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1: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 21:54:27.53 ID:0nyyHNw6O

────とある土曜日の夜。


鞠莉「さて、そろそろ寝ましょうか」

ドンドンドン

「ま~り~……」

鞠莉「What!? ……って、果南じゃない。おどかさないでよ」

果南「──して」

鞠莉「?」

果南「鞠莉ん家のトイレ貸して!」






2: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 21:55:00.88 ID:0nyyHNw6O

ジャー

果南「良かった……乙女の尊厳は守られた……」

鞠莉「何があったの。Restroomなら果南の家にもある筈でしょ?」

果南「そうなんだけどね。でも、しばらくあのトイレは使いたくないというか……」

鞠莉「詰まったの?」

果南「それだったらどれだけ良かったか……いやそれはそれで良くないけど」

鞠莉「詰まったワケじゃないか……あ」ピーン

鞠莉「もしかして、ゴキブリでも出た?」

果南「うん、出た。しかも2匹」

鞠莉「Oh……(マジか)」



3: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 21:55:57.05 ID:0nyyHNw6O

果南「父さんも母さんも、来週まで用事で家にいなくてさ……。もう無理、私あの家に帰れない……」

鞠莉「そんな、この世の終わりみたいな顔しなくたって」

果南「終わりだよ! この休み中に倉庫の片づけ引き受けちゃったの!」

鞠莉「あー……だったら、ゴキジェットでもなんでも使えばいいじゃない」

果南「その死体の処理は誰がするの?」

鞠莉「……確かに」

果南「確かにじゃなくて! 前にお風呂に出た時だって……」




4: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 21:56:39.06 ID:0nyyHNw6O

果南『嘘、なんでいるの……』 

G「」カサカサカサ 

果南『うわわわわわ……』 

プシュー プシュー プシュー 


~数分後~ 

果南『スプレー空になっちゃった……ゲホッ』 

果南『今日はサッと入ってサッとあがろう……』 

チャプーン 

果南(お父さん、今日帰りが遅いしきっと処理してくれる筈……) 

果南『うぅ……口の中ヘンな味がする……』 



5: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 21:57:27.82 ID:0nyyHNw6O

果南「とまあ、こんな感じで」 

鞠莉「果南、それ身体に悪いヤツよ」 

果南「夜中にお父さんの叫び声が聞こえて来た」 

鞠莉「Oh shit(父親もかよ……)」 

果南「ねえ鞠莉、一生のお願い! 明日倉庫の片づけ手伝って!」 

鞠莉「んー……仕方ないわね、ダイヤも呼びましょうか。あの子、そういうのには慣れてるし」 

果南「慣れるものじゃないと思うけれど……」



6: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 21:58:06.59 ID:0nyyHNw6O

────翌日、果南宅。 


果南「ごめんね、ダイヤまで巻き込んじゃって。でも1人じゃないってだけで心の底から安心する」 

ダイヤ「別に慣れているというワケではないのですが」 

鞠莉「あら、以前黒澤家のゴキブリを一掃したって話を聞いたけど?」 

ダイヤ「あれは……習性を逆手に取った方法を試しただけです」 

果南「習性? どんな?」 

ダイヤ「……」 

果南「ダイヤ?」 



7: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 21:58:40.25 ID:0nyyHNw6O

ルビィ『何してるの、お姉ちゃん』 

ダイヤ『新聞のコラムに載っていた方法を試しているのよ。えーと、メスのゴキブリをすり潰して、使わない紙の上に塗り広げる……』 

ルビィ『ひぇぇぇぇ……』 

ダイヤ『あとはフェロモン? とやらに誘われて家じゅうのゴキブリが集まって……そこを一網打尽にするだけ、と』 

ダイヤ『流石にこのゴム手袋は捨てた方がいいわね……』 



ダイヤ(あんな方法、とてもじゃないけれど果南さんには言えませんわ)



8: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 21:59:24.02 ID:0nyyHNw6O

ダイヤ「それについてはまたいつか。ところで、ゆうべはお楽しみだったようで」 

果南「いやそこまでは」 

鞠莉「お楽しみだったわよ~。果南、ゴキブリに怯えてずっと私に抱きついてたんだから」 

果南「鞠莉!」 

鞠莉「出ないよね、鞠莉ん家は大丈夫なんだよね、って涙目で」 

果南「納豆食べさせるよ?」 

鞠莉「はいはい。じゃあとりあえず倉庫に行きましょうか」 

ダイヤ「ですね」 



9: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:00:19.77 ID:0nyyHNw6O

ダイヤ(……あ、鞠莉さん) 

鞠莉(抱きつく果南の映像でしょ? バッチリ撮れてるわ♪) 

ダイヤ(では、料金はいつもの口座に) 

鞠莉(まいどあり~) 


果南「2人とも、なに話してるの?」 

2人「「なんでも」ありませんわ」 



10: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:01:49.12 ID:0nyyHNw6O

────倉庫。 


鞠莉「……埃っぽいし、グチャグチャ」 

ダイヤ「相変わらず松浦家は整理がヘタですわね」 

果南「ほっといてよ。とりあえず、備品の数を確認していかないと」 

鞠莉「この辺の箱は全部いったん外に出せば良いのね?」 

果南「うん」 

ダイヤ「頼まれた殺虫剤、ここに置いておきます」 

果南「ありがと」 



11: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:04:03.86 ID:0nyyHNw6O

鞠莉「これでよし。それにしても、ダイヤも結構意地が悪いわね~」 

ダイヤ「何がです?」 

鞠莉「バルサンでも焚いてから片づけをstartすればいいのに、ゴキジェットしか渡さないって」 

ダイヤ「……」 

鞠莉「ダイヤ?」 

ダイヤ「……忘れてました」ヒヤアセー 

鞠莉「Oh my god(お前さあ……)」 



12: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:05:09.70 ID:0nyyHNw6O

果南「よいしょ、っと」 

果南(奥の方は2人と一緒にやればいいし……) 

果南(手前側さっさと終わらせとこ……) 


G「」カサカサ 


果南「   」 



13: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:05:54.41 ID:0nyyHNw6O

イヤアアアアアアアアアアアア!!! 

