転載元 : http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1548591425/

1: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/27(日) 21:17:05.98 ID:sBJXeKdM

ダイヤ「なんなんですの急に……」

鞠莉「これ!」バンッ

ダイヤ「……?」

ダイヤ「はぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

鞠莉「リアリィなの?」

鞠莉「この……インターネッツで出回っているアナールがセクシュアルクリティカルポイントっていう話は!」

ダイヤ「そっ、そんなわけがありませんわ!」バンッ

ダイヤ「大体、わたくしはまだ……」フルフル

ダイヤ「そもそも、そのインターネットの噂の出どころはどこなんですの!?」

善子「さぁ? 私が見つけたのはスクールアイドル掲示板よ」

善子「エゴサ……っていうか、まぁいろいろ情報集めようとみてたら」

善子「急に上がってきたのよ。ダイヤはアナルが弱いって」

ダイヤ「……善子さん」

ダイヤ「これ、特定はできるんですか?」

善子「出来ると思うわよ。まぁ、ネタとして大騒ぎされているくらいで害はないから」

善子「特定させてもらえるかどうかはまた別の話だけど」



3: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/27(日) 21:24:46.14 ID:sBJXeKdM

ダイヤ「はぁ……」ガタッ

鞠莉「ダイヤ、本当なの? 本当に……アナールがウィーク?」

ダイヤ「ち・が・い・ま・す・わ!」

ダイヤ「善子さん、なぜ鞠莉さんに話したんですの?」

鞠莉「えっ」

善子「ダイヤに話すべきかどうか悩んでたら、廊下で会っちゃって」

善子「それでまぁ……ついうっかり」

ダイヤ「まったく……とにかく、根も葉もない噂ですから」

ダイヤ「鞠莉さん!」

鞠莉「ワッツ!?」

ダイヤ「無意味に口外しないでください」

鞠莉「でも、ネッツに出ているということは、アナールに後ろ指さされるかもしれないわ」

ダイヤ「されそうになったら痴漢で現行犯逮捕しますからご心配なく」

ダイヤ「一応……一人で下校しないようには気を付けますし」



4: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/27(日) 21:35:41.71 ID:sBJXeKdM

…………………

………




花丸「それでなぜ、マルが呼ばれる必要があるずら?」

花丸「まさか、アナ丸とでも揶揄されているずらか?」

善子「いや、そんなことなかったわよ。そんなことは」

善子(喰う気田花丸とか、でか丸とか……)

善子(そういうのはあったけど)

ダイヤ「ルビィと帰るのは難しいですし、かといって善子さんも途中で別れる必要があります」

ダイヤ「なので、花丸さんに付き合って戴けないかと」

花丸「護衛のごの字もないマルより、果南さんの方がいいと思うずら」

善子「あーそれね……それなんだけど、さ」

花丸「?」

ダイヤ「ど、どうやら……その……」フィッ

善子「果南さんがね? 開発者って話なのよ」

花丸「開発? なんの?」

善子「だから、あれよ。あれ、アナル」

ダイヤ「っっ///」カァァッ

善子「だからできれば、果南さんとは離れておきたいらしいわ」




7: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/27(日) 21:45:19.10 ID:sBJXeKdM

花丸「曜ちゃんは? 梨子ちゃんは?」 

花丸「千歌ちゃんは?」 

ダイヤ「わたくしは、候補に挙げたのですが」チラッ 

ダイヤ「それはダメだと、善子さんが言い張りまして」 

善子「向こうは向こうで厄介な話が出てるから無理なのよ」 

善子(レズだの童貞だの……) 

善子「最悪、無意味に広がるっていうか、飛び火するっていうか」 

花丸「千歌ちゃんもずらか?」 

善子「毎回毎回一緒に帰ってもらう言い訳づくりが難しいでしょ」 

善子「アナルが弱いって言ったらお腹壊してるの? とか言い返してくる系だし」 

花丸「ふーん……」 

花丸「でもそしたらマルはどうなるずら?」 

善子「花丸は結構安定してるから」 

花丸「安定……」ジーッ 

花丸「良い意味に聞こえないずらよ?」 

善子「悪くはない。悪くはないから!」 

善子(性欲を食欲で発散してるイメージが定着してるから……) 

善子(とは、口が裂けても言えない)



8: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/27(日) 21:53:43.41 ID:sBJXeKdM

ダイヤ「花丸さん」 

ダイヤ「どうか、どうかお願いできませんか?」 

花丸「ぅ……」 

ダイヤ「ご迷惑なのは承知しています」 

ダイヤ「ですが、やはり一人というのはどうにも」 

花丸「っ……う~ん」 

花丸「仕方がないずら」 

花丸「ダイヤさんのためなら、協力するよ」 

花丸「元々、協力するって部分は否定も拒絶もする気はなかったずらよ」 

花丸「リスクヘッジを図るためにも」 

花丸「行動することでどんな影響があるのかを知っておきたかっただけずら」パタンッ 

花丸「人のうわさも七十五日。誰かのつまらない噂なんてすぐに消えてくれるずら」 

善子(……ネットはそう簡単じゃないのよ。花丸) 

善子(アンタを選んだのはそういう部分の疎さもある。気にしない、調べない) 

善子(下手にネットにかかわるやつと一緒じゃダイヤも落ち着けないだろうからね) 

善子(頼んだわよ。花丸)



9: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/27(日) 22:04:08.81 ID:sBJXeKdM

「あはははっ、それでさー」 

「あーあの人だよねー!」 

ダイヤ「っ」ビクッ 

花丸「……気にしすぎずら」 

ダイヤ「すみません……」 

ダイヤ(バスを待つ間の、人の視線) 

ダイヤ(バスに乗り込むときの、人の視線) 

ダイヤ(『あの人』、『あれ』、『あの話』) 

ダイヤ(不特定の言葉が出てくるたびに) 

ダイヤ(もしかしたら例の話をしているのではという不安が脳裏をよぎる) 

ダイヤ(善子さんは気にするなと言った) 

ダイヤ(花丸さんはすぐに消えると言った) 

ダイヤ(ですが、ですが……) 

ダイヤ「……」ギュッ 

ダイヤ(一度煤けた木は、元には戻らないのです)



14: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/27(日) 22:41:36.90 ID:sBJXeKdM

ダイヤ「はぁ……ふぅ……」 

花丸「ダイヤさんは」 

ダイヤ「?」 

花丸「ダイヤさんは、自分でそういうことをしたことがあるずらか?」 

ダイヤ「そっ、そんなことっ!」 

ダイヤ「ぁっ……」 

ダイヤ(急に大声を出してしまったせいで集まる視線) 

