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社会

種子の自家採取原則禁止、疑念払拭できず 種苗法めぐり農水省(下)

(上)からの続き

 質疑応答では、最初に山田氏が「種苗法改正案が来年の通常国会で出すのは明らかなんだろう」と確認を求めた。農水省側は検討会で議論中であるとして、「現段階では種苗法の改正について意思決定されていない」と答えた。

 山田氏が検討会で出された「自家増殖や転売は一律禁止」の文言を取り上げ、「許諾がなければ、自家増殖できない形にするんだね」と向けると、「登録品種については、育成者権者の許諾を得てやるようにしようと」と答えた。

 これに対し、山田氏は「モンサントが育成者権者だったら、他人に『どうぞ使ってくださって結構』と言うか。許諾するわけないじゃないか。イチゴだって、1本250円位の苗を6000本買おうとしたら大変な出費」と反論。

 登録された品種であってもこれまでは原則、自家採取が認められてきたことを農水省側が認めると、山田氏は「今度は許諾がなければ、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処され、または併科される。共謀罪の対象にもなる」と指弾すると、農水側は「育成者が自家採取しないでくれと言っているものは」と釈明した。

質問する山岡議員(左、2019.10.15筆者撮影)

 山岡達丸衆院議員(国民)が配付資料の中に検討会で出された意見として「開発費用の回収が困難であることが悩み」「公的機関は、多くの新品種の利用者から、薄く広く許諾料を徴収することが重要である」との記述があることを挙げ、「新品種を作ったらその分お金をもらいたいと書いている。最悪のシナリオは、海外に流出した品種について制限できないのに国内を規制すると、海外では安くコピー品が出回って、国内は登録育成者の名の下に負担が大きくなる。価格競争力を失って、輸出どころか、市場から追い出されてしまう」と懸念を示した。

 農水側は「検討会を立ち上げたのは、海外に流出したものを何とか抑えたいとうこと。海外での種苗登録も併用しながら、外に行かないように。出ていっても、産地化しないように」と述べ、あくまで登録品種の国外流出を防ぐためとの見解を示した。

 山田氏は、「海外流出と言うが、国内法(種苗法)で止めることはできない。10年前に農水省が出した『品種保護制度の概要』で登録品種の第三者への譲渡は禁止されている」「農水省はなぜ、海外でシャインマスカットを意匠(育種・商標)登録しなかったのか。海外への流出を食い止めるためというのはうそではないか」と追及した。

 農水側が「国内法だから海外ではできない。種苗を持ち出す前に、水際で止められるようにする」と返答すると、山田氏は「今の種苗法21条で、登録された品種の持ち出しを禁止することはできるじゃないか」と反論した。

 農水側が「無断で増殖したものを持ち出すことはできないが、通常利用権を得て増殖された種苗を買って持ち出すことはできる」と否定。山田氏は「われわれTPP違憲訴訟の弁護団の解釈では、譲渡は禁止されていると思っている。だから(種苗法)改正の必要は全くない」と返した。

 福田議員は米ソ冷戦が終わり、米国は3つの国益を追求したとしてゞ睛纂由化知的財産権の保護インターネットを挙げた。「これらによって世界の富を米国に集める。種子法の廃止や種苗法の改正は、知財権の戦略に見事に乗せられている。これに乗っかっては駄目だ」とくぎを刺した。

 同会幹事長の山本伸司氏(パルシステム連合会前理事長)は南西諸島のサトウキビ栽培を取り上げ、「8割くらい自家増殖しているが、これが全部一律禁止になるのか」と尋ねた。農水側は「サトウキビは農家で増やしていただいて農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)も作って県が支援して産地化している。農業者ができなくなるようなことにはならない」となだめた。

 農水側が「今と同じようなことを許諾を受けてやっていただく」と重ねると、山田氏は「農研機構の許諾を得るか、種を買わなきゃいけないわけだろう。その都度」とただす。農水側は「例えば、農協とかを通じて許諾をする。いろんな形がある」と説明した。

農水側を追及する山田氏(2019.10.15筆者撮影)

