Net IB News https://www.data-max.co.jp/article/32543

 れいわ新選組の山本太郎代表は13日、秋田市内でポスター張りを行った。張れた場所は少ないが、道行く人に声を掛けられたり、俳優時代にロケで訪れた魚市場の主人と再会したりなど、笑顔の絶えない行程だった。

男性店主(右)と再会する山本氏(2019.11.13筆者撮影)

 東北ツアーを続ける山本氏は、同日夜の秋田駅前での街頭記者会見に先立ち、午後1時から党のポスター張りを実施した。東京から来たスタッフのほか、地元から5人のボランティアが参加した。

 これとは別に、山本氏は自ら一軒一軒訪ね、掲示依頼に回った。不特定多数の人が集まる店舗が主な対象になる。冷え込んだ前夜の盛岡から一転、柔らかい日差しが落ちていた。

 理髪店や菓子店、金物屋など、気の赴くままに飛び込むが、現実は甘くない。「山本太郎と申します」と店に入ると、大抵温かく迎えてくれる。しかし、「ポスターを張らせていただけませんか」と言葉を継ぐなり、「すみません」と断られる。

 それでも歩いていると、サラリーマン風の男性が「あれ、山本太郎さんですか。びっくり。先回、入れたんですよ」と声を掛けてくる。それを見掛けた女性が、「私も写真撮らせてください」と歩み寄る。

 依頼に入ったワインバーでは、「一旦、預からせてください」との返事。しかし、対応した女性店員は山本氏とのツーショット写真を求めた。

掲示依頼に歩く辻村氏(左)と山本氏(2019.11.13筆者撮影)

 今回、7月の参院選に同党から立候補した辻村千尋氏も同行した。山本氏の“トップ飛び込みセールス”について、「パワフルにすっと入って行くからすごいですよね。これは次の選挙で、もしチャレンジするのであれば、自らやらなきゃいけないことなので、いい勉強になります」と感心しきりだった。

 山本氏には、どうしても足を運びたい場所があった。魚市場の秋田市民市場のお店である。俳優をしていた1999年、NHKのドキュメンタリー番組の取材で丸1日手伝いをした。番組は好評を博し、半年後にもう1度収録。その際は、男鹿半島にあるおかみさん(「お母さん」と呼ぶ)の自宅で宴会を開いたという。

壁には「お母さん」とのツーショット写真、山本氏からの礼状などが飾られていた(2019.11.13筆者撮影)

 記憶をたどりながら、市場の一角にお店を見付ける。男性店主の姿が見えた。

 「山本太郎です」
 「びっくりした」

 店主は目を見開き、歓迎した。

 「ふっくらしたなあ」
 「全然、運動できてないんで。政治運動だけです」
 「立派になっちゃって」
 「今、バッジ失っちゃいました。次、頑張ります」

 「お母さん」は不在だった。ご主人が携帯を取り出して山本氏に渡し、通話した。

 「でも、良かった。声が聞けて」

 撮影でお世話になった後は毎年、きりたんぽ鍋を贈ってくれている。「本当に人がいい。すごく優しい。秋田には楽しい想い出しかない」と山本氏。

直売所の扉にポスターを張らせてもらう(2019.11.13筆者撮影)

 市場を出て食肉直売所を訪ねると、ようやくポスター張りが承諾された。魚市場のいきさつを知る女性店主に、「電話かけてから行けばよかったのに」と諭される。「ああ、最初からね」と説得された様子だった。

室外機の下に身を隠すネコ(2019.11.13筆者撮影)

 美容室があったので入ろうとすると、小さな前庭にネコの影が。

 「ネコちゃん、おいで。おいで」

 せわしく歩いていた足を止め3、4分、気を引こうとする。しかし、唯我独尊のネコは応じない。暖房の室外機の下に、身を隠した。私は思わず尋ねる。

 「太郎さんはイヌ派ですか、ネコ派ですか」
 「ずっとイヌ派やと思ってたんですけど、やっぱネコなんです。かわいさを分かっていなかった」

 山本氏は政治家に立候補する直前に友達の家のネコと出会い、あまりのかわいさに引かれたことを明かす。

 「みんなネコちゃんみたいに生きられる社会にしなきゃ駄目なんですよ」

 結局この日は2時間で30軒を回り、5枚の掲示に成功。6枚預かってもらえた。1軒にとどまった6月の新潟市からすれば、大きな進歩である。温かい人やネコに触れ、山本氏は終始楽しげだった。

■関連記事
「れいわ新選組」ポスター張りに励むボランティア