ダイヤ(顔を逸らせば周りの乗客も何事もなかったように戻ってくれる) 

ダイヤ(でも……) 

花丸「そんなことないなら、あれはただのうわさで良いずらよ」 

花丸「自分はそんなことないって、ちゃんと心を強く持ったほうが良い」



15: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/27(日) 22:50:55.79 ID:sBJXeKdM

花丸「不安が、顔に出てるずら」パタンッ 

ダイヤ「っ」 

ダイヤ(花丸さんは、読んでいた本を閉じるとわたくしを見る) 

ダイヤ(そう……見ていなかったのに不安だったと分かっている) 

ダイヤ(分かってくれているのがうれしくて) 

ダイヤ(思わず、二人の間におろしていた手が花丸さんに触れる) 

花丸「勘違いが、広がるずらよ」 

ダイヤ「す、すみません」 

花丸「不安になる気持ちは分かるずら」 

花丸「マルだって……時々、似たようなことを思うことはあるから」クスッ 

花丸「そういう時は、別のことに集中するのも悪くはないずらよ?」



16: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/27(日) 23:06:21.16 ID:sBJXeKdM

ダイヤ「…………」 

ダイヤ(花丸さんの手に握られた一冊の本) 

ダイヤ(学院の図書室から借りてきた本はブックカバーがなくボロボロで) 

ダイヤ(背表紙と表紙では色自棄に偏りが出るくらいには年季があった) 

ダイヤ「読書。ですか」 

ダイヤ「わたくしも、読書するのは好きですが……」 

花丸「善子ちゃんのようにゲームでもいいずら」 

花丸「梨子ちゃん達のように料理とか、筋トレでもいいずらよ?」 

ダイヤ「き、筋肉トレーニングは……ちょっと」 

ダイヤ「ですが、料理でしたら考えたりするのも楽しそうですわね」 

ダイヤ「こう……今日はどうしようかと献立のようなものを考えるとか」 

花丸「そうずらね。慣れないことほど考える必要もあって」 

花丸「きっと、良い気晴らしになると思うずら」



17: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/27(日) 23:30:47.68 ID:sBJXeKdM

ダイヤ「そう考えると、花丸さんと一緒にというのは良かったかもしれませんわね」 

花丸「確かに、マルとダイヤさんが一緒に帰るなんて殆どないずら」 

花丸「ルビィちゃんと帰ることはあっても、ダイヤさんには用事とかがあって」 

花丸「基本的に一緒じゃなかったから」 

ダイヤ「ふふっ、そうですわね」 

花丸「…………」 

花丸「……その意気ずら」 

花丸「ダイヤさん、あまり深く考えるのは毒ずらよ」 

花丸「間違っても、検証するようなことは、ダメ」 

ダイヤ「っ……」 

ダイヤ「ええ……肝に、銘じておきますわ」



18: 名無しで叶える物語(庭) 2019/01/27(日) 23:31:17.51 ID:mrtfF5Tj

なんて理想的な花丸ちゃん…



29: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/28(月) 08:51:31.97 ID:AzwwUhTB

クソみたいな導入から素晴らしいダイまる



30: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/28(月) 08:53:21.72 ID:+qQSudL9

………………… 
………… 
…… 

…ポフッ 

ダイヤ「はぁ……」 

ダイヤ(帰るや否や、制服のシワも気にせずにベッドへと倒れこむ) 

ダイヤ(体の疲れは普段と一緒のはずなのに) 

ダイヤ(途方もない精神的な疲れを感じる) 

ダイヤ「……わたくしにはそのような趣味があると思われている」 

ダイヤ「心外であることもそうですが」 

ダイヤ「なによりもショックでした……」 

ダイヤ「ないはずのイメージが定着する恐怖」 

ダイヤ「もしかしたら自分はという不安」 

ダイヤ「あぁ……」 

ダイヤ「一度踏み込んでは戻れない負のスパイラル」 

ダイヤ「花丸さんは……抜け出せたのですか?」 

ダイヤ(わたくしの言葉に返るものは、なかった)



31: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/28(月) 09:04:30.94 ID:+qQSudL9

タッタッタ…ぅゅ…? 


ルビィ「お姉ちゃん?」 

ダイヤ「ルビィ……?」 

ルビィ「えっと…」 

ルビィ「つ、疲れてるの?」 

ダイヤ「……ええ、少し、休みたいと…」 

ダイヤ(起きる気だるさに途切れる言葉) 

ダイヤ(わたくしの妹、ルビィは困ったような表情で) 

ダイヤ(わたくしの側に寄ってくる) 

ルビィ「ここ、ルビィの部屋だよ…?」 

ダイヤ「え…あ…あぁ…ごめんなさい」 

ルビィ「お姉ちゃんが良いなら、いいけど」 

ダイヤ「いえ、自室に戻りますわ」 

ダイヤ「……大丈夫よ」ニコッ



32: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/28(月) 09:13:13.47 ID:+qQSudL9

ルビィ「お姉ちゃん……」 

ダイヤ「……」スッ 

ダイヤ(ルビィの心配を背中に受けて、部屋を出る) 

ダイヤ(自室へと戻っていく足取りに不安を覚えてしまう) 

ダイヤ(周囲のわたくしの印象) 

ダイヤ(自分の自分自身の印象) 

ダイヤ(その齟齬は、黒澤ダイヤを砕きかねない) 

ダイヤ(自分が自分ではないように感じる) 

ダイヤ(考えすぎるな。という忠告はこのためでしょうね)



34: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/28(月) 13:00:13.84 ID:11Po8ImY

ダイヤ(考えるな、考えるな) 

ダイヤ(そう考えている時点で考えている) 

ダイヤ(気を紛らわせる難しさに精神が磨り減る感覚を覚えてしまう) 

ダイヤ(花丸さん……) 

ダイヤ(花丸さんの言葉が欲しい) 

ダイヤ(逃れるための、思考が……) 

ダイヤ「……」 

ヴィーヴィー 

ダイヤ「?」カパッ 

カチカチッ 

ダイヤ「花丸さんからのメール?」



36: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/28(月) 13:13:31.10 ID:11Po8ImY

