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1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:21:37 ID:7Gdptm.A

耕介「麻雀牌売ったわ」悟空「でぇじょうぶだドラゴンボールがある」


の後日の話で、立-Ritz-の話。



2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:22:34 ID:7Gdptm.A

アニメ咲-Saki-全国編公開を前に訪れた、

主人公声優交代オーディションという突然の危機を乗り越えた小林立と仲間たち。

アニメ全国編も無事終了し、再び平穏が戻ったかに見えたある日のこと――。



3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:23:37 ID:7Gdptm.A

―東京 小林立の仕事場―

ガタッ ドンドンドンッ

あぐり「……なんや騒々しい」

紗「お客様……? 今開けますー」

バタンッ

鳥山「……うう……」

紗「あ、あなたは!」

立「鳥山先生!? どうしたんですか!?」



4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:24:44 ID:7Gdptm.A

鳥山「やられた……不覚だった……」フラッ

紗「だ、大丈夫ですか!?」

あぐり「おいボロボロやんけアンタ!」

鳥山「早く……島根へ……」

立「?」

鳥山「慕ちゃんが……危ない……!」



5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:25:34 ID:7Gdptm.A

―島根 白築家―

ピンポーン

慕「はーい」

ガチャッ

??「……よお、久しぶりだな」

慕「あっ、その声は……! 悟空さん!」

タッタッタッ

慕「よかった……。また会えた!」

悟空?「……おう、そうだな」ククク

慕(…………あれ? 何か雰囲気が……?)



6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:26:49 ID:7Gdptm.A

慕(見覚えのある髪型とオレンジの道着……。確かにあのとき聞いた声……)

慕(なのに、何か違う感じがする……)

慕(……そういえばおもちがある……? 悟空さんじゃない……?)

悟空?「…………」ククク

慕「……えっと、今日はどうしたんですか?」

悟空?「おう、ちょっとおめぇの顔を見たくなってな。……それから」

慕「?」

悟空?「おもしれぇモン見せてやるよ。おい助手」

マンション横山「は、はいっ!」

グルグル ギュッ

慕「……? 自分の体を……椅子に縛り付けて……?」



7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:27:44 ID:7Gdptm.A

マンション「縛り終わりました、悟沢さん」

慕「ござわさん……?」

悟空?「おう、ご苦労」

慕「あの……? 何を……?」

悟空?「敵の技だから印象はよくねえが……。まあ、舞空術や太陽拳だって最初は敵だったヤツの技だしな」

慕「?」

悟空?「なんつったっけな……。そうそう、ギニューってヤツの技だ」

慕「??」


悟空?「チェンジ!!」


カッ



8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:28:49 ID:7Gdptm.A

―島根へ向かう車中―

ブロロロロ…

あぐり(運転手)「で? どういうことやねんオッサン?」

鳥山「……以前、わしと立ちゃんが世界を分割したことは……、知っとると思うけど」

立「…………はい」

鳥山「あのとき分かれた、わしの世界と立ちゃんの世界を……」

鳥山「……無理矢理に、また融合させた奴がおる」

立「!」

鳥山「おまけに、わしらが居るこの世界まで一緒にして……」

あぐり「なんやと……?」

紗「そんなことが……できるんですか……?」



9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:29:48 ID:7Gdptm.A

鳥山「…………君たちも知っとるはず」

紗「?」

鳥山「ひとつの世界を生み出し司る、"創造神"――『漫画家』と呼ばれる存在ならできる」

紗「!」

鳥山「……わしらと同業者だよ」

紗「そんな……」

鳥山「……またひとつ、新しい世界が創られたんだ」



10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:31:05 ID:7Gdptm.A

紗「……それにしても、私たちのいる世界まで一緒にするなんて……」

あぐり「ありえんわ、そんなん」

鳥山「……うむ、普通は無い事だね。昔のギャグ漫画なら割とあったけど……、ギャグ以外じゃなかなかね」

立「どうしてそんなこと……」

紗「一体……何者……?」

鳥山「――『HIDEKI大和田』。その筋では有名人だ」

紗「有名人……?」

鳥山「アウトローだよ」

立「!」



11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:32:09 ID:7Gdptm.A

あぐり「アウトローて……」

鳥山「一言で言えば……なんでもあり。多少の矛盾や弊害が出ようとも勢いで押し切るタイプだ」

紗「!」

鳥山「そいつの立ち上げた世界である以上……、どんなデタラメでも起こりうると覚悟せんといかん……」

紗「そんな……」

鳥山「……それくらい躊躇なくやってのける相手だよ」

レオナルド「キューン……」(ありえん)



