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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:33:45.46 ID:rLAnww5Z0

 2011年 大学1回生

律「じゃ、そゆことで」

菖「うん、ちゃんと揃えとくから~」

律「よろしく~」

澪「お~い、律。話ってなんだ?」

菖「あ、澪ちゃん。楽しみにしといてね」

澪「え? 何が?」

律「ここで朗報です!」

澪「?」

律「近々、合コンを開催しようかと思っております!」

澪「!?」



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:35:17.20 ID:rLAnww5Z0

菖「カッコイイ人揃えとくからね~」

澪「えっ!? ええっ!?」

律「菖の高校の時の同級生をセッティングしてもらおうかと思ってさ」

律「私たち高校は女子高だったからこういう異性との交遊は無かったし」

律「しかし今や花の女子大生なんだし、これくらいは楽しまないとって思って」

澪「だ、駄目駄目! 合コンだなんて!」

律「いや、大丈夫だって」

澪「だ、だって。合コンってあれだろ? お酒とか飲んじゃうやつだろ?」

澪「私たちはまだ未成年だから……。それに……」

菖「安心して澪ちゃん。その辺はちゃんと弁えた人選をするので」

律「そうそう。居酒屋でとかじゃなくて、皆でボーリングとか
  そういう健全な感じで遊ぶだけだって」

澪「け、けど。私、男の人ってちょっと……」



5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:36:37.45 ID:rLAnww5Z0

律「だからじゃん!」

律「ちょっとは慣れとかないと、この先しんどいぞ」

澪「いや、でも……」

菖「ちゃんと分別のある人選んでくるから」

律「男女でボーリングなんて今日日小中学生でも普通にしてるぞ」

澪「う……」

菖「普通に皆で遊びに行くってだけだよ」

澪「そ、そうだよな……」

律「じゃあ、けって……」

澪「や、やっぱり駄目!! なんだか私、上手く断れなくてそういうことになっちゃったら色々と押し切られそうだし!」

菖「澪ちゃん先見過ぎでしょ」

澪「それに、そういうお付き合いはお互い成人してからじゃないと!」

菖「今時珍しいなぁ」



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:37:41.99 ID:rLAnww5Z0

律「はぁ……。もうこうなったら無理だわ」

菖「そっか。残念」

澪「うぅ……」

律「ほら、澪。合コンはやめやめ」

澪「ほ、ほんと?」

律「私だって、澪が男に言い寄られたらきっと断れないだろうなって心配だし」

澪「り、律……」

律「ダメッ! ヤダッ! やめて! いくら大きなおっぱいだからってそんなに吸っても出ないからっ!」

  ゴチン!!

澪「そういう想像も成人してからだっ!」

律「……」ヒリヒリ

菖(これだけ腕力あったら大丈夫なんじゃ……)