受信トレイ 
ーーーーーーーーーーーー 
xxxx/xx/xx 
from:花丸さん 
Sub:明日、お昼を忘れた 
ーーーーーーーーーーーー 
お腹が空いた 

   ーENDー 
ーーーーーーーーーーーー 

ダイヤ「……明日?」 

ダイヤ「なぜ、明日なんですの?」 

ダイヤ「……」カチカチカチッ 

ダイヤ「あし…た…なら…準備を怠らないよう…」カチカチッ 

ダイヤ「!」 

ダイヤ「いえ、そうではありませんわ」 

ダイヤ「これは、予告」 

ダイヤ「わたくしに対する花丸さんの予告」 

ダイヤ「雨が降るから傘を持て」 

ダイヤ「昼がないなら用意する……」 

ダイヤ「わたくしは…せん…ぱい…」カチカチッ 

ダイヤ「違いますわね……」カチ 

ダイヤ「…生徒会長を…顎で…使う…とは…」カチカチッ 

ダイヤ「花丸さんも…偉く…なりました…わね」ポチッ 

ダイヤ「確か麺類がお好きではななかったはず……」 

ダイヤ「定番の焼きそばパンはNGですわね」 

ダイヤ「ふふっ」



37: 名無しで叶える物語(庭) 2019/01/28(月) 14:53:04.20 ID:7snewXYs

暗号的なやりとり好き



39: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/28(月) 23:27:17.57 ID:ZWU45PAz

ダイヤ「さて……」 

ダイヤ(食べていただくのは昼休み) 

ダイヤ(つまり午前中の授業の疲れを癒しつつ) 

ダイヤ(午後の授業に影響が出ない程度に止めなければならない) 

ダイヤ「……ルビィ。少し良いかしら」 

ルビィ「どうしたの?」 

ルビィ「疲れてないの?」 

ダイヤ「ええ、問題ありませんわ」 

ダイヤ「それより、明日の授業日程を教えて」 

ルビィ「授業……? え、参観?」 

ダイヤ「まったく……明日の授業日程位把握していなくてどうするんですか」 

ダイヤ「予習復習が足りていませんわよ」 

ルビィ「うぅ……」 

ダイヤ「……別に注意しに来たわけではありませんわ」 

ダイヤただ、少し確認がしたかっただけよ」 

ダイヤ(机の傍のインテリアと化している日程表を横目に見て) 

ダイヤ(ルビィの頭を優しくなでる) 

ダイヤ(……なるほど、体育があるんですのね)



41: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/29(火) 07:11:48.24 ID:mQMhj96j

ダイヤ「明日は体育があるみたいですし」 

ダイヤ「以前のように3年黒澤とならないよう気を付けなさい」 

ダイヤ「姉妹間とはいえ、当日着用済みは嫌でしょう?」 

ルビィ「えっと」 

ルビィ「う、うん……」 

ダイヤ「……それではルビィ」 

ダイヤ「予習までしろとは言いませんから」 

ダイヤ「せめて復習だけでもしっかりなさい」 

ダイヤ「当日のノートを別のノートに再度丁寧に書き直し」 

ダイヤ「要点や補足を付け加えるなどすると良いですわ」 

ダイヤ「なにものも礎あってこそ」 

ダイヤ「精進しなさい」 

ルビィ「うん…がんばルビィ!」



42: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/29(火) 07:46:50.18 ID:dwK3zd/U

…………… 
……… 


ダイヤ「……」カチカチッ 

ダイヤ「……はぁ」ポフッ 

ダイヤ(運動がある……というのは練習も含めれば) 

ダイヤ(花丸さんにとっては当然のこと) 

ダイヤ(つまり大前提) 

ダイヤ(ということは消費したカロリーを補う摂取を要する) 

ダイヤ(しかし、過剰摂取は毒かつ太る) 

ダイヤ(花丸さんは今は別段太っているわけではありませんが) 

ダイヤ(体質的なところもあるのでしょう) 

ダイヤ(やはり食べ過ぎれば少し……というのはあります) 

ダイヤ(各種栄養バランスを整え、消化に良いもの) 

ダイヤ(かつ味気なさはもちろんのこと) 

ダイヤ(色味の偏りも当然のことながら好ましくない) 

ダイヤ「……子を持つ母の苦難。その片鱗が垣間見えますわね」



43: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/29(火) 07:54:09.24 ID:dwK3zd/U

ダイヤ「お弁当と言えば……」 

ダイヤ「………」 

ダイヤ「これっくらいのっ」スッ 

ダイヤ「おべんとばっこに」スッ 

ダイヤ「おっにぎりっおにぎりちょっと詰めてっ」 

ルビィ「」 

ダイヤ「……なんていうものもありましたわね」 

ダイヤ「ふふっ」 

ダイヤ「おにぎりですか……」 

ダイヤ「……ふぅ」 

ダイヤ「ご飯の前に首を握るべきですわね」ギュッ 

ルビィ「待ってぇっ!」



44: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/29(火) 08:20:18.53 ID:w1QJ7BAt

ルビィ「わかってるから!」 

ルビィ「お姉ちゃんが疲れてるんだって…」 

ルビィ「ルビィ、わかってるから!」ギュッ 

ダイヤ「ルビィ……」 

ダイヤ「別にそこまで深刻なことではありませんわ」ナデナデ 

ダイヤ「ただ」 

ダイヤ「そのような歌を小さい頃に聞いた覚えがあると思っただけですから」 

ダイヤ「しかし……今のわたくしには些か不釣り合いでしたわね」 

ルビィ「そんなことないよ」 

ルビィ「お姉ちゃんは綺麗で格好いいけど可愛いもん」 

ダイヤ「そう?」 

ルビィ「うんっ」 

ダイヤ「身内贔屓込みでも嬉しいですわ」



46: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/29(火) 08:33:16.11 ID:q9zdqCI/

ダイヤ「それよりもルビィどうかしたんですの?」 

ダイヤ「何か分からないところでもあった?」 

ルビィ「そういうわけじゃ、ないよ」 

ダイヤ「?」 

ダイヤ(ルビィは自分の考えでここに来たはずなのに) 

ダイヤ(返答に困った素振りを見せる) 

ダイヤ(きっと、わたくしに関してのことなのでしょう) 

ルビィ「お姉ちゃん……疲れてそうだったから」 

ルビィ「ルビィ、何かできないかなって」 

ダイヤ「……ふふっ」ギュッ 

ルビィ「っ」 

ダイヤ「ルビィは優しい子ですわね」 

ダイヤ「……ありがとう」 

ダイヤ「でも大丈夫ですから、安心して」



47: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/29(火) 08:59:46.34 ID:OorCEIMr

すごく理想のダイヤさんだけどアナルが弱いという噂に悩まされてるんだよな…



51: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/29(火) 13:01:32.05 ID:JNXdUfOc

