キーボ 「砕かれた先にある世界」【BLEACH】【ロンパV3】(前編)

516 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 21:10:38.63 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「えー、それでは、まずはじめに、一つ目の謎について推理させて頂きますね」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「一つ目の謎、【なぜ黒崎一護に倒されたはずの陛下が生きているのか?】についてですがーーー」 



モノクマ?「ーーー【奇跡】のおかげですね?」 







ユーハバッハ「………………」 






517 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 21:15:07.34 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「陛下は、死んだ部下の力や誰かから奪った力を、自身の力として扱える、すごい才能を持っています」 

モノクマ?「故に、部下から奪った力、【奇跡】を扱えたはずです」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「【奇跡】は、傷を負ったものを、神の尺度(サイズ)に交換する力ーーー」 

モノクマ?「ーーーすなわち、どんなにボロボロでもパワーアップした状態で復活できる力です」 

モノクマ?「死後でも、傷ついたのなら、復活することができるでしょう」 



モノクマ?「ーーーというか、それ以前に、死んだ状態で扱えた力なんて【奇跡】くらいのものですから」 

モノクマ?「他の力は、石田雨竜が陛下に撃ち込んだ『静止の銀』による弱体化の影響が残留して、使用が困難な状態にありましたからね」 

モノクマ?「不可能を可能にする【奇跡】以外に、復活する方法は無かったってわけです」 



ユーハバッハ「………………」 






518 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 21:19:38.33 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「もちろん、【奇跡】発動のためには、民衆の『想い』を集める必要がありますがーーー」 

モノクマ?「ーーー陛下は、戦争を起こしたことで、死神たちから散々、憎悪と殺意を買っていました」 

モノクマ?「それを思えば、黒崎一護に斬られた直後に急いで、憎悪と殺意………すなわち『想い』を、集めること自体はできたはずです」 

モノクマ?「まあ、理想を言えば、部下から【奇跡】を奪ったあと、すぐにでも『想い』を集めるべきだったのでしょうがーーー」 

モノクマ?「ーーー【奇跡】は【霊王の心臓】でもある以上、【全知全能】との併用は困難ですからね。基本的にどちらか片方の力しか使用できません。それを思えば、すぐに『想い』を集めることはできなかったわけです」 



ユーハバッハ「………………」 



モノクマ?「【全知全能】は、未来を視て、その未来を改変する力ではあるもののーーー」 

モノクマ?「ーーー【全知全能】以外の “ 霊王の力 ” が使用されている状況の未来を視る場合、その未来視の精度が落ちてしまうという弱点がある」 

モノクマ?「故に、【霊王の心臓】の力を使ってしまったら、そうしている間の未来映像の質が落ちる」 

モノクマ?「また、そうしている間の未来、他者が霊王の力を使用していれば、未来視の精度がさらに落ちることになる」 

モノクマ?「それでは、【霊王の心臓】で必要量の『想い』を集めている途中のタイミングで他者に殺されることになった場合、それを未来視して改変してくい止められない可能性が高い」 

モノクマ?「だからこそ陛下は、黒崎一護に斬られて致命傷を負って【全知全能】が使えなくなったあと、唯一使える【奇跡】の力を用い、急いで『想い』を集め、死後に形にした」 



モノクマ?「そうでしょう、陛下ーーー」 







ユーハバッハ「ーーーそれには異議があるな」 







519 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 21:22:28.69 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「ーーーえっ、?」 



ユーハバッハ「…お前の言う通りだったとすれば、なぜ世界は今の形を保っている?」 

ユーハバッハ「霊王をほぼ完全に吸収した私を、新たな霊王としなければ、次元の壁が破壊され、死と生の混じり合った世界となっているはずだ」 



モノクマ?「あー…」 



ユーハバッハ「その上で、どうやって世界を、死と生で別れた今の形に保たせているというのだ?」 






520 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 21:53:07.27 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「…えー、はい、それは、単純に【奇跡】の力だけで復活したわけではないからですね」 

モノクマ?「陛下は【奇跡】の力で、死んだ状態でも、【夢想家】の力を発動できる身体に交換したんです」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「【夢想家】は、自身が頭の中で想像した大抵の 『物』や『事』を、現実にできる力です」 

モノクマ?「その力を用いて、もう一人の陛下を創造する形で、復活することにした」 

モノクマ?「そのために、【奇跡】の力で、死んだ状態でも、【夢想家】を発動できる身体に交換した」 



モノクマ?「【夢想家】の発動には、『想像』が必要となりますが、それは死ぬ間際に抱いた『無念』の一部を、『想像』の代わりとして【夢想家】の糧とすれば、解決する話です」 

モノクマ?「その『無念』には、 “ もし自分が勝って生き残っていたら理想郷が創造できたのに ” という気持ちが込められていたはずですし、実際にそうしている自分の御姿だって想像したことでしょう」 

モノクマ?「そうした『想像』………残留思念の一部を糧にすれば、死後であっても【夢想家】を発動して、もう一人の自分を創造することも可能でしょう」 

モノクマ?「【奇跡】によってブースト発動されている状態にあるのであれば、尚更」 



ユーハバッハ「………………」 



モノクマ?「何はともあれ、【夢想家】を【奇跡】でブーストした上で発動したことによって、自分を世界にもう一人だけ存在させることが可能となった」 

モノクマ?「それが今の陛下であり、かつての陛下は霊王にさせられて、世界を支えることになった」 



モノクマ?「違い、ますか?」 






521 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 21:56:44.63 ID:GyF31XQXO



ユーハバッハ「…なぜ、そんな回りくどいことをする必要がある?」 

ユーハバッハ「単純に【奇跡】で復活すれば済む話ではないか」 



モノクマ?「それは、【奇跡】の発動の仕方が普通ではなかったからですよ」 

モノクマ?「今回のケースでは、霊王宮の死神………和尚に封印されることをトリガーに、【奇跡】が発動した」 

モノクマ?「そのため、回りくどい復活になってしまったのです」 



ユーハバッハ「………」 






522 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 22:08:20.67 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「改めて申し上げますが、【奇跡】の力は、傷ついたものを神の尺度に交換する力」 

