高橋清隆の文書館

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新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

総がかり

立憲民主は「最後の弾」か 菅原文太の予言

 江崎孝(えさき・たかし)参院議員は19日夜、国会議員会館前で開かれた市民集会で、立憲民主党に俳優の故・菅原文太さんの未亡人、文子さんから花が届いたことを明かし、名ぜりふ「まだ一発残っとる」弾が同党ではないかとの思いを吐露した。

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雨の中、集まった約1200人の市民に立憲主義の尊さを説く江崎氏(2017.10.19筆者撮影)

 江崎氏は、憲法改正に道を開く同96条改正に反対する立憲フォーラム事務局長で、立憲民主党の設立にも関わる。この日、「市民と野党の共闘で、総選挙で改憲推進勢力に審判を」と題された集会(主催・全国市民アクションなど)に山添拓参院議員(共産)とともに参加した。

 マイクを取った江崎氏は、東京・港区新橋にある立憲民主党の選対本部に「いのちの党・菅原文子」と書かれた花が贈られたことを報告。文太さんが亡くなる直前の14年11月1日、沖縄知事選に立候補している翁長雄志(おなが・たけし)現沖縄知事の「1万人集会」に駆け付けたときの演説を回想した。

 文太さんはそこで、対立候補の仲井眞弘多(なかいま・ひろかず)氏(当時自民推薦・現)に向け「仲井眞さん、弾はまだ一発残っとるがよ」とけん制した。自身が出演した映画『仁義なき戦い』の最後で、「山守さん、弾はまだ残っとるがよ。一発残っとるがよ」との名ぜりふを吐いている。

 江崎氏はこのエピソードを紹介し、文太さんが国民を飢えさせないことと戦争をしないことを政治の役割だと訴えていたことを強調。「贈られた花はまるで、天国から『ほら見ろ、弾は残っとったろうが』と言っているように見えた」と語り、文太さんが予言した「最後の弾」が立憲民主党ではないかとの思いを吐露した。

 その上で、「立憲民主党は国民一人ひとりの心の中にある勇気、希望と知恵、魂が最後の最後に推し上げて頂いた新しい党だと思う」と述べ、改憲勢力の暴挙によって一時そがれた野党共闘の発展に期待をかけた。


安倍糾弾デモ 民進議員来ず、自由も意思不明

 臨時国会が召集された28日正午、衆院第二議員会館前で安倍改憲を糾弾する1300人規模の市民集会が開かれたが、野党4党のうち民進党議員は参加せず、自由党の森裕子参院議員も「政権交代」を強調するばかりで、野党議員の希望の党への擦り寄りを印象づけた。

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「たった1回の選挙で政権交代が可能」と小選挙区制の威力を強調する森氏(2017.9.28筆者撮影)

 この集会は総がかり行動実行委員会など3団体が主催する「『憲法9条を変えるな!安倍内閣退陣9・28臨時国会開会日行動』。安保法制が可決した19日など月1回以上抗議集会を開いてきており、毎回4野党の議員が参加し、市民と野党の連帯を訴えてきた。

 野党4党間には大きな温度差があった。議員で最初にマイクを取った森氏は今回の解散を「安倍総理による安倍総理大臣延命のための究極のわがまま解散」と表現し、「こんなひどい総理は今まで見たことがない」と批判した。

 森氏自身が当選した昨年7月の参院選と同年10月の新潟県知事選を振り返り、「野党と市民が力を合わせれば勝てることが証明された」と市民との共闘を強調。「安倍総理による恐怖政治を決して許さない」と主張した。

 しかし、どこと共闘するのかについて言及はなかった。森氏は「今、野党結集に向け、大きな政治のダイナミズム、流れが出てきた。必ずこれを政権交代へつなげていく。どんな結集、共闘になるか、後押ししてくださるのは皆さん市民・国民のたゆまぬ活動。力を合わせて共に闘おう」と抽象論に終始した。

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「野党4党でつくり上げてきた共闘で、改憲阻止を」と訴える福島氏(2017.9.28筆者撮影)

 一方、社民・共産両党の姿勢は明確だった。社民党の福島瑞穂副代表は今回の冒頭解散を「憲法違反の大義なき解散」と表現。憲法53条が定める臨時国会の召集を3カ月放置し、1秒も審議せず解散したことをやり玉に挙げ、「憲法と民主主義を踏みにじる安倍政権退陣を民主主義の力で勝ち取ろう」と呼び掛けた。