ルビィ「……本当?」 

ダイヤ「ええ」 

ルビィ「……」 

ルビィ「そっか」ニコッ 

ルビィ「なら良かった」 

ダイヤ「心配させてごめんなさい」 

ルビィ「ううん、お姉ちゃんが大丈夫なら良いよ」スッ 

ルビィ「それじゃルビィは部屋にーー」 

ダイヤ「ルビィ」 

ルビィ「なあに?」 

ダイヤ「……復習をしっかりやったら」 

ダイヤ「特別にお姉ちゃんのアイスを食べても良いですわよ」 

ルビィ「やったーっ頑張る!」 

ダイヤ「ええ、頑張って」 

タッタッタッ……



52: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/29(火) 13:12:58.52 ID:JNXdUfOc

ダイヤ「お姉ちゃんが大丈夫なら……」ボソッ 

ダイヤ(心配からとはいえ) 

ダイヤ(わたくしの言葉を疑うことの罪悪感……) 

ダイヤ(ルビィ……本当に……) 

ダイヤ(いえ、ありがとう。と、言うべきでしたわ) 

ダイヤ「ルビィの分も作ることにしましょうか」 

ダイヤ「それなら善子さんの分もですわ」 

ダイヤ「二人の嫌いなもの……好きなもの」 

ダイヤ「あぁ……将来は好き嫌いを無くすようにしなければ……」 

ダイヤ「でも、こういう個性こそ愛らしくもある」 

ダイヤ「成長に連れてこの悩ましさも薄れていくのでしょうね」 

ダイヤ「それはきっと、嬉しくも寂しいもの……」 

ダイヤ「お母様には、しっかりと感謝しなければなりませんわね」



53: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/29(火) 13:29:15.04 ID:JNXdUfOc

…………… 
……… 

ダイヤ「……ということで、ご教授願いたいのです」 

黒澤母「ということ……?」 

ダイヤ「ルビィ含め、馴染みのある津島善子さん、国木田花丸さん」 

ダイヤ「この三人にお昼のお弁当を作りたいのです」 

ダイヤ「しかし、好みを混ぜつつ色合いと味のベストな組み合わせが浮かびませんでした」 

ダイヤ「そして……その……作っていくことは内密なのですが」 

ダイヤ「相手方が昼食を用意していたらどうすべきか」 

ダイヤ「なによりその不安があるのです……」 

黒澤母「内密にしなければならないの?」 

ダイヤ「出来る限り……」 

黒澤母「そうですね……あえて自分の分を用意しないという手法がありますが」 

黒澤母「あとはルビィだけには話し」 

黒澤母「残りのお二人には購買等で用意できないよう止めてもらうという手があります」



55: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2019/01/29(火) 22:35:36.90 ID:r3GNGTFE

こんな素敵なお弁当も最後は弱点のアナルから排出されるという皮肉



56: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/30(水) 08:29:29.14 ID:DajDZtAk

ダイヤ「……なるほど」 

ダイヤ「ですが、ルビィにこそ内密にしたいのです」 

ダイヤ「ルビィはわたくしの分まで泣いてくださいました」 

ダイヤ「わたくしの分まで優しい子に育ってくださいました」 

ダイヤ「なにより、わたくしが黒澤ダイヤとして……長女として」 

ダイヤ「家名に囚われきることなく姉であれたこと」 

ダイヤ「挫けずに今もこうして黒澤ダイヤでいられるのは」 

ダイヤ「ルビィがいてくれたからこそ」 

ダイヤ「その感謝を、わたくしはしたいのです」 

ダイヤ「善子さんを止めて下さる方はいます」 

ダイヤ「失礼を承知で願います」 

ダイヤ「お母様、明日の朝はルビィを止めておいては頂けないでしょうか」 

ダイヤ「料理には不慣れの身、きっと時間がかかることでしょう」 

ダイヤ「調理の香りに気付かれることでしょう」 

ダイヤ「ですから、ルビィを止めて頂きたいのです」 

ダイヤ「お願い致します」 

黒澤母「……そんなに畏まらなくても、良いですよ」 

黒澤母「滅多にない貴女のわがままですからもちろん引き受けます」 

ダイヤ「ありがとうございます」 

黒澤母「ダイヤ……」 

ダイヤ「はい」 

黒澤母「貴女も十分に善く、優しい子であると私は思っていますよ」 

黒澤母「自信を持って、これからも精進しなさい」ニコッ



59: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/30(水) 13:08:59.36 ID:1CBexUiN

受信トレイ 
ーーーーーーーーーーーー 
xxxx/xx/xx 
from:花丸さん 
Sub:Re:Re:Re:明日、お昼を 
ーーーーーーーーーーーー 
別った 
   ーENDー 
ーーーーーーーーーーーー 


ダイヤ(別った……?) 

ダイヤ「ふふっ、扱う機器は最先端でも」 

ダイヤ「誤字脱字の自動修正というのはできませんのね」 

ダイヤ「……ありがとう、花丸さん」ギュッ 

ダイヤ(布団の上で仰向けになって携帯を握る) 

ダイヤ(無機質な情報媒体はほんの少し温かい) 

ダイヤ「……」 

ダイヤ「バスで……」 

ダイヤ(バスで握りそうになった彼女の手) 

ダイヤ(無感情に私達を繋ぐ機械は何気無く想わせる) 

ダイヤ「気にするなと言われるほどに気になるもの」 

ダイヤ「……想うとは薬であり毒ですわね」スッ 

ダイヤ「こうも、明日の昼が恐ろしく待ち遠しいのですから」 

ダイヤ「黒澤ダイヤ、持てる力を尽くしましょう」



60: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/30(水) 13:22:39.69 ID:cw6TdXOp

(>>8・)チュンチュン… 

…………… 
……… 
…… 


ダイヤ「さて……」ガチャ 

ダイヤ「食材は充分ですわね」 

ダイヤ(お母様の協力もあって、昨日調達いただけましたし) 

ダイヤ(もちろん、だからといって失敗するわけにもいきません) 

ダイヤ「タイマー……レシピを書き写したノート」 

ダイヤ「測りつきのカップ等」 

ダイヤ「プライドよりも成功のため」 

ダイヤ「科学的調理でいきますわっ」グッ



62: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/30(水) 18:49:45.99 ID:ECkw1fiR

キュポッ…トクトクトッ…チッチッチ…ボッ 

コンッコンッ…カパッ…コンッコンッカシュッ 

カシャカシャカシャ… 

ジャーッ…トンットンッ…パチッパチパチッ 

カタッ…カシャカシャ……ジュッ 

ジューッ…カチカチッ…カシュッカシュ…ジューッ 

トントントン… 

ピーッピーッ 

カチッ…ピッピッピーッ 

トントントントン…サッサッ 

…… 
……… 
…………



63: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/30(水) 23:19:31.68 ID:jT/931iv

ダイヤ「で……出来ましたわ……」 

ダイヤ(多少失敗もありましたが) 