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:38:43.48 ID:rLAnww5Z0

 2013年 成人の日

律「ふぁ~っ……。市長の話長すぎだろ。もう疲れちゃったよ」

澪「折角の振袖なんだから、もっとお淑やかにしろよ」

律「へいへい」

澪「まったく……」

律「それにしても、やっぱり澪はそういう晴れ着似合ってるよな」

澪「律は似合わないな」

律「……さいですか」

「あれ? もしかして田井中?」

律「ん? あ、確か中学の時の」

「久しぶりだな。ってことは……、やっぱり秋山さんも一緒だ!」

澪「こ、こんにちは……」

「いや~。秋山さんに会えるなんて、本当に来た甲斐があったよ!」

律「お前、私と澪とのテンションの差がありすぎだろ」



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:39:38.75 ID:rLAnww5Z0

「それは仕方ないだろ」

律「むぅ……」

「そうだ、これから同じ中学の奴らで集まるんだけど、2人もどう?」

律「お、本当だ。あ~懐かしい顔ばっか」

「ね、秋山さん」

澪「え、えっと……」

律「私はどうなんだよ」

「田井中も来たかったら来てもいいけど」

律「なんだそのオマケみたいな扱いは」

「冗談だって。まぁ、なんだ。田井中と会えたのも嬉しいっちゃ嬉しいし」

律「お、おい。急にそんなこと言われたらなんか照れるじゃん」

「ね! 秋山さんも皆と話したいよね?」

律「急に矛先変えやがって……」



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:41:00.24 ID:rLAnww5Z0

澪「え。で、でも……」

「秋山さん中学の時と全然変わらないよな。その田井中の影に隠れちゃうようなところとか」

「でも、まぁそこが可愛いっていうかそそられるってか」

澪「うぅ……」

律「はいはい、ストップ!」

「そうそう。秋山さんからかうといつだって田井中が間に入って邪魔するんだよな。実に懐かしい」

「その辺も含めてさ、中学の頃の話で皆で盛り上がろうよ」

澪「……」

律「いや、ちょっと私たちは先約があって」

唯「お~い。りっちゃん、澪ちゃん」

律「高校のときの仲間と集まる約束してんだわ」

「へ~。確か女子高だよな? もしあれだったら後で合流しない? そっちのお友達も含めて」

律「う~ん」



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:41:48.18 ID:rLAnww5Z0

「これ俺のケー番だからさ。もし時間があったら掛けてきてよ。結構遅くまでつるんでると思うし」

律「んー。考えとく」

「じゃあな」

唯「お友達?」

律「まぁ、中学んときのな」

唯「へ~」

紬「りっちゃん、澪ちゃん! 大ニュース!」

澪「き、急にどうしたんだよ」

紬「なんと信代ちゃんが、今年結婚するらしいです!」

唯「ええっ!?」

律「中島酒店の2代目主人誕生か!」

紬「3代目らしいわ!」

唯「どっちにしてもおめでとう!」



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:42:53.57 ID:rLAnww5Z0

律「しかし、もう結婚か~」

唯「どんな人なんだろ~」

紬「幼馴染って言ってたわ。年上なんだけど、お相手の大学の卒業を待っての結婚なんだって」

澪「なんか前々から決まってたって感じだな」

紬「どうもそうらしいの」

律「へ~。結構やることやってたんだな、信代は」

唯「私、その噂のお相手の写真見せてもらってこよ~」

紬「あ、私も!」

律「冷やかし甲斐があるってもんだよな」

澪「ち、ちょっと律!」