 福島氏は、希望の党について「憲法改正を公約に掲げている。(代表の)小池百合子氏は衆院選を安倍総理と一緒にやるとも言っている。秘密保護法を賛成し、戦争法に賛成した。共謀罪に反対なのか。共謀罪廃止法案に賛成してくれるのか」と疑問視。

 その上で、「大政翼賛会になだれ込む歴史を、私たちはつくってはならない」と注意喚起した。

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志位氏は野党共闘について「できる限り一本化するが、希望のかけらもない候補を出された場合、独自の候補者を出すことも有り得る」と宣告した(2017.9.28筆者撮影)

 共産党からは所属する衆参両議院全員が駆け付けた。志位和夫委員長は冒頭解散を「これほど道理のかけらもない、これほど横暴なやり方はない」と指弾した。来る総選挙について「最大の争点は安倍首相自身だ。安倍首相の暴挙政治をこのまま続けていいのかが争点」ときっぱり。

 希望の党について「あの顔ぶれは自民党政治の中枢にいた人や、野党共闘が嫌だと民主党を出た人、ウルトラ右翼の人が集まっている。昨日の記者会見では『安保法制容認』とはっきり言った。9条を含む改憲を進めると言った。顔ぶれと内容を見ても、自民党政治の補完勢力と言わざるを得ない。こういう勢力との共闘、連携は不可能」と両断した。

 その上で志位氏は、「こういう困難が持ち込まれても、市民と野党の共闘は断固推進していかなければ」と主張。代表が希望の党への合流を提唱する民進党の両議員総会について、「民進党がこれまでの4党合意を誠実に守るという決定をしていただきたい」とけん制した。

 野党第一党の民進党議員の姿は見えなかった。同党幹事長代理の福山哲郎参院議員が一旦来たが引き返したとの報告があった。

 民進・自由両党の変化の予兆はあった。安保関連法可決から2年たつ19日、国会前で開かれた「戦争法・共謀罪の廃止と安倍内閣退陣を求める大集会」に自由党は欠席。小沢一郎共同代表のメッセージが読み上げられた。

 共産・社民両党が党首級を参加させたのに対し、民進党は党参院議員会長の小川敏夫氏を送り込むにとどまった。小沢氏が前原・小池両氏と水面下で合流の交渉を重ねていたことがうかがえる。

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国会に向け、「国会解散徹底抗議」「党利党略解散抗議」などとシュプレヒコールを上げる市民(2017.9.28筆者撮影)

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野党4党議員と市民が共闘誓う 国会前に1万人超

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 安保関連法可決から2年の19日夜、国会前で「戦争法・共謀罪の廃止と安倍内閣退陣を求める大集会」が開かれ、市民約1万500人が「野党は共闘」を叫ぶ中、野党4党の国会議員が総選挙での共闘による安倍政権打倒を誓った。

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「選挙で安倍政権を思い知らせてやろう」と訴える小川氏(2017.9.19筆者撮影)

 集会に駆け付けた民進党の小川敏夫参院議員は、「野党は共闘だ」と声援が飛び交う中でマイクを取った。臨時国会冒頭での解散を予定する安倍内閣について「森友疑惑、加計(かけ)疑惑がどんどんひどい状況になっているから、国会を開いてられないのだろう。国民の声も聞かないで、本当にひどい政権」と批判した。

 森友学園での地中ごみの作り話や加計学園の建設費水増し、金融緩和や年金資金投入による株価つり上げに言及し、「資産家だけいい思いをさせている。働く人、生活する人の視点に立った政治を今、野党が力を合わせて実現しなければ。民主主義と平和を守るため、こんな気違い沙汰の安倍政権は絶対に倒さなければならない」と訴えた。

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「安倍政権を倒すためには共闘が必要」とくぎを刺す志位氏(2017.9.19筆者撮影)

 共産党委員長の志位和夫衆院議員は憲法53条に基づいて野党4党で臨時国会の召集を申し入れてきたことを挙げ、「3カ月間、放っぽらかしておいて、開くと思ったら審議もしないで解散。疑惑隠し・憲法違反の暴挙」と両断した。

 志位氏は「2年前、この国会前で皆さんとともに立ち、『野党は共闘』のコールが響いた。その声に押されて4野党として共闘に取り組んできた」と振り返った。昨年の参院選と新潟県知事選、今年7月の仙台市長選を挙げ、「みんなが1つになれば、安倍政権を倒せることが証明された」と指摘。

