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1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:16:56.24 ID:DBbuCUuj0

博士「ただいま」

助手「あれ博士、どこ行ってたんですか?」

博士「ちょっと発明をね」

助手「発明って……どうせまたイタズラでしょう」

博士「ハッハッハ、まぁな!」

助手「で、今度はどんなイタズラを仕掛けてきたんです?」

博士「超高性能ウルトラハイパーグレート落とし穴を作ったぞ!」





2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:17:30.84 ID:DBbuCUuj0

助手「超高性能落とし穴?」

博士「超高性能ウルトラハイパーグレート落とし穴だ!」

助手「このさい名前はどうでもいいでしょう」

助手「……で、どんな落とし穴なんです?」

博士「うむ、聞いて驚け」

博士「まず深さ……10000m!」

助手「10000m!?」



3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:19:13.94 ID:DBbuCUuj0

助手「いくらなんでも深すぎじゃないですか?」

博士「10000mぐらいなければ、超高性能ウルトラハイパーグレートとはいえんだろう」

助手「そうかもしれませんが……どうやって掘ったんです?」

博士「ワシ特製の簡易穴掘り機でちょちょいとな」

助手「落とし穴なんかより、そっちの方がすごい発明のような気がしますよ……」

助手「その落とし穴に落ちると……どうなるんです?」

助手「まさか、そのままペシャンコってことはないでしょう?」

博士「うむ、さっそく説明していこう」



4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:21:00.06 ID:DBbuCUuj0

博士「まず、落ちた瞬間、『ようこそ、落とし穴へ!』というアナウンスが流れ」

博士「開発者であるワシの生い立ちが紹介される」

助手「はぁ……」

博士「さらに、落下者の安全を考え、シャボン玉のような形状の絶対防御シールドが張られる」

助手「安全なんて考えてたんですか」

博士「そりゃそうだ。怪我させたり死なせてしまっては、イタズラとはいえんだろう」




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:23:12.59 ID:DBbuCUuj0

博士「落とし穴内では、反重力装置が働いており、ゆっくりと落下するわけだが……」 

助手「ふわふわ~って感じですか」 

博士「そう、ふわふわ~って感じだ」 

博士「のんびりとしたフリーフォールを楽しめるというわけだ」 

博士「むろん、ずっと同じスピードじゃつまらんから、速度は変化させるがな」 

博士「とりあえず、1000m地点までは特に仕掛けはない」 

助手「1000m落下するってだけで、十分すぎる仕掛けですよ……」



6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:24:26.64 ID:DBbuCUuj0

博士「1000m地点を通過すると、音楽(ミュージック)ゾーンに突入する」 

助手「ミュージックゾーン?」 

博士「クラシック、ジャズ、ロック、ポップスなどあらゆるジャンルの音楽が楽しめる」 

助手「へえ~」 

博士「落ちながら曲を楽しめるなんて最高だろう?」 

助手「落ちずに曲を楽しむ方が最高だと思いますがね」



7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:25:45.78 ID:DBbuCUuj0

博士「2000m地点を通過すると、一気に体が加速する。加速ゾーンだ」 

助手「ほう」 

博士「猛スピードで落下し、まるでジェットコースターのようなスリルが楽しめる」 

助手「大丈夫なんですか? Gとか」 

博士「ゴキブリ?」 

助手「違いますよ! 重力ですよ!」 

博士「心配いらん。先程説明したシールドが、体を守ってくれる」



8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:29:47.66 ID:DBbuCUuj0

博士「3000mから下は海底ゾーンだ」 

助手「海底ゾーン?」 

博士「3000mから4000m地点では、落とし穴内部に深海の映像が映し出される」 

博士「深海魚たちに囲まれながら落下を楽しめるぞ」 

助手「落下を楽しむって表現、なんていうかどこか妙ですね」



9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:30:34.20 ID:DBbuCUuj0

博士「4000m地点からは、宇宙(スペース)ゾーンに入る」 

博士「落下者の周囲に、宇宙の映像が映し出され、まるで宇宙にいるような感覚になれる」 

助手「さっきの海底ゾーンもそうですけど、落とし穴の一部にしておくのがもったいないですね」 

博士「分かっとらんな……」 

博士「落とし穴の一部に過ぎないからこそ、いいのではないか!」 

助手「さっぱり分かりません……」



10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:32:21.20 ID:DBbuCUuj0

博士「落下距離が5000mともなると、お腹も減るだろう」 

博士「というわけで、5000mからは食事ゾーンだ」 

