ICO 発売されたの結構前だけど、今更ながらクリア。いやはやよいゲームです。

 角の生えた少年ICO。村の掟に従で霧の城へと連れて行かれた少年は、祭壇の棺の中に入れられ、闇の中で生贄の運命を静かに終えるはずだった。だが偶然にも棺が倒れ、抜け出すことのできたICOは無人の城を一人さまよう。出口を探すICO。そして吹き抜けの塔で、天井から吊るされた檻に一人の少女を見つける。螺旋階段を登りながらICOは呼びかけた。

 「そんなところで何をしているの? 今、下ろしてあげるよ」

 ・・・で、城の仕掛けを解き、迫り来る敵を棒切れで払いのけ、脱出を目指すゲームです。少女の手を引きながら。

 何が面白いって「空気」。3Dグラフィックスに巧みに取り込まれた音と光が、そこに色んな「空気」をつくるのだ。余計なBGMを省いた静寂の世界を、か細い足音と、通じない言葉で呼びかけ合う二人の声が、城の中に「空気」の揺れを生む。けれど二人っきりの心細さの中に、霧を通り抜けて差す日の光が、暖かい世界にいるんだってことを感じさせる。脱出しようとしていることを忘れるほどに。だがひとたび敵が出現すると、そこは「不気味さ」が空間全体を覆い尽くす。別に強くもないし毎回同じ種類しか登場しないのだけど、得体の知れないものがその空間を飲み込むような「空気」が、そこに繁殖するのだ。プレイしている人の背筋を撫でるほどに。

 まあ謎解きやアクションに新鮮さはないので、ゲーム性でいったら不満を感じる人もいるかもしれないけど、とにかく「空気」とか湧き上がるイメージとか世界観の広がりとか、もうハンパじゃない。ストーリーも「多くを語らない」ようになっているので、想像力働かせれば「城の中」だけの話がハンパねぇぐらい広がる。

 ちなみに宮部みゆきがスキスキゆうて小説書いてたり。その本読んでないけど、まあ書いて膨らましてみたくなるほどに、インスピレーション感じさせてくれるわけですね、このゲーム。