転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482231822/

1 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/20(火) 20:03:43.08 ID:P74GnWcMo

・アイマス×モバマス
・千早とライラさんともう一人で力仕事
・ヤマ、オチ特になし
・口調等に違和感があったらごめんなさい

頑張って年内には完結させたいと思います
以上、よろしければお付き合いください


↓なお前回
【予定は未定】千早「一周年?」 ライラ「おー」




2 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/20(火) 20:05:42.94 ID:P74GnWcMo

千早「皆さんこんばんは、如月千早です」

ライラ「ライラさんでございますよー」

千早「いつも通りの不定期放送、予定は未定をお送りします」

ライラ「千早さん千早さん」

千早「何かしら?」

ライラ「この服、なんと言うものなのでしょうか?」

千早「これは作務衣ね」

ライラ「サムエですかー」

千早「確か、昔の人の作業着みたいなものだったかしら」

ライラ「おー、確かに動きやすいのです」



3 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/20(火) 20:06:29.61 ID:P74GnWcMo

千早「珍しく衣装が指定されているわけだけど、なんで作務衣なのかしら」

ライラ「あー、今日のゲストの方が関係しているのだと思いますよー」

千早「そうなの?」

ライラ「はいです。事務所でもよく着ていらっしゃいます」

千早「……ライラさん、本当に作務衣知らなかったの?」

ライラ「お着物のお仲間なのかなーとは思ってましたです」

千早「間違ってはいないんじゃないかしら、多分」

千早「ではライラさん、ゲストの紹介をお願いするわね」

ライラ「はいですよー、今日のゲストの藤原肇さんなのですー」

肇「藤原肇です。よろしくお願いします」

千早「ようこそ、藤原さん」

ライラ「よろしくお願いしますですよー」



4 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/20(火) 20:07:27.68 ID:P74GnWcMo

千早「…………」

肇「あの、どうかしましたか?」

千早「いえ、私たちと違って様になっているなと思って」

肇「あ、ありがとうございます」

ライラ「お似合いでございますねー」

千早「さすが、普段から着ているというだけはあるわね」

肇「あの、出来ればそのあたりで……」

ライラ「おー、それでは行きますですよー」

千早「予定は未定、どうぞお楽しみください」

ライラ「それで、今日は何をするのですか?」

千早「さあ?」

肇「……え?」

ライラ「あー、いつも通りでございますか」

千早「何かを企画していそうな雰囲気はあったけれど」

ライラ「それでは、行ってみれば分かるのですねー」

肇「それでいいんですか?」

千早「まあ、いつものことよ」

ライラ「なるようになるのですよー」

肇「はあ……」




5 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/20(火) 20:08:39.29 ID:P74GnWcMo

*************************** 


千早「なるほど」 

肇「臼と杵、ですね」 

ライラ「おー、お餅つきでございますか」 

肇「向こうには屋外用のかまどまでありますね」 

ライラ「何に使うのですか?」 

肇「おそらく、もち米を蒸すんだと思いますが」 

千早「……ただ餅をつくだけではない、と」 

肇「かなり本格的な準備がしてあるようです」 

千早「まあ、ウチのスタッフのことだから簡単ではないと思っていたけれど」 



6 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/20(火) 20:09:39.81 ID:P74GnWcMo

ライラ「えーと、時間の都合上、前日までに必要な準備はしています、とのことですが」 

千早「つまり?」 

肇「普通、研いだもち米を一晩くらい水に浸けておかないといけないんです」 

ライラ「おー、そうなのですか」 

千早「藤原さん、詳しいのね」 

肇「実家では恒例行事でしたので」 

千早「実家?」 

ライラ「あー、肇さんのお家はトウゲイをなさるそうなのですよ」 

肇「はい。実家は備前焼の窯元をしていて、それなりに名前も知られているんです」 

千早「ああ、そういう所って季節の行事を大切にしていそうだものね」 

肇「お察しの通りです」 



7 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/20(火) 20:10:27.83 ID:P74GnWcMo

ライラ「おー、ではライラさんの出番は少なそうなのですねー」 

肇「いえ、そんなことはないと思いますが……」 

千早「そういえば、今年の初めに餅つきの仕事をしたって言ってたわね」 

ライラ「でも、ライラさんたちはペッタンペッタンしただけなのですよ」 

肇「そうなんですか?」 

千早「ふふ、じゃあライラさんには頑張ってついてもらおうかしら」 

ライラ「おー、頑張りますですよー」 



8 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/20(火) 20:12:16.88 ID:P74GnWcMo