ダイヤ(失敗作は自分で消費出来る程度で済みましたし) 

ダイヤ(成功だと、言えるはず) 

ダイヤ「はぁ……」 

ダイヤ(やり終えた達成感からか) 

ダイヤ(押し寄せてくる疲労感に堪らず溜め息をつく) 

ダイヤ「ですが当然……すべてが終わったわけではありませんわ」 

ダイヤ「ルビィはあれですが……善子さん達に渡してようやく達成です」 

ダイヤ「……」ギュッ 

ダイヤ「まったく……」 

ダイヤ「今から騒がしい自分が不安で仕方がないですわね」



64: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/31(木) 06:45:39.59 ID:Z53YrD9s

ルビィ「おはよ~花丸ちゃん、善子ちゃん!」 

ダイヤ「おはようございます」 

善子「ダイヤも一緒とか珍し……寝坊でもしたの?」 

ダイヤ「いえ、特に用事もなかったのでたまにはルビィと一緒でもいいかと思いまして」 

花丸「ルビィちゃんにはマルと善子ちゃんがおまけでついてくるずらよ~」 

ダイヤ「ふふっ、お買い得ですわね」 

ダイヤ「しかしこう、1年生の中の3年生というのは違和感があるものなのでしょうか?」 

善子「別に部活でもよくあることなんだし気にすることじゃないんじゃない?」 

花丸「慕われてる先輩と慕う後輩っていう良い感じずらよ」 

花丸「ダイヤさんは生徒会長だし、なおさら」 

ルビィ「うんうんっ、大丈夫だよ、お姉ちゃんっ」ギュッ 

花丸「問題ないずら~、お姉さま~」ダキッ 

ダイヤ「ちょっ」 

善子「…………」 

花丸「………」チラッ 

善子「……やっ、やらないわよっ!」フイッ



65: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/31(木) 08:37:33.74 ID:ESBD+POp

ダイヤ(そういえば、どう切り出せば……?) 

ダイヤ(お弁当を作って来ましたわ、是非……とでも?) 

ダイヤ(なぜ?日頃の感謝をしたいから) 

ダイヤ(…………) 

ダイヤ「はっ!?」ガタッ 

善子「ひゃっ!? な、なんなの急に!」 

花丸「ひゃっ」 

善子「真似すんなっ!」 

ダイヤ「すみません……考え事を少し」 

ダイヤ(しまった……失念していましたわ) 

ダイヤ(感謝を述べるのは手渡すとき……) 

ダイヤ(それ以前の誘い言葉を考えて居なかった…!)フルフル 

ダイヤ(思えばそう…お昼ご一緒しませんかと誘っても) 

ダイヤ(その時点で食べるものがあることないことは必ず話す……) 

ダイヤ(つまり……今日はお弁当をご用意しました。と、切り出すべきです) 

ダイヤ(ですが……どこで?) 

ダイヤ(公衆の面前であるバスの中などありえない) 

ダイヤ(……い、いえ) 

ダイヤ(さりげなく、そうごく普通のことのように……) 

ダイヤ「み、みなひゃんっ!」 

善子「ダ…ダイヤまで真似すんの!?」 

ダイヤ「ちがっ」 

ダイヤ(ダメですわっ無理です!沼にはまってしまった…!)ギュッ 

ダイヤ(考えれば考えるほど……恥ずかしい)カァァ 

ルビィ「お姉ちゃん顔赤いよ? 大丈夫?」 

ダイヤ「大丈夫です。ええ、問題はありませんわ」ニコッ 

ダイヤ(問題しか……ない)



67: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/31(木) 13:22:37.54 ID:hghayXqo

タッタッタッタ… 

  ポスッ    カタッ…  

オハヨー    オハヨ…アッソウイエバキノウサー… 


ダイヤ(……さて) 

ダイヤ(溺れている間に学院に着きましたわね……) 

ダイヤ(どうしましょう) 

ダイヤ「はぁ…」 

善子「……やっぱり調子悪いんじゃないの?」 

ルビィ「お姉ちゃん、保健室いこっ?」ギュッ 

ダイヤ「えっ、あ、いえ! いえいえその必要はありませんわ」 

ダイヤ「ただ少し、考えていたことがあっただけで……」 

花丸「…………」 

ダイヤ(実は皆さんにお弁当を……) 

ダイヤ(ただそう言えば良いだけなのに) 

ダイヤ(雰囲気に拘りたい女心の厄介さといったら……) 

ダイヤ(……)グッ 

花丸「そうだ!」パンッ 

善子「?」 

花丸「珍しついでに今日はこの四人でお昼はどうずら?」 

花丸「せっかくだから、ね?」 

ルビィ「わたしは良いと思う!」 

善子「まぁ……私は良いけど」チラッ 

ダイヤ「わ、わたくしも……」 

ダイヤ「そ、そうです。実はそう言おうと……」 

ダイヤ「お昼の時間を頂いてもよろしいですか?」



68: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/31(木) 13:29:38.01 ID:hghayXqo

善子「もしかしてそれで悩んでたの?」 

善子「そんな、男の子が女の子誘うみたいな感じで……?」 

花丸「先輩と後輩の言い出しにくさがあるずらよ」 

花丸「休み時間は学生にとって貴重だし」 

善子「それは否定しないけど」 

善子「ダイヤ」 

ダイヤ「はい……?」 

善子「自分が嫌われてると思ってるなら間違いよ」 

善子「マリー……とまではいかないで欲しいけど」 

善子「もう少し、寄ってくれても良いんだから」フイッ 

ルビィ「善子ちゃん顔ーー」 

善子「うるさいうるさいっもう教室いくから!」ダッ



71: 名無しで叶える物語(茸) 2019/01/31(木) 18:40:56.90 ID:hghayXqo

ルビィ「待って善子ちゃん!」タタタッ…キュッ 

ルビィ「お姉ちゃん、またお昼ね!」クルッ 

ダイヤ「ええ、しっかりね」 

ルビィ「花丸ちゃーん! いこーっ」 

花丸「マルは修道女ではないけど、紡ぐことは出来るずらよ」ニコッ 

ダイヤ「ありがとう。でも、毒は要らないですわ」 

ダイヤ「……悲しくなるから」 

花丸「なら、楽しみにしてるずら」 

ダイヤ「ええ、ひごーーっ」ピトッ 

花丸「しっ」 

ダイヤ「………」 

ダイヤ(花丸さんの人差し指が口を閉ざす) 

ダイヤ(打ち込まれたホチキスの芯は、ホチキスでしか抜けないらしい) 