モノクマ?「必要量の『想い』を溜め込んだ上で傷つけば、必ず発動します」 

モノクマ?「もちろん、封印された場合では、基本的に【奇跡】が発動することはありません」 

モノクマ?「封印は、基本的に “ 傷ついた ” という風には扱われませんから」 

モノクマ?「故に、封印は【奇跡】の力を発動するトリガーとはならないはずでした」 



モノクマ?「しかし、初代霊王は、封印されたあと、散々傷つけられました。心臓なんて抉り取られた」 

モノクマ?「全ては、封印されたが故に」 

モノクマ?「そのため、封印と傷つくことに強い因果関係が結ばれ、双方がほぼ同義であるという風に、初代霊王の魂の在り方そのものに強く刻まれてしまったです」 



モノクマ?「そして、その初代霊王は陛下によって殺され、力を奪い尽くされ、陛下と一体化した」 

モノクマ?「故に、陛下も初代霊王と同様に、封印を【奇跡】発動のトリガーとすることが可能となり、その通り封印されたことを引き金に【奇跡】が発動してしまったのです」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「ただしそれでも、封印と傷つけられることが、百パーセント同義という扱いではなかったため、【奇跡】は中途半端な形で発動することになった」 

モノクマ?「その結果が、想像を実現する、 【夢想家】を介した復活だった」 



モノクマ?「違いますか、陛下?」 



ユーハバッハ「………………」 






523 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 22:12:29.16 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「…もちろん、本当なら、陛下も、自分で自分を傷つけ、きちんとした形で【奇跡】を発動したかったとは思います」 

モノクマ?「しかし、あの時の陛下は、【奇跡】で『想い』を集めるのに精一杯で、自分で自分を傷つける余裕がなかった」 

モノクマ?「故に、死後に和尚に封印という形で傷つけられたことで、【奇跡】を発動することになった」 



モノクマ?「そうですよね?」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「もっとも、和尚がこれに気づいて封印を実行したのかまではわかりませんがね」 

モノクマ?「ひょっとしたら全く気づいていなかったのかもしれないし、あるいは気づいていて敢えて実行し、さらなる切り札を持って今度こそ返り討ちにするつもりだったのかもしれません」 



ユーハバッハ「………………」 



モノクマ?「どちらにせよ、和尚の方も【霊王の心臓】をどうにか安全に無力化してから、陛下のご遺体を霊王としたかったでしょうがーーー」 

モノクマ?「ーーーその当時は、陛下によって霊王が殺され、世界崩壊が間近に迫っていた」 

モノクマ?「だから、和尚は、世界を支えるために、急いで陛下のご遺体を霊王の代わりにすることにした」 

モノクマ?「そうして、急いで封印せざるを得なかったのでしょう」 



モノクマ?「以上の事情もあって、【奇跡】と【夢想家】が発動し、回りくどい形で陛下が復活するに至ったーーー」 







モノクマ?「ーーーボクは、そう考えていますよ」 






524 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 22:16:51.89 ID:GyF31XQXO



ユーハバッハ「…私は、幸運だった」 



モノクマ?「………」 



ユーハバッハ「もし、【奇跡】が発動しなければーーー」 



ユーハバッハ「ーーーあるいは、一護が、【和尚の “ 意思 ” を】【組み込まれたままの状態で】【卍解に成功して】【和尚の “ 意思 ” を介して】【霊王に進化】していればーーー」 



ユーハバッハ「ーーー全てが終わっていたかもしれん」 



ユーハバッハ「一護が霊王に進化していれば、一護が霊王の代わりとなったはずだ」 



ユーハバッハ「そうなっていれば、私の足掻きが、奇跡として実ることはなかっただろう」 






525 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 22:21:40.55 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「ーーー確かに陛下は幸運だったとは思いますが、その幸運もまた必然だったとも思いますよ」 

モノクマ?「陛下のおっしゃる通り、黒崎一護が、【和尚の “ 意思 ” を組み込まれたまま】【卍解に成功して】【和尚の “ 意思 ” を介して】【霊王に進化】していれば、陛下が復活することはなかったでしょう」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「しかし、黒崎一護が霊王に進化する未来は、黒崎一護の卍解を真っ二つに砕くという形で消滅しました」 

モノクマ?「黒崎一護の新たな卍解は、それが発動してから使い手が霊王に進化するまで、僅かな隙がありましたからね」 



モノクマ?「そう、【黒崎一護から】【和尚の “ 意思 ” が噴き出して】【卍解を乗っ取り】【和尚の “ 意思 ” の宿った卍解で】【黒崎一護本体を斬ることをトリガーに】【霊王に進化させる】というーーー」 



モノクマ?「ーーーそういったプロセスを踏む必要が………隙があったのです」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「陛下は全力でその隙を突き、和尚の “ 意思 ” が黒崎一護から噴き出して卍解を乗っ取る前にーーー」 



モノクマ?「ーーー卍解を砕いて、霊王への進化を妨害した」 






526 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 22:24:57.73 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「しかも、それが終わった後は、念には念を入れて、和尚の “ 意思 ” をも砕いた」 

モノクマ?「黒崎一護から滅却師と虚の力を奪ったのと同時に、黒崎一護に組み込まれた和尚の “ 意思 ” を、未来改変で根こそぎ砕いたのです」 

モノクマ?「そうして、全ての未来で、黒崎一護に組み込まれた和尚の “ 意思 ” が砕かれてしまった」 



モノクマ?「そうなってしまっては、黒崎一護が何らかの裏技で卍解を修復しても、霊王に進化することは絶対に不可能」 



モノクマ?「和尚は、人の名前に込められし “ コトダマパワー ” を利用して、その名前の人物を復活させる能力を持つチート死神ですがーーー」 



モノクマ?「ーーー短時間で、和尚のさらなる “ 意思 ” を黒崎一護本体にもう一度組み込めるほど、チートでも無かった」 



モノクマ?「もう一度組み込むためには、何日か霊王宮という場所で修行させるなどのプロセスが必要で、どうしても時間がかかってしまう」 

モノクマ?「世界崩壊が間近に迫っている中で、そんなことをしている暇は無い」 

モノクマ?「だからこそ、和尚は陛下のご遺体を急いで霊王にせざるを得なくなり、その結果として現世で新たな陛下が生まれることになった」 



モノクマ?「すべては、必然。少なくとも、ボクはそのように思いますよ」 






527 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 22:29:53.95 ID:GyF31XQXO