―――――― 
―――― 
―― 

千早「で、まずは何をすればいいのかしら」 

ライラ「もち米、硬いままですねー」 

肇「ですので、まずはもち米を蒸かさないといけません」 

千早「なるほど」 

ライラ「蒸かす、ですか?」 

肇「お湯を沸かして、その湯気でもち米を柔らかくするんですよ」 

ライラ「おー」 

千早「お湯を沸かす……ね」 

ライラ「どうしましたですか?」 

千早「お湯を沸かすには、火が必要よね?」 

ライラ「そうでございますねー」 

千早「でも、私たちの前にはかまどと薪しかないわ」 

ライラ「あー、ライラさん分かりましたですよ」 



9 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/20(火) 20:12:53.90 ID:P74GnWcMo

肇「火、おこしましょうか?」 

千早「できるの、藤原さん?」 

肇「ええ、陶芸と火はセットですから」 

千早「それは頼もしいわね」 

ライラ「あー、肇さんのお気持ちは嬉しいのでございますが……」 

肇「どうかしましたか?」 

ライラ「スタッフさんから、簡単に出来ては面白くない、とのお言葉でございまして」 

千早「……ええ、そうでしょうとも」 



10 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/20(火) 20:13:41.52 ID:P74GnWcMo

肇「えっと、あの……?」 

千早「ああ、藤原さんは気にしなくていいわ」 

ライラ「いつものことですからねー」 

千早「私たちが四苦八苦する姿が見たいのよ」 

肇「では、助言くらいは……?」 

ライラ「……大丈夫なようでございますねー」 

肇「分かりました。精いっぱい務めさせていただきます」 

千早「私も人のことは言えないけれど、この番組ではもっと楽にしていていいのよ?」 

ライラ「そこが肇さんのいいところなのでございますよ」 

肇「そ、そうでしょうか?」 

ライラ「はいですよー」 

千早「ふふ。ライラさんが言うなら、そうなんでしょうね」 



15 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:11:45.44 ID:cJuiCe0Mo

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千早「さて、火をおこさなければならないようなんだけども」 

