メゾフォルテからあなたへ

ちょっと違う視点から歴史を語りたい。

「私の足音が聞える マダム鳥尾の回想」より
ケーディスの立場
・チャールズ・エル・ケーディスはもともとの軍人ではない。彼はコロネル大学を卒業するとハーバードの法科に学び、弁護士の資格を得た。
・招集され、なんとあの映画『ロンゲェスト・デイ』のノルマンディ作戦に参加している。オハマビーチではないが、もう少し南のイタリアよりの浜辺だった。そのときの壮絶な激戦の模様を私にも子供達にもよく聞かせてくれた。

・「僕は戦いが始まりそうだな、という予感がすると背中じゅうが痒くなる。そして犬のように大地に背中をこすりつける。気が静まるまでそうやっていた。そしてそれはいつも当っていた」
「部隊が待機している処に砲弾が打ちこまれる。初めは前後の遠い場所に落ちだんだん近くなる。そんなとき、僕は鏡をぶら下げてのんきそうに鬚を剃るんだ。部下を恐がらせないために、鎮めて置くためにそれが一番良かった」

・ユダヤ系アメリカ人だった。その彼がヨーロッパ戦線で、ユダヤ人殺しの現状を、まざまざとみせつけられたのだから、どんなに悲しく口惜しかったかわかる。彼は従軍カメラマンとして彼の部隊についていた人に貰った写真を、三冊の部厚いアルバムに貼っていた。それをアメリカから取りよせ、私達に見せてくれた。
 そこには溝の中に投げ込まれた何万何千というユダヤ人の死体があった。本当に骨と皮の、骨に皮がはりついている写真であった。

・ガス室の写真もあった。シャワーと同じ器具のついたまさに広いシャワー室だ。そこへシャワーをあびせてやるといって連れ込んだという。ねじるとガスが出た。手術台も見た。きたないコンクリートの手術台である。上の真中に縦に一本、両側に五,六本ずつ斜めの溝があり、両側の太い溝につながっている。手術台の上で人間の皮をはいだそうだ。その溝は血液が流れる溝なのだ。

・そしてはがした皮でハンドバッグを作り、ランプシェードを作ったそうだ。ナチの狂人達はその製品を売った。買手に真白がいいですか、少し色のついたのがいいですかときいたという。
 同じユダヤ系のアメリカ軍人がそれを見てどう思ったか。彼は悲しそうに額に皺をよせながら話してくれた。しかしアルバムを閉じると、朗らかなアメリカ将校に戻り、こんなことが日本になくてよかったね、と子供達と庭の芝生で転げまわって遊んでいた。彼はその苦しかった事、悲しかった事、すべて忘れて暖かい平和に浸りたかったのだと思う。そして新しい日本に理想と夢をいだいていたに違いない。

・ウィロビーと仲が良かったのが吉田茂元首相だった。彼の貴族趣味がウィロビーのドイツ風の貴族趣味と合ったのだと思う。貴族達はドイツだけでなく日本でも、ユダヤ人をジュウといって嫌い軽蔑する。そんな事で吉田茂はウィロビーを好み、ケーディスを嫌ったのではないかと思う。勿論立派な人達だから、面と向っていがみ合う事はないが、対立していたことは明らかだった。


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ケーディスはヨーロッパの戦争では前線に立たされ、日本では恨まれ役となる憲法制定やパージの責任者にされ、利権などは別の人間たちが握っていたようです。
それは、ユダヤ人に対する差別があったからではないでしょうか。
日本人でもヨーロッパで暮らしたりすると、ユダヤ人を差別する側になるんですね。
イスラエルの頑なな姿勢は理解できるような気がします。
しかし、いつまでもその姿勢を貫いていたら戦争の引き金を引いてかつての日本と同じようなことにならないでしょうか。
若い人のためにも、イスラエルの技術を平和のために役立ててほしいと心から思います。

ケーディスは差別がない平和な社会を夢見ていたことでしょう。
そのために戦争で前線に立ち日本でも見えない力に対抗して、命がけであった、と思われます。

NO WAR!

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鳥尾鶴代とケーディスの関係は、まるで映画のような世紀の恋愛であった・・・・・

ここで婆さんの僻み根性が出てきて、別の視点から考えると
松本清張は、鳥尾鶴代についてもっと書きたかったかもしれないが、残念ながら存命中であったので小説にしてしまった・・・・と感じられる。

「黒革の手帖」の主人公は、鳥尾鶴代の一部をヒントにしているのではないか。
ケーディスと別れ、その直後に夫を失ってから、たくましく生きてバーのマダムにもなったとのこと。
政治家の愛人にも貢いだようである。

もしかしたら、ほかの小説にもその面影が少しずつ埋め込まれているのかもしれない。


松本清張
写真は wiki から

朝鮮戦争を終わりに!

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