12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:33:16 ID:7Gdptm.A

あぐり「そんなんで……やっていけとんのか、そいつ……?」

鳥山「……もちろん、だから敵も味方も多いって話だよ」

鳥山「最近じゃ、世界中の国家元首や著名人・政治家たちを同時に敵に回し続けとるって噂だ」

立「国家元首……」

鳥山「それでいて、某国の副総理的な人が絶賛してた事もあるとか無いとか」

紗「副……総理……」

鳥山「シャドルーとかいう裏社会の秘密結社とも繋がりがあるらしい……」

あぐり「秘密結社て……」

鳥山「あくまで噂レベルの話だけどね……」



13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:34:30 ID:7Gdptm.A

あぐり「せやから言うて、なんで慕ちゃんが襲われなあかんねん?」

紗「そうです……。慕ちゃんと悟空さんは友達じゃないですか……」

あぐり「おう。あのときゆびきりして仲良しになったんやろ?」

紗「その慕ちゃんを襲うなんて……。それも鳥山先生の許可も無くなんて考えられない……」

鳥山「…………」

鳥山「今、慕ちゃんの家にいるのは……悟空じゃない……」

あぐり「!」

鳥山「……途中ですり替えられたんだ。まんまと出し抜かれたよ」

紗「すり替え……?」

鳥山「……君たちも会った事あるじゃろ。悟沢空子さんだ」

立「!!」



14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:35:48 ID:7Gdptm.A

―島根 白築家―

慕(…………えっ)

慕(私が……私の目の前に立っている……?)

悟沢「…………フフフ」

慕(いつの間にか、椅子に縛られてる……。動けない!)ガタゴト

小野学「……うまくいったようだな」

マンション「あっ、か、監督!」

悟沢「おう、計画通りさ」

マンション「い、一体何をしたんですか……?」

小野「ボディチェンジってヤツだ。詳しいこたぁドラゴンボールを見ろ」

マンション「!」

慕(私の体が勝手に動いてる……! 私と離れたところで……)



15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:36:57 ID:7Gdptm.A

マンション「じゃあ……、この慕ちゃんは……」

悟沢「ああ、アタシだよ」

マンション「……そんな……声まで変わって……」

悟沢「おうさ、アニメじゃそういう技になってるからね」

マンション「なんてこった……悟沢さん声の慕ちゃんなんて……」

悟沢「ヒッヒ! やっぱり若い娘の肉体はいいね!」

小野「……じゃあ始めちまうか。こんなもんは先にやったもん勝ちだ」

マンション「な、何を……?」

小野「アニメ化だよ、シノハユの」

マンション「!」



16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:38:23 ID:7Gdptm.A

小野「こいつを使って、今から動画を撮影する……」

小野「それをアニメ予告編とでも称して配信し……、アニメシノハユの第一印象を世間に植えつける……」

小野「そうすりゃ、世間的に白築慕の声は悟沢空子で決定だ」

マンション「!」

小野「そのまま本編まで通ればそれもよし。後で変更されたとしても……、変えたという事実は物議を醸す……」

小野「いずれにせよ、話題作りには十分だ」

マンション「……それって、炎上っていうんじゃ……」

小野「注目の的と言ってもらおうか。人の目が集まりゃいいんだよ」

マンション(……なんか……。オレとんでもないことに手を貸してる気が……?)



17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:39:36 ID:7Gdptm.A

ガタッ ゴトゴトッ

マンション「えっ、ビデオカメラに集音マイク……」

小野「撮影機材だよ。アニメ作るっつってんだろ」

マンション「えっとあの、アニメの作り方ってそんなんでしたっけ……?」

小野「普通は本人になんか出演してもらえるワケねえだろう、常識的に考えて」

マンション「……はあ」

小野「だから必死に似顔絵を描いて映像を作り、似た声の声優を見繕って吹き替え音声を入れてんだよ」

小野「……だが当然、金も手間もかかる」

小野「本人の演技と声が使えりゃ、それに越したこたあねえ」

小野「まして予算もとれねえゲリラ予告編だ、なるたけ安上がりで済ますに限るんだよ」

マンション(……いやそういうことじゃなく……)