ライラ「どうすればよろしいのでしょうか」 

肇「まずは薪を組みましょう」 

千早「とはいっても、サッパリなのよね」 

肇「細かい薪は燃えやすいですが長持ちしません。大きい薪はその逆です」 

ライラ「ふむふむ」 

肇「そして火は下から上に燃えるので、そこに注意して頂ければ」 

ライラ「他には何かありますですか?」 

肇「そうですね。あとは空気の通り道を作ってあげればいいかと」 

ライラ「おー」 



16 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:12:30.01 ID:cJuiCe0Mo

千早「(そういえば以前のキャンプの時、プロデューサーはどうしていたかしら?)」 

千早「えーと、焚き付け用の新聞紙の上に細かい薪を置いて……」 

肇「新聞紙は丸めたほうが火が移りやすいですよ」 

ライラ「こうでございますか?」 

肇「はい、そんな感じです」 

千早「両脇に大きな薪を置いて、その上を渡すように薪を……」 

肇「千早さん、実はやったことありませんか?」 

千早「いえ、これは見様見真似というか」 

ライラ「そうなのですか?」 

千早「去年のキャンプの時を思い出して、ね」 

ライラ「あー、懐かしいでございますねー」 

千早「本当に上手くいくかは分からないけれど」 

肇「いえ、これならたぶん大丈夫だと思います」 

ライラ「肇さんがそうおっしゃるなら大丈夫ですねー」 

肇「…………いざとなったら、私が」 

千早「(そんなに気負わなくていいのに)」 



17 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:13:12.51 ID:cJuiCe0Mo

ライラ「それで、火はどうやってつけるのですか?」 

肇「これ、みたいですね……」 

千早「マッチ箱ね。いやに軽いけど」 

ライラ「おー、ライラさん初めて見ますですよ」 

肇「普通、使いませんからね」 

千早「マッチが三本しか入っていないのはどういうことなのかしら」 

ライラ「仲良く一本ずつでございますねー」 

肇「……ライラさんって、すごいですね」 

千早「ええ、本当に」 



18 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:13:46.70 ID:cJuiCe0Mo

ライラ「これはどうやって使うのですか?」 

肇「箱の横にあるザラザラの所と、マッチの頭をこすると火が点くんですよ」 

ライラ「おー、やってみていいでしょうか?」 

千早「じゃあ、トップバッターはライラさんね」 

ライラ「えい」 

肇「…………あ」 

千早「…………あ」 

ライラ「うー、折れてしまいましたです」 

肇「ちょっと力が入り過ぎたみたいですね」 



19 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:14:42.07 ID:cJuiCe0Mo

千早「じゃあ次は私かしら」 

ライラ「頑張ってくださいですよー」 

千早「あんまり見られると緊張するわね……はい、と」 

ライラ「おー、火がつきましたです」 

肇「消えないうちに新聞紙に点けてください」 

千早「え、えっと……こう?」 

ライラ「あー」 

肇「消えてしまいましたね……」 

千早「……急に動き過ぎたかしら」 



20 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:15:51.30 ID:cJuiCe0Mo

ライラ「あと一本でございますねー」 

肇「私がやってもいいんでしょうか?」 

千早「火が点かないと番組が進まないし、いいんじゃないかしら」 

ライラ「お任せしましたです」 

肇「わかりました」 

千早「よろしくお願いするわね」 

肇「それでは……」 

ライラ「おー」 

千早「……恐ろしく手際が良いわね」 

ライラ「あっという間に薪に火が点きましたです」 

肇「こういうことは、慣れが物を言いますから」 

千早「私たち部分、必要だったのかしら」 

肇「いえ、千早さんたちがきっちり薪を組んでくれたおかげです」 

ライラ「お役に立てて良かったのですよー」 

肇「あとは適当に薪を足しながら、お湯が沸くのを待ちましょうか」 

ライラ「たき火、あったかいですねー」 

千早「ふふ、そうね」 



21 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:18:22.95 ID:cJuiCe0Mo

―――――― 
―――― 
―― 

千早「…………ねえ」 

ライラ「はいです?」 

千早「スタッフが隣で、ものすごい勢いで火を焚いているんだけれど」 

ライラ「おー、ポッカポカですねー」 

千早「初めから……ううん、なんでもないわ」 

肇「多分、臼と杵を温めるためのお湯を沸かしているのかと」 

千早「お湯?」 

肇「臼が冷たいままだと、上手くお餅にならないんですよ」 

ライラ「そうなのでございますか」 

千早「(スタッフまでたき火をする必要、あるのかしら?)」 



22 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:18:57.43 ID:cJuiCe0Mo

肇「ですので、この先は時間との勝負です」 

千早「どうすればいいのかしら」 

肇「まずは蒸し上がったもち米を臼に移して、こねて潰します」 

千早「杵でつくんじゃないの?」 

ライラ「いきなりつくとお米が飛んでくるのですよー」 