 山本氏は「今の場合、育成者権者は農研機構。国だから国民の税金で開発している。国民が育成者権者ではないか。それを許諾するのは自己矛盾」と告発した。農水側は「農研機構は国民のために試験研究を行う機関なので、日本の農業者のためになるように判断される」と希望的観測を述べた。

 山田氏は「農業競争力強化支援法で、農研機構や都道府県の知的財産権や優良品種の知見を全部民間に譲渡しなさいと決めたじゃないか。民間が許諾するわけがない。サトウキビでもサツマイモでも、1本ずつ苗を買わなきゃいけない。大変なこと」と迫った。

 会場から意見が出された。循環農法を営むという男性が「国民のための農水省さんの発言に聞こえない」と主張すると、拍手を浴びた。都道府県の研究所で開発されたコメの種子が、三井化学アグロなど民間種子になれば10倍もの価格になることを挙げ、「これを毎年買えと言われたら、農家はやっていけない。野菜は1%程度しか登録品種ではないが、種の7割をモンサントやダウなどグローバル種子企業が持っていて、ほとんどがF1(一代交配種)。モンサントやダウの出先機関の発言に聞こえる」と不満を示した。

 女性は「全部一緒くたに考えるから、こういうことになるのでは。だから本当に保護したい人を保護できなくて、モンサントとか、企業がもうかるようにしてしまう」と批判した。別の女性は「登録品種と同じように在来種・伝統種を扱い、申請しなければいけないとか、自家播種(はしゅ)を禁止するとかはやめてほしい」と訴えた。

 ゲノム編集技術の自由化を問題にした男性は、「日本の農民のためにと言うが、だったらなぜ、種子法を廃止したのか。種子生産できる会社が何社あるか。国際企業が日本を狙っている」と警告した。

 同会はあらかじめ質問を用意していた。「毎回、許諾を義務付けるのか」「許諾がなければ自家増殖はできないのか」「接ぎ木を前提としているものや、サトウキビ、イチゴ、サツマイモなど、苗から苗を増殖しているもの、これらについて、明確に一律禁止となるのか」など8項目である。これらについて農水省知的財産課は、後日回答することを約束した。(了)

勉強会の様子(2019.10.15筆者撮影)

種子の自家採取原則禁止、疑念払拭できず 種苗法めぐり農水省(上)

Net IB News https://www.data-max.co.jp/article/32098?rct=nation

 農家による種子の自家採取を原則認める種苗法が改正される恐れが生じる中、日本の種子(たね)を守る会(会長・八木岡努JA水戸代表理事組合長)が15日、参議院議員会館内で緊急の勉強会を開き、農水省に見解をただした。同省側は新品種の保護を図る方策を検討しているとの考えを強調し、自家採取原則禁止へ法改正がされる懸念は払拭できなかった。

 この勉強会は、9月25日開かれた第5回「優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会」で配られた資料「第4回までに提起された課題」の中に、「種苗法は例外規定が多く複雑で理解が難しいことから、『自家増殖や転売は一律禁止』といった、現場が理解しやすいシンプルな条文にすべき」との文言があったことから、急きょ開催された。

 種苗法第21条は登録品種の育成者権を定めながらも、自家採取(同法では「自家増殖」)を原則認めている。しかし、品種の知的所有権を保護するUPOV条約締結(1991年)後は同法を大幅改定し、TPP(環太平洋経済連携協定)協定署名後、省令が定める同条第3項の例外品目は82から2019年3月には387に激増した。

 アジア・アフリカ地域の国々では、2010年代に入って「モンサント法」と呼ばれる自家採取禁止法案が次々と出される一方、わが国も2016年12月の農業資材審議会(第16回)の種苗分科会で「主に欧州各国では、基本的に自家増殖が原則禁止で、一部自家増殖が認められている。日本の現状は反対の方向にある」との提言がされ、憶測を呼んでいた。

 勉強会には多数の市民のほか、岸本周平(国民)や福田昭夫(立憲)、佐藤公治(無所属)、紙智子(共産)ら衆参国会議員14人が参加し、関心の高さを物語った。

あいさつする萬代副会長(2019.10.15筆者撮影)

