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 共同会派を組む立憲・国民・社民・社保の議員有志54人が9日、税制改正を求める提言書を4党派の各政調代表者に提出した真意について、呼び掛け人の福田昭夫衆院議員(立憲)は19日、「日本の税制がゆがんでいるから」「政権を取るための大きな柱にしたい」などと語った。
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    提言書(篠原豪HPより)

 提言書は消費税が導入された1989(平成元)年度と2019(令和元)年度との税収構造を比較し、消費税が法人税・所得税の穴埋めに使われてきた実態を数字で示し、「消費税創設前の公平な税制に戻して大企業と富裕層に応分の負担を求めれば、大幅な税収増が見込まれる」と記す。

 消費税に代わる財源として、法人税への累進制の導入や、所得税に19段階刻みのあった1974年度の税率適用、相続税に最高税率75%だった1998年度の税率適用などにより、最大41兆円の税収増が可能だとしている。

 細かい所では、大企業優遇の租税特別措置は据え置く。金融所得課税は総合課税にする方法と分離課税のまま税率を上げる方法の両案を提示。分離課税の場合は、累進化を想定する。小規模事業者の負担が重い軽減税率とインボイス制度(適格請求書)は廃止する。国と地方公共団体が負担する消費税は廃止する。

 この提言は10月30日に立ち上げた会派内の勉強会、「日本の未来を立て直す公平な税制を考える会」が3回の学習会と最終討議を経て、作成した。学習会の講師には、経済学者の菊池英博氏や税理士の菅隆徳・湖東京至の両氏が招かれた。福田氏は昨年から1人で税制の勉強を続けてきた。

 「わが勉強会のすごいところは、このメンバー」と福田氏は胸を張る。賛同した54人には、立憲の両議員総会長の荒井聰氏や同党経済総合調査会顧問の江田憲司氏、常任幹事会議長の川内博史氏らのほか、山本太郎氏と共に「消費税減税研究会」を立ち上げた無所属の馬淵澄夫氏も含まれる。
 
 福田氏によれば、提言書提出の記者会見には大勢のマスコミ記者が来たが、報じたのは福田氏の地元、栃木県の新聞と、事務局を務める篠原豪氏の神奈川県の地元紙のみ。山本氏が15日の出版記念イベントの記者会見で言及し、ネット上に広まったのが実態だ。

 提言の動機について福田氏は、「日本で格差拡大が拡大し、どうにもならなくなった。戦後、国民が平等に暮らせる社会づくりをしてきたのに」と吐露する。かつて自民党は社会党など野党の意見を聞きながら国民皆保険や年金制度を創ってきたことを挙げ、「元凶は、平成元年の消費税。消費税が非正規雇用もつくってきた」と両断する。仕入れ税額控除方式では、派遣費は仕入れに計上され、消費税から控除される。

 この提言書は、消費税引き下げを求めるものなのか。福田氏にただすと、「そういうことではない。日本の税制がゆがんでいるから。大企業と富裕層に応分の負担を求め、確保できた分、消費税を下げられる。われわれは一度に廃止を考えてはいない。大混乱を来す」と説明した。

 「子育て環境の整備、教育の無償化、社会保障の充実を図る財源を消費税に頼らずに確保したい。経済が良くなれば働く人の給料も上がり、税収も増えてくる。経済の好循環が生まれる。雇用は原則正規雇用に」

 馬淵氏と山本氏の「消費税減税研究会」の初会合前、他党派の勉強会への参加を制約する文書が立憲内に出回ったことについては、「私の所には回ってこなかったから、知らない」と返答。他党派の主導権争いについては「山本太郎さんより前からやっている。他党との関係は関係ない」と否定した。

 「いつか立憲の政策にしてもらおうと思ってやってきたし、政権を取るための大きな柱にしたい。『税は国家なり』。まともな税制でないと、政権は取れない。取っても長続きしないと、党の幹部に言ってきた」と強調する。

 読者へのメッセージを求めると、「還付金を知っている国民がほとんどいない。国や自治体も負担していることも。情報公開しないで国民をだますやり方は駄目。事実を知らせ、国民の皆さまに判断していただきたい」と呼び掛けた。輸出大企業に支払う還付金は、トヨタや日産など上位13社だけで年間1兆円を超える。

 その上で、「私らが政権交代したら、抜本的に変えていきたい」と意欲を見せた。

 手渡した提言書への回答に、期限は設けていない。「代表・役員がどう判断するかだ。5%と言えば、山本太郎さんとも連携できるかも」と展望する。

 今回、呼び掛け人となったのは「考える会」の22人だが、役職は置いていない。福田氏は「私は呼び掛け人係り。黒子役に徹して、その代わり政権交代だけはしっかりしたい。安倍独裁政権を何としても終わらせたいという思いで作っている」と力を込めた。

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福田氏(2019.12.19議員会館内で筆者撮影)

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『日本の未来を立て直す公平な税制をつくる提言書』