18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:40:46 ID:7Gdptm.A

小野「いいから手伝え。始めるぞ」

マンション「えっ?」

小野「お前しかスタッフ居ねえだろうが。照明板くらい持ちやがれ」

マンション「オレがですかぁ!?」

小野「そのために連れて来たんじゃねえか。早くしろ」

マンション「は、はいぃ!」

小野「始めるぞ」

悟沢「オーライ、いつでもいいわ」クックック



19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:42:07 ID:7Gdptm.A

―車中―

紗「声が……乗っ取られる……?」

鳥山「うん。やつらの狙いはそれだよ」

紗「そんなこと……。一体、なんのために……」

鳥山「もちろん、慕ちゃんを悟沢さんの声にしてアニメを作るつもりじゃろう」

立「!」

あぐり「なんやと……?」

紗「そんな……」



20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:43:28 ID:7Gdptm.A

紗「そんなことをして……どうしようと……」

鳥山「……当然、シノハユのアニメ化に影響を与えたいんだろうね」

立「!」

鳥山「慕ちゃんの声が悟沢さんだとなったら話題になる……。トントン拍子に話も進むじゃろ」

鳥山「本決まりの声優さんも、揉めることもオーディションやらも無く……。満場一致で悟沢さんになるだろうね」

紗「そんな……」

鳥山「いい意味かはわからんが、注目も集まる……。話題作りになるといえばなるかもね」

立「!!」



21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:44:34 ID:7Gdptm.A

あぐり「……そない言うてもおかしいやろ、オッサン」

鳥山「ん?」

あぐり「吹き替えのキャストを代えるだけやろ? そない回りくどい事せんと、企画会議で言うたらええやんけ」

紗「そうですよ、あくまで声優さんがやるのは吹き替え……」

鳥山「そんな生優しいもんじゃない……。以前咲ちゃんの声優を代えようとしたときとはわけが違う」

紗「?」

鳥山「彼らは……、慕ちゃん本人の声そのものを変えようとしているんだ」

紗「えっ!?」

鳥山「放っておいたら……本当に慕ちゃん自身があの声になってしまうぞ……」

紗「!!」



22 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:46:10 ID:7Gdptm.A

紗「なんてことを……、大変!」

あぐり「……おう、えらいこっちゃで……!」

立「…………」

鳥山「立ちゃん?」

立「…………話題になるのなら、私はかまいませんけど」

紗「!?」

あぐり「……おい」

鳥山「…………そうかい?」

立「…………はい」



23 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:47:46 ID:7Gdptm.A

立「注目を集めてもっと売れてくれるなら……。いいことじゃないですか」

あぐり「おい立」

立「植田さんの時にも言いましたけど。強い力を持ったキャストになってくれるなら、それに越したことはありません」

立「アニメ化の無かった話を作ってくれるなら、私は願ったりですし」

立「別に、焦って行かなくてもいいんじゃないですか?」

紗「お姉さま……」

あぐり「お前……」

立「……私の目的のためなら……どんなことだって……」

鳥山「…………ふむ」

立「…………」



24 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:49:13 ID:7Gdptm.A

鳥山「無理せんでええぞい、立ちゃん」

立「!」ピクッ

鳥山「…………」

立「…………私は別に」

鳥山「…………」

立「…………」

鳥山「……今の言葉、本心じゃないよね?」

立「!」



25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:50:45 ID:7Gdptm.A

立「なぜ……そう思うのでしょう……」

鳥山「ふっふっふ」

あぐり「?」

鳥山「わしももう、漫画家稼業も長い……。それくらいは見ればわかるよ」

立「…………」

鳥山「なあ立ちゃん」

立「…………」

鳥山「立ちゃんが漫画を描くのは……、親父さんを見つけるため、じゃろ?」

立「!」



26 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:51:50 ID:7Gdptm.A

鳥山「でも、今日まで未だ手掛かりすら掴めず……」

立「…………」

鳥山「咲-Saki-本編も、もう全国決勝が目の前……。来年十周年だよね? あっちの時間で」

立「…………はい」

鳥山「それだけ経つのに、親父さんは一向に見つからない……。情報の欠片も出てこない」

立「…………」

鳥山「シノハユは、そんなお前さんの最後の切り札……」

紗「!」

鳥山「あからさまに自分と同じ……。親御さんを失くして追いかける運命を背負った子を主人公にして……」



27 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:53:04 ID:7Gdptm.A

鳥山「お前さんは慕ちゃんに、自分自身を映したんだ……」