花丸「それも含めて、楽しみにしてるずらよ」タタタッ 

ダイヤ「………」 

ダイヤ「………」スッ 

ダイヤ「……日本文学派である花丸さんでも」 

ダイヤ「シェイクスピアの一冊二冊は嗜んでいますのね」 

ダイヤ「お陰さまで、午前授業の記憶が無くなりそうですわ」



72: 名無しで叶える物語(SB-iPhone) 2019/01/31(木) 18:59:48.33 ID:KgMGGtf6

知性派2人のウィットに富んだやり取りすこ



75: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/31(木) 21:05:58.79 ID:Z53YrD9s

………ャ… 
ダ…… 
…… 

果南「ダイヤ!」 

ダイヤ「っ」ガタッ 

果南「今日ずっとぼーっとしてるよね、何かいいことでもあった?」 

ダイヤ「良いこと……ですか」 

ダイヤ「そうですわね、良いことがあった」 

ダイヤ「いえ、良いことがありそうなんです」ニコッ 

果南「そっか、それなら良いけど」 

果南「でもあんまり心配させないでよね」 

果南「今回は……まぁ、安心できる部類ではあったけどさ」 

果南(落ち込んでるとかじゃなく) 

果南(終始幸せそうな笑顔だったしね) 

果南「鞠莉が変なこと言い出したり呆然としてたから」 

果南「二人に何かあったんじゃないかって変なことも考えちゃったよ」



76: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/01/31(木) 22:00:09.32 ID:Z53YrD9s

ダイヤ「あぁ……」 

ダイヤ(例のあれ……ですわね) 

ダイヤ(まったく、鞠莉さんはもう……口外しないだけましですわね)ハァ 

ダイヤ「ご心配おかけして申し訳ありません」 

ダイヤ「大丈夫ですわ。果南さん」 

ダイヤ「鞠莉さんとわたくしの問題ではありませんし」 

ダイヤ「そう……思い悩むほどのことでもないですから」 

果南「それならいいんだよ」 

果南「でも、心配させるから言わないっていうのがダイヤだし、鞠莉でしょ」 

果南「まぁ、わたしも人のこと言えるかというと……なんだけど」 

果南「あれだよね。自分のことには無頓着? だけど、他人は鼻につくってやつ」 

果南「ま、嬉しいことがあるなら良いんだよ。うん」 

果南「でも何かあったら遠慮なく頼りなよ? 本当に困ったときに頼りあえるってさ、不謹慎だけど良いことだって思うし」 

ダイヤ「そうですわね」 

ダイヤ「ありがとうございます、果南さん」 

ダイヤ「では早速で申し訳ないのですが――」 

…… 
………… 
……………



77: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/02/01(金) 05:32:46.63 ID:cgTx/oU2

ダイヤ「……入り辛い」 

ダイヤ(待ちに待った昼休み) 

ダイヤ(勇み足で進んだ廊下も彼女たちの教室という壁に阻まれて、止まる) 

ダイヤ(善子さんの言った女の子を誘いたい男の子の気持ち……というのは) 

ダイヤ(実際にこういうものなのだろうか。と、思考の寄り道) 

ダイヤ(花丸さん達に話しかけるという行為は良くしていることだと思う) 

ダイヤ(しかし、ほかのクラスメイト達の前で昼食に誘う、連れていく) 

ダイヤ(そのような行為を行った際の視線を想うと気恥ずかしい) 

ダイヤ(それもこれも、わたくしに対する偏見……それが、無意味に思案させようとしてくる) 

ダイヤ(悪魔よりも悪魔らしい酷い話ですわね。本当) 

ダイヤ「……自信を」ギュッ 

ダイヤ(勇気を込めての一歩を踏み込む) 

ダイヤ(開いた扉、中にいる三人をすぐさま見つけ出す) 

ダイヤ「ルビィ」 

ルビィ「あっ、お姉ちゃんっ」ガタッ 

ルビィ「花丸ちゃん、善子ちゃんいこっ」 

ダイヤ(一歩踏み出してしまえばあまりにも簡単で、無関係で) 

ダイヤ(胸の疼きの過剰具合に、笑えてしまいそうですわ)



80: 名無しで叶える物語(茸) 2019/02/01(金) 08:36:05.34 ID:TdJPLi9V

ルビィ「どこで食べるか決まってるの?」 

ダイヤ「いえ、それは」 

ダイヤ「ですが一応、屋上のーー」 

善子「決まってないならさ、生徒会室が良い」 

ダイヤ「生徒会室……?」 

ダイヤ「面白いものはありませんわよ?」 

花丸「マル達は一般生徒だから、馴染みがない」 

花丸「それに、失うと解ってから興味を持つのは人間の性ずらよ」 

善子「そうそう」 

花丸「つまり、善子ちゃんはヨハネじゃない……!」ビシッ 

善子「それはそれこれはこれ!」 

善子「そう……人間の真似事よ」 

ルビィ「堕天しちゃったから人間さんになったじゃダメなの?」 

善子「ダメっ」 

ダイヤ「………」 

ダイヤ「……ふふっ」 

ダイヤ「今回だけですわよ? 特別ですからね」 

花丸「やったー」 

善子「流石生徒会長! 格好いい!」 

ダイヤ「煽てても今回だけですわ」 

ルビィ(でも凄い嬉しそう…) 

ルビィ(やっぱりね、お姉ちゃん ) 

ルビィ(ルビィはお姉ちゃんも可愛いと思うよ)ニコニコ 

ダイヤ「嬉しそうですわね、ルビィ」 

ダイヤ「そんなに生徒会室がよかったんですの?」 

ルビィ「ん~」 

ルビィ「違うよっ」ギュッ 

ダイヤ「っと……急に抱きついたら危ないですわよ」 

ダイヤ「まったく……」



81: 名無しで叶える物語(茸) 2019/02/01(金) 13:15:29.70 ID:c6cFZaYv

善子「昼に生徒会室なんてなんか新鮮……」 

善子「ちょっと悪いことしてる気になる」キョロキョロ 

花丸「堕天使がなに言ってるずら……」 

善子「堕天使にだって善悪があるのよ」 

善子「なければそれは、ただの悪魔だから!」ヨハー 

花丸「流石よひゃね様!」 

善子「それネタにするの止めてっ!」 

善子「それより花丸」 

善子「あんたなにも持ってないけど、お昼は?」 

善子「確か、私の分もあるからって言ってたわよね?」 

花丸「えっ?」 

善子「えっ?」 

花丸「あるとは言ったけど、マルが用意してるとは言ってないよ?」 

善子「はぁっ!?」 

花丸「……」チラッ 

ダイヤ「っ」 

ダイヤ「善子さん!」 

善子「なにーー」



82: 名無しで叶える物語(茸) 2019/02/01(金) 13:30:14.14 ID:c6cFZaYv

ダイヤ(なんと、恐ろしいことでしょう) 