律「なんだよ。澪も早く行こうぜ」

澪「あの、さっきの……」

律「さっき?」



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:44:27.81 ID:rLAnww5Z0

澪「中学のときの……」

律「それが?」

澪「行くの?」

律「そうだな~。もうそれこそ会う機会も無いだろうし」

澪「そ、そうだよな……」

律「それに」

澪「それに?」

律「いつだったか、澪が『お付き合いは成人してから』って言ってたろ?」

澪「……うん」

律「今日は何の日?」

澪「……成人式」

律「だからさぁ~。この若く滾った熱い魂をだな」

澪「だ、駄目だ!! お付き合いは大学卒業して就職してから!!」

律「延びちゃったよ……」



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:44:51.52 ID:ywWaGmnWP

あせらなくてもiPS細胞がある



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:45:22.48 ID:rLAnww5Z0

澪「だ、だって……」

律「はいはい、わかってるよ。本当、澪ちゃんはお子ちゃまなんだから」

澪「そ、そういう問題じゃないだろ」

律「まぁ、あいつ、中学のときからチャラかったけど、更に拍車がかかってたしな」

澪「……昔から苦手だったんだ」

律「知ってるよ」

澪「でも、もし律がどうしてもって言うなら……」

律「いいって。あんなことやそんなことは就職するまでおあずけでもさ」

澪「へ、変なこと言うな!」

律「あれあれ? 変なことっていったいどういう事を想像したんですか? 秋山さん」

澪「せ、成人したんだからそういうことを想像したっていいんだ!」

律「なんじゃそりゃ……」



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:46:03.54 ID:rLAnww5Z0

 202X年

律「カンパーイ!」

澪「乾杯」

律「んぐっ、んぐっ、んぐっ、ぷはぁ~!」

律「仕事終わりのこの一杯が堪らん!」

澪「オヤジみたいなこと言うなよ」

律「いいじゃん、これくらい、ケチ臭いこと言うなよ」

澪「はいはい」

澪「にしても、まさか聡が結婚とはな」

律「弟に先を越されるとは……」

澪「聡にも乾杯してやるか」

律「……そだな」



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:46:58.18 ID:rLAnww5Z0

律「唯は大学の卒業と同時に結婚しちゃったし」

澪「あれにはビックリした」

律「この前の梓の結婚式は凄かった」

澪「なんかミュージシャン一杯来てたもんな」

律「来年のムギの結婚式の時のこと考えると恐ろしくなるな」

澪「大っきな会社の一人娘なんだし、それは凄いことになるだろうな」

律「ご祝儀とかいくら包めばいいんだ……」

澪「さぁ……」

律「そうじゃなくても最近会社の人間でも私らくらいの年齢のやつは
  申し合わせたかのように多いってのに」

澪「なんか、仲間内じゃ私たちくらいだよな。そういうのが無いのは」

律「……あのさ」

澪「ん?」

律「実は、澪に話があってさ」

澪「お、おい。この流れはまさか……」



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:47:49.85 ID:rLAnww5Z0

律「同じ職場の人なんだけど」

澪「……」

律「この前も2人で飲んでた時偶然会っただろ?」

澪「……」

律「実はその人に……」

澪「だ、だめ……」

律「お前と一緒にいた黒髪ロングの美人紹介しろってせがまれてて!!」

澪「ややこしい切り出し方するなっ!!」ゴチン!!