千早「(あ、これは実際にやっちゃったのね)」 

肇「大体潰し終わったら、いよいよ杵でつきます」 

千早「ようやく私が知っている餅つき、って感じね」 

ライラ「ペッタンペッタン、楽しいのですよ」 

肇「最初は、合いの手は私がやりますね」 

千早「ええ、きっとそのほうがいいわね」 

ライラ「合いの手は難しかったですからねー」 

肇「息を合わせて頑張りましょう」 

ライラ「おー」 



23 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:20:08.27 ID:cJuiCe0Mo

*************************** 


千早「杵って、結構重いのね」 

肇「はい。こうやって体重をかけて、ねじるように、潰して、いきます。」 

ライラ「おー」 

千早「な、なかなか大変そうね」 

肇「さあ、ご一緒に」 

千早「そうね」 

ライラ「ライラさんもー」 



24 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:20:50.40 ID:cJuiCe0Mo

千早「これは、ホントに、キツイ、わねっ」 

ライラ「難しいですねー」 

肇「でも、この工程が、出来をっ、左右します、のでっ」 

千早「どれくらい、潰せば、いいのかしら?」 

ライラ「うんしょ、うんしょ」 

肇「粗方、潰し終わる、まで、ですっ」 

千早「さ、先は、長そうね……!」 

ライラ「頑張りますよー」 

千早「でも、これ」 

肇「なん、ですか?」 

千早「テレビ的に、どうなのかしら、って」 

肇「…………地味、ですねっ」 

ライラ「あー、今更でございますねー」 

千早「それは、そうだけどっ」 

肇「(あれ、ライラさん余裕なのかな?)」 



25 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:21:24.61 ID:cJuiCe0Mo

―――――― 
―――― 
―― 

千早「ふぅ、これくらいでいいのかしら」 

肇「ええ、十分です」 

ライラ「それでは、ライラさんの出番ですねー」 

千早「杵、重いわよ?」 

ライラ「あー、力はそんなにいらないのでございますよー」 

千早「え?」 

肇「杵は臼の真ん中に落とすようなイメージですね」 

千早「杵を……落とす?」 



26 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:22:10.86 ID:cJuiCe0Mo

ライラ「えへへー、まずはライラさんがお手本をお見せしますですよ」 

肇「よろしくお願いしますね」 

ライラ「よろしくですー」 

千早「(こう、杵を一気に振り下ろすイメージだったんだけど)」 

ライラ「よいしょー」 

肇「はいっ」 

千早「(ホントに力はいらないのね)」 

ライラ「よいしょー」 

肇「はいっ」 

千早「(もっと激しい感じかと思っていたのだけど)」 

ライラ「よいしょー」 

肇「はいっ」 

千早「(すごく和やかな感じね)」 

ライラ「よいしょー」 

肇「はいっ」 

千早「(藤原さんも手馴れている様子だし)」 

ライラ「よいしょー」 

肇「はいっ」 

千早「(これなら私も大丈夫、かしら)」 



27 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:22:47.95 ID:cJuiCe0Mo

ライラ「ふー、ちょっと休憩でございますよ」 

肇「ふふ、お疲れ様です」 

千早「どんな感じかしら?」 

肇「だいぶいい感じですよ」 

ライラ「千早さんもやりますですか?」 

千早「そうね、せっかくだし」 

肇「細かい調整は私がやりますので、千早さんはとにかく真ん中に杵を落とすようにしてください」 

千早「お手柔らかにお願いするわね」 

ライラ「頑張ってくださいですよー」 



28 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:23:28.73 ID:cJuiCe0Mo

肇「それでは、行きましょうか」 

千早「よっ、と」 

肇「ふふ、いい感じですよ」 

千早「そう、かしら!」 

ライラ「おー、お上手でございますねー」 

千早「そうなら、いいのだけどっ」 

肇「本当に初めてなんですか?」 

千早「いえ、前に一度、やったことは、あるけどっ」 

ライラ「どなたとでございますか?」 

千早「事務所のみんなと、なのだけれど」 

肇「その時もこんな風に?」 

千早「いいえ、私は、ちょっと触った程度でっ」 

ライラ「でもお上手なのですよ」 

千早「でもこれ、結構しんどい、わね!」 

肇「それでは、いったん休憩しましょうか」 

千早「……ふう」 



29 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:23:57.20 ID:cJuiCe0Mo

ライラ「お餅、どんな感じでございますか?」 

肇「これなら、あとちょっと仕上げをすれば大丈夫ですね」 

ライラ「おー」 

肇「お二人に倣って、私も少し頑張りますね」 

千早「合いの手はどうするのかしら?」 

肇「これくらいなら私だけで問題ないと思います」 

千早「……そうなの?」 

肇「仕上げだけですから」 



30 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/22(木) 23:24:32.14 ID:cJuiCe0Mo