ダイヤ(花丸さんが背中を押してくれたのに) 

ダイヤ(言葉は押し潰されて、詰まってしまう) 

ダイヤ(向けられた瞳が失望に染まるのを嫌でも空想する) 

ダイヤ(痛い、胸が痛い) 

ダイヤ(誰かのもしかして…に期待してしまう) 

ダイヤ「わ……」グッ 

ダイヤ(でも違うでしょう? 黒澤ダイヤ) 

ダイヤ(善子さんの言葉を信じるなら) 

ダイヤ(彼女達を無二の友人と認めているのならば) 

ダイヤ「……わたくしですわ。わたくしがご用意したお弁当があるんです」 

ダイヤ「ぜひ、頂いて欲しいのです」カタカタカタ… 

ダイヤ(震えていても) 

ダイヤ(ちゃんと、想いは伝えるべきでしょう?)



83: 名無しで叶える物語(茸) 2019/02/01(金) 18:33:18.57 ID:sq836fFs

ダイヤ(自分らしくない、弱々しさ) 

ダイヤ(けれどきっと、これもまた黒澤ダイヤなのだと) 

ダイヤ(たった一人の妹のために強固であった長女の少女らしさなのだと、思う) 

ダイヤ「善子さん、わたくしはお嫌いですか?」 

善子「へっ、えっ!? わたっ私っ!?」ビクッ 

善子「えっと……あー……」チラッ 

花丸「朝、あんなこと言った責任取るずら」ボソッ 

善子「言ったから許しなさいよ……」ボソッ 

善子(三十六計より、逃げるより、1つの意志が勝つってわけね……) 

善子(ったく……ほんと、不幸すぎるわ) 

善子「朝も言ったでしょ……好きだって」 

善子(でも、私は知ってる) 

善子(周りの眼の厳しさを) 

善子(他人の傍に立つもう一人の自分の恐ろしさを) 

善子(だから、解ってる) 

善子「我が真名の下に宣誓する!」バッ 

善子「心配しなくても、不安にならなくても」 

善子「私は黒澤ダイヤを認めているわ!」 

善子(自分を認めてくれる存在の、ありがたさを)



84: 名無しで叶える物語(茸) 2019/02/01(金) 18:51:41.08 ID:sq836fFs

ルビィ「わたしも大好き!」 

花丸「マルもダイヤが好きずらよ。女だから」 

善子「それ違うダイヤでしょあんた!」 

花丸「そんなことないジュエリー」 

善子「は~な~ま~る~っ!」 

善子「こういう時にそういうの止めなさいよっ」 

ダイヤ(笑い声が、生徒会室に響く) 

ダイヤ(振り返れば、お堅い生徒会長の肩書きを持ち) 

ダイヤ(会長の席に座り続けた黒澤ダイヤが見える) 

ダイヤ(彼女は叱らない) 

ダイヤ(嬉しそうに、楽しそうに) 

ダイヤ(なによりも幸せそうに笑う) 

ダイヤ「……善子さん、花丸さん、ルビィ」 

善子「ん?」 

ダイヤ「……えいっ」ハグッ 

善子「っ!?」 

花丸「ずらっ!?」 

ダイヤ「貴女達と出逢えたこと」 

ダイヤ「貴女達がいてくれたこと」 

ダイヤ「心から、感謝致します」ギュッ 

ダイヤ「わたくしは、花丸さんも善子さんも、ルビィも」 

ダイヤ「みんなを、心よりお慕いしていますわ!」



87: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/02/01(金) 21:00:00.24 ID:cgTx/oU2

善子「果南さんの入れ知恵ね……」ハァ 

花丸「嫌なら抜けてくれていいずらよ?」 

善子「嫌とは言ってないでしょっ」 

善子「でも……」 

善子「お弁当、食べる時間無くなるからそろそろ離れて」 

ルビィ「食べる時間ならまだまだあるよ?」 

善子「分かってて言ってるって分かってるんだから」グッ 

ダイヤ「そうですわね……せっかく作ってきたんですし」 

ルビィ「わたしのは? わたしのもっ?」 

ダイヤ「ええ。もちろんですわ」ニコッ 

ルビィ「わーい」 

ダイヤ「皆さんの分、しっかりと作らせて戴きましたわ」 

ダイヤ「お口に合うと良いのですが……」 

花丸「情意投合、通じ合ったのなら、合わない想いはないずらよ」



89: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/02/01(金) 21:59:19.67 ID:cgTx/oU2

ダイヤ「気持ちは嬉しいのですが、出来る限り期待せずに開けてくださいね」 

ダイヤ(一人に二つ、ご飯とおかずの別れたお弁当箱を配る) 

ダイヤ(出来る限りの保温に努めたけれど) 

ダイヤ(残念ながら常温に近い温度になってしまっているのを手に感じて) 

ダイヤ(ますます、出来の悪さを加速させているようで) 

ダイヤ(今朝のあの嬉しさが夢でも見ていたかのように思えてしまう) 

ダイヤ(でも、もう引かない) 

ダイヤ(もしもその結果が振るわなかったのだとしても) 

ダイヤ(努力だけは報われると、信頼があった) 

善子「……」カパ 

ダイヤ「……やはり、唐揚げがあった方が良かったでしょうか?」 

花丸「マルは平気ずら。代わりにハン……じゃないピーマンの肉詰めがあるし」 

ルビィ「お姉ちゃん、ハンバーグ嫌いなのに」 

ダイヤ「ハンバーグは苦手だけれど……自分の我儘だけで入れないというのも違う気がして」 

ダイヤ「冷めないうちに……ではないですわね。どうぞ召し上がってください」 

善子「いただきます」 

ルビ「いただきまーす」 

花丸「いただきます」 

善子「………」 

善子(……冷食もあったはずなんだけど、まさか使ってない……?) 