律「おぉう……」ヒリヒリ

澪「まったく」

律「もういい大人なんだから、グーで人の頭を叩くのはやめましょうや、秋山さん」

澪「それは、お前が……。律が結婚とか、そんな大事な話だと思ったのに、変に茶化すから」

澪「だから、律が悪い」



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:48:38.65 ID:rLAnww5Z0

律「でも、実際問題、私たちもどうよって話だけどな」

澪「そ、それは……」

律「澪だって、職場の人に言い寄られたりしてるだろ」

澪「そういうのは、全部無視してる」

律「今はまだいいけどさ。ずっとそういう訳にもいかないだろ?」

澪「別に……私はいいもん」

律「はぁ……。私だって、まったくそういう話も無いわけじゃないぞ」

澪「!?」

律「だからさ……」

澪「だ、駄目だ!! お付き合いはドモホルンリンクルを使い始めるようになってから!!」

律「……」



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:49:48.44 ID:rLAnww5Z0

 202X年

「じゃあね、律おばちゃん」

律「ああ」

「澪お姉ちゃんもバイバイ」

澪「バイバイ」


律「あ~、やっと帰ったか」

澪「せっかく姪が会いに来てくれてるんだから」

澪「にしても可愛いよな」

律「いや、可愛くない」

澪「なんでだよ、自分の姪っ子なのに」

律「あいつ、私のことは律おばちゃんなのに
  なんで澪のことは澪お姉ちゃんなんだよ」

澪「子供は正直なんだよ。本当に可愛いよな」

律「来年のお年玉は無しだな」



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:50:53.19 ID:rLAnww5Z0

澪「かわいそうに」

律「もし私が結婚して、子供が出来たらあんなもんじゃ済まないだろうな」

律「だって、聡の子供があれだけ可愛いんなら、美少女である私から産まれた子は
  もっと可愛いに違いない」

澪「やっぱり可愛いって思ってるじゃないか。あと自分で美少女とか言うなよ」

律「いやいや、マジでそう思ってますが」

澪「……やっぱりさ、結婚して、子供が出来て」

澪「律はそんな幸せに憧れる?」

律「そりゃあな」

澪「だよな……」

律「まぁ、その気になれば私だったら明日にでも妊娠しちゃうぜ!」

澪「!?」

律「なんちゃて……」

澪「だ、駄目だ!! お付き合いは四十肩になってから!!」

律「……」



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:52:06.70 ID:rLAnww5Z0

 203X年

律「あいてて……。肩が上がんない……」

澪「こりゃ、本格的に四十肩だな」

律「年齢を実感してしまう……」

澪「整体通ってるんだろ?」

律「そうそう。だからこの程度で済んでるのかも」

澪「私も行ってみようかな」

律「おうおう、行っとけ。明日はどうなってるかわかんないしな」

律「それにそこの整体師の先生なんだけど、これがけっこういい男で」

律「それ目当てに通ってる人もたくさんいるらし……」

澪「なっ!? 駄目駄目!! お付き合いは人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり!!」

律「意味わからん……」



32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:53:39.53 ID:rLAnww5Z0

 204X年

律「唯もおばあちゃんなんて呼ばれちゃうのか」

澪「孫は目に入れても痛くないって言うくらいだし
  それはそれは可愛いんだろうな」

律「ついに私たちは自分の子供の顔も見ることは出来なかった訳だが……」

澪「……」

律「まぁ、子供はさすがに無理でも、この歳からでもそれ相応の相手を見つけることも出来るだろうし」

律「なにより一緒に寄り添ってくれる存在があれば、それだけで嬉しいもんだろうけど」

澪「!?」

律「TVなんかでも50歳を過ぎてからの晩婚も増えてるって話だし」

澪「だ、駄目だ!! お付き合いは還暦過ぎてから!!」

律「……」



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:55:05.31 ID:y5ziostA0

なにこの鬱展開



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:56:53.17 ID:rLAnww5Z0

 205X年

律「だだいまぁ~」

澪「おかえりぃ~」

律「いや~。今日も老人会のゲートボールでハッスルしたわい」

律「ところで澪は膝の調子はどないなもんか?」

澪「日が出てきて暖かくなってからは痛みも引いたわて」

律「よかったのぉ」

澪「で、今日はシゲさんどうだった?」

律「相変わらず、律さんや律さんやってアタックがすごいて」

律「今度温泉に行こうって誘われたわ。シゲさん奥さんおるのにのぉ」

澪「!?」

律「こんな歳になっても、そう言われるのは悪い気はせんが……」

澪「いかんいかん!! お付き合いは喜寿を過ぎてから!!」

律「……」



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:58:41.50 ID:rLAnww5Z0

 206X年

律「のぉ、澪ばあさんや」

澪「なんじゃ、律ばあさん」

律「ゲートボール仲間のシゲさんのことじゃがのぉ」

澪「あ? なんじゃって?」

律「シゲさん」

澪「あ~あ~。あの律ばあさんに言い寄ってた爺さんじゃ」

律「そろそろシゲさんも奥さんを亡くして年月が経つからのぉ」

律「最近じゃ寂しくなって、私と一緒に暮らしたいとか言い出しての」

澪「!?」

律「とは言っても、シゲさんもそろそろくたばりそうな感じで……」

澪「お、お付き合いは米寿を過ぎてから!!」

律「そうかのぅ……」



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:00:22.17 ID:bs/VJsml0

oh…



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:01:04.09 ID:rLAnww5Z0

 207X年

律「唯もムギも梓も、以前の軽音部にいたメンバーはみんな先に逝ってしもうた」

律「寂しくなったのぉ……」

律「結局子供はおろか相手にも恵まれなんだし……」

律「のぉ、澪ばあさんや」

澪「律ばあさんや、昼飯はさっき食うたじゃろ」

律「そうじゃったかの~。そんな話だったかのぉ~」

澪「まったく、昔から律ばあさんはわたしがしっかりしてないといかんのだから」

律「すまんのぉ~」

TV「7時になりました。ニュース7です。それでは今夜のトップニュース
   ついに人類の太陽系外への進出。亜光速宇宙船が及ぼす人体への影響は……」

律「なんだか随分飯を食べてない気がするのぉ」

TV「それでは次のニュースです。政府の発表によりますとの日本の人口のおよそ60%が65歳以上である
   というのは先日お伝えしました。そんな超高齢化社会ならではのビジネスが展開されているようです」