ライラ「おー、肇さん力強いのです」 

千早「餅をつくスピードが違うわね」 

肇「経験があるかどうか、だけだと思いますよ?」 

ライラ「音も違うのですねー」 

千早「これぞ餅つき、ていう音ね」 

ライラ「ペッタンペッタン、とは違うのですよ」 

肇「お二人も、慣れればこれくらい、すぐできるように、なりますよっ」 

千早「私は、もうちょっと力をつけないとダメかしら」 

ライラ「うー、ライラさんもですねー」 

肇「さて、これくらいでいいかと」 

千早「あとはお餅を丸めればいいのよね」 

ライラ「はいですよ」 

千早「ここからは私も経験があるから、大丈夫だと思うわ」 

肇「お手並み拝見、ですね」 

千早「……御眼鏡にかなうといいのだけれど」 



33 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:40:39.45 ID:LjTCydTNo

*************************** 


千早「まずは餅とり粉をふってその上に、よね?」 

ライラ「食べやすい大きさにちぎって丸めるのですよー」 

肇「その前に、そのままちょっとだけ食べてみてください」 

千早「え?」 

ライラ「いいのですか?」 

肇「ええ、ぜひ」 

千早「……ん、と」 

ライラ「おー、あったかいですねー」 

肇「ふふ、つきたてですから」 



34 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:41:10.97 ID:LjTCydTNo

千早「! 柔らかくて、甘い」 

ライラ「うー、噛み切れませんです」 

肇「出来立てでしか味わえない贅沢です」 

千早「何にもつけていないのに、すごく美味しいわ」 

ライラ「あー、おかわりはありませんですか?」 

肇「あんまり食べすぎると無くなっちゃいますから……」 

千早「ふふ、おかわりは我慢しましょうか」 

ライラ「うー、残念でございます」 



35 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:41:45.32 ID:LjTCydTNo

肇「では、丸めていきましょう」 

千早「こんな感じでいいのよね?」 

肇「はい。粉をまぶして、親指と人差し指で絞り出すように」 

ライラ「こうでございますか?」 

千早「そうそう。ライラさんも上手ね」 

ライラ「えへへー」 



36 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:42:34.03 ID:LjTCydTNo

―――――― 
―――― 
―― 

千早「丸め終わったわね」 

ライラ「この後はどうするのですか?」 

肇「実は、こんなものを用意しました」 

千早「大根おろし?」 

ライラ「美味しそうで……うー、ちょっと辛いでございます」 

肇「ライラさん……」 



37 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:43:10.08 ID:LjTCydTNo

千早「これにお餅をつけるのかしら?」 

ライラ「お餅、辛くなりませんですか?」 

肇「ふふ、それが良いんですよ」 

千早「じゃあひとつ」 

ライラ「……どうでございますか、千早さん?」 

千早「うん。お餅の甘さと大根おろしの辛さがちょうどいい感じ」 

肇「つきたてのお餅で食べると格別なんですよ」 

ライラ「では、ライラさんもー」 

千早「どう?」 

ライラ「おおー、美味しいでございます」 

肇「ふふ、良かったです」 

ライラ「おかわりしてもいいですか?」 

千早「ええ、どうぞ」 

ライラ「あー、幸せでございますよー」 



38 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:43:36.99 ID:LjTCydTNo

千早「でも、あんまり食べ過ぎちゃ駄目よ?」 

肇「このあと、焼き餅もありますからね」 

ライラ「焼き餅でございますか?」 

千早「ええ、あっちでスタッフが火の準備をしているわ」 

ライラ「おー」 

千早「(心なしか、いつも以上にスタッフがはしゃいで見えるわね)」 

肇「では行きましょうか」 



39 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:44:04.22 ID:LjTCydTNo

ライラ「ふー、あったかいのでございますよ」 

千早「ライラさんって、寒いのはダメだったかしら」 

ライラ「あー、苦手ですねー」 

肇「じゃあ、あったまりながらお餅を焼きましょう」 

ライラ「網の上に乗せるだけでいいのですか?」 

千早「そうね。味付けは後で」 

ライラ「楽しみですねー」 

肇「ふふっ」 



40 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:44:36.84 ID:LjTCydTNo

千早「それにしても、藤原さんって頼もしいのね」 

肇「そうでしょうか?」 

千早「ええ。今日は頼りっぱなしだもの」 

ライラ「美味しいお餅も、肇さんのお陰でございますねー」 

肇「それは、たまたま経験があったというだけで」 

千早「経験があっても、それを人に伝えるのはまた別の問題よ」 

肇「そう……でしょうか」 