 冒頭、萬代宣雄(ばんだい・のぶお)副会長(JAしまね前相談役)があいさつ。TPP参加や種子法廃止に賛成してきた自民党議員の多くが、種苗法改悪阻止に奮闘する山田正彦元農水相にアレルギーを持つ現状に触れ、「そんな問題ではなく、日本の将来を守るために仲良くいろんな議論を出し合って努力しなければ」と呼び掛けた。

印鑰アドバイザー(2019.10.15筆者撮影)

 同会アドバイザーの印鑰智哉(いんやく・ともや)氏が自家採取禁止品目の激増ぶりを紹介し、「ニンジンやホウレンソウは(知財権を保護する)品種登録がないのに、ほとんどが自家採取禁止になった。つまり、種苗会社に登録するメリットは感じられない」と疑問を呈した。欧州議会が通常育種する品種に特許を認めない決議をしたことなどを挙げ、「今後、日本の種の行政がどうあるべきかを考えていく必要がある」と提起した。

山田元農水相(2019.10.15筆者撮影)

 同会設立を促した山田氏は、「モンサント・バイエル、ダウ・デュポン、シンジェンタ・中国化工集団の3社で世界の種子の7割、農薬・肥料も7割を占め、セットでビジネスモデルを構築している」と警戒する一方、「これに対し、反発もある」と述べ、中南米やインドで暴動が起き、「モンサント法」が廃止されたことを紹介。「EUも変わってきた。日本だけが自家採取禁止を押し付けるのは問題」と訴えた。

 さらに山田氏は、同法をめぐる第5回検討会のヒアリングに触れ、150ヘクタールの圃場(ほじょう)を持つ茨城県の(有)横田農場は自家採取禁止になると500万円の種子代が余分にかかる実情を紹介。「次の通常国会で改定案が出されることを大変心配している」とけん制した。

尾知財課長(右)ら農水省職員(2019.10.15筆者撮影)

 農水省の職員4人が前に座り、尾道・食料産業局知的財産課長を中心に、新品種保護に関する現状と課題について説明した。優良な新品種がわが国農業の競争力を支えるとした上で、開発された品種が海外に流出する問題を挙げ、より実効性ある植物新品種の保護が図られるための方策を検討するために検討会を開いたとして、出された意見と対応策を紹介した。

 海外や地域外への持ち出しが制限できるよう、育成者権者が利用条件を設定できるようにするしくみや、育成者権が移転しても農業者が登録品種を利用し続けられる方策、育成者権の権利範囲を明確にするため「特性表」を作成する案などが示された。(続く)

山本太郎氏が他党の街頭活動を歓迎、「人々との対話は政治の原点」

 れいわ新選組は市民の質問にその場で答える「街頭記者会見」を続けているが、日本共産党や国民民主党もそれぞれ「街角トーク」「全国ツアー」(仮称)の名称で双方向型の街頭活動に力を入れ始めた。れいわの山本太郎代表は「人々とのコミュニケーションは政治の原点。ぜひやっていただきたい」と歓迎する。

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街頭記者会見で市民と質疑応答する山本氏(2019.6.22 大分・大分オーパ前で筆者撮影)

 山本氏は参院議員に当選した翌2014年から、モニター画面を携えて全国の街頭を回り、その場で市民とさまざまな問題について意見を交わしてきた。今年5月5日に福岡・JR小倉駅前で行った涙ながらのやり取りはネット動画で広まり、大きな反響を呼んだ。

 7月の参院選期間中はモニター画面が使えないため中断したものの、回数を重ねるごとに人が増えている。同党があまりテレビで取り上げられない「放送禁止物体」(山本氏)のため、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)との相乗効果があったとみられる。首都圏で開かれる「街頭会見」は黒山の人だかりで、議席倍増と政党要件獲得に寄与した。