鳥山「父と母とは違いを入れたが……。失った肉親を追いかける姿を」

鳥山「……そして、いつかきっと出会える未来を」

立「…………」

鳥山「……すべては、親父さんに見つけてもらうため」

立「…………」

鳥山「……そうだよね?」



28 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:54:20 ID:7Gdptm.A

立「…………それがどうしたんですか」

鳥山「ん?」

立「いいじゃないですか……! 私がどんな理由で漫画を描いたって……!」

鳥山「……もちろん、それ自体を否定はせんよ。理由は人それぞれだからね」

立「だったら……。放っておいてください……!」

鳥山「……でもね立ちゃん」

立「…………」

鳥山「だからこそ。君は慕ちゃんに、特別な思いを込めたんじゃないのかな……?」



29 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:55:24 ID:7Gdptm.A

鳥山「わしと立ちゃんが、慕ちゃんと初めて会ったときのこと……。覚えとるけ?」

立「……ええ。世界を分割したときですね」

鳥山「うん。悟空と慕ちゃん、松実さん夫婦、わしらが顔を合わせたあのとき……」

鳥山「他のみんなには声色を変えて話しとったが……、わしにはわかった」

立「…………」

鳥山「慕ちゃんの声は……、立ちゃんの声だよね?」

立「!」ドキッ



30 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:56:48 ID:7Gdptm.A

鳥山「悟沢さんの実力は……わしもわかっとる。わしこそ一番わかっとるよ」

立「…………」

鳥山「でも……。いくらそれで人気が出たとして……」

立「…………」

鳥山「そこまで自分と同じ気持ちを込めて生み出した、あの子の声が……」

立「…………」

鳥山「あの子が母親と出会えたとき、おかーさんと呼ぶその声が……」

立「…………」

鳥山「『オッスオラ慕!』で、いいのかな?」

立「…………」

鳥山「……君は慕ちゃんに、そう言わせていいのかい?」

立「…………」

紗「鳥山先生……」



31 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 21:58:06 ID:7Gdptm.A

立「…………」

立「…………」

立「…………」

立「…………そこまでご存知なら、誤魔化す理由もありません」

鳥山「…………」

立「……仰る通りです、鳥山先生」

紗「!」

立「あぐり! 急いで!」

あぐり「おうよ!」

ズギャギャッ ブロロロロ……



32 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:00:05 ID:7Gdptm.A

―島根 白築家―

小野「始めるぞ。シーン1カット1、なくなった麻雀牌を探す慕」

マンション「あ、アクション!」

カチン

悟沢「ね……、ねえ! オラのマージャンペェがねえぞ! タマもチンもねえ……」

小野「カット!」

悟沢「……何だい?」

小野「後半のアドリブは不要だ」

悟沢「ははっ、ついやっちまった。わりぃわりぃ」

マンション「これはひどい」



33 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:01:34 ID:7Gdptm.A

小野「シーン3カット4、叔父に牌を売られたことを聞かされる慕」

マンション「えっ、叔父にって……耕介さんいませんけど……」

小野「おら着替えろ。お前がおじさん役だ」

マンション「えぇーー!?」

小野「早くしろ。カンペくらい用意してやる」

マンション「い、いいんですかそんなんでぇ!?」



34 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:02:43 ID:7Gdptm.A

小野「アクション!」

カチン

マンション「ま、麻雀牌だけどさ……。売ったわ」

悟沢「おう。つまりこの、鳥さんのペェを七つ集めりゃおかーさんが戻ってくるってわけだな……!」

マンション「そうさ、今こそアドベンチャーだ慕!」

悟沢「オラ、ワクワクしてきたぞ!」

小野「…………チッ、大根演技だな」

マンション(酷いストーリー捏造……)



35 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:04:03 ID:7Gdptm.A

小野「じゃあ次だ。麻雀大会のシーンいくぞ」

マンション「で、でも対戦相手が……」

小野「顔さえ映さなきゃ代役でいいんだよ。スタントマンと同じだ」

マンション「えぇー……」

小野「脇役なんざ後からどうとでもできる……。おい、エキストラ!」

エキストラ「はーい」

ゾロゾロ

マンション(ど、どこから出てきた……)



36 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:05:25 ID:7Gdptm.A

小野「シーン16カット23、麻雀大会で勝ち進む慕」

悟沢「うっひょー! こりゃいい配ペェだな!」

タンッ

悟沢「よーし張ったぞ! テンペェ即リーだ!」

タンッ

悟沢「ロン! 立直一発ペェ發イーペェコー!」

エキストラ「うわー」

エキストラ「やられたー」

マンション(……悪夢だなこれ……)



