20120328-2

日常と非日常が溶け合っていくオーバードライブ感を体験せよ!

「ビッグコミックスピリッツ」に連載中の花沢健吾氏によるコミック作品。
掲載は2009年から。現在も続いています。
マンガ大賞2010で4位。マンガ大賞2011で3位にノミネート。

あらすじなどは記事後半に引用しておきますのでご興味がある方はご参照ください。
この作品はマンガ大賞に入った作品っていうことで、ネットの記事で初めて知りました。
マンガ大賞ノミネートといえば話題作であり、面白いのも間違いないだろう。尚かつどうもゾンビを扱っているような漫画らしいぞ。ゾンビ好きの自分だったら早速読んでみなくては。というような流れで接しました。

コミック数巻と読み進めて、キャラ設定がなかなかに興味深かったですね。

主人公の鈴木英雄は漫画家のアシスタント。恐がりで独り言が多く、妄想癖があったり。妄想の度合いが強いので、個人的には主人公に少し感情移入しづらいような気持ち悪さがありました。回を追っていくと性格が段々と分かってきて安心して見られるようにはなりますが。

ただ単に作者は一風変わった人物とか、リアルさとかを表現したかっただけかもしれないですが、妄想の異形怪物イメージが出て来たりとかはやりすぎ感が強いような気がします。ストーリーに関係あんのかなって感想。
ん、そういうイメージを持つ人がいるってこと実はリアルなのかもって今思いましたが、どうなんだろう。

自分のアシスタントという今の立場にコンプレックスを抱いていたり、気弱そうなところは現代の人物としては地味にリアリティがあり、導入としては引き込まれました。

あとはクレー射撃が趣味で散弾銃を所持してるということが特徴的でした。サバイバルになった時にどう役立つのかっていう、それ系の映画とか好きな人なら抱く期待感がありで。


ストーリーを通して一番オッと思ったところは、日常生活が急に異常事態に突入していく時のゆがみ感。日常だと思っていたものがとてつもなく異常な状態だと気づくまでの英雄の心の葛藤がリアルです。自体が飲み込めるまでだいぶ時間がかかったような気がします。

状況自体もガラッと変わるわけでなく、日常と異常が溶け合っている状態がやたらに長いのでそこはリアルです。実際、なかなか異常事態を大多数の人は容易に受け入れられないでしょう。

自分的には英雄が富士急ハイランドあたりまで逃げ延びて、睡眠を摂るまでが”萌え状態”でした。だいたいどういう作品を見ても、真相が分からない状態、事がはじまって混乱してる状態がなんだか好きですね。真相が明らかになってくるとそれだけで作品に対する興味が薄れてしまいます。

さらにアウトレットモールで逃げ延びた大人数と合流した時点でテンションがだいぶ下がります。「ドラゴンヘッド」望月峯太郎氏作で主人公達がトンネルから脱出して他の人間と出会った時のような状態。「ガンツ」奥浩哉氏作のよくわからないうちに星人と少人数で戦わされている状況から大人数がポロポロ出て来るまでの状態…

多分、人間が集まってしまうとそこでは個人のサバイバルから人間関係の物語に変わってしまうから自分には興味がないのでしょう。

作品は連載中でまだ完結していないので、ゾンビ物として展開がどうなるかの楽しみはあります。


とはいえ最新刊のアウトレットモールでのサバイバル脱出劇など大きなクライマックスなどゾンビ物好きにはたまらないものもあり目が離せない感があります。


■ストーリー
主人公・鈴木英雄は、漫画家のさえない35歳。デビュー作は連載開始後半年で早々に打ち切られ、借金も背負い、アシスタントをしながら再デビューを目指しネームを描いては持ち込む日々が3年を経たが、依然として出版社には相手にされない悶々とした日常を過ごしている。職場の人間関係も上手く行かず、さらに夜になれば何者かが忍び寄る妄想に囚われ、朝方まで眠れぬ生活が続いていた。そんな無為な日常の中の救いは、恋人である黒川徹子の存在。だがその彼女もすでに売れっ子漫画家になった元カレを何かと引き合いに出し、さらには酔うたびに英雄の不甲斐なさをなじる始末。

その一方、社会では2009年のゴールデンウィークシーズンを前にして、不穏な兆候を示す出来事が相次いで起こっていた。全国的に多発する噛み付き事件、町に増えてゆく警官の数、厚労相の入院と入院先での銃撃戦といった報道。英雄も深夜、練馬区石神井公園付近の雑木林で、タクシーに轢かれて両腕と右足が潰れ首が真後ろに折れても運転手に噛み付き奇声を発し立ち去る女性を目撃する[2]。だが、日々の生活で手一杯の英雄らにそれらを気に留める余裕などあるはずもなかった。

そしてある日、そんな日常は思いもよらない形で崩壊を始める。英雄の眼前に繰り広げられるのは、周囲の人々がゾンビのような食人鬼と化す謎の奇病が蔓延、彼らに噛み付かれた者は感染者となり次々と増えて行く、まるで悪夢のような光景であった。恋人や仕事仲間も犠牲となり、世界が次第にパニックと秩序崩壊へと覆われる中、英雄は果たして「英雄(えいゆう)=ヒーロー」となり得るか。

引用先:wikipedia


■終末の理由
謎の奇病「多臓器不全及び反社会性人格障害」
感染者に噛まれると咬み傷から感染し、ゾンビのような食人鬼となる。
社会秩序は崩壊していく。


■魅力シーン
・日常が悪夢へ緩やかに変わっていくシーン
・英雄のダメ男っぷり
・ZQNと化した”てっこ”との別れ
・パニックの首都圏から富士の麓までの逃走経路
・富士樹海での比呂美とのサバイバル
・アウトレットモールでのZQNとの悪夢の対決


この記事が書かれた日付ではコミック8巻が最新刊です。
アイアムアヒーロー 1 (ビッグコミックス)
アシスタントの日常生活を送る英雄。だがある日、現実の世界が壊れ非現実的な世界が口を開けているのに気がつく。
アイアムアヒーロー 2 (ビッグコミックス)
てっこの変貌。違和感が現実の姿となって現れる。壊れていく日常。日常と非日常が混じる街を走る英雄。
アイアムアヒーロー 3 (ビッグコミックス)
パニックの首都圏から逃れた英雄がたどり着いたのは富士の麓の地下道だった。平静を取り戻すと同時に圧倒的な孤独と出会う
アイアムアヒーロー 4 (ビッグコミックス)
逃走の末、たどり着いたのは富士の樹海。そこで出会ったのは制服の女子高生比呂美。二人を感染者が襲う。
アイアムアヒーロー 5 (ビッグコミックス)
樹海から抜け出した英雄と比呂美はパニックに陥った群衆の渦中へ。錯綜する情報と見えない全貌、恐怖。
アイアムアヒーロー 6 (ビッグコミックス)
比呂美が感染。カメラマン荒木とともにアウトレットモールに向かうことになった英雄のとる行動とは?
アイアムアヒーロー 7 (ビッグコミックス)
逃げ込んだアウトレットモールでは屋上にテント村が築かれ、不適な集団が避難していた。独裁者との危ういパワーバランス。
アイアムアヒーロー 8 (ビッグコミックス)
食料確保のためフードコートへ潜入した英雄達。パニックになった彼らにZQNが襲いかかる。遂に英雄の散弾銃が発砲される。