 この社会現象にいち早く反応したのが共産党である。9月21日、小池晃書記局長が東京都の板橋区と北区、世田谷区を回り、街頭で市民からの質問に答えた。北区の赤羽スズラン商店街では、池内さおり前衆院議員とともに、介護や年金、消費税などについて言葉を交わした。早速、動画がユーチューブに投稿され、誰でも見ることができる。

 共産党広報部によれば、この「街角トーク」は従来から実施されてきた。ただし、9月15日の第7回中央委員会総会で「第28回党大会成功をめざす党勢拡大大運動」の一貫として「強化」が決まった。野党連合政権構想を打ち出した同党としては、草の根の力を掘り起こしたい思惑がある。

 同広報部の責任者は「都道府県や地区、支部での意見交換はあるが、安倍政治がひどいといった声は党に無関係な人にも広がっている。2年以内に総選挙を控える中、一方的な意見でなく、国民の意見に耳を傾けたい。答えられない場合もあるだろうが、そのときは党に持ち帰る。対話することが重要だ」と説明する。

 こうした動きを国民民主党は静観しない。玉木雄一郎代表は2日の記者会見で、国民との対話の場を設ける「全国ツアー」を始めると発表した。党の知名度や参院選で訴えた「家計第一の経済政策」の周知を図る。「パクるつもりはないが、参考にさせていただいた」と、れいわの影響を示唆した。

 国民の場合も、SNSとの組み合わせを意識する。玉木氏は「(先の)参院選挙は、ネットの力が議席に影響を与えた初めての国政選挙だったが、われわれは反省点が多い」と述べ、代表直属のネット対策チームを党内に設ける方針を示した。3日には、『ニコニコ動画』に生出演し、ネット視聴者と対話した。

 模倣とも受け取られそうな動きについて4日、山本氏は「共産党さんは97年の歴史がある党。ほとんどのことを最初にやったと言っても過言ではない。『おいおい、うちがやってる』。そんなけちくさい話ではない」などと独創を否定した上で、次のように述べた。

 「1人でも多くの議員が街に出て人々に対して政治をかみ砕いて伝えてコミュニケーションするのは、非常に重要なこと。まさに政治の原点。そこで生まれた議論が次の課題につながったことがこれまでも私たちにあった。これを他にも始める政党があるなら、ぜひやっていただきたい」

 消費税をはじめ、TPP(環太平洋経済連携協定)や事実上の日米FTA(自由貿易協定)、憲法改正など、国民の望まない法律や条約が次々と決められている。市民との直接対話は政治家にとって勇気を要するが、人々の声を拾い上げる形が政治の標準になれば、この国に生きる息苦しさも緩和されるかもしれない。

「国売る政治家になぜ声荒げないのか」と山本太郎、「反日」中傷に 帯広

Net IB News https://www.data-max.co.jp/article/31679?rct=nation

 「れいわ新選組」の山本太郎代表が27日、北海道帯広市内で今ツアー最後となる街頭記者会見を開き、最初に北海道を回った理由について「誤った政策によって衰退していく象徴」と説明するとともに、自身が時折「反日」呼ばわりされることに対し、「この国を切り売りしていくような政治家たちに対してどうして声を荒げないの」と反論した。

聴衆に語り掛ける山本氏(2019.9.27筆者撮影)

 18日に利尻島から始めた北海道ツアーは10日間をかけて稚内、網走、釧路、根室、札幌、旭川を回った。要望に応え、場所と日程を一部拡大したが、天候のため、礼文島と根室でのポスター張りが中止になった。

 最終日、JR帯広駅北口広場には約200人の市民が集まった。地元ボランティア約20人が設営やグッズ販売、ポスター配布、寄付受付などを手伝った。午後5時半から2時間20分超、山本氏が市民と言葉を交わした。

 冒頭、山本氏が北海道を最初のツアーに選んだ理由について説明した。「国会議員として6年間見た政策が地方創生につながったかと言ったら、寄与していない。もうかったのは東京のコンサルと、政治とつながった一部の業者だけ」と退けた。

