ポジティブリスト Positive List

「ポジティブリスト」の考え方からみたジャマイカ(陸上競技)の反ドーピング機関の考え方の「古さ」と「誤り」 → (続報)4選手がドーピング違反認める
問題だらけの中国産ウナギ
加ト吉、中国の輸出停止処分企業のウナギを輸入
アメリカ、日本の薬物規制のトレンド 資料
世界の競馬先進国ではイプラトロピウム禁止してないのは日本だけ?


September 10, 2009
一度説明したことがあるが、ドーピングや薬物規制における「ポジティブリスト」と「ネガティブリスト」は、全く方向性の違う考え方だ。

ポジティブリストでは「使用できる薬物をリストに明示する」。
ネガティブリストでは「禁止する薬物をリストに明示する」。

だから、下の記事において、ジャマイカの反ドーピング機関が「ジャマイカの5選手が使用した興奮剤が禁止薬物のリストにないから」、陸上の5選手のドーピングを認めない、というのは、昔のようなネガティブリスト時代ならともかく、現在のポジティブリストの考え方が普及しつつある時代には、明らかにおかしい。

禁止薬物のリストに「ない」なら、ドーピングにならない、というのはネガティブリスト時代の古い発想だ。
いまのポジティブリストの時代にはもし「その薬物が、使用が許されている薬物のリストになければ、それはドーピング」である。


もし、この件で国際陸連が適切に対応できないようなら、国際陸連の提示している薬物リストが、旧式なネガティブリストの考えに基づいているのでもない限り、理解しようがない。


5選手のドーピング違反を認めず/陸上 - スポーツ - SANSPO.COM
ジャマイカの反ドーピング機関は10日、6月のジャマイカ陸上選手権で同国の5選手が陽性反応を示した興奮剤が禁止薬物のリストに明示されていなかったとして、5選手のドーピング違反を認めないと発表した。
15日にはベルリンで世界選手権が開幕するため、国際陸連は早急に再検討を迫られそうだ。公表された5選手はヨハン・ブレーク、アロディン、フォザーギル、ランスフォード・スペンス、マービン・アンダーソン、シェリアン・ブルックス。


(続報)
【世界陸上】薬物疑惑のジャマイカ選手、国際陸連は出場を妨げず - MSN産経ニュース
国際陸連のバイス事務局長は18日、ドーピング違反の疑いがあるジャマイカ5選手の世界選手権出場について、同陸連として妨げることはできないとの見解を示した。ジャマイカ国内で違反の裁定が下っていないためという。
男子4、女子1選手は興奮剤に陽性反応を示したが、違反として処分すべきかの判断が混迷している。リレー種目に出場する可能性があるが、同事務局長は「大会後に違反が決まった場合はチームの成績が抹消される。ジャマイカ陸連には出場させないよう勧めている」と説明した。(共同)


ドーピング疑惑の5選手は出場せず/世界陸上 - スポーツ - SANSPO.COM
国際陸連のデービス広報部長は19日、ドーピング違反の疑いがあるジャマイカの5選手が、ベルリンでの世界選手権に出場しない見通しを明らかにした。5選手はリレー種目で出場の可能性があったが、ジャマイカ陸連が起用しない方針を固めたという。
男子4、女子1選手は国内の検査で興奮剤が検出された。ジャマイカの調停機関が違反として処分すべきかの裁定を下していないため、国際陸連は現時点で出場を妨げることはできないとの立場だった。(共同)


【陸上】4選手がドーピング違反認める - MSN産経ニュース
6月に行われた陸上のジャマイカ選手権で興奮剤に陽性反応を示した5選手のうち4選手が、同国スポーツ省の裁定委員会でドーピング違反を認めていたことが4日、分かった。
同委員会のラングリン委員長はヨハン・ブレークら4選手に最大2年間の資格停止処分が科される可能性について言及。14日に処分が決まる。
残り一人のシェリアン・ブルックスは検査に不備があったとして疑惑は晴れた。(AP)

dope_impact at 16:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
July 18, 2007
中国産ウナギについての問題点は既に中国、アメリカ、日本で同時に指摘され
さまざまな事件が起きている。

加ト吉の中国産ウナギ輸入の問題については
禁止薬物の点から、いろいろと注釈をしておかないわけにはいかない。

中国側も認識していたウナギの問題
このブログでも、「ポジティブリスト制度をかじるための初歩的リンク」という項目で
すでに中国産のウナギについて取り上げ、以下の記事をとりあげた。
http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/kokuko/shanghai/business/06/rp060501.html

この記事によると、中国商務部は、
日本でのポジティブリスト制度導入による輸出への打撃が
特に大きいと予想する農産物として、 11品目をあげている。
フトネギ、茶葉、ウナギ、生マツタケ、生シイタケ、干しシイタケ
ソーセージの皮、鶏肉加工品、ラッカセイとその加工品、蜂蜜、コメである。

つまり中国側では、自国の農産物に使用される薬物に問題があることをすでに認識していた。
日本は中国にとって最大の農産物輸出相手国だが、
その日本への輸出に大きな影響がでることも、すでにわかっていた。

だからウナギについても、問題企業には輸出停止処分を課すなど
それが効果があったかどうかは別にして、
とりあえずの対策はとっていた、というわけだ。

アメリカでも中国産ウナギは輸入規制対象
こうした中国側の対応が十分なものだったかどうかは
アメリカの反応を見てみればなんとなくわかる。

http://www.asahi.com/international/update/0629/JJT200706290003.html
米食品医薬品局(FDA)は28日、ウナギなど中国産養殖魚の輸入を規制すると発表した。
米国で養殖魚への投与が禁止されている「マラカイトグリーン」など
抗菌剤4種類が使用されていることが判明したため。
このうちマラカイトグリーンなど2種類は中国でも禁止されている薬物だった。
今後輸入業者は、これら禁止薬物が含まれていないことを示す
詳細な情報の提供を義務付けられる。
(2007年06月29日)