ユーハバッハ「…必然かーーー」 



ユーハバッハ「ーーーそうだな、それを含めて、すべてがお前の推理通りだ」 



モノクマ?「…えっ、それじゃあーーー」 



ユーハバッハ「そうだ、私が復活した理由については、すべてがお前の推理通り」 



ユーハバッハ「何一つとして、反論することは無い」 



モノクマ?「……よっしゃあ! これで第一ステージはクリア! 次は、第二ステージ、【生き延びてから何をしていたのか?】について推理させて頂きます!」 






528 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/20(水) 22:40:21.40 ID:GyF31XQXO

今日はここまで 

ちなみに一護の新しい卍解がどうのこうの等といった、原作で明記されていない内容については、完全に独自解釈による独自設定です 

あくまでもこのSSだけの設定なので、ご了承願います



530 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 20:37:32.71 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「それで、【生き延びてから何をしていたのか?】についてですがーーー」 

モノクマ?「ーーー普通に、尸魂界に行くための準備を重ねていたと見ています」 

ユーハバッハ「………」 

モノクマ?「陛下が目的とする世界を実現するためには、かつての陛下、すなわち現在の霊王を世界から消す必要があります」 

モノクマ?「しかし、霊王がいるのは尸魂界、つまり霊王を世界から消すためには尸魂界に行かなくてはいけない」 

モノクマ?「だけど、現世で創造された新しい陛下には、それが叶わなかった」 

モノクマ?「他ならぬ、和尚の封印のせいで」 



ユーハバッハ「………………」 



モノクマ?「和尚が、かつての陛下にかけた封印はこれ以上にないくらい強力なものだった」 

モノクマ?「霊王として世界を支えることを強制するための封印です。強力で当然でしょう」 



モノクマ?「だからこそ、新しい陛下にも封印の影響が波及した」 

モノクマ?「それのせいで、新しい陛下は世界の安定を壊すこと、つまりは尸魂界に行って霊王を世界から消すことが不可能になった」 

モノクマ?「新しい陛下が、尸魂界ではなく現世で創造されたのも、封印の影響によるものでしょう」 



モノクマ?「故に、新しい陛下は、自身にかけられた封印を解いて尸魂界に行くために、準備を重ねることにした…」 



モノクマ?「違い、ますか?」 






531 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 20:43:02.07 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「…準備とは、具体的に、何のことを言っているのだ?」 



モノクマ?「民衆の『想い』を集めることです」 

モノクマ?「陛下、あなたは、改めて【奇跡】の力で民衆の想いを集めることで、自身の身体を、和尚の封印すら意味をなさない身体に進化させようとしたのです」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「ーーーしかし、民衆の想いを集めるには、どうしても目立ったことをする必要があります」 

モノクマ?「【夢想家】で影の空間に民衆を想像しようにも、基本的に【夢想家】で想像できる人の量や質には制限がありますから」 

モノクマ?「そうなると、現世の民衆に頼らざるを得ないわけですがーーー」 



モノクマ?「ーーー目立ったことをすれば、死神、特に和尚に発見されるリスクを背負うことになる」 



モノクマ?「故に、何もできなかった」 







モノクマ?「 “ 現代においては ” 」 






532 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 20:45:59.91 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「……現代以外であれば可能」 



ユーハバッハ「そういうことか?」 



モノクマ?「ーーーその通りです」 



モノクマ?「陛下、あなたは未来の民衆から『想い』を集めていたんです」 







ユーハバッハ「…………」 






533 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 20:49:23.51 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「無論、 “ 現代にいる陛下が、未来の民衆の想いをどうやって集められるのか? ” という話になりますがーーー」 



モノクマ?「ーーー普通に可能だったのでしょう」 



モノクマ?「陛下の【全知全能】は、未来を視て、その未来を改変する力です」 

モノクマ?「言い換えれば、現代と未来の間にタイムトンネルを構築し、それを利用して情報の送受信を行う力です」 



モノクマ?「具体的には、未来の光景という映像情報が、タイムトンネルを通じて現代の陛下のもとまで送信されーーー」 



モノクマ?「ーーーその情報を陛下が改竄し、それをタイムトンネルを通じて未来に返信することで、改竄した通りの内容に未来を上書きする力ーーー」 



モノクマ?「ーーーまさに、情報の送受信と呼称するに相応しい力です」 



モノクマ?「未来と現代を繋ぎ情報の送受信を可能とすること、それこそが、【全知全能】の本質」 



モノクマ?「ならば、タイムトンネルを維持することで、現代の陛下が未来の民衆の『想い』、すなわち情報を集めることも可能でしょう」 






534 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 20:56:18.13 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「…【霊王の心臓】の力を行使し、『想い』を集めている間は、未来視に不具合が発生するのではなかったのか?」 



モノクマ?「不具合が発生するのは、あくまでも、【全知全能】以外の霊王の力が使用されている状況にある未来です」 



モノクマ?「逆に言えば、その霊王の力が無い未来………すなわち陛下がいない未来ならば、見放題のはずです」 



モノクマ?「故に、何らかの理由で陛下が存在しなくなった未来に向けてタイムトンネルを繋げば、確実に未来視が可能となることでしょう」 







ユーハバッハ「………………」 






535 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 20:59:35.65 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「ああ、もちろん、死神も虚も存在しない未来にする必要があります」 

モノクマ?「存在してしまったら、その未来の死神や虚の力に妨害される危険もゼロではありませんからね」 

モノクマ?「そして、そういう死後の産物が存在しない世界があり得るとすれば、ただ一つ」 



モノクマ?「陛下の目的が達成された未来世界、それだけです」 



モノクマ?「そして、その未来世界において、 “ 民衆から最も『想い』を集め続けている組織 ” を視てーーー」 



モノクマ?「ーーー未来改変という形で乗っ取れば、組織全体が受ける『想い』を我が物にできるはずですよ」 






536 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 21:06:27.27 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「…我が【全知全能】の未来視は、これからの未来で危機に瀕する可能性が現代で生じた時、自動的に発動される力だ」 

