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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 04:57:16.83 ID:28NWgp390


「学校には髪を染めて来ちゃいけないんだぞー!」

「ヒートちゃんずるーい。私だって染めたいのに」

「真っ赤な髪してさ。そんなに目立ちたいの?」

ノパ⊿゚) 私の赤毛は生まれつきだ

「でもヒートちゃんのお父さんもお母さんも黒色だったよね?」

「じゃあヒートは本当の子供じゃないんだ」

「捨て子のヒートだ!」

ノパ⊿゚) 両親が赤ん坊の私を抱いてる写真だってある

「それってさ、腹違いってやつなんじゃない?」

「知ってる。お父さんが違うんだ」

「ヒートちゃんのおばさんは浮気してるの!?」

ノパ⊿゚) それで一悶着したってお母さんが言ってた。ちゃんと調べて、そんなことないって分かったって







2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 04:57:58.14 ID:28NWgp390


ノパ⊿゚) 言っても言ってもきりがないなー

 真っ赤な私の髪の毛は、いつだって注目の的だった。両親は染めても良いと言ってくれるが、私はこの赤毛が好きだ。馬鹿にされても、これを黒くしようとは思わない。

 それに、

('A`) 今日も散々だったなぁ? どうだ、死にたくなつたろう!

 黒いのはこいつの格好だけで充分なのだ。




3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 04:58:57.46 ID:28NWgp390


 黒い格好のブサイクが現れたのは、ちょうど小学四年生になったころ。まだ私が苛められるのに慣れていなかった時だ。

 学校からの帰り道。夕焼けを浴びながら歩いていると、自分の赤毛を連想してしまい、その日同級生から投げかけられた言葉を思い出してしまった。ふっと涙がこぼれて、私は慌てて近くの公園にあるトイレへ逃げ込んだ。

 私が泣くのを見ると同級生が喜ぶので、泣いてしまう時は誰にも見られない場所で泣く。いつの間にかついた癖だった。

('A`) やあやあ、赤毛のいじめられっ子ちゃん! 俺は今日から君の担当になった――

ノハ;⊿;) ぶ、ブサイク

(;'A`) いやブサイクじゃなくて、ドクオっていうんだけど

ノハ;⊿:) 女子トイレにいる変態ドクオ

(;'A`) そ、その通りだが改めて言わないでくれる?

 誰もいないはずの個室に突然現れたブサイクことドクオは、狭い個室の中で宙に浮かび、空中で胡坐をかいている。

 不思議とその時の私は、変態を見ても驚かなかった。





4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 04:59:40.64 ID:28NWgp390


ノハ;⊿;) 変態ブサイクは私に何か用? 

(;'A`) 最悪の組み合わせ方をしたな…… 

('A`) まあいい。改めて名乗ろう。俺は自殺の死神、ドクオ! 今日から君の担当になったから、よろしくな! 

ノパ⊿゚) 

(;'A`)そ き、急に泣き止んだ!?   

 あまりにドクオがすっとんきょうなことを言うので、私はすっかり泣く気が失せたのを覚えている。苛めの記憶や悲しみがすっ飛ぶくらい、彼との出会いは衝撃的だったのだ。 

 それから、ドクオは私につきまとうようになった。 





5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:00:27.21 ID:28NWgp390


「素直さんさ、話しかけるのやめてくれる? 正直迷惑なんだよね」 

ノパ⊿゚) え? 

「はぶられてて可哀想だったから話してたけど、なんかあたしまで浮きそうだしさ」 

ノパ⊿゚) そ、そっか。ごめんね! もう話しかけないから 

「ん、そうして」 

 友達だと思っていた子から絶交されると、 

('A`) お高くとまって嫌な感じだぜ。そんな態度とる奴、ヒートと話さなくても浮くっつうの! 

('A`) お前もそう思うだろ? あいつ、絶対お前と話さなくなったこと後悔するわ。百円賭けてもいい 

('A`) しかし唯一の友達から絶交とはな。もう夢も希望もないな。死ぬ? 死んじゃう? 