ライラ「ライラさんも分かりやすかったのですよー」 

千早「私は、人に伝えるというのがあまり上手くないから……だからこそ、凄いと思うわ」 

肇「……ありがとうございます」 



41 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:45:11.94 ID:LjTCydTNo

ライラ「肇さん力持ちでございますし」 

千早「そういえばそうね。杵なんかも軽々使いこなしていたし」 

肇「軽々かどうかは……その」 

肇「でもそうですね。ずっと土いじりをしていたので、力はある方だと思います」 

ライラ「土いじり、でございますか」 

肇「ええ、陶芸は体力勝負なところもありますから」 

千早「ふふ」 

ライラ「どうしたのですか?」 

千早「陶芸の話をしている藤原さんは、すごく楽しそうだなって」 

肇「……そうかもしれません」 



42 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:45:49.11 ID:LjTCydTNo

千早「どうしてアイドルに?」 

肇「『小奇麗にまとまってはいるが、色がない』、そんな風に言われまして」 

ライラ「?」 

肇「私が作る器には、作った人間の顔が見えないんだそうです」 

千早「作った人の……顔?」 

肇「陶芸を通じて表現する、自分というものが弱い……そういうことなんだと思います」 

肇「だから、まったく別の世界で自分を見つめ直してみたいと思いまして」 

肇「私は何が出来て何が出来ないのか、そして何がしたいのか」 

ライラ「肇さん、なんだか格好いいのです」 

肇「そんな……」 

千早「謙遜することはないと思うわよ?」 

肇「まだまだ未熟者です」 



43 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:46:21.81 ID:LjTCydTNo

ライラ「ちょっとずつ進めば、それでいいのですよー」 

千早「そうね、ライラさんの言う通りだと思うわ」 

肇「……前に進めているなら、嬉しいです」 

千早「(藤原さんにとっての陶芸は、きっと、私にとっての歌のようなものなのね)」 

ライラ「千早さん肇さん、お餅が膨らんでいるのです」 

千早「あ、つい話し込んじゃったわね」 

肇「ライラさん、お餅をこの砂糖醤油につけてください」 

ライラ「こうでございますか?」 

肇「つけたらもう一度炙って、完成です」 



44 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:47:00.30 ID:LjTCydTNo

千早「香ばしい、良い匂いね」 

ライラ「うー、早く食べたいです」 

千早「ふふ、あとちょっとの辛抱よ」 

ライラ「あー、お腹が空く良い匂いでございますよー」 

千早「(……今にも涎をたらしそうな顔ね)」 

肇「……もういいと思いますよ」 

ライラ「待ってましたです!」 



45 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:47:51.37 ID:LjTCydTNo

千早「じゃあ、海苔をまいて……いただきます」 

ライラ「いただきますですよー」 

肇「……やっぱりつきたてのお餅は弾力が違いますね」 

千早「ええ……すごく…………伸びる」 

ライラ「はふっはふっ」 

肇「ふふっ」 

千早「甘辛い砂糖醤油との相性がすごくいいわね、これ」 

ライラ「お餅、柔らかいのですよー」 

肇「これを知っちゃうと、市販のお餅が物足りなくなるんですよね」 

千早「ああ、分かる気がするわ」 



46 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:48:44.22 ID:LjTCydTNo

ライラ「とても美味しいのですので、おかわりが欲しいのですよ」 

肇「はい、どうぞ」 

千早「……うん、いくらでも食べられそう」 

ライラ「はふっはふっ……うー、幸せでございますー」 

肇「……食べ過ぎには注意してくださいね?」 

千早「……肝に銘じるわ」 

ライラ「美味しいですねー」 

肇「ライラさんは……まあ、これでいいんでしょうね」 

千早「ええ、これがいいのよ」 



47 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:49:21.61 ID:LjTCydTNo

*************************** 


千早「ライラさん、満足した?」 

ライラ「はいです! 大満足でございます」 

肇「それはよかったです」 

千早「それにしても、今日は藤原さんに助けられっぱなしだったわね」 

肇「いえ、私は口を出すばっかりで」 

千早「大根おろしや砂糖醤油、藤原さんが用意してくれたのよね?」 

ライラ「おー、そうだったのですか」 

肇「……どうせなら美味しいものを食べてもらいたいなって」 

ライラ「肇さん、ありがとうございますですよ」 

肇「喜んでもらえたなら、頑張った甲斐があります」 



48 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:49:47.81 ID:LjTCydTNo

ライラ「今度ライラさんにお料理教えていただけませんですか?」 