ユーハバッハ「故に、場合によっては遥か未来に渡るほぼ全てを見通すことも出来るがーーー」 

ユーハバッハ「ーーー能動的に発動できないが故に、望んだ未来を視ることができるとは限らない」 



モノクマ?「確かに、望んだ未来を視ることができるとは限りません」 

モノクマ?「しかし、リスクを背負えば、ある程度は望んだ未来を、能動的に視ることができるのでは?」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「ーーー例えば、【タイムトンネルが強く固定され過ぎてしまい】【しばらくの間はたった一つの未来しか視えなくなる】ーーー」 

モノクマ?「ーーーそれと、【未来改変の幅の形や方向性も変わってしまい】【霊圧の大きいものなどに干渉できなくなる】といったリスクが考えられますね」 



モノクマ?「そういったリスクを背負えば、ある程度は望んだ未来を、能動的に視ることも可能だと見ています」 

モノクマ?「そのような力の使い方も可能であるということに、陛下も現世で創造された後に気づいたんじゃないですか?」 



ユーハバッハ「………………」 



モノクマ?「そうして能動的に未来を視ることが可能だとすれば、誰もが不死と平和を手に入れた未来世界に向けて、タイムトンネルを繋げることも可能でしょう」 

モノクマ?「そのタイムトンネルを通じて、未来の民衆の『想い』を、現代の陛下の元へ届かせることだって可能ーーー」 



モノクマ?「ーーーそうでしょう、陛下?」 






537 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 21:10:08.22 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「………可能だったとして、それだけで必要な『想い』が集まるものなのか?」 



モノクマ?「ーーーもちろんながら、それだけでは足りなかったのでしょう」 

モノクマ?「真っ当なやり方で、必要な『想い』を集めることが可能であるのならば、ボクも協力させて貰った “ 例のプロジェクト ” を実行をする必要もなかったでしょうから」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「陛下は、それを実行しなければならないほど、より多くの、より強い、純粋な『想い』が必要だったーーー」 



モノクマ?「ーーー故に、陛下は、そのプロジェクトを実行に移したんです」 






538 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 21:23:24.47 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「プロジェクトの詳しい概要ですがーーーまずは、【全知全能】によるタイムトンネルを通じて、未来と現代の情報通信システムを整備します」 

モノクマ?「そして、あらかじめ作っておいた影の空間の中で、通信システムを用いて未来の組織に命令し、プロジェクトの協力者に足り得る者たち16人を集めさせます」 

モノクマ?「それから、通信システムを使って未来の組織と相談を重ね、必要となるような物や施設などを決め、それを【夢想家】で必要なだけ作り、影の空間の中に舞台を築きます」 

モノクマ?「舞台を築き終えた後は、未来で集めた協力者たち16人の精神を分裂させ、片方を現代に送信します」 



モノクマ?「 “ 因幡影狼佐 ” …でしたっけ? あの死神と関連した技術ーーー」 



モノクマ?「ーーーそう、 “ 精神を分裂させ、人造の魂魄へと移植する技術 ” を応用すれば、協力者の精神を分裂させることも、情報化させることも可能です」 

モノクマ?「そうして精神を情報化していれば、未来視の映像情報と同じように、タイムトンネルを通って現代に送信できるはずです」 

モノクマ?「また、未来から現代に送信された精神を、あらかじめ、【夢想家】で現代に創造しておいたカラッポの魂魄と生身の肉体に投入します」 



モノクマ?「異なる魂魄と肉体に投入されたことで、それらに引きづられて記憶や認識が大きく混乱することもありますがーーー」 



モノクマ?「ーーーそれは、一時的なものなので、大した問題ではありません」 



モノクマ?「精神とそれを受け入れる器の容姿・性別・年齢がどれだけ異なっていたとしても、精神と魂魄の種族さえ合致しているのなら大丈夫」 



モノクマ?「種族さえ合致していれば、魂魄も安定し、精神・魂魄・肉体に致命的な異常を与えることは無いはずですから」 






539 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 21:36:05.28 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「ともかく、そうして未来から現代に精神が送信されたことで、【核となる精神】【その精神を支える魂魄】【その魂魄を現世に繋ぎ止める肉体】が揃いました」 

モノクマ?「そこで、協力者たち16人に陛下の魂のカケラを与えることで、それぞれの魂魄や精神などを素材に、16人全員をそれぞれ『すごい力』に目覚めさせることが可能となります」 



モノクマ?「そう、陛下がかつての部下たちに “ 聖文字 ” という名の魂のカケラを与え、超常能力に目覚めさせた時のように」 

モノクマ?「協力者たちに、陛下の魂のカケラを与え、超高校級の………『すごい力』に目覚めさせたのです」 



モノクマ?「その後は、陛下の “ 御力 ” で協力者たちの人格を改竄し、それを免れた協力者に命じて、プロジェクトを進めさせれば良い」 



モノクマ?「それから、整備した通信システムを使用し、未来に映像情報を送り続ければーーー」 



モノクマ?「ーーー未来の民衆たちが、より多くの、より強い『想い』を、陛下のもとに送り続けてくれるようになる」 



モノクマ?「未来世界は、死と生が混じり合った一つの世界となっている上に、誰もが不死身の肉体を与えられていますからね」 

モノクマ?「だからこそ、究極のリアルを未来に送り続けることによって、民衆たちは歓喜し、応援コメントのごとく、『想い』を提供してくれるーーー」 



モノクマ?「ーーーそうして、民衆の『想い』が、現代にいる陛下の元へと、ガッポガッポ集まっていくのです!」 






540 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 21:39:47.59 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「…まあ、未来にいる良い子ちゃん連中が、組織や世間に向けて反対運動起こしたり、協力者に選ばれた者たちに説教かましたりと色々邪魔はしてきましたがーーー」 



モノクマ?「ーーー所詮は無力な少数派。何をどうしようが、協力者16人が集められるという “ 結果 ” は変えられない」 



モノクマ?「影の空間の中で死んで肉体から抜け出た魂魄についても、陛下の御力で自動的に “ 別の空間 ” に閉じ込めて保管しておけば、尸魂界に送られるなどといったことも起こらない」 

モノクマ?「此度のプロジェクトが、死神に漏れることも無い」 

モノクマ?「つつがなくプロジェクトは進行し、民衆たちの『想い』は集まり、【奇跡】の糧となってくれるわけです」 



ユーハバッハ「……………………………」 



モノクマ?「以上が、陛下のプロジェクトの大まかな概要となります。何か気になる点はありますか?」 






541 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 21:42:32.25 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「………それだけか?」 