ドンガラガッシャーン 


ダイヤ「果南さん!」 

鞠莉「いよいよマズいことになったわね……」 

ダイヤ「何か突っかかってドアが……!?」 



14: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:06:39.07 ID:0nyyHNw6O

果南(ええと、殺虫剤殺虫剤……) 

果南「あった! って、封切っといてよ……!」 

鞠莉『果南、大丈夫!?』 

ダイヤ『今の悲鳴は一体……』 

果南「ごめん、棚が倒れちゃったからちょっと待ってて!」 


G「」カサカサカサ 

果南「……」ゴクリ 

果南(大丈夫、今は2人がいるんだか、ら──!) 

プシュー 



15: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:07:21.98 ID:0nyyHNw6O

果南『いや待って待ってそれは無理!』 

果南『ちょっと、何匹いるの!?』 

果南『1匹見たら30匹もいるとかそんな迷信、私信じないから!』 

果南『ひぃぃぃぃ……』 

果南『待って壁はやめて壁はやめてホントにやめて上に行かないで』 


果南『い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!』 

ドサッ 



16: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:08:07.34 ID:0nyyHNw6O

ダイヤ「……中で一体何が」 

鞠莉「多分、天井から落ちて来たパターンね」 

ダイヤ「あー……昔ルビィもそんな目に遭いました。髪の毛に引っ付いてしまったんです」 

ダイヤ「それ以来、そのことを思い出すからとルビィは髪を切って、赤く染めたのです……」 

鞠莉「聞きたくなかったわ、そんな裏話……」 

ダイヤ「とにかく、このドアを開けないと」 

鞠莉「ええ」 



17: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:10:07.46 ID:0nyyHNw6O

「「せー、のっ!」」 


ダイヤ(ドアを開けると、それはそれは無残な光景でした) 

ダイヤ(荒れに荒れた室内。殺虫剤片手に気を失っている果南さん) 

ダイヤ(彼女の足元に、未だピクピクと動き続けている瀕死のゴキブリ) 

ダイヤ(とにかく、私たちは果南さんを担いで部屋の外へ出たのでした) 



18: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:12:09.88 ID:0nyyHNw6O

果南「……ん」 

ダイヤ「気が付きましたか」 

鞠莉「随分とうなされてたわよ」 

果南「やっぱりゴキブリには勝てなかったよ……」ムクリ 

果南「そうだ、いま何時……というか、なんで鞠莉の家?」 

ダイヤ「とっくに夕方です。ああ、片づけなら終わらせておきましたよ」 

鞠莉「ついでに全部屋でバルサン焚いておいたわ」 

果南「じゃあ、もう、大丈夫なの……?」 

ダイヤ「エアコンのフィルターや扇風機の羽根にミントオイルをスプレーしておきました。連中にはハーブの香りは猛毒ですから」 

果南「ありがとう、2人とも……!」ガシッ 



19: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:13:06.81 ID:0nyyHNw6O

鞠莉「じゃあまた明日―!」 

ダイヤ「朝練がありますわよー!」 

果南「分かってるー!」タッタッタッ 





『待って壁はやめて壁はやめてホントにやめて上に行かないで』 

『い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!』 

鞠莉「~♪」 

ダイヤ「録音していたのですね」 

鞠莉「だって、果南の貴重な悲鳴よ?」 

ダイヤ「……」 

鞠莉「追加料金よ♪」 

ダイヤ「勿論分かっています。ですが……」 



20: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:13:44.42 ID:0nyyHNw6O




ダイヤ(死体の後始末、していなかったような……) 





21: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:14:36.70 ID:0nyyHNw6O

果南(はぁ……安心したらまたトイレ行きたくなっちゃった) 

果南(でも、これからはゴキブリに怯える心配はないんだ!) 

果南「ただいまー……まだ父さんたち帰って来てないか」 

果南「トイレトイレ……」 



グニュゥ 



果南「……え?」 



22: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:15:21.40 ID:0nyyHNw6O

ゴキブリの死体! in the スリッパ! 


果南「……」 



その日、松浦家周辺に再び少女の悲鳴が響き渡ったという──。



23: ◆8TImjtGSKs 2017/09/05(火) 22:17:15.71 ID:0nyyHNw6O

終わりです。最近Gにしてやられたので初のギャグ物でした。 

主な過去作 
梨子「5年目の悲劇」 




25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/05(火) 23:17:49.57 ID:CWWl3ywZ0

乙 
果南ちゃんが可愛いと思った



29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/06(水) 05:35:42.21 ID:W7BD06kWO

虫苦手な果南ちゃんもありだな



33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/08(金) 23:07:15.75 ID:jEEzp03HO

乙 
女の子な果南ちゃんもいいね






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