TV「最愛の人との死別。しかし医療技術が進歩した今。そうそう死んでもいられない
   そんな余生を長く楽しむため70~80代の間で再婚を望む声が増えています」

TV「そんなニーズに応えるのがこの会社。合言葉はお墓に一緒に入ろう」



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:02:36.18 ID:rLAnww5Z0

律「そろそろお墓のことも考えんといかんようになったのぉ」

澪「どれ、久しぶりに唯たちとせっしょんでもする段取りをしようかの」

律「澪ばあさんもボケてしもうて……」

澪「誰がボケ……フガフガ」

律「入れ歯が外れとるぞ」

律「それにしても、唯達は最愛の人と一緒のお墓に入れて幸せじゃろうて」

澪 フガフガ

律「せめて一緒に墓に入ってくれる相手でも見つけたいのぉ」

澪「ふぉふふぃふぁいふぁふぇんふふぉふぁっふぉうふぃふぇふぁふぁ」

律「入れ歯入れ歯」

澪 カポッ

澪「お付き合いは天寿をまっとうしてから!!」

律「……」



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:04:58.32 ID:rLAnww5Z0

 208X年

澪「律や、こんなに綺麗にしてもろうて」

澪「……本当だったら、子供や孫、もしかしたらひ孫もおったかもしれん
  そんな大勢に囲まれて最期を看取られとったのかの」

澪「こんな婆さん一人だけに送られても、嬉しくないじゃろうて」

澪「本当に、すまんかった」

澪「律だったら、その気になればいくらだって相手がおったじゃろ」

澪「だけど、どういう訳か、大学を卒業してからというものずっと一緒に暮らしておったの」

澪「わたしは、幸せだった」

澪「でも、律はどうだったんじゃろうか……」

澪「律は心残りだったじゃろうのぅ」



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:05:48.57 ID:rLAnww5Z0

澪「わたしも、律に本当の気持ちを伝えることがついにできなんだ」

澪「怖かったんじゃ……」

澪「わたしの本当の気持ちを伝えて、それを律が受け入れてくれるのか」

澪「だから、ず~っと、何も言わなくても律がず~っとそばに居てくれたから……」

澪「ついつい、律に甘えておったんじゃ」

澪「でも律は、本当は誰かと結婚したかったんじゃろうのぉ」



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:07:03.04 ID:rLAnww5Z0

澪「律がそんなことを匂わせる度に、それを引き延ばそうと必死じゃった」

澪「わたしは、自分の事しか考えとらんかった」

澪「歳を取ってからボケたふりをしていたのも、そんな律に対しての後ろめたさからじゃった」

澪「現実から目を背ける為に、何より律への申し訳なさから逃げるために」

澪「それでも、律はわたしを見捨てることなどせなんだ」

澪「お付き合いは天寿をまっとうしてから、か……」

澪「それ以降はさすがにもう律を縛り付けるのは無理じゃな」

澪「わたしの言い付けを守った律はきっと天国でイケメンの仏様でも見つけてよろしくやっとろうて」

澪「そして律を自分の為に縛り付けたわたしは、死んだら地獄に落ちるじゃろう」

澪「だから、もう邪魔はせんから心置きなく楽しんでおくれ」

澪「のぉ、律」

澪「死んでからしか言えん自分が情けないが聞いてくれんか」

澪「大好き」



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:08:07.19 ID:rLAnww5Z0

 … … …

澪「……」

澪「ここは……?」

澪「確か、私は病院のベッドの上で苦しくなって……」

澪「……」

澪「そっか、死んだか」

澪「だとしたら、ここは地獄か」

澪「覚悟はしてたけど、いざそうなるとやっぱり恐いな……」

「悪い子はいねが!!!!」

澪「ひぃっ!?」

律「な~んちゃって」

澪「り、律!?」



45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:08:57.70 ID:rLAnww5Z0

律「まったく、待ちくたびれちゃったぞ」

澪「な、なんで律がここに?」

律「なんでって、死んだから?」

澪「そ、そうか……」

澪「私はてっきり律は天国へ行ったもんだと思ってたから
  まさか地獄で鉢会うなんて思ってもみなかったよ」

澪「にしても、死んでから天国へ行く審査って結構厳しいんだな」

澪「私はまだしも、律まで地獄行きだとは」

澪「やっと私と離れることができて天国で楽しくやってると思ってたんだけど」

澪「まぁ、よっぽど徳を積んだ人じゃないと天国って行けないんだろうな」

律「ちょっとさ、あそこ見てみな」

澪「ん?」

 『天国へようこそ。逝らっしゃいませ』

澪「あれ?」



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:10:16.91 ID:rLAnww5Z0

天使「秋山澪様ですか?」

澪「あ、は、はい」

天使「人生お疲れさまでした」

澪「あ、いえ。どうも」

天使「つきましては、天国への簡単な入国審査をいたしますので、こちらの書類に記入をお願いいたします」

澪「わ、わかりました」

天使「りっちゃんが待ってた子ってこの人?」

律「そうそう。私が死んだら寂しくなってすぐ来ると思ったんだけどさ。意外としぶといんでやんの」

天使「そっか、会えてよかったね」

律「天国観光もせずにずっと待ってた甲斐があったってもんよ」

澪「あの。書けました」

天使「はい、結構です。では以後はご自由にどうぞ」



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:11:13.59 ID:rLAnww5Z0

澪「……」

律「あれ? 澪、どうした?」

澪「な、なんで」

律「ん?」

澪「なんで私は天国に来れるんだ」

律「地獄の方がよかったのか?」

澪「その覚悟はしてた」