 ドクオは愚痴りながら煽ってきた。 

  



6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:01:13.25 ID:28NWgp390

  
「素直、お前どうして髪を黒く染めないんだ。他の子はみんな黒いだろう」 

ノパ⊿゚) 先生、これは地毛なんです 

「そうだろうが、お前が黒くしないとみんなが不公平だって言うんだよ」 

ノパ⊿゚) でも先生…… 

「先生は素直が変わってくれると嬉しいな」 

 担任の先生からこんなことを言われると、 

(#'A`) まったく、役目を果たさないアホ教師だ! 諭すべき相手が違うだろうに 

(#'A`) ヒートにかこつけて文句を言う奴を黙らせろってんだよなー! これからもお前は、こういう奴を相手にしなきゃいけないんだぞ 

(#'A`) 嫌だろ? 面倒くさいだろ? 死にたくなってきただろ!?  

 などと怒りながら煽ってくる。 





7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:01:59.53 ID:28NWgp390


「やーい、赤毛のヒート!」 

「お前、鼻毛なんかも赤いんだろ。ずっと鼻血が出てんのかー!」 

ノハ#゚⊿゚) 赤いのは髪の毛だけだ! 

「ヒートが怒った。顔まで真っ赤だ!」 

「触られたら俺たちの毛も真っ赤になるぞー!」 

ノハ#゚⊿゚) なってたまるか!   

 同級生からからかわれると、 

('A`) 小五にもなって、たいがい幼稚な連中だよなぁ。もしかしてお前に気があんのかね? 

('A;) そんなことしても嫌われるだけなのにな……はぁ、俺もあのころ気づいてたら…… 

('Aう) ちげぇよ。これはお前に嫌われるあいつらを憐れんで泣いてんだよ。ほら、お前は同情されないし悲しいだろ? 死にたいだろ? 

 なぜか煽りながら泣いてた。 





8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:02:27.24 ID:28NWgp390


 苛められたり、からかわれたり、理不尽な目にあったり。そんなことがあると、必ずドクオは自殺するよう私を煽った。自称死神との会話は気晴らしになり、結果的に私を愉快な気持ちにした。 

(;'A`) あれー、なんで絶望しないの? 早く死んでもらわないと次の担当に行けないんだけど…… 

ノパ⊿゚) 自殺の死神って担当制なの? 

('A`) ああ、そうだよ。昔は自殺に関してはみんな簡単にしてくれたんだけど、近頃はそうもいかなくてなぁ 

('A`) 自殺を止める電話とか、相談教室とか、どうも自殺しづらくなってきたんだ。だから担当死神が自殺するよう導くんだよ 

ノパ⊿゚) ふーん。じゃあ私が自殺しない限り、一生ブサイクにストーキングされるんだ! 

(;'A`) えー、それ困る……ブサイクって言うのやめてくれる?  





9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:03:02.68 ID:28NWgp390


 そして現在。六年生になった今でも、私は自殺などしていない。それどころか、赤毛を理由にする苛めにも耐性ができていた。 

ノパ⊿゚) クラス替えがあるたびにこれだもんなー、もー! 

('A`) お、とうとう人生に疲れてくれたか? 

ノパ⊿゚) この年で疲れるわけないでしょ。ドクオじゃあるまいし 

(;'A`) ……ヒートさ、だいぶ強くなったよな。初めて会った時は泣いてたのに 

ノパ⊿゚) 誰かさんが余計な煽りいれるから、経験値が溜まるんだよ 

('A`) おっかしいなぁ。追い打ちかければすぐに死ぬと思ってたんだけどなぁ 

ノパ⊿゚) ドクオじゃあるまいし 

('Aう) その返事やめない? いや、別に傷つかないけどさ 





10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:03:41.18 ID:28NWgp390


 実のところ、私はドクオが憑りつくまでは自殺を考えていた。今となっては大げさだったと思う。しかし真っ赤な髪の毛は、それを考えるほどに私の人生を犯していた。 

 両親とも違う。同級生とも違う。独りぼっちになる理由。例え黒く染めても、一生変わることのない事実。それを好きになったのは、ドクオの言葉が切っ掛けだった。 





11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:04:23.80 ID:28NWgp390


 ドクオと出会った帰り道、夕日が落ちる寸前で、辺りは赤と黒が混じり合っていた。 

('A`) 自殺ってのはいいぞ。その疎ましい赤毛ともおさらばできる! 