つまり、アメリカでは、中国産ウナギについて安心などしてはいない。
禁止薬物の使用がないことを証明しないかぎり輸入できないのである。

日本でも中国産ウナギを自主回収
そして、この記事で指摘されている「マラカイトグリーン」は
日本でもつい最近、中国産ウナギから見つかり、自主回収騒ぎになっている。

中国製ウナギかば焼きから使用禁止薬剤検出、自主回収へ(2007年7月14日 読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070713-00000516-yom-soci
群馬県は13日、中国で加工され、前橋市内のスーパーで販売されていたウナギのかば焼きから、
食品衛生法で禁止されている合成抗菌剤の使用を示す物質が検出された、と発表した。

同県などによると、このウナギかば焼きは、徳島市の水産物卸売り業者が今年3月、
中国から20トン輸入し、主に関東方面に出荷された。
同県から連絡を受けた徳島県は13日、卸売り業者に自主回収を求めた。

前橋市のスーパーは、かば焼きを1150匹分仕入れ、
同市と伊勢崎市の系列6店舗で951匹分を販売した。
残っていたかば焼きは、店頭から撤去した。

かば焼きから検出されたのは、発がん性が指摘され、
養殖魚などへの使用が禁止されている合成抗菌剤マラカイトグリーンが
体内で変化した「ロイコマラカイトグリーン」。

安易な加ト吉の姿勢
加ト吉のニュースで、加ト吉側は
・厚生労働省の検査を受けており、品質上問題ない
・再検査の上で、安全確認できれば週明けにも出荷を再開する
などといっている。

しかし、輸入先である企業は中国側が「輸出停止処分」にしている企業なのである。
輸出停止にするからには、品質になにか問題があったわけで
加ト吉側は簡単に「数日で出荷を再開する」と断言しているが
それほど簡単な話とは到底思われない。

繰り返しになるが、中国産ウナギについての問題点は既に
中国、アメリカ、日本で同時に指摘されているのである。

なぜ加ト吉は中国側ですら輸出禁止処分にした企業から輸入していたのか。
今後の話として、中国側が輸出禁止している企業から輸入を継続してもいいのか。
中国産ウナギに禁止薬物は本当に継続して使われない保証でもあるというのか。

問題点は多々ある。

dope_impact at 13:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
中国産ウナギについてのニュースが続きはじめたので
ひとまずまとめていきたい。

まず、食肉偽装事件で揺れる加ト吉の中国産ウナギ輸入。

加ト吉が中国の輸出停止処分企業からウナギを輸入(2007年7月13日)
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070714AT1D1309Y13072007.html
加ト吉は13日、中国政府が安全性に問題があるとして輸出停止処分にしていた企業から
ウナギを仕入れていたことを明らかにし、出荷を一時停止した。
サークルKサンクスは同日、加ト吉から仕入れたウナギを使った
「炭火焼うなぎ蒲焼重」(850円)の販売を見合わせ、予約受け付けを中止した。

加ト吉は「厚生労働省の検査を受けており、品質上問題はないと考えている」と説明。
再検査を実施した上で、安全が確認できれば週明けにも出荷を再開する方針。
加ト吉はサークルKサンクス以外の出荷先については明らかにしていない。

dope_impact at 12:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
October 21, 2006
http://dayatom.com/blog/chika/archives/000636.html
アメリカで唯一レース当日の使用が許されている薬物ラシックスは
日本中央競馬会競馬施行規程 禁止薬物38のフロセミド

ミルクシェイクは
競走直前の競走馬に「炭酸水素ナトリウム(重曹)とスポーツドリンクを
混合させたもの(ミルクシェイク)」を強制的に飲ませることをいう。[JAIRより]
・効能は大きく分けて2つ。
(1)乳酸値を抑え、スタミナを強化する
(2)リドカイン、プロカイン、コカインといった他の禁止薬物の抽出を困難にする。
・血液中の二酸化炭素の量によって検出することが可能。尿検査によっても検出できる。

JRA禁止薬物規定の問題は以下のとおり
炭酸水素ナトリウムは禁止されていない、二酸化炭素に関する規定もなし
「禁止薬物の検出を困難にする薬物」に関する規定がない

JRA禁止薬物規定の特徴は以下のとおり
・違反することによる不利益は、(1)失格・賞金の返還、(2)馬主、調教師等の資格の停止or剥奪(JRA)、(3)刑事罰。
・刑事罰が法定されている。つまり罰則はアメリカよりも厳しい。
・検査対象は3着までの全馬。
・検査対象の薬物全てを検査する包括的な検査。
・費用はJRAが負担する(登録料に含まれてるという認識だろう)。
・投薬は出馬投票の時点で禁止される。アメリカはレース当日のみ。
・法律に基づいて禁止薬物は、JRAが内規で決めている。
  日本中央競馬会競馬施行規程79条2で包括規定があるので、
  新たな禁止薬物を簡単に取り締まることができる
・禁止薬物の閾値に関する規定がない。
・検査方法はかなり精密(検体を2つに分けた再検査)。
・「禁止薬物の検出を困難にする薬物」に関する規定がない。


dope_impact at 18:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
October 20, 2006
欧州全面禁止
豪州でも禁止
アメリカでは禁止薬物5段階中3段階目に指定された禁止薬物

日本だけが禁止薬物にいれてない。

dope_impact at 17:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)