善子(ダイヤの拘りっていうか、真面目さが出てるわね……ほんと)クスッ 

花丸(卵焼きにカニカマが巻き込まれてるずら……) 

ルビィ(えへへっ、かにたまだ)



90: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/02/01(金) 22:32:01.99 ID:cgTx/oU2

花丸(冷凍食品のように、濃い味に統一されたわけでもなく) 

花丸(手慣れた統一感のある平凡さでもなく) 

花丸(一口かじるたびに、味の変わる一つ一つのおかず) 

花丸(頑張ったのが、解る) 

花丸(慣れていないのが分かる) 

花丸(でも、なにより……マル達のための悩みを感じる) 

花丸「……美味しいずら」 

善子「なんていうか、健康的な感じがするわ」 

花丸「マルも料理するわけじゃないからわからないけど、栄養面で凄い考えられてそうずらね」 

ルビィ「お母さんより気を使ってそう」 

ダイヤ「そんなことは……」 

ダイヤ「お母様の方がしっかり考えていますわ」 

ルビィ「善子ちゃんと花丸ちゃんの分もあるんだもん」 

ルビィ「昨日……あっ、昨日っ!」 

ルビィ「授業日程に来たのもそうだよねっ!」



91: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/02/01(金) 22:52:17.13 ID:cgTx/oU2

善子「どこが考えてないのよ、かなり考えてるじゃない」 

ダイヤ「出来る限りしっかりしたものが良いと思いまして……」 

花丸「そういう、まじめなところが好きずら」 

ダイヤ「っ」 

善子「ちょっと口うるさく感じることもあるけど……それもダイヤの真面目さだし、優しさだし」 

ダイヤ「なっ、何なんですのっ」 

ダイヤ「お食事はお静かにっ!」 

花丸(照れくさそうな注意) 

花丸(いつものちょっぴり怖い威厳も薄れていて) 

花丸(ルビィちゃんはいつも、こんな風に見えていたのかな。なんて、羨ましさを感じる) 

花丸(もう少し、からかってみたいと思うのは) 

花丸(好奇心か、それとも……) 

花丸(少し考えて、ぱたりと知識の本を閉じる) 

花丸(知識あるものはその知識ゆえに愚か者である) 

花丸(なぜならどんなものにも答えがあると、諦めを知らないからだ) 

花丸(……だから、マルは食べることに集中する) 

花丸(その方が、きっとより幸せだと思うから)



92: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/02/01(金) 23:15:29.70 ID:cgTx/oU2

ルビィ「ごちそうさま~」 

善子「ご馳走様でした」 

花丸「ご馳走様ずら」 

ダイヤ「はい、お粗末様でした」 

善子「………」 

ダイヤ「善子さん? どうかしましたの?」 

善子「いや……こういうのって、洗って返すのかこのまま返すのか迷うなって」 

ダイヤ「普通に返していただいて良いですわよ」 

ダイヤ「洗う手間をかけさせる必要なんて――」 

花丸「作ってくれた感謝というものもあるずらよ」 

花丸「でも、それだと感謝の感謝の感謝で永久機関ずら」 

善子「確かに……」 

ルビィ「わたしは、帰ったらちゃんと洗うっ」 

ダイヤ「宿題もね?」 

ルビィ「うんっ、頑張るっ」 

ダイヤ(これまでの緊張が嘘のように) 

ダイヤ(昼休みはあっさりと、過ぎていった)



95: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/02/01(金) 23:36:43.34 ID:cgTx/oU2

………… 
……… 
…… 

花丸「ダイヤさん、今日も一緒に……どうずらか?」 

ダイヤ「花丸さん……」 

ダイヤ(放課後の、生徒玄関) 

ダイヤ(殆どの人が帰った後の静かな玄関に、花丸さんの声は良く聞こえた) 

ダイヤ「わざわざ、待ってくれていたんですの?」 

花丸「マルの一言で3人分のお弁当になるとは思わなかったずらよ」 

花丸「……迷惑かけちゃったずらね」 

ダイヤ「いえいえ。そんなことありませんわ」 

ダイヤ「そのおかげで、日頃の感謝もできたんですもの」 

ダイヤ「感謝こそすれ、迷惑だなんて思いませんでしたわ」 

ダイヤ「もしかして、その後ろめたさがあったからあんなにも助けて下さったんですか?」



96: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/02/01(金) 23:55:17.42 ID:cgTx/oU2

ダイヤ(今日はとても助けられた) 

ダイヤ(花丸さんが居なければ成し遂げられなかったと言えるほどに) 

ダイヤ(それは罪悪感からなのか) 

ダイヤ(その問いに答える様に、花丸さんは笑う) 

花丸「奥手なのはマルも一緒ずらよ」 

花丸「だから、あの時こうしてほしいというのは少しわかったずら」 

ダイヤ「まるでノアの箱舟でしたわ。ありがとう花丸さん」 

花丸「………」 

花丸「それで、例のうわさはもう平気ずらか?」 

ダイヤ「ふふっ……気にならないと言えば、嘘になってしまいますわね」 

ダイヤ「でも所詮、火のないところの煙……霧ならば晴れますから」 

花丸「……幽霊の正体見たり、枯れ尾花」 

花丸「噂も幽霊も、結局は人の妄言ってことずらね」 

花丸(笑う余裕があるのなら、大丈夫ずら) 

花丸「無事に解決しそうでよかった」



98: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/02/02(土) 00:20:27.28 ID:0R71R2Gy

ダイヤ「これも、花丸さんがお弁当を提案してくれたからこそ」 

ダイヤ「色々な考えが必要だった」 

ダイヤ「見直すことが必要だった」 

ダイヤ「だから悩み、考え、問いかけ、助けを求めて……成し遂げた」 

ダイヤ「その末に得られたものは、これからもきっとかけがえのないものになるのだと思います」グッ 

ダイヤ「…………」 

花丸「………」 

ダイヤ(僅かな沈黙、飲み込む息) 

ダイヤ(着実に近づく乗るべきバスを横目に、花丸さんへと目を向ける) 

ダイヤ「花丸さん」 

花丸「?」 

ダイヤ「……これからも時々、ご一緒いたしませんか?」 

花丸「…………」 

花丸「……良いずらよ」ニコッ 

ダイヤ(風に揺れた手が悪戯のように、触れる) 

ダイヤ(それは煙か霧か) 

ダイヤ(花丸さんの笑みはどちらともとれるものだった)



99: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2019/02/02(土) 00:27:11.11 ID:0R71R2Gy

終わり! 

ダイヤさんのアナル弄れなさそうだからもう終わりにする 
モチベーションが持たない



100: 名無しで叶える物語(庭) 2019/02/02(土) 00:31:50.37 ID:K9vq2Qkk

おつおつ! 
最初の展開からは想像つかないくらい凄い良い雰囲気だった 
心理描写と言葉遊びにセンスがあって楽しめました



101: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2019/02/02(土) 00:39:39.69 ID:ucnnNRnO

良かった アナルが弱いダイヤさんはいなかったんだね



104: 名無しで叶える物語(庭) 2019/02/02(土) 11:36:14.44 ID:oeV+UUSC

死ぬほどどうでもいいけど鞠莉ならアヌスって言いそう






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