年内で歌手活動を休止するシンガー・ソングライターの絢香(21)が、大みそかのNHK「第60回紅白歌合戦」(12月31日午後7・15〜11・45) をラストステージにする方向で検討していることが12日、分かった。番組関係者は「現在交渉中」と認めている。絢香側は休業の要因であるバセドー病による 体調をみながら決断する意向。NHKでは紅白60年史に残る感動の演出を用意する。

今年4月、俳優水嶋ヒロ(25)との電撃的な結婚報告会見で飛び出した休業宣言。最後を飾る舞台はデビューから3年連続で出場している紅白になりそうだ。

番組関係者は「現在交渉中」と明言。今年の紅白のテーマ「歌の力∞無限大」を伝えるためには「ぜひとも必要なアーティスト」としている。

というのも、今年の第60回大会は07年から続けてきた「歌力(うたぢから)」というコンセプトの集大成。番組関係者は「出場者それぞれにとって歌がど ういう存在なのか、しっかり掘り下げて紹介したい」と話しており、21歳の若さでバセドー病(自律神経の調節や新陳代謝を活発にする働きの甲状腺ホルモン の障害)の治療に専念するため休業を決断した絢香のドラマは、視聴者の胸を打つのは必至だ。

事実、先月23日に発売したベスト盤「ayaka’s History 2006―2009」はデビュー以来初めてオリコンチャート2週連続首位を獲得。出荷は80万枚を超え、今年の女性歌手の作品でNo・1の売り上げを記録している。

絢香サイドも出場には前向き。ただ、甲状腺ホルモンの数値が不安定なため「体調をみながら決断するほかない」(関係者)のが実情。8月にはバセドー病の悪化で音楽イベントを急きょキャンセルしている。

1年を締めくくる国民的番組の「紅白」は多くのラストドラマを演出してきた。最初は57年(第8回)で当時のトップスター、小畑実(当時34)が涙を流 しながら歌って引退。84年には引退する都はるみ(同36)が紅組のトリで登場し、観客のアンコールで2曲歌う劇的な演出があった。97年の安室奈美恵 (同20)は産休前のラストステージを紅組トリで飾った。

歌唱曲は最後のシングル「みんな空の下」が有力。愛する人との深いつながりを歌った内容は「生きる力」に満ちあふれ、ラストを飾るのにふさわしいだけでなく、今年の紅白のテーマにも通じる歌といえそうだ。