37 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:06:44 ID:7Gdptm.A

バタンッ

立「そこまでです!」

悟沢「!」

小野「!」

マンション「あ……立先生……」

立「マンションさんに……小野監督……。あなた達も関わってたんですか……」

小野「…………」

立「……どういうことですか、これは」

小野「……上の指示だ。原作者さんよ」



38 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:08:24 ID:7Gdptm.A

小野「アニメに関しては俺が全権を任されている……。口出し無用だ」

立「まだシノハユのアニメ話なんてどこにも出ていないはずですが」

小野「いいじゃねえか。どうせ主人公の声は悟沢さんでいいんだろ?」

立「いいえ、お断りします」

小野「…………ほう?」ギロッ

マンション「ヒィィ……」

小野「全国編のときにゃ咲の声でいいっつったじゃねえか。どういう心境の変化だ?」

立「シノハユにまでそう言った覚えはありません! あなたこそ、どうして勝手にこんなことを!」

小野「…………上の指示だっつったろ」



39 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:09:51 ID:7Gdptm.A

小野「お前さんがシノハユの原作者だろうと……。俺がどういうつもりだろうと……」

立「…………」

小野「もっと上からのお達しだ」

あぐり「もっと上……やと……?」

小野「今この世界の支配者……マスターはアンタじゃねえ」

立「!」

紗「……それって……」

立「…………大和田…………!」

小野「おうよ」



40 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:11:10 ID:7Gdptm.A

小野「話つけたきゃ、そっちとやってくれ」

立「それなら、その大和田さんを出してください! どこにいるんですか!?」

小野「知らんな。一緒に居たわけじゃねえ」

あぐり「……この期に及んで嘘つく気やないやろな」

小野「知らんつってんだろ」

立「くっ……」

鳥山「…………いや、そこにおるよ。その物陰に」

紗「!」

小野「……何?」

鳥山「おるんじゃろ、大和田ちゃん。出てきなさい」



41 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:12:42 ID:7Gdptm.A

スッ

大和田「…………」

立「え……? 下着姿の女性……?」

あぐり「黒レースの上下とガーターベルトに……フルフェイスメット!?」

紗(へ、変態だー!!)ガビーン

あぐり(なんやこの痴女様は………)

立「この人が……アウトロー……?」

鳥山「うむ……気を付けるんだ。体つきこそピチピチギャルじゃが……」

紗(表現が古い……)

鳥山「常時かぶっとるあのフルフェイスで、素顔を見た者はおらん」

大和田「…………」



42 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:14:16 ID:7Gdptm.A

立「……あなたが……この世界を……」

大和田「…………」

あぐり「…………」

紗「…………」

鳥山「…………」

小野「…………」

大和田「こんちゃかわー」(棒読み)

紗「!?」

立「」ビキッ



43 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:15:38 ID:7Gdptm.A

大和田「……よく私にお気づきで。さすが鳥山先生」

鳥山「ふっふっふ、ピチピチギャルの居場所ならすぐわかるぞい」

あぐり「ただのポンコツ昭和ロボやなかったんか……」

鳥山「サインほしいか?」

あぐり「いらんわ」

レオナルド「キューン」(いらん)

紗「大丈夫でーす」

鳥山「!」ガーン

立「……いや、今そんな場合じゃないですから」



44 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:18:55 ID:7Gdptm.A

立「答えてください。何のつもりでこんなことを……」

大和田「…………さあてね」

立「…………」

大和田「…………」

立「では……何をしにここへ……」

大和田「…………別に。ただの火事場見物物見遊山よ」

立「…………」

大和田「…………」

立「議論する気なし、ですか……」

大和田「…………」



45 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:20:07 ID:7Gdptm.A

立「……とにかく、シノハユ原作者としてこの状況は看過できません。撤回してください」

小野「……だとよ」

大和田「…………」

立「…………」

大和田「……それを決めるのは、私じゃないわね」

悟沢「……ああ」

紗「悟沢さんまで……」

悟沢「……本人の胸に聞いたらいいじゃねぇかい」

紗「本人……?」



46 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:21:21 ID:7Gdptm.A

悟沢「おい、そいつの縛りを解いてやりな」

慕「!」

マンション「えっ……。いいんですか?」

悟沢「ああ。体はアタシのもんだ、丁重にな」

マンション「あ、はい……」

パラッ

マンション「……はい、解けました」

慕「……ありがとうございます……」



47 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:23:20 ID:7Gdptm.A

立「……悟沢さん……。何をするつもりですか……?」

悟沢「あたしらが声を演(や)るのに大切なことは……。なにより、そいつのことを気に入るかどうか」

立「?」

悟沢「結局今日は、それを確かめに来たのさ……。なあ、慕」

慕「……はい?」

悟沢「お前の人生は……ハッピーかい?」

慕「…………?」



48 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:24:47 ID:7Gdptm.A

悟沢「ハッピーじゃねえなら、無理するこたあねえ。丸ごとアタシが代わってやるよ」

悟沢「この体と声をこのままアタシに渡して、裏で大人しくしてるがいいさ」

慕「!」

悟沢「……答えな、慕」

慕「……はい……?」

悟沢「お前の生きる目的は……。どうしても成し遂げたいことは何だい?」

慕「……それは……。勿論、おかーさんを探すこと……」

悟沢「おう、そうさね。…………それなら」

慕「?」

悟沢「それを成すには生半可な気持ちじゃ無理ってことも、知ってるかい?」

慕「!」



49 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:26:15 ID:7Gdptm.A

悟沢「お前が進もうとしている道は過酷だよ」

慕「…………」

悟沢「何年かかるかもわからない。心も体もボロボロになって、いい結果になるかもわからない」

慕「…………」

悟沢「自分が自分でなくなるような事すら起きるかもしれないね。声どころか、心も記憶も……」

紗(……それって、ナナさんのこと……)