ライラ「ライラさんも、もっと自分でお料理できるようになりたいのです」 

肇「え、ええ。私で良ければ」 

千早「良かったわね、ライラさん」 

ライラ「はいですよ」 

肇「(料理、勉強しなきゃ)」 

ライラ「いつか、ライラさんのお弁当を千早さんに食べていただきたいですねー」 

千早「ふふ、楽しみに待ってるわね」 

ライラ「千早さんのお弁当のお返しなのですよ」 

肇「(あれ……責任重大?)」 



49 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:50:25.10 ID:LjTCydTNo

千早「さて、そろそろ時間ね」 

ライラ「あー、もうでございますか」 

千早「藤原さんはどうだったかしら」 

肇「はい、すごく楽しかったです」 

千早「そう言ってもらえるとこっちも嬉しくなるわね」 

ライラ「突然のお餅つきでございましたからねー」 

千早「私たちはある程度慣れているけど、ね」 

肇「あ、あはは……」 

千早「それではお別れの時間です」 

千早「如月千早と」 

ライラ「ライラさんとー」 

肇「藤原肇がお送りしました」 

ライラ「またお会いしましょー」 

千早「また、会えるのかしらね?」 

肇「え?」 

ライラ「予定は未定でございますからねー」 

千早「どうなることやら」 



50 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:51:06.54 ID:LjTCydTNo

*************************** 

【収録後】 

P「お疲れ、千早」 

千早「お疲れ様ですプロデューサー」 

P「……何か言いたそうな目だな」 

千早「いえ、なんでプロデューサーがいい汗かいた風なのかなって」 

P「いやー、久しぶりだと疲れるな、餅つき」 

千早「……そういえば、後ろで何かやってましたね」 

P「おう、もち米も余ってたしな」 

千早「何人かで臼を囲んでお餅をついていたのは見ましたけど」 

P「ああ、俺も一緒に餅ついてた」 

千早「……なにやってるんですか」 

P「年の瀬といえば餅つき、やらない手はないだろ」 



51 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:52:04.22 ID:LjTCydTNo

千早「……はぁ」 

P「どうした?」 

千早「プロデューサーは相変わらずプロデューサーだな、と」 

P「褒めてる?」 

千早「呆れてます」 

P「そうなの?」 

千早「……で、久しぶりっていうのは?」 

P「昔は朝から夕方までぶっ通しでついたりしたもんだ」 

千早「…………はい?」 

P「いやー、あのころに比べるとさすがに衰えを感じるな」 



52 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:52:32.67 ID:LjTCydTNo

千早「今日も結構な速さでついてませんでした?」 

P「そりゃ、人数がいたから」 

千早「ああ、テレビで流れているようなつき方をしていましたね」 

P「慣れないうちはやっちゃ駄目だぞ?」 

千早「やりません」 

P「やらないの?」 

千早「やりません」 

P「たまには冒険を?」 

千早「しません」 

P「そうか、しないか……」 



53 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:53:01.12 ID:LjTCydTNo

千早「また何か企んでいるんでしょう?」 

P「んー、なんのことかなぁ」 

千早「誤魔化せてませんよ」 

P「千早も手強くなったなぁ」 

千早「誰のせいですか」 

P「誰?」 

千早「今私の目の前にいる人のせいです」 

P「成程」 



54 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 21:53:28.35 ID:LjTCydTNo

千早「言っても止める気はないんでしょうけど」 

P「さすが、よく分かっていらっしゃる」 

千早「どれだけの付き合いだと思ってるんですか」 

P「よし、土産の餅持って帰ろう」 

千早「……露骨に話を逸らさないでください」 

P「んー、なんのことかなぁ」 

千早「……まったく」 

千早「(お陰で退屈しませんけど、ね)」 


<もう終わる> 




55 : ◆Hnf2jpSB.k 2016/12/25(日) 22:00:12.79 ID:LjTCydTNo

当初予定の年内には完結させることが出来ました 
食べ物を美味しそうに書く能力の無さに絶望しています 

なお、複数人による高速餅つきは経験のない方はおやめください 
石臼を割る、もみじ餅ができる等、悲惨な結末につながる恐れがあります 
実際に行った場合のいかなる事象にも>>1は責任を負いかねます 


お付き合いいただきましてありがとうございました



56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/26(月) 04:12:38.98 ID:qV/m70z1o

乙乙 
食べ物を美味しそうに書けなくてもいいじゃないか 
美味しそうに食べるライラさんが書けるのなら






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