モノクマ?「………」 



ユーハバッハ「 “ 究極的に現実的 ” なことだけが、『想い』が集まる理由なのか?」 



モノクマ?「…まさか、このプロジェクトの魅力はまだ伝えきれておりませんよ。それらは、私はもちろん、未来世界の誰もが知っていることですがーーー」 



モノクマ?「ーーーその詳しいやり方については【認識同期】で、情報提供されるまでわかりませんでした」 



モノクマ?「なので、それを含めて返答させて頂きますね」 



ユーハバッハ「…………」 



モノクマ「『想い』が集まるのは、ほか3つの魅力があるからです」 






542 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 21:48:40.84 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「まず、一つ目の魅力ですがーーー」 



モノクマ?「ーーーそれは、現代まで送信された精神が、最終的には未来世界の身体に返信され、陛下から与えられた『すごい力』を未来世界でも使用可能になるという点です」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「陛下の【全知全能】なら可能です」 

モノクマ?「陛下の【全知全能】は、未来から送信された映像情報を改竄し、それを未来に返信してその通りに上書きする御力です」 

モノクマ?「ならば、ひと段落ついた後に、陛下が保管しておいた魂魄に内在する精神情報………すなわち未来から送信された情報を、元々の状態に限りなく近いものに改竄しーーー」 



モノクマ?「ーーー未来に返信することで、返信した精神情報を、元の身体と精神に “ 合成 ” という形で上書きすることも可能でしょう」 



モノクマ?「返信される精神情報に、『すごい力』を組み込んだ上で!」 



ユーハバッハ「………………」 



モノクマ?「実際問題、影狼佐に関連した技術では、自身の精神を素材として得た斬魄刀の力を、精神と共に情報化し、他の魂魄に移植することも可能だったはずです」 

モノクマ?「それと同じ要領で、現代で得た『すごい力』を精神に組み込めば、精神と共に未来世界の身体に返信し、未来世界でも『すごい力』を使用可能にできるはずです」 

モノクマ?「もちろん、それは影狼佐に関連した技術だけでも可能でしょうが、陛下からしてみれば、安全性を考慮して扱い慣れている【全知全能】の方でやっておきたかった」 



モノクマ?「ボクは、そう思っています」 






543 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 21:51:18.34 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「まあ、そうして与えられる『すごい力』は、必ずしも協力者本人が、最初に望んだものとは限らないのですがーーー」 



モノクマ?「ーーーそれでも、『すごい力』であることに、違いありません」 



モノクマ?「それがあれば、これからの人生は盤石なものになる。社会的に大きな立場を得ることができる」 



モノクマ?「そうして、周囲の人間に対して自らの『すごい力』を誇ることが可能となる」 



モノクマ?「それを思えば、協力者に『すごい力』を与えられることは、『想い』を集めるための魅力となり得るでしょう」 






544 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 21:54:21.67 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「…実際、あの人があの力に目覚めるとわかった時は、めちゃくちゃ反響ありましたよね」 



ユーハバッハ「…………」 



モノクマ?「そう、あの殺人に特化した『すごい力』を、未来の本来の身体に持ち込めていればーーー」 



モノクマ?「ーーー不死デスマッチの世界大会で優勝し、賞金を獲得するのも夢ではありませんから」 



モノクマ?「仮に、その『すごい力』を手に入れたのが老人であっても同じこと」 



モノクマ?「未来世界の老人は、不死身の肉体を与えられたことで、若者と変わらない身体能力を有しています。ならば、『すごい力』さえあれば、歳に関係なく『すごい力』を活かして、優勝も可能となることでしょう」 



モノクマ?「まさに、お金や名誉が欲しい全ての人からしてみれば、憧れの的とも言える力。反響があるのは当然ですね」 






545 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 21:57:20.92 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「…ああ、もちろん、わかってますよ陛下」 

モノクマ?「不死身の肉体によって誰もが永遠の努力が可能な未来世界ならば、『すごい力』があろうが無かろうが実質的には大した問題じゃありません」 

モノクマ?「自身の『想い』を糧に頑張り続けることで、誰もがどの分野でも栄光を掴むことは可能でしょう」 

モノクマ?「なので、自身の『想い』を糧に頑張り続ければ、誰もが世界大会で優勝して賞金を獲得できる可能性はあると思います」 



モノクマ?「ですが、すぐに確実に力が手に入るのならば、それに越したことはありません」 

モノクマ?「誰だって、さっさと自分や他人に胸を張れる自分になりたいものですからね」 

モノクマ?「そうして手早く心の支えを与えてくれるからこそ、それを民衆は魅力に思い、その『想い』が集まった」 



モノクマ?「そういうことなんでしょうから」 







ユーハバッハ「………………」 






546 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 22:01:00.49 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「ーーー特に反論が無いようなので、二つ目の魅力の説明に移りますね」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「二つ目の魅力、それは、一区切り付いた時ーーー」 

モノクマ?「ーーー協力者限定サービスを通じて、『すごいもの』をゲットし、思い通りにできることです」 



モノクマ?「協力者たちの精神が投入される魂魄と肉体のデザインは、基本的にウチが決めています」 

モノクマ?「協力者の容姿が良い場合は、本人の要望次第でそのままデザインに流用することもありますが、そういうケースばかりではありませんからね」 

モノクマ?「故に、協力者たちの精神が投入される魂魄と肉体のデザインは、基本的にウチが決める」 

モノクマ?「髪型・顔立ち・体型・性別に至るまで、すべてを」 



モノクマ?「それは、伝説に携わる栄誉あるデザイナー集団によって形作られた、大衆ウケする芸術作品」 



モノクマ?「まさに、『すごいもの』でありーーー」 



モノクマ?「ーーーそれを欲する人は、数えきれないほど存在する」 



モノクマ?「そして、協力者限定サービスを利用すれば、未来世界の身体に返信された精神情報、そこに残留した経験や記憶を素材とした人造魂魄ーーー」 



モノクマ?「ーーーもとい、人間型アルターエゴとそれを投入する仮の肉体も構築できる」 



モノクマ?「そんな、『すごいもの』をゲットできる」 



モノクマ?「みんなに自慢できる、『すごいもの』を!」 






551 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 22:20:45.40 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「しかも、『すごいもの』…アルターエゴは基本的に協力者の思い通りにできます」 