悟沢「それでも気持ちを強く持って……、自分の意思を貫いて」

悟沢「ひとりで戦っていく覚悟はあるのかい?」

慕「…………」



50 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:28:05 ID:7Gdptm.A

慕「…………ひとりじゃないよ」

悟沢「?」

慕「確かに、おかーさんがいなくなったときは……。最初はひとりぼっちだと思ったけど……」

慕「私には、そこから出会った友達がいる!」

慕「閑無ちゃん……はやりちゃん……杏果ちゃん……悠彗ちゃん……」

慕「おじさんに質屋さん、玲奈ちゃん、陽葵ちゃん……全国大会で打ったみんな……」

慕「それに、鳥さんが……。ここに鳥さんがいる!」

スッ

紗(…………一索?)

あぐり(あんときのアレ……。ずっと持ってたんか……)



51 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:30:05 ID:7Gdptm.A

慕「私は……一人じゃない……!」

慕「支えてくれる友達が……。鳥さんが一緒に、ここにいるんだ!!」

慕「鳥さんたちと一緒なら……、怖いものなんてない!!」

立「慕……ちゃん……」

慕「決めたんだ! どんなことをしても、おかーさんを探し出すって!!」

慕「もう一度、大好きだよって言うために! たくさん友達ができたよって話すために!」

慕「私の声で……。おかーさんの知ってる、私自身の体と声で!」


慕「 そ れ が 私 の す べ て だ か ら ! 」


カッ



52 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:31:56 ID:7Gdptm.A


紗「――そのとき。慕ちゃんの背後に、大きな鳥の姿が浮かび上がったように見えました。

  慕ちゃんをずっと見守っている、力強い友達が――」





53 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:33:21 ID:7Gdptm.A

バッシュゥゥーーン

ドォーン

慕「あ……体が……」

悟沢「…………ほう」

マンション「あっ、声が元通りに……?」

慕「元に……戻った!」

紗「慕ちゃん……!」

小野「ボディチェンジを自力で戻しただと……?」

鳥山「大和田ちゃんの支配を……撥ね退けた……」

大和田「…………」

悟沢「…………フフフッ」



54 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:34:51 ID:7Gdptm.A

悟沢「フッ……。アッハッハッハッハ!!」

マンション「ご、悟沢さん……?」

悟沢「……気に入ったよ慕。いい心の力を持っているじゃないか」

慕「…………」

悟沢「今のその気持ち……。忘れるんじゃないよ……」

慕「はい! もちろんです!」

悟沢「……いい返事だ。ハッピーだね、慕」

紗「悟沢さん……」

悟沢「ヒッヒ! 来た甲斐があったってもんだね!」



55 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:37:20 ID:7Gdptm.A

悟沢「おい、けぇるよ運転手。車出しとくれ」

マンション「あ、は、はい……」

小野「…………いいのか?」

悟沢「フン、しんぺぇすんな。今日はまだ顔合わせさね」

小野「…………」

悟沢「いつんなるか知らんが……。アニメ化なんざもっと先の話だろう?」

悟沢「吹き替えが要るときゃ、いつでも呼んどくれ! 特別サービス価格で演(や)ってやるよ!」カッカッカッ

立「悟沢さん……」

スタスタ



56 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:39:09 ID:7Gdptm.A

小野「…………」クルッ

スタスタ

立「……どこへ?」

小野「車が出るなら俺も乗るさ。置いていかれちゃかなわねえ」

立「……あなたは……一体何を考えて……?」

小野「…………」

小野「アニメ屋ってもんは、依頼があれば全力で受ける。それだけだ」

立「…………」

立「こんなことをしたって! 批判を呼ぶだけじゃないんですか!?」

小野「……俺の心配をしている場合じゃねえだろ、原作者さんよ」

立「?」



57 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:40:36 ID:7Gdptm.A

小野「予告編動画ひとつポシャったところで問題ねえ。まだどこにも出してなかった話だ」

立「…………」

小野「それより、手前の心配をしてやがれ」

立「?」

小野「アニメ化にゃ尺が足りねえよ。俺に絡む前にやることがあるだろうが」

立「…………」

小野「せいぜい、原作ストックを増やすこった。気合の入ったやつをな」

立「……気合……?」

小野「…………気の抜けたようなモンを俺によこすんじゃねえぞっつってんだ」

立「…………」

小野「……じゃあな」

スタスタ



58 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:42:12 ID:7Gdptm.A

紗「行っちゃった……」

慕「……えっと……、あの……?」

あぐり「おう、アンタは心配せんでええで。ちょっとあっちで休憩しよか」

慕「あ、はい……」

立(…………お願いね)チラッ

あぐり(……おう、今日のことは適当にごまかしとくわ)チラッ

……

鳥山「……さて、大和田ちゃん」