 今ツアーの最中、ある自治体の市長から「小泉政権以降、地方交付税の約1割が削減された。民主党政権で戻ったが、安倍内閣でまた絞られている」とこぼされたことを明かし、「かなり厳しい状況。地方を盛り上げるなら、まず予算を。何を今さら東京五輪だ」と指弾すると、「そうだ」との歓声や指笛が起きた。

 安倍・自民党が「TPP(環太平洋経済連携協定)断固反対」との公約をほごにし、事実上の日米FTA(自由貿易協定)で「TPP以上のものを差し上げる道筋を付けている」ことを挙げ、「もうはっきり言って、この国に生きる人のことは目の中に入っていない」と突き放した。

 「誤った政策によって衰退していく象徴はどこかと考えたら、北海道だと思う。この北海道から日本を変えようと、皆さんと約束しながらやっていきたいと、スタートの場所にした」と説明した。

 会場から、洗剤や柔軟剤などに含まれる香料から来る「香害」問題について意見を求められた。別の女性が住宅リフォームをきっかけに化学物質過敏症に苦しんでいる現状を報告。山本氏は、「調べる」と興味を示した。

 憲法改正について、山本氏の見解を求められた。山本氏は「安倍政権下では反対。自民党政権下でも反対」と表明。2012年に自民党が発表した憲法改革草案の中身に触れ、「憲法の意味を分かっていないから」と述べ、権力を縛るための憲法で国民を縛ろうとする姿勢を戒めた。

 2018年3月に自民党が挙げた改憲4項目について、「9条への自衛隊明記や合区の解消など3つはダミー。本丸は緊急事態条項」と看破。「これは独裁者にとって自由に使える魔法のつえ」とけん制した。

 一方、「ただし、憲法は全くいじってはいけないとは思わない」として、集団的自衛権を認めた2015年の安保法に言及。「解釈による憲法違反詐欺を取り締まる文言を入れるべき。しかし、今は無理。憲法の重要さが国民にまだ理解されていない」との考えを示した。

 年金について「払う意味があるか」と20代の主婦から質問があった。山本氏は「年金は破綻しない。給付額が減るだけ」と断じた。現役世代が高齢者を支える賦課方式を前提とする現制度では、少子化を解決する以外ないとして、教育投資や公的住宅の確保、低収所得世帯への補填(ほてん)の3つの政策を提案した。

 終盤、山本氏は「私がやりたいことは、死にたくなるような世の中をやめたいということ」と切り出した。毎年2万1000人以上が自殺、50万人以上が自殺未遂し、10代から30代までの死因の1位が自殺であることを挙げ、「もう、壊れてる。狂ってる」と嘆いた。

 子供の7人に1人、単身女性の3人に1人が貧困である一方、税の滞納の6割を消費税が占め、ほとんどが中小企業である実態を挙げ、「れいわ」が消費税廃止や時給1500円「政府が補償」、奨学金チャラなどを訴えている理由を説明。次のように続けた。

 「こうやって街頭でしゃべっていると『反日』と言われることがある。『日本をおとしめているやつだろう』と。ちょっと待って。日本をおとしめるような政治を進めている人たちが国会の中にいるのに、どうしてそっちに文句を言わないの」

 「たくさんの貧困、生活困窮を生み出し、中小企業の首を絞めている、まさにこの国を切り売りしているような、この国に生きる人たちの首を絞めるような政治家たちに対して、どうして声を荒げないの。どうしてメッセージを伝えないの」

 その上で山本氏は、「20年以上続くデフレの原因、経済政策の間違い。デフレのときに増税するばかがどこにいるんですか」と憤った。

 「財政再建、財政規律の議論が必要というなら、ちゃんとこの国の景気を立て直してからにしてくれますか。数々の貧困や生活困窮がある中で、増税をしたら人、死にますよ」

 実際、消費税を3%から5%に引き上げた翌1998年、自殺者数が激増していて、失業率と自殺者数は相似形を成す。

 山本氏は日銀資産循環統計をグラフに示し、政府の赤字が国民の所得増と相関関係にあることを解説。国債のさらなる発行による財政破綻の懸念に対しては、財務省が2002年にムーディーズやS&Pなど格付け会社に出した「自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」「ハイパーインフレの懸念はゼロに等しい」などの反論を紹介した。

 帯広市内に住む60代の夫婦は初めて山本氏の演説を聞いた。印象について妻は、「まともな人だ。長く生きてきた人間として恥ずかしい。こういう人をちゃんと(国会に)出してあげられない。くだらない人間ばかり国会議員にしていることが」と吐露した。

 今後の期待について夫は、「トンデモ法をとにかく全部なくす。特定秘密保護法のときから怒り心頭に発している」と述べ、同法やTPP協定、PFI法、水道法、カジノ法などの破棄・廃止を切望した。

日銀資産循環統計からのグラフ(2019.9.27筆者撮影)

山本氏(2019.9.27筆者撮影)

開始時の聴衆(2019.9.27筆者撮影)

「おもてなし」は奴隷国家の宣言(再掲)

 ジャパンハンドラーズのカウンターパートのプリンスが奴隷儀式の広告塔をめとるという落ちが付いたので、2015年7月28日に書いた以下の記事を再掲する。

 2020年の東京五輪を控え、準備が着々と進められている。競技場だけでなく、外国人の慣習に沿った硬軟両面での整備が広範な分野で進む。「おもてなし」は、日本人が外国人のしもべとして尽くす宣言に聞こえてならない。

首都圏を租界化する戦略特区
 外国企業による日本侵略を促す制度に国家戦略特区があるが、「東京圏」は五輪を契機に「世界で一番ビジネスがしやすい環境を整備する」を目標に掲げる。政策課題は「グローバル企業に対する雇用条件の整備」「外国人向け医療の提供」「外国人の滞在に対応した宿泊施設の提供」など10項目あるが、外国人優遇策が目白押しだ。

 具体的には、外国人の起業や留学生の起業・就職を容易にする「高度外国人材の受け入れ推進」やメイドなど「外国人家事支援人材の受け入れ」、「外国人介護人材の活用」、医療では「保険外併用療養の特例」導入や医療ツーリズムの実施、外国医師が外国人患者を診る業務解禁、国際医学部の新設などが並ぶ。

 外国人滞在を支援するため旅館業法に特例を設けるほか、農地転用を容易にするため許可権限の農水大臣または知事から市町村長への移譲や、法人税減税の検討も盛り込む。

 一方、雇用については「雇用労働相談センター」を開設し、ベンチャー企業やグローバル企業を支援する。これは福岡市のいわゆる「解雇特区」でも出てきた機関で、企業側の運営で従業員を切りやすくする装置である。

 特区内の労働者は日本人である。しかも、外国人向け医療やカジノを日本人は利用できない。プライベートジェット機専用の滑走路を羽田に整備しろとの提案も出ている。まさに首都圏を租界化するプロジェクトである。特区で規制緩和をやれば、ラチェット条項で戻せない。

 注目すべきは、「特区」が政権交代に関わらず一貫して推進されてきたことである。小泉政権の「構造改革特区」に始まり、菅政権の「総合特区」、安倍政権の「国家戦略特区」に続く。もともと『年次改革要望書』に盛り込まれていたものであり、世界の支配権力がわが国を計画的に占有しようとの意図が見え隠れする。

太らせ刈り取る支配権力
 戦争で勝ちながら、技術を教え込んで去るお人好しの国などない。経済安定九原則やドッジ=プランで日本経済の自立を支援したのは何のためか。プラザ合意も構造改革も、初めから企図されていたと考えるべきではないか。

 国際的なスポーツイベントは支配権力が画策し、ブラックユーモアを世界に発信する場だ。1964年の東京五輪は、「わが国を太らせる宣言」だったのではないか。開会の10月10日はユダヤ教の祭日である。

 二回目の東京五輪は、「刈り取り宣言」と目する。「計画的に」との表現に反発を感じた読者もいるだろう。ならば、なぜわが国のインフラは安普請なのか。鉄道に枕木を使い、街路には電柱が立ち並び、電線がクモの巣のように張る。高速道路は国道や鉄道の高架の上をむき出しで走り、川をまたぐ。

 わが国の国民1人当たりGDPは世界1を記録しながら「ウサギ小屋」に住んできた。役員報酬も驚くほど少なく、一般の従業員と大差ない。物の値段が定価なのはなぜか。あくまで労働要員として、横領できないようにするためではないのか。礼儀正しく、行列をつくって順番を守り、サッカー場では来たときよりも美しく掃除して帰る。不平があっても跡を濁さず、にこにこして辞める。

 こうした立ち居振る舞い方は、外資による略奪を円滑にしたのではないか。そもそも、なぜ外国人がテレビや映画に普通に出ていたのか。商店のチラシもマネキンも、全部外人ではなかったか。舶来音楽と相まって、経済降伏に先立って文化的併合をさせたといえないか。

 ちなみに近年、「最近のマスコミはけしからん」という声を聞くようになった。5大紙とNHKはそろって消費増税、TPP、日米同盟の強化を主張しているからだろう。しかし、マスメディアは誕生時から民衆をだますために発明され、本来の役割を発揮してきたことは、戦前の反米報道や戦中の大本営発表、占領期のウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムを見れば一目瞭然(りょうぜん)のはず。1960年代から続く成長期、つまり「太る」段階においてはメディアと国民が利益共同体だったから気付かなかったにすぎない。ゆでられ始めたカエルは心地よい。

収奪者に尽くす主権者
 成長から「刈り取り」に転換する予兆はあった。その象徴が「秋葉原通り魔事件」である。すなわち、秋葉原が技術立国日本の陳列棚から奴隷と殺りくの舞台に転落したことを世界に宣伝する儀式だった。エプロンドレスに身を包んだ日本人が「ご主人様、お帰りなさい」と仕えるメイド「文化」は創られたものである。一般人の大量殺傷は、来る戦場行きを暗示した。

 本来主人である国民の奴隷化と、戦場行きは着々と進んでいるではないか。18歳以上への選挙権年齢の引き下げはすでに決まり、派遣労働の受け入れ期間の制限撤廃を盛り込んだ労働者派遣法改正、集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案は今通常国会で成立する見通しだ。

 国民資産の略奪も完了寸前だ。三角合併の解禁で、主要企業の株式の7割は外国人の保有。GPIFの「より機動的な運用」で、年金基金はハゲタカに運ばれている。日本郵政の親子同時上場で、戦後の国民の汗の結晶である郵貯・簡保資金は国際金融資本家の手中に収まるだろう。

 一方、国民経済は財政赤字を理由に投資を手控え、税は直間比率をますますいびつにする。働く女性を礼賛して国民の残り半分にも課税しつつある。職場では英語を公用語とする企業が増えていて、「真性保守」を自認する安倍首相は小学6年生から英語を必修化する。

 主人とゲストの主客逆転は、すでに起きている。先日、九州新幹線に乗ったら、グリーン車と指定席は外国人ばかり。最下等の一般車に主権者の日本人がおとなしく座り、仕事をしていた。

 今や駅をはじめ、街の至る所に外国語表示がある。外国人に喜んでもらえるよう、言葉を覚え、地域を案内する講座を自治体が率先して開く。われわれは富を献上し、一層劣悪な条件で働きながら、大量に上陸する収奪者に尽くす。これが「おもてなし」の実態である。

 世界へ向けた「おもてなし」のプレゼンで占領儀式の開催を引き寄せた女性が、合いの子であることに注意する必要がある。「合いの子」の表現に抵抗感を抱く読者もいるかもしれない。しかし、差別を助長するとして「国際児童」などへの言い換えが定められているのは、彼らの増加を促す意図があるからではないか。偏見には共同体を守る歴史的英知が潜むとエドモンド・バークは指摘している。

 支配権力は来る東京五輪を、奴隷国家日本の誕生を祝う式典にしたいのだろう。この屈辱的儀式に景気回復やお祭り騒ぎを期待していては、悪夢の実現を後押しするだけだろう。

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       高橋清隆

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反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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