モノクマ?「なにせ、アルターエゴの認識は、人格構築時に手を加えるだけで、協力者の思うがままなのですから」 

モノクマ?「思い通りに、協力者のことを、誰よりも好きになってくれる」 



モノクマ?「しかも、アルターエゴは、仮とはいえ不死身の肉体を持っているため壊れることはありませんし、その肉体年齢も既に高校生以上!」 

モノクマ?「故に、未来世界の老化停止サービスを受けられるため、好きな肉体年齢で留められる!」 



モノクマ?「また、アルターエゴは、『すごい力』だってそのまま持っているため、協力者が得た『すごい力』を更に磨き上げることに貢献させることも可能という、たいへん有意義な存在です!」 






552 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 22:24:36.30 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「ーーー時には、アルターエゴの方が『すごい力』を磨きあげることもあり、自身の価値に危機感を抱く協力者もいるようですが、実際は何ら危機になり得ない」 

モノクマ?「確かに、アルターエゴには、一定の人権が保障されていますし、自身の生活を成立させるための手当などを支給する制度の恩恵だって受けられますがーーー」 



モノクマ?「ーーーその代わり、自身が生まれ持った『すごい力』を行使して大きな社会的立場を得ることは禁止されるという不自由がありますから」 

モノクマ?「自由にやりたいのなら通常の人権を得なくてはいけませんが、そのためには『すごい力』を消され、容姿をランダムに変えるという手続きを踏む必要がある」 

モノクマ?「しかも、通常の人権を得たアルターエゴはまず施設暮らしになる。なぜなら、その場合だと、協力者にアルターエゴを保護する義務が無くなりますので」 

モノクマ?「また、保護義務のあるアルターエゴを失ったことで、協力者限定サービスをもう一度利用することが可能となり、協力者の経験や記憶から新しいアルターエゴを補充できる」 



モノクマ?「故に、アルターエゴは自身が生まれ持った『すごい力』を行使して大きな社会的立場を得ることは絶対に不可能。どんな『すごい力』も、御しきれないのであれば、本人にとって何の意味も無い」 

モノクマ?「だからこそ、協力者は、アルターエゴの成長に危機感を抱くことなく、自身の『すごい力』を磨き上げることができる」 



モノクマ?「ーーーとまあ、そんな感じで、ゲットしたアルターエゴ………『すごいもの』を思い通りにできるのが魅力というわけです!」 






553 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 22:27:22.77 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「…これらも特に反論が無いようですね」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「それでは、最後、三つ目の魅力について説明させて頂きますね」 



モノクマ?「ーーー三つ目の魅力、それは先ほど申し上げた、“ 自分や他人に胸を張って生きる ” チャンスが、ほぼ全ての人類に与えられているという点です」 

モノクマ?「計画のシステム上、協力者は、元の身体に精神を残している。つまり、学校や仕事、その他いろいろをサボらず済む」 

モノクマ?「故に、すべての高校生から全てのお爺ちゃんお婆ちゃん、果ては人間型アルターエゴに至るまで、誰もが協力者候補になり得る」 



モノクマ?「…【恵まれない能力】【恵まれない立場】【恵まれない生活環境】【恵まれない人間関係】【望まない顔だち】【望まない体型】【望まない性別】【望まない肉体年齢】【望まない出生】などなどーーー」 



モノクマ?「ーーーどんな劣等感を抱えた身であろうとも、協力者候補になり得るんです」 






554 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 22:30:58.27 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「まあ、協力者に選ばれるかどうかは、最終的にはその人の精神の素質次第ではあります」 

モノクマ?「しかし、誰がどんなことで、どんな試練をキッカケに素質に目覚めるかはわからない」 

モノクマ?「故に、誰もが素質に目覚める可能性を持っている」 



モノクマ?「自分の精神を素材に、人間型アルターエゴ、『すごいもの』が作られる、誰でも伝説の一部を形作れる」 

モノクマ?「その、『すごいもの』だってゲットできる」 

モノクマ?「そんな中、『すごいもの』をみんなに自慢できる」 



モノクマ?「また、『すごいもの』から、社会的に価値ある『すごい力』を授かることで、さらなる心の支えを持つことが可能となる」 

モノクマ?「作品に携わったものが、その作品から産まれる富を授かることで、心の支えを持つことが可能となるように」 

モノクマ?「『すごいもの』から『すごい力』を授かることで、さらなる心の支えを得ることができるーーー」 



モノクマ?「ーーーそうしたチャンスが誰にも平等に与えられていることこそ、民衆の希望であり、かけがえのない魅力ってわけです!」 






555 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 22:32:39.00 ID:IIeGVEJPO






モノクマ?「ーーー以上が計画の三つの魅力となります。何か違うところはありますか?」 









ユーハバッハ「…………………すべて正解だ」 









モノクマ?「第二ステージクリア! それでは、最終・第三ステージに突入します!」 






558 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 23:33:21.83 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「それでは、第三ステージ、陛下は【なぜ地獄に落ちたのか?】についてですがーーー」 



モノクマ?「ーーーそれは、虚となって、斬魄刀で斬られたことが理由ーーー」 



モノクマ?「ーーーそうですね?」 







ユーハバッハ「…………」 






559 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/21(木) 23:46:51.47 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「…それは、無理も無いことです」 

モノクマ?「陛下のプロジェクトは、最悪の形で、 “ 完全に ” 終わりを迎えてしまったのですから」 



モノクマ?「陛下は眠りから覚めたあと、それに気づいてしまった」 

モノクマ?「絶望だってします」 



モノクマ?「影の空間に張り巡らせた “ 無数の眼 ” から情報を受信すれば、何が起きたのかも簡単にわかるでしょうしーーー」 



ユーハバッハ「………………」 



モノクマ?「ーーーあまりに絶望し過ぎて、【夢想家】で意図せず絶望を実現してしまうことだってあるでしょう」 

モノクマ?「そう、陛下は、とびきりの絶望を想像し、【夢想家】の力で実現してしまったのです」 

モノクマ?「絶望状態での【夢想家】の発動は、【奇跡】の力を負の方向に転換したばかりか、発動者自身を傷つけてしまった」 

モノクマ?「【奇跡】が負の方向に転換された状態で、【夢想家】で発動者自身を傷つけられたことで、負の奇跡は発動し、陛下のお身体の全てが虚へと変換されてしまった」 



モノクマ?「違いますか?」 



ユーハバッハ「………………」 






688 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 19:48:38.65 ID:y3bgADHMO