59 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:43:41 ID:7Gdptm.A

鳥山「君が集めた人たちはいなくなったわけだが……。どうするね?」

大和田「…………」

鳥山「…………」

大和田「……フン、プロットが崩れたわ」

立「…………」

大和田「私だけがいても意味は無いわ。退散させてもらうわね」

立「待ってください。その前に納得のいく説明を」

大和田「心配しなくても……。私の支配は、もうすぐ解けるわよ」

紗「?」

大和田「私は所詮、不定期連載……。長く居座るつもりは無いわ」



60 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:45:20 ID:7Gdptm.A

大和田「……それと、誤解がありそうだからもうひとつ」

立「?」

大和田「私は別に、あなた達の敵じゃないからね?」

立「…………」

鳥山「…………」

紗「…………」

大和田「……縁があったらまた会いましょう。良い縁であることを祈っているわ」

立「…………」

大和田「バイニー♪」



61 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:46:39 ID:7Gdptm.A

あぐり「……行ったか」

鳥山「おう、お疲れさん。慕ちゃんは?」

あぐり「問題なしや。今はベッドで寝とる」

鳥山「……そうか」

あぐり「目ぇ覚める前に全員いなくなっときゃ、変な夢やったで済むやろ」

紗「よかった……」

鳥山「しかし立ちゃん……。君も大変な連中を相手にしとるね」

立「…………大丈夫ですよ」

鳥山「ん?」

立「あの慕ちゃんを見ていたら……。弱音なんて吐いていられません」

鳥山「…………ほほう」



62 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:48:16 ID:7Gdptm.A

立「……慕ちゃんの言葉を聞いて、目が覚めた気がしました」

立「私は……、まだまだ足りなかった。気持ちの強さも、向き合い方も……」

立「何年も父さんのことが見えない状況に……ひとりで焦って追い詰められて……」

立「……気持ちのどこかで、諦めかけて心を閉じていたような気がします」

立「……慕ちゃんのように、仲間と支えあうなんて考えもしなかった」

立「私も……もっとがんばらなくちゃ。いつかその時、堂々と父さんに向き合えるように」

立「…………そう思わせてくれました」

紗「お姉さま……」

立「原作者が主人公に、気持ちで負けてるわけにはいきませんからね!」

あぐり「……ちょい待てやコラ」

立「?」



63 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:49:31 ID:7Gdptm.A

あぐり「ひとりで盛り上がりよって……。全然わかっとらんやんけ」

立「……えっ?」

あぐり「仲間と支えあうなんて考えもしなかったー言うんは聞き捨てならんで、オイ」

立「…………えっ」

あぐり「今までここにおったんは、支えあう仲間やなかったっちゅーんか? ん?」

紗「虎さん……」

あぐり「お前の漫画描いとるやつはな、もうここに二人おんねんぞ」

レオナルド「キューン」(うむ)

立「あぐり……」



64 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:51:03 ID:7Gdptm.A

あぐり「……お前がどう思うとるか知らんが、この際やから言うといたるわ」

立「?」

あぐり「お前に誘われてからこっち……。もう随分経つけどな」

立「…………」

あぐり「こっちかて嫌々やったら、ここまで付き合うてへんちゅうねん」

紗「……はい! 私もそうです!」

あぐり「……もうちょい、おのれの周りもちゃんと見とけや」

立「……二人とも……」

レオナルド「キューン」(三人だぞ)

立「……そうね、ごめんなさい」

あぐり「……おう」



65 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:53:08 ID:7Gdptm.A

立「…………それから、ありがとう」ニコッ

あぐり「……おっ」

紗「わぁ……」

立「?」

あぐり「ええ笑顔やんけ。初めて見たわ、お前のそんな明るい顔」

紗「私もです……」

立「…………そう?」

紗「ずっとなんていうか……。気が張り詰めたというか、近寄り難い感じがしてたから……」

あぐり「おう、そうやな。いつか言うたらなアカン思うてたヤツや」

立「……何よそれ」



66 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:54:49 ID:7Gdptm.A

あぐり「ヘッ、言葉の通りや。慕ちゃんに負けたない言うなら、もうちょい普段から笑うとけや」

紗「私も……笑ったお顔の方がいいと思います……」ウフフッ

立「……な、なによもう……」

紗「あ、照れた顔もステキ……」

立「ちょっと紗! からかわないで!」

鳥山「ふぉっふぉっふぉっ。こりゃハッピーだね、立ちゃん」

立「もう! なんですか鳥山先生まで!」

アハハハハ ウフフフフ

紗(…………あれ?)



67 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:56:40 ID:7Gdptm.A

紗(……なんか凄く丸く収まったっていうか……。実は最初から……?)