律「なんで?」

澪「だ、だって。律に対して酷いことしたし」

律「そうだっけ?」

澪「私は、自分のことしか考えずに律の人生を滅茶苦茶に」

律「例えば?」



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:12:18.85 ID:rLAnww5Z0

澪「事あるごとに、お付き合いをするのはまだ早いって……」

律「あー。なるほどな」

澪「挙句、天寿をまっとうするまでだなんて言っちゃって……」

澪「私は律の人生を奪ったに等しいことをしたんだ」

律「でも、もうまっとうしちゃったしな」

澪「うん。だから、もう律がどこの誰と付き合おうが止めはしない」

律「まぁ、もう死んじゃってるけどな」

澪「……うん」

律「じゃあさ」

律「澪、付き合って」

澪「……」

澪「へ?」



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:13:47.13 ID:rLAnww5Z0

律「まさか、この期に及んで『お付き合いは生まれ変わってから』とか言うんじゃないだろうな」

澪「付き合う? 私と律が? え? なんで?」

律「私だって、ずっと待ってたんだぞ!」

澪「で、でも、なんか男の人とお付き合いしたり、結婚したそうな雰囲気漂わせてたし」

律「好きな人の気を惹く方便だって」

澪「ええっ!?」

律「私だって乙女なんだから、できれば相手から告白されたいって思うし!」

澪「じ、じゃあ、私からの何かしらのアクションを待ってたってこと?」

律「そうだよ~。でも澪ったら何時まで経っても『お付き合いはまだまだ』って言うから」

律「結局死ぬまで待っちゃったじゃん!」

澪「なんだよそれ!」

律「でも、私が死んだ後、しっかり澪から愛の告白を聞けたし」

澪「なっ!? あれ、全部聞いてたのか!?」

律「はい~。嬉しいやら恥ずかしいやらでもう顔から火が出そうで」

澪「わ、忘れろ!」



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:15:04.62 ID:rLAnww5Z0

律「律、愛してる、もう一生離さない」

律「だっけ?」

澪「違うし! しかも、もう死んでるんだから一生終わってるし!」

律「そのツッコミはちょっと無粋だな」

澪「はぁ……。ってことはずっと両想いだったってこと?」

律「そうじゃなきゃ普通はずっと一緒に暮らさないだろうな」

澪「今考えてみるとそれもそうだな……」

律「でも、私もそんな澪との関係を崩したくなかったから、一緒に居られるならって
  そういう曖昧な関係も受け入れてたわけだし」

律「そもそも、通夜の時、澪に告白されるまで、なんで澪は私とずっと一緒に暮らしてくれてたんだろ?
  って思ってたくらいだし」

澪「なんて私たちは鈍感なんだろう」



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:16:39.08 ID:rLAnww5Z0

律「まーまー、いいじゃん。結局最後はこうやってお互いの気持ちに気づけたんだし」

澪「最後も最後で死んじゃった後だけどな」

律「とりあえず、もっと天国を楽しもうぜ!」

澪「そうだな。どこか案内してくれるの?」

律「いんや。私もこの天国への入口広場から出たことないからどこに何があるのかわかんない」

澪「え? なんで?」

律「天国ってさ、凄く広いんだって。天使に聞いてみたら
  東京ドーム109億683万3千494個分って言ってたし」

澪「それくらいになったら、なんで東京ドームで表現しちゃったんだろってレベルだな」

律「とにかく広いから死んでから目当ての人に会うのってすごい難しいって聞いてさ」

律「澪がいつこっちに来るかわかんないし、とりあえずここで待ってれば会えるかなって思って」

澪「そっか」

律「そんな待つ姿に感銘を受けたってんで、この辺では私そこそこ有名になってるんだぜ! すごいだろ!」

澪(ハチ公か……)



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:18:17.96 ID:rLAnww5Z0

澪「ところで、唯たちも来てるのかな?」

律「名簿確認したらちゃんといたよ」

澪「そっか」

律「会いに行く?」

澪「そうだな」

律「まぁ、どこにいるのかわかんないけど」

澪「時間はたっぷりあるんだろ?」

律「それもそうだな」

澪「唯とムギ、それから梓にも会えたらバンド再結成だな」

律「お、それで天国ツアー開催か。なんかワクワクしてきた」

澪「お気に入りの線香焚いて~♪ 今夜も南妙法蓮華経♪」

律「ぽくぽく時間♪」



54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:19:32.26 ID:rLAnww5Z0

澪「でも、まぁ、とりあえずのところは、生前にやり残したぶん楽しまなきゃな」

律「今度はお互いの気持ちがわかってる間柄としてな」

澪「ふふっ」

律「なぁ、澪」

澪「ねぇ、律」

 「「大好き」」





天使「おい、急に天界の気温が上昇しだしたぞ!」

天使「換気しろ、下界に熱気を逃がせ逃がせ! 暑くてかなわん」

 この冬は記録的な暖冬だったそうな


 おしまい



62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 04:14:52.63 ID:1dRCZvLi0

素晴らしかった!!



63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 05:06:16.47 ID:Qf66ZxOz0

おもしろかった



64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 06:17:51.80 ID:aVU9HBas0

おつおつ
お付き合いは~なってからのバリエーション豊富さにワラタww



 
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