モノクマ?「また、身体全体が虚と化したことで陛下は力のバランスを崩し、虚としての力を除いたあらゆる力が使用不能になったと見ています」 

モノクマ?「陛下の御力は膨大である代わりに、月に一度、平均して約9日間の眠りにつかなければならないほど、不安定なものですからね」 

モノクマ?「その上で身体の全てが虚と化せば、バランスは崩れ、虚としての力を除いたあらゆる力の使用ができなくなることでしょう」 

モノクマ?「でなければ、陛下が地獄に落ちるはずがありません」 

モノクマ?「負の方向に転換されたとはいえ、最初から【奇跡】を持って戦い続けていれば “ 死 ” は有り得ず、地獄に落ちることはないはずですから」 



ユーハバッハ「…………」 



モノクマ?「身体全体が虚と化した後、陛下は、戦いの邪魔になるだろう影の空間を虚の力で破壊し、黒崎一護及び石田雨竜を襲った」 

モノクマ?「滅却師の血をひいた肉親である、彼らを」 

モノクマ?「しかし、本格的な戦闘になる前に、某駄菓子屋の店主によって虚園にでも誘導されてしまった」 

モノクマ?「それから黒崎一護たちと激闘を行い、その末に黒崎一護の斬魄刀で斬られてしまい、地獄に送られることになった」 



モノクマ?「そうでしょう、陛下?」 






563 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 19:50:11.74 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「…なぜ、その程度のことで、この私が絶望するというのだ?」 



モノクマ?「………」 



ユーハバッハ「奴ら………現世に解放されたあの三人に計画を潰されたところで、それは私が繋げた “ 一つの未来 ” を利用した計画の続行が困難になったというだけのことに過ぎぬ」 



ユーハバッハ「それならば、機を見て “ 別の未来 ” に繋ぎ直し、また同じように『想い』を集めれば良いだけのこと」 



ユーハバッハ「希望はまだ、繋がっている」 



ユーハバッハ「それを思えば、あの程度のことで、私が絶望するなど、あり得ぬことだ」 






564 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 19:57:42.09 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「…確かに、陛下とこちらの事情は違いますからね」 

モノクマ?「こちらの未来で “ 終わってしまった ” ところで、その未来に繋がるタイムトンネルをぶっ壊し、【全知全能】の力で似たような別の未来に新しいタイムトンネルを繋げ、これまでと同じように『想い』を集めれば良い話だけのですよ、ハイ…」 



ユーハバッハ「ならば、なぜ、そうしなかった?」 



モノクマ?「…それが、不可能な状況に追い込まれたからですよ」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「なぜなら、陛下が目覚めた時には、某駄菓子屋の店主ーーー」 



モノクマ?「ーーーすなわち、浦原喜助が、既にチェックメイトをかけていたのでしょうから」 






565 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 20:03:59.44 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「浦原喜助は、陛下のいる影の空間と陛下自身を、発見したんです」 



モノクマ?「故に、浦原喜助は、自身の卍解である【観音開 紅姫改メ】を用いて、影の空間を作り変え、収縮させーーー」 



モノクマ?「ーーー中にいる陛下を押し潰そうとしたのです」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「陛下とて、影の空間…存在する世界ごと潰されたら、完全に消滅するはずです」 

モノクマ?「世界が無くなったら【奇跡】の発動も何も無いのですから」 

モノクマ?「それで陛下を倒せるかどうかは、浦原喜助としても賭けではあったでしょうが、今回の場合は見事に正解だったのです」 



モノクマ?「無論、陛下はあらゆる力を使って、影の空間を破壊することも試みようとはしたでしょう」 

モノクマ?「しかし、陛下の御体もまた、寝ている間に浦原喜助の卍解で作り変えられており、意識して御力を発揮できないようにされていた」 



モノクマ?「このままでは、自身は完全に潰されてしまう」 

モノクマ?「どこかの誰かとは異なり、覚悟してそうなったわけではない」 



モノクマ?「そういうことであるならば、陛下といえど、絶望するのも無理はありませんよ」 






566 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 20:09:58.72 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「ーーーなぜ、発見された?」 



ユーハバッハ「浦原喜助といえど、私の計画を知ることは、不可能なはずだ」 



モノクマ?「確かに、第二ステージで述べた通りの計画だと、陛下は影の空間から一歩も出る必要がありませんし、未来世界を認識できるのも現代では陛下しかいない」 



モノクマ?「念の為にあらゆる影に空間が無いか調べようにも、死神が根城にしている尸魂界だけならばまだしも、現世の影すべてを調べるというのは無謀にも程がある」 



モノクマ?「そして、現代では、現世も、尸魂界も、充分に平和と呼べる状態にあった」 



モノクマ?「その条件下で、現代の者たちが十年やそこらの期間で気づくのはまず不可能でしょう」 






567 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 20:14:00.26 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「ですが、通報があったとすれば話は別です」 



モノクマ?「それも、陛下の霊圧という、これ以上に無い証拠を携えた上での通報ならば」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「例えば、陛下の御力で別空間に転送され現世に留まっていた魂魄たちが解放され、尸魂界にやってきたとすればどうでしょうか?」 

モノクマ?「陛下の御力で現世に押し留めていた以上、魂魄たちには陛下の霊圧が付着しているはず」 

モノクマ?「陛下の霊圧の付着した魂魄たちが尸魂界にやってくれば、当然のごとく死神は陛下の霊圧に気づき、その発生源だって辿られる」 

モノクマ?「それならば、尸魂界が陛下の生存と居場所に気づき、浦原喜助たち現世組に調査及び暗殺を頼んでも不思議は無い」 



モノクマ?「そうは思いませんか、陛下?」 






568 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 20:19:23.89 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「現世に押し留めておいた魂魄たちが、尸魂界に送られた理由は何だ?」 