紗(…………)

紗(……『お前はハッピーかい?』……)

紗(……『気の抜けたようなモンをよこすんじゃねえぞ』……)

紗(…………)

紗(もしかしてもしかしてだけど……)

紗(二人とも……本当は慕ちゃんじゃなくてお姉さまに……?)

紗(…………)

紗(…………考えすぎかな)

あぐり「どした? 帰るで?」

紗「あ、はい! 今行きます!」

タッタッタッ



68 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:58:05 ID:7Gdptm.A

竹書房

大和田「今帰ったわ」

高橋イッペイ(竹書房会長)「…………ご苦労」

辻野「…………」

高橋「……で、首尾はどうなった」

大和田「今回は顔見せだけよ。まだ何もしてないわ」

高橋「あぁん?」ギロッ

辻野「……なんだと?」

大和田「…………もらった原稿料分の仕事はしたわよ」



69 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 22:59:41 ID:7Gdptm.A

高橋「お前の仕事は……。シノハユのアニメをうちの支配下に置くことじゃろう」

高橋「小林立を即潰すのはもはや下策……。ならば、アニメを制作著作竹書房にしてしまえと……」

高橋「お前が提案したから乗ってやった話のはずじゃろうが」

高橋「何もしとらんじゃあ済まさんぞ」

大和田「そんなに心配しなくてもいいわよ」

高橋「…………」

辻野(……腹が読めない女だ……)



70 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 23:02:06 ID:7Gdptm.A

高橋「……これで終わらせるわけじゃあるめぇ。次のプランは?」

大和田「原稿料次第ね……。依頼がなくちゃ、私は動かないよ」

高橋「寝ぼけた事ぬかすな。原稿料ってなぁ金を出す価値があるから出すモンだ」

大和田「あら、言うじゃない」

高橋「先に計画を聞かせてもらおうか。見通しくらいあって言うとんじゃろうな?」

大和田「…………聞くかい?」

高橋「あたりめぇだ。無いとは言わさねえぞ」

大和田「大丈夫よ。今回で大体状況はわかったわ」



71 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 23:03:27 ID:7Gdptm.A

大和田「本人が中々強い意志をお持ちのようだから……。それなら、周りから攻めていけばいい」

辻野「?」

大和田「シノハユのあの子……。慕ちゃんの最大の目的は、離れ離れになった肉親を探し出すこと」

辻野「…………」

大和田「誰かさんと一緒だね」

辻野「!」

高橋「?」

大和田「ねえ?」

辻野「…………」

高橋「?」

辻野(こいつ……何をどこまで知って……)



72 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 23:05:11 ID:7Gdptm.A

大和田「その、慕ちゃんの母親……。今までずっと行方不明、方々手を尽くしても一切出てきてなかったけど」

大和田「……最近の話じゃ、少し様子が判明している」

辻野「!」

大和田「まだ不明な点も多いけど……。どうやら、無事に生きてはいるらしい」

高橋「…………」

大和田「勿論、簡単には会いに行けない状況……。でも、全く手掛かり無しってわけでもないわ」



73 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 23:07:09 ID:7Gdptm.A

大和田「何をしているのかは不明だけど……。少人数で世界中を飛びまわってるみたいだ」

大和田「巷じゃ、裏社会で暗躍する闇の代打ち組織だなんて噂されているわね」

大和田「……そこで、ニーマンとかいうトップらしき女と仲良くやってるって話さ」

大和田「記憶を消されて囲われてるなんて疑惑もあるけれど……、何かを強要されてる様子は無い」

大和田「女同士、幸せそうなんじゃないかい?」

高橋「…………」



74 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 23:09:48 ID:7Gdptm.A

高橋「……だからどうだっちゅうんじゃ」

大和田「……相手の様子が分かっているなら、こっちにもやりようがあるわ」

辻野「?」

大和田「そういうことなら、あちらと同じ状況を作ってやればいい」

高橋「?」

辻野「?」

大和田「今ここに、立-Ritz-世界の裏で暗躍する闇のホモ組織の設立を宣言する」

辻野「は?」



75 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 23:12:21 ID:7Gdptm.A

辻野「おい、何を言って……?」

大和田「二度は言わないよ」

辻野「いや、全く意味が分からんぞ! どういうことだ!」

大和田「……ハァーッ……察しが悪いね……」

辻野「…………」

大和田「お前(辻野)、主人公の肉親。 ここ(竹書房)、その所属組織。 お前(高橋)、組織のトップ。 以上」

辻野「?」

高橋「?」

大和田「お前たち二人の組織だよ、ほら脱げ」

辻野「えっ」

高橋「えっ」

……

アッー!


カン



76 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/12/01(火) 23:13:18 ID:7Gdptm.A

※このSSは漫画『立-Ritz-』および関連作品等を基にした二次創作であり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。




 
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