 「野党共闘は市民がつくったものであり、国民の共有財産。この共闘を成功させ、安倍政権を退陣に追い込もうではないか」と呼び掛けた。

 自由党からは、共同代表の小沢一郎衆院議員のメッセージが読み上げられた。この中で小沢氏は、安倍首相による森友・加計の両疑惑や教育勅語奨励、憲法無視の自衛隊派兵、経済格差の拡大などをやり玉に挙げ、「勇気を持った人間が政権の不正を告発しようとすると、権力やメディアを使ってプライバシーを暴き立てて徹底的に弾圧する。一体どこが美しい国か。この国は今、明らかに恥ずかしい国、おぞましい国に向かっている」と指弾した。

 メッセージはさらに、「このままではこの国は戦前に逆戻りする。止めないと未来はない。安倍政権を倒すという一点で何としても協力する必要がある」とつづられ、「力を合わせよう」と結ばれていた。

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「野党は共闘。市民は共闘。保守的な人とも共闘して安倍退陣を」と説く福島氏(2017.9.19筆者撮影)

 社民党副代表の福島瑞穂参院議員は予定される冒頭解散を「解散権の乱用で、憲法違反」と一蹴した。自身が予算委員会で加計学園疑惑について質問を予定していたことを明かし、「この解散は疑惑隠し解散。こんなふざけた解散を国民は許してはならない」と主張した。

 福島氏は14年の特定秘密保護法に始まる悪法の積み上げを列挙し、「来年2018年の改憲を、戦争できる国の工程表の総仕上げにしようとしている。日本の平和とみんなの命をたたき壊そうとする安倍政権を、国民の力で退陣させよう」と述べ、一人ひとりの口コミ戦術とあらゆる人との共闘を提唱した。

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「私たち市民と野党は立憲主義と戦争法反対で一致している」と強調する高田氏(2017.9.19筆者撮影)

 主催者の「総がかり行動実行委員会」を代表して高田健氏があいさつに立ち、2年前の徹夜の国会前行動を回想した。「その後も、この場所にたくさんの人がずっと集まってくれた。この力が南スーダンの自衛隊を撤退させたと思うし、戦争へと向かう中で、辛うじて危機を食い止めている」と強調。

 「昨年の参院選で、野党4党と市民の結束の下、新しい闘い方を生み出した。こうやれば勝てるという形を闘いの中で生み出した」と省察した。

 予定される解散について「何を有権者に問うのか、さっぱり分からない。今なら最悪の事態にならないですみそうだからという、たったそれだけの理由」と突き放した。

 「Jアラートを鳴らし、新幹線を止め、みんなを地べたに伏せさせておきながら、自分は国会を空っぽにする。何やってんだ、安倍内閣は」と声を荒げると、「そうだ」「安倍やめろ」と賛同の声が飛んだ。

 「私たちは立ち向かう。倒すためには小さな問題でこの共闘を崩すことはできない。それはまさに安倍総理が狙っていること。安倍の狙いに乗るわけにはいかない」と説いた。その上で「今日、ここに集結したこの力を、安倍内閣を倒した歴史的な行動の出発点にしよう」と鼓舞した。

 怒りに燃える市民は「安倍政権は必ず倒そう」「野党は共闘」「市民と野党は共闘するぞ」「みんなの力で政治を変えよう」などとシュプレヒコールを上げた。

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政治の私物化を糾弾する市民(2017.9.19筆者撮影)

「共謀罪は廃止できる!」 日比谷野音に3000人

 共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法の成立から3カ月目の15日、同法の廃止を求める集会が東京の日比谷野外音楽堂で開かれ、3000人が集まった。市民は反対運動の展開によって同法を作動させない決意を確認するとともに、野党議員は臨時国会で廃止法案を提出することを表明した。
 
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「共謀罪NO!」の意志表示をする市民(2017.9.15筆者撮影)

 主催したのは「共謀罪NO!実行委員会」。同法が7月11日に施行されたのを受け9月7日、市民団体や法律家団体、消費者団体などが結成した。アムネスティ・インターナショナル日本や日本消費者連盟、総がかり行動実行委員会など14団体が参加する。

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共謀罪廃止貫徹を誓う山口氏(2017.9.15筆者撮影)