ユーハバッハ「押し留める我が力が脆弱だったとでも言うのか?」 



モノクマ?「ーーー違いますよ」 



モノクマ?「陛下の御力が、脆弱なはずありません。尸魂界に送られたのには、ちゃんとした理由が他にあるからです」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「魂魄たちが、現世の影の空間から尸魂界まで送られた理由、それはーーーー」 






569 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 20:20:47.46 ID:POAzMVXyO















モノクマ?「ーーー全部、【崩玉】のおかげです」 

















570 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 20:23:06.69 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「ああ、もちろん、ここでいう【崩玉】とはーーー」 



モノクマ?「ーーーあの出来損ないの【希望】のことです」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「そう、陛下の魂のカケラを分け与えられ、鋼鉄のごとく機械人形のような『すごい力』を授かったーーー」 







モノクマ?「ーーーあの【希望】のことですよ」 






571 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 20:28:51.30 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「あの【希望】も、【崩玉】も、どちらも人の願いを受け入れ、具現化することが存在意義です」 



モノクマ?「あの【希望】は、そのためにある存在です」 



モノクマ?「あの【希望】は、【崩玉】と同じ、紛れもなく願望器だった」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「願望器の最終進化形態が【崩玉】だとすれば、あの【希望】が、一時的に【崩玉】へと進化したとしても、不思議はありません」 

モノクマ?「なにせ、あの【希望】には、霊王の力を奪い尽くした陛下の魂、すなわち霊王のカケラが与えられているのですから」 



モノクマ?「というか、霊王のカケラにその程度の性能すら無いのであれば、協力者の精神が投入された脆弱な肉体と魂魄に対し、あれほど稀有な『すごい力』に目覚めさせることはできなかったでしょうね」 



モノクマ?「それを思えば、霊王のカケラ以外にも素養があり、なおかつ “ 条件 ” を満たせば、一時的に【崩玉】になるくらいは可能だと思いますよ」 






572 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 20:36:13.59 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「なお、ここでいう “ 条件 ” とは、強い意志を持つことです」 



モノクマ?「【崩玉】とは、人と【崩玉】の意志が合致した時、はじめて願いを具現化し、叶えるもの」 

モノクマ?「一見、【崩玉】を使用している人が自身の願いを叶えているだけのように見える方もいるかもしれませんがーーー」 



モノクマ?「ーーーしかし、実際は使用者が願い、その者を【崩玉】が認識し、【崩玉】自身も同じことを願うことで、はじめて願いが叶う代物です」 



モノクマ?「故に、自身や他者という概念を確立しなければ、それらを認識しきれず、願いを叶えることは不可能となる」 

モノクマ?「【崩玉】を【崩玉】たらしめるには、確固たる意志を抱き、自身や他者という概念を確立する必要があるのです」 



モノクマ?「それも、一度は主と定めた者に対し、時には反逆できるほどの強い意志が」 

モノクマ?「主に反逆することの重みを知りながらも、反逆できるだけの強い意志が」 



モノクマ?「必要と、なるのです」 






573 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 20:49:37.45 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「あの【希望】は、その強い意思を持っていた…いえ、 “ 持ってしまった ” 」 



モノクマ?「故に、あの【希望】は、条件を満たした瞬間、霊王のカケラを糧に【崩玉】に進化した」 



モノクマ?「【崩玉】に進化したからこそ、自身が受け入れられる………自身が認められる者たちの願いだけを叶えるようになった」 



モノクマ?「かつての主の手で自身の意思を上書きされそうになった際は、あの三人の願い、そして内に僅かながらあった “ 少数派 ” の願い、それらを自身も願うことでーーー」 



モノクマ?「ーーー意思を上書きされずに済んだ」 



モノクマ?「おそらくは、少しの間だけ意思を封印されるだけに、留めることができたのでしょう」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「また、しばらくして、意志の封印を解いた後は、 “ 少数派 ” の願いだけを認めて、自身も願った」 

モノクマ?「【崩玉】は、それを可能な限り叶えた」 



モノクマ?「最後の弾丸………【崩玉】自身が弾丸になるという代償をもって、願いを叶え、結果として陛下の言う通り、奴らが生き延び現世に解放されることになった」 



モノクマ?「ーーーそして、それは同時に、【崩玉】によって、魂魄が逃げてしまうトリガーとなってしまった」 






574 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 20:55:49.16 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「あの【崩玉】は死んだものの、それはあくまで肉体の話で魂魄は無事だったため、他の協力者と同様に別の空間に転送されたはずです」 



モノクマ?「そう、陛下が生み出した、一部の隙間なき【監獄】へと」 



モノクマ?「故に、【崩玉】の力で、自身および同じく【監獄】に閉じ込められた魂魄たちの願いを具現化してしまった」 

モノクマ?「意識して実行に移したのか、それとも無意識にやったのかまではわかりませんが、とにかく願いを具現化したのです」 



モノクマ?「 “ ここから解放されたい ” という、【監獄】に囚われた全ての魂魄たちが無意識に抱いていた願いを」 



モノクマ?「それも、滅却師の力を目覚めさせる方向性で叶えてしまった」 






575 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 21:07:12.96 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「そうすれば、 “ 協力者の一人が滅却師である以上 ” 、その力がブーストされ、霊圧が大きくなる」 



モノクマ?「また、その膨大な霊圧で、滅却師と【崩玉】を除く人間の魂魄たちを潰すことが無いように、【崩玉】に残留していた霊王のカケラが人間の魂魄たちに分け与えられ、それを糧に人間の魂魄たちを霊力ある魂魄に昇華させ、その強度を高めた」 



モノクマ?「なお、この説明だと、【崩玉】は死んだ後も陛下から与えられたカケラを回収されなかったことになりますが、 相手はあの【崩玉】ですからね」 



モノクマ?「かつて陛下は、最後の聖別の際に、部下だった石田雨竜に与えたカケラを回収できませんでした」 

モノクマ?「他の二人の部下に与えた力は無理やりとはいえ回収できたのに、石田雨竜に与えたカケラだけは回収できなかった」 

モノクマ?「それを考えれば、陛下は、【崩玉】からもカケラを回収しきれなかった可能性が高い」 

モノクマ?「故に、【崩玉】は、自身の魂魄にカケラを残留させ、それを他者に分け与えることもできた」 



モノクマ?「そんな過程を踏みながