中さんがいる。白タクの自由化でアプリでタクシーを呼べるようになったとか、オリンピックのブラックボランティアも結局、パソナが募集をやって、国の税金をどっぷりもらっておいて、ボランティアをやる人には払わない。こんなことがまかり通っていいのか。水道民営化にもちゃっかり(竹中氏が社外取締役を務める)オリックスが入っている」とやり玉に挙げた。

IMG_5022
外山氏(同)

 外山氏は「反緊縮財政、反グローバル化、反竹中平蔵、つまり反売国という姿勢で私たちはつながっていきたい。日本の未来を考えたら、グローバリズムに国を売り渡すことは許せない」と、左右を超えた結束の重要性を強調した。

 一般参加者もマイクを取った。川崎市内から来た50代の男性は、「一生懸命働いてもグローバル資本が海外に持って行き、努力が報われない社会になっている。ロスチャイルド銀行出身のマクロンはグローバリストのトップランナーだが、安倍首相は周回遅れのトップランナー。世界は反グローバルの流れ」と米トランプ大統領やフランスのデモ、英国のEU離脱を挙げた。

IMG_4935
「大手町牧場」の看板を指しながら演説する男性(同)

 男性はマスコミ報道に流されず、政治に関心を持つことを主張した後、「パソナ 大手町牧場」と書かれた看板を指差す。「パソナは人間牧場の経営者。皆さんはそういうことに気づかなければいけない」と啓発した。

 経済学者の菊池英博氏と元日本郵便副会長の稲村公望氏からのメッセージを、坪内氏が代読した。それぞれ、「竹中平蔵は殺人罪だ」「国会は竹中氏を証人喚問すべき」などと竹中氏の犯罪行為を告発している。

 演説の合間にはミュージシャンNao Lion氏作曲『Bye Bye 売国 竹中平蔵』の曲が流れ、参加者は「派遣でもうける平蔵要らない」「自分で決定、自分でもうける」「バイバイ売国、自民党」などとコールを繰り返した。

 埼玉県から来たと言う40代の夫婦は「おかしいことをおかしいといえないのはおかしい。みんなで国を立て直したい」「派遣も水道も、自分がもうけるために法律を変えている。そのために政府の中枢にいるのはおかしな話。外人を入れる前に、日本の雇用をちゃんとしてほしい」などと話していた。

 主催者によると、今回は参加しやすさを重視して日曜の集会となった。今後は平日の開催を検討している。

IMG_5018
気勢の上がる本社前(同)

■関連記事
「大学が終わっていく」、立て看掲げた東洋大生(前)
「大学が終わっていく」、立て看掲げた東洋大生(後)
立て看事件の東洋大学、期限まで無回答
「職員は恥ずかしくないのか」、東洋大前で反竹中デモ

無知の正義

 「大衆は真実を知らされずに情報不足のまま、考え、信じ、行動するように操作されている」
 英国の諜報機関、MI6の高級官僚だったジョン・コールマン博士の言葉である。

 先日、高円寺の安酒場に独り飲みに行った。カウンターに居合わせた両隣の客とマスコミ批判に話が及ぶ。
 「セクハラ・ストーカーとか、児童虐待とか、マスコミは騒ぎすぎなんだよ」
 私が精一杯緩く同調すると、礼節も何もない若主人が口を挟む。
 「差別とか、ヘイト発言とか、おれは許さないからな」

 今にもかかって来そうな憎しみのこもった物言いにがく然とした。セクハラ・ストーカーが人口削減計画に基づく宣伝文句であり、児童虐待報道が子供を親から取り上げる口実であることを知らないのである。ヘイトは言論弾圧のために展開しているのに。大衆はなんとマスコミに従順なことか。

 マスコミによる洗脳事例を挙げたらきりがない。例えば、拙ブログにアクセスする読者は「財政赤字」がうそであることをご存じだと思う。日本人を貧しくするため、緊縮予算を組む口実にされている。反原発運動だって、資源を持たない国の手足を縛るために仕掛けていると、コールマン博士は明言している。日本の核武装を恐れて米国が工作しているなどという優雅な話ではない。

 十年ほど前、社会保険庁たたきがマスコミをにぎわせたとき、報道を真に受けた若者が社保職員を殴る事件も起きた。その後、社保庁は民間化され、国民の年金資金はGPIFによって国際賭場に投入されている。昨年、テレビドラマ『空飛ぶタイヤ』がはやったが、ダイムラークライスラー社による三菱ふそう乗っ取りを正当化する宣伝にほかならない。

 七十余年前、ラジオや新聞に倣って「鬼畜米英」を唱和し、戦後は一転、GHQの広めた「民主主義」を連呼し、米国からの独立を企てる政治家を片っ端から逮捕する報道に乗せられてきた。プラザ合意の後は新聞系雑誌の特集するマネーゲームに競って興じ、バブルがはじけると、米国の求めに応じて「規制緩和」を主張し、今日のすさんだ経済・社会状況をつくり出してきた。

 大衆に、自分の考えなどというものはない。頭の中はマスメディアの情報で満たされている。「杉並区は進歩的」などとよく言われるが、このあたりの運動家たちは、国際化と貧困化を通じた人類奴隷化に最も貢献しているのではないか。

 そもそも、「進歩」という言葉が社会的ダーウィニズムすなわち社会設計主義の信奉者であることを告白している。同地には不良気取りのロッカーが多いが、コールマンによればロックは国民を退廃させるためにマスコミを使って普及させたものにすぎない。

 私はただでさえ対人恐怖症なのに、政治や社会の話題に一切触れられないと思うと、いよいよ引きこもりが強固になった。
新聞に載らなかったトンデモ投稿
亀井静香―最後の戦いだ。
亀井静香が吠える 痛快言行録
偽装報道を見抜け!世論を誘導するマスメディ…
Archives
記事検索
ご支援のお願い
 このブログでは、マスコミが伝えない社会の動きや事象分析を紹介したいと考えています。取材・執筆には時間と労力がかかります。     つきましては、当ブログの記事に賛同いただける皆さまに寄付を賜りたく、お願い申し上げます。少額でも助けと励みになりますので、ご理解とご協力をいただければ幸甚の至りです。

       高橋清隆

郵便局からのお振り込み
【記号】13160   
【番号】10900411

銀行からのお振り込み
【口座】ゆうちょ銀行  
【店名】三一八(読み:サンイチハチ)
【店番】318     
【預金種目】普通預金  
【口座番号】 1090041 
【口座名】盒鏡粁粥  

著者プロフィール


反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

メールはこちらから
livedoor プロフィール

donnjinngannbohnn