 初めに、主催者を代表してアムネスティ・インターナショナル日本の山口薫氏が「私たちは今、市民運動の危機に直面している。この危機感から連絡会を結成した」と結成の経緯を説明した。

 山口氏は同法の問題点として、〇憶)〔外儖会の審議を打ち切って(本会議で)採決されたこと◆峩λ店坩戞廚蕨辰傾腓Δ世韻悩瓩砲覆覯椎柔がある。準備行為の定義があいまいで広範にわたるこうした準備行為を特定するために日常的な監視が行われる恐れ——を挙げた。

 その上で、「共謀罪法は廃止できることを皆さんにお伝えしたい」とあきらめない姿勢を示し、賛同の拍手を受けた。

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国連特別報告者の指摘に対する政府の対応も批判する海渡氏(2017.9.15筆者撮影)

 「共謀罪NO!実行委員会」の弁護士、海渡雄一氏は同法を「277種類の罪について犯罪の合意だけで処罰するもの。組織的威力業務妨害や組織的強要罪、信用毀損(きそん)罪などの共謀罪は、国や企業の活動に対し批判を展開する市民活動や労働運動に適用される可能性がある」と解説。

 沖縄の米軍北部訓練場ヘリパッド建設に反対する沖縄平和運動センターの山城博治議長が逮捕され5カ月も勾留されたり、経済産業省前で脱原発の運動をしていた男性が逮捕されたこと、エドワード・スノーデン氏が暴露したようにNSA(米国家安全保障局)が日本の公安に諜報(ちょうほう)システムを譲渡していることなどを挙げ、「公安警察による市民監視と弾圧強化の兆候が見え始めている」と指摘した。

 その上で海渡氏は、「悪法は早いうちに芽をつぶさなければ、戦前の治安維持法のような悪法に育っていきかねない。反対運動を存在させることによって共謀罪法の作動を止め、政権交代したときに廃案に持ち込もう」と訴えた。

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政権交代の緒戦として10月22日の衆院補選での野党共闘を訴える有田氏(2017.9.15筆者撮影)

 国会議員も駆け付け、連帯のあいさつをした。民進党の有田芳生(ありた・よしふ)参院議員は「28日からの臨時国会で、野党の力で廃止法案をまとめ、提出する」と表明。「それだけではない。何としてもみんなの力で共謀罪を廃止する新しい私たちの政府をつくろうではないか」と呼び掛けた。

 有田氏はいつ総選挙があってもおかしくない状況であることを強調し、4年間の政権公約を野党で作ることを提案。具体策として、「共謀罪法」や「戦争法」の廃止、アベノミクスをやめさせる、憲法改正阻止などを例示した。

 1930年代、スペインやフランスで反ファシズムの統一戦線ができたことを紹介し、「今、私たちが立ち向かわなければならないのは、安倍政権。そのために野党が一致して選挙でも勝つ態勢をつくっていくことが重要。私たちの政府を」主張した。

 共産党の藤野保史(ふじの・やすふみ)衆院議員は、共謀罪施行前に法務省と警察庁が全国の警察と検察に出した通達に言及。「この通達をいくら読んでも、一体何をしたら共謀罪で捕まるかさっぱり分からない。結局、判断は警察マター。恣意的乱用を防ぐ仕組みが全くない」と問題視した。

 藤野氏は警察庁の来年度概算要求に「テロ対策予算」と銘打って今年度の倍以上の額が計上されていることに触れ、「具体的には国内外における情報収集、現場執行力の強化などの項目が非常に大きく増えている。テロ対策を口実に国民監視を強めようという安倍政権の姿勢がはっきり表れている」とけん制した。

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「安倍総理には約束通り辞めてもらおう」と福島氏(2017.9.15筆者撮影)

 社民党の福島瑞穂参院議員は同法廃止へ向け野党4党が結束したことを喜び、「どんなことがあっても廃止法案を提出し、そのことによって共謀罪を作動させない。さらに共謀罪を廃止できる数を選挙で一緒につくっていこうではないか」と呼び掛けた。

 「共謀罪は労働組合や市民の運動、平和運動などの弾圧のために使われてきた」と指摘し、1960年代の米国でベトナム反戦運動を展開し暴動の共謀容疑で逮捕され裁判で無罪になった「シカゴ7」の言葉を引用。