博士「ゆっくりと落下しながら、和洋中あらゆる料理を堪能することができる」 

助手「料理はどうやって出てくるんです?」 

博士「ワシが作った万能シェフが、注文すれば一秒で作ってくれる」 

助手「万能シェフすげえ!」 

博士「そこはワシも褒めてくれよ」 

助手「あなたを褒める気にはなれません」



11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:33:27.00 ID:DBbuCUuj0

博士「6000m地点から7000m地点までは、リラックスゾーン」 

博士「穏やかな映像と音楽で、満腹になった体を落ち着かせるのだ」 

博士「7000mからはエクササイズゾーン」 

博士「落下しながら、さまざまな運動を行える」 

助手「至れり尽くせりですねえ」 

博士「至れり尽くせりなイタズラ、がこのワシのモットーよ!」



12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:34:52.05 ID:DBbuCUuj0

助手「いよいよ、8000mですね」 

助手「エベレスト級の距離を落ちたことになります」 

博士「8000m地点からはちょっとエッチなゾーンが待っておる!」 

博士「あっは~んやうっふ~んな映像や仕掛けが、落下者を盛り上げてくれるぞ」 

博士「ただし!」 

博士「もし、落ちているのが子供だった場合は、子供向けの仕掛けが発動する!」 

博士「子供にエッチなのは教育上いかんからな!」 

助手「芸が細かいですね……無駄に」



13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:36:30.28 ID:DBbuCUuj0

博士「ラスト1000m……9000mからは走馬灯ゾーン!」 

助手「なんですか、それ」 

博士「落とし穴内に仕掛けられた装置が、落下者の脳内の記憶を読み取り」 

博士「まるで走馬灯のような映像を映し出してくれるのだ!」 

助手「これまた縁起でもない仕掛けを……」



14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:37:15.60 ID:DBbuCUuj0

博士「そして、いよいよ10000m地点! ――ゴール!」 

助手「いったいどんな仕掛けが待ってるんです?」 

博士「それは落ちてからのお、楽、し、み」 

助手(うぜえ) 

博士「どうしても知りたいなら、落ちてみることだ」 

助手「絶対嫌です」



15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:38:37.38 ID:DBbuCUuj0

博士「なお、10000mまで落ちた落下者は、高性能エレベーターで即座に地上に戻ってこれる」 

博士「あ、いや超高性能ウルトラハイパーグレートエレベーターで戻ってこれる!」 

助手「言い直さなくていいです」 

博士「どうだ、すごいだろう!?」 

助手「すごいです」 

助手「テクノロジーも……そして、無駄なことにこれほどの労力と科学力を費やすその情熱もね」 

博士「ハッハッハ、照れるな」 

助手「褒めてないですって」 

博士「それではさっそく、落とし穴に誰が引っかかるか見に行くとするか!」



16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:40:34.24 ID:DBbuCUuj0

ザッザッザッ… ワイワイ… ガヤガヤ… 



助手「ここですか……結構人通りが多い道に仕掛けましたね」 

博士「ほら、あそこのわずかに色の違う箇所が落とし穴だ」 

助手「なるほど、いわれなければ分かりませんね」 

博士「ふふ……誰が引っかかるか楽しみだ」



17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:42:25.46 ID:DBbuCUuj0

一時間経過…… 

助手「……誰も引っかかりませんね」 

博士「うーむ、おかしいな」 



三時間経過…… 

博士「なぜだ、なぜ誰もあの上を通らない!?」 

助手「みんな絶妙に、あの上だけ通りませんね……」



18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:45:04.47 ID:DBbuCUuj0

一日経過…… 

博士「…………」 

助手「…………」 

博士「結局、誰も引っかからなかった……」 

助手「まぁ、こういうこともありますよ」 

博士「あれだけ苦労して作ったのに、お楽しみを用意したのに……誰も引っかからないのかよ!」 

博士「誰も落ちないのかよ!」



19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:45:34.83 ID:DBbuCUuj0

博士「オチないのかよ!!!」 










― 完 ―



21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 18:03:00.50 ID:hg7/9FYio

そうきたか 
お楽しみの内容が気になりすぎる…



23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 21:12:58.13 ID:NfBCQGdKO

長さ的に地球の中心余裕でぶち抜いてますねぇ






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