ノパ⊿゚) 本当? 

('A`) ああ。あの夕日が落ちて夜がくるように、お前も黒髪の人間として生まれ変わる――かもしれない! 

ノパ⊿゚) 確実じゃないんだ 

('A`) 確実なんてないんだよ! もしかしたらまた赤毛に生まれるかも! 

ノハ;゚⊿゚) ええ……じゃあ自殺しない…… 

(;'A`) あ、違う違う。なんていうか、えっと―― 

 赤毛でも、みんなに好かれるように生まれるかもしれない! 





12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:05:28.00 ID:28NWgp390


ノハ ⊿ ) 赤毛でも好かれる? 

 そんなことがあるのかな。 

('A`) 俺も色んな人間を見てきたからな。お前みたいに、ちょっと目立つ奴でも愛されて生きる奴を山ほど知ってる 

ノハ ⊿ ) 文句言われたり、仲間外れにされない? 

 これって、すごく嫌なことなんだよ。 

('A`) されることもある。けど、ずっとは続かないぞ! そいつらは友達もできて、恋人ができる奴もいた 

(;A;) そうだよ、恋人もできるんだよ。見せつけやがってさぁ…… 

ノハ ⊿ ) その人達って、どんな風に生きてたの? 

 真っ赤な髪の毛と、どうやって過ごしたの。 

('Aう) ん? どんな風って、あいつら胸を張って生きてたよ。自分のことを好いて、自信を持って生きてた 

ノハ ⊿ ) 自分のことを好いて、自信を持つ 

('A`) そうそう。だからお前も、自殺して次はそうなれるよう祈って 

ノパ⊿゚) ――そうだな。私だけでも、この髪を好いてやらないとな!  

(;'A`) はい? 

 日が沈み、月明かりが私を照らし出す。薄暗い黒色の中で、私の髪は赤く光を反射していた。 





13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:07:15.18 ID:28NWgp390


 いつのころからか、私は苛められることと赤毛を混ぜこぜに考えていた。けど、そうじゃない。それとこれとは別なのだ。ただ他の人が、赤い髪は嫌なものだと決めているだけ。 

川 ゚ -゚) ヒート。もし自分の髪の毛の色が気になるなら、その、黒色にしてもいいんだぞ? 

 黒くないからどうだというのか。私にとってはそれが当たり前で、変えようのない事実。それなら必死で取り繕うより、堂々と言ってやればいい。 

ノパ⊿゚) いいの、お母さん。私の髪は赤いんだから! 

ノハ^⊿^) それに赤いことを嫌だなんて思ったこと、全然ないんだよ! 

 私は、真っ赤な髪が好きなのだ。 

川 ゚ -゚) ……そうか。それならいいんだ 

川 ゚ -゚) 私はヒートの髪が好きだよ。温かくて、優しいヒートにぴったりだもの 

 ほら、私が好いたら、他にも好いてくれる人がいる。 





14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:08:46.60 ID:28NWgp390


 この先、嫌な人や納得できないルールに泣くこともあるかもしれない。 

('A`) いいかヒート、中学生になったら面倒くさい奴も増えるだろう。そして絶望するかもしれない。今の内に死んでおけ……くくく 

ノパ⊿゚) 笑い方がきもい 

(;'A`) 別にこの笑い方、素じゃないし! 演技だってわかるんだから、きもがるなよ! 

 でも、私が自分を嫌いにならない限り、好いてくれる人は必ずいる。 

ノパ⊿゚) ……中学生になっても、ドクオはいるんでしょ? 

('A`) そりゃあな。自殺するまで一生憑くのが死神だもの 

 鬱陶しいけど愉快な隣人だっている。 

ノパ⊿゚) それならやっぱり、自殺なんてしないよ! 

 これからもずっと、真っ赤なままで生きていく。   
       
  

                           おしまい



15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:09:33.35 ID:28NWgp390

読んでくれてありがとう 

依頼出してきます 





16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 05:44:18.76 ID:o9CJryS2O

良かったよ 



20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/06(水) 12:06:34.18 ID:OZ2wIloT0

乙乙






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