 「もしも戦争を終わらせる共謀があるのなら、自分たちもその共謀に参加しなければならない」

 「まさにそうではないか。戦争を止める共謀、人権を守る共謀、働かせ改悪を止める共謀……。みんなで一緒に力を合わせようではないか。安倍内閣を1日も早く打倒しよう」と訴え、「そうだ」の歓声と拍手を浴びた。

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各参加団体の代表者からの発言(2017.9.15筆者撮影)

 参加団体の各代表者からの発言の後、日本消費者連盟事務局長の纐纈美千世(こうけつ・みちよ)氏が集会宣言を読み上げた。特定秘密保護法で知る権利がゆがめられ、通信傍受法で通信の秘密が危うくなり、さらに共謀罪の施行で言論・表現の自由に対する制約が急速に進んでいることを指摘。「このままでは民主主義のプロセスが破壊されてしまいます。私たちの共謀罪廃止の闘いはその実現まで、決して終わることはありません」と結んだ。

 集会の後、参加者たちは「言論封じの共謀罪は要らない」「内心の自由を奪わせないぞ」「テロ対策とうそつくな」などとシュプレヒコールを上げながら、銀座までデモ行進した。

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内幸町の日比谷通りを進むデモ隊(2017.9.15筆者撮影)



「安倍改憲阻止の一点で結束を」、市民アクション発足集会

 「安倍9条改憲NO!全国市民アクション(市民アクション)」の発足集会が8日、東京都中野区内で開かれ、発起人ら有識者が演説した。実行委員会を代表して高田健氏は「安倍改憲阻止の一点で結束を」と呼び掛け、1500人を超える市民が気勢を上げた。

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戦争阻止へ空前の共闘を呼び掛ける高田氏(2017.9.8筆者撮影)

 「市民アクション」は安倍晋三首相による憲法9条改正を阻止するために4日、結成された。「戦争させない1000人委員会」や「解釈で憲法9条壊すな!実行委員会」など19団体で構成する「総がかり行動実行委員会」のほか、「九条の会」や「安全保障関連法制に反対する学者の会有志」「安保関連法制に反対するママの会」など加盟団体や賛同団体が参加する。

 発起人には作家の落合恵子氏やルポライターの鎌田慧(さとし)氏、哲学者の梅原猛氏、精神科医の香山リカ氏、ジャーナリストの佐高信(まこと)氏など19人が名を連ねる。

 あいさつに立った「総がかり行動実行委員会」の高田氏は、2020年改憲を公言した安倍・自民党政権が目標時期を前倒しで進めていると指摘し、「この全国市民アクションは、安倍9条改憲に反対する可能な限り広範囲な共闘を目指すもの。私たちはさまざまな意見や立場を乗り越えて、この一点で結束して闘う」と表明した。

 さらに高田氏は、「安倍政権下での憲法論議をしないのは間違いとの意見を聞くが、そうではない。99条に反し、立憲主義に違反する安倍総理と、まともな憲法論議などできるわけがない。私たちが「安倍改憲NO!」と言うのはこの意味において」と、新団体の命名意図を説明した。

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60年安保を超えた市民運動と労働運動の結合を唱える鎌田氏(2017.9.8筆者撮影)

 鎌田氏は、北朝鮮のミサイル発射や核実験に触れ、「緊張が高まっているが、安倍内閣は戦争しないとの決意が全くない。とにかく米国の尻馬に乗って米国の指示に従うことしか考えていない」とやり玉に挙げた。

 「しかし、私たちの決意は絶対戦争はしない、戦争は食い止める形で戦後ずっと闘ってきた。安倍内閣の言う積極的平和主義は、軍備強化して平和を守ろうという全く間違ったもの。9条を変えるというのは先輩たちに対する侮辱であり、攻撃だ」と批判した。

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「自民に天罰、公明に仏罰、維新と日本ファーストに神罰を」と佐高氏(2017.9.8筆者撮影)

 佐高氏は日本国憲法が男女同権と国際協調の精神によって成り立っていることを説明し、「これは天皇制と真っ向から対立する」と指摘。最近、夕刊フジに掲載された北朝鮮問題をめぐる亀井静香衆院議員(無所属)の発言を紹介した。

 「米国は今、どんどん北朝鮮を追い込んでいる。日本も日米同盟が大事と言って、米国と一緒に合同軍事訓練をやっている。日米間に真の友情があるなら、軍事的威嚇をやめさせるべきだと主張していた。そして、米国がそれに乗らなければ、同盟関係を破棄するくらいの考えでやらなければと。こういう局面では、私たちは亀井さんまで巻き込んで安倍改憲を阻止しよう」と訴えた。

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「麻生のナチ発言、甘利のUR口利き、下村の闇献金疑惑、沖縄反基地運動の山城さんの5カ月に及ぶ不当勾留、稲田朋美の都議選での公職選挙法と自衛隊法に触れる発言、南スーダンPKOの消えた日報、森・加計疑惑…全部忘れちゃ駄目」と訴える落合氏(2017.9.8筆者撮影)

 落合氏は18年度概算要求で防衛省が2.5%強増の5.3兆円を計上し、弾道ミサイル攻撃への対応として約1800億円が盛り込まれていることに言及。「外国製の武器を買うようだが、これは陸上での迎撃ミサイルも含めない額。これだけのお金があれば、福島で住宅手当を打ち切られた方々がどれほど助かるか」と嘆いた。

 その上で、落合氏は「私の考える安全保障は〃法9条を守る▲謄蹐怖いなら、原発を廃炉にF本にある米軍基地をなくす。ターゲットになるから」と提言。「この3つを心に持って、小さな違いはそのままに、私たちは私たちの運動を大きく続けていこう」と呼び掛けた。

 社会派風刺芸人、松元ヒロ氏によるミニライブの後、憲法学者の清水雅彦日本体育大学教授がミニ学習会の講師を務めた。清水氏は、安倍首相の唱える加憲論について「日本会議メンバーで安倍総理のブレーン、伊藤哲夫氏の影響がある」と分析した。

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5月3日の安倍首相による改憲発言を「明らかな憲法違反」と断ずる清水氏(2017.9.8筆者撮影)

 伊藤氏が代表を務める日本政策研究センターの機関誌『明日への選択』16年9月号に掲載された論考を紹介。「改憲はまず加憲から」との考え方に基づき、単に「3分の2」の一角である公明党の主張に適合させるだけでなく、むしろ護憲派にこちら側から揺さ振りをかけ、「統一戦線」を容易に形成させないための積極的戦略を提言している。

 清水氏は、5月3日の憲法記念日に同センターが刊行した『これが我らの憲法改正提案だ』(伊藤氏ら3人の共著)を取り上げ、「ここにはさらに野党共闘に揺さ振りをかけるため、『公明や維新の会、民進党の一部も巻き込む』と書いてある。私たちが揺さ振られない運動をつくらなければ。とりわけ、民進党に頑張ってほしい。野党第1党として先頭に立って野党共闘を維持し、このような改憲の攻勢に立ち向かってほしい」と訴えた。

 その上で清水氏は、「安倍首相は『積極的平和主義』という言い方をしてきた。消極的平和主義が戦争しない、軍隊を持たないといった、何かをしないことによって得られるのに対し、積極的平和主義は本来、何かをすることによって得られる平和という考え方。日本国憲法前文は平和的生存権の権利主体を日本国民にせず、全世界の国民にしている。一国平和主義ではなく、これこそ積極的的平和主義。この理念を実現しなければならない」とくぎを刺した。

 最後に、実行委員会から行動提起がされた。全国で学習運動などに取り組むと同時に、9条改憲を許さない3000万筆の請願署名を来年5月までに集め、国民投票にかける前の国会発議をさせない構えだ。「戦争法」が可決した19日の毎月の国会議員会館前行動に加え、11月3日国会正門前、来年5月3日ほかの大集会を提案し、大きな拍手で了承された。

 友達と十数人で参加した東京大学教養学部の学生、小泉伊知郎さん(20)は「私たちは新安保法制が成立した15年に入学し、国会前のデモにも参加した。大学での軍事研究も解禁された年でもある。戦争法が通り、危険な任務も可能になったが、南スーダンでのPKOであまりに危ないため自衛隊が撤退した。これには9条がけん制になっている部分もあると思う。9条を変えられれば、歯止めが利かなくなってしまう。3000万人署名にも協力するが、それ以前に、多くの学生たちに問題意識を広げていきたい。賛否は一人ひとりが決めること。しかし、国民投票にかける以前に署名に協力し、発議させないために数の力で圧力をかけたい」と話していた。

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行動提起に拍手で応える満員の聴衆。入りきれない市民はロビーのモニターに見入った(2017.9.8筆者撮影)


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       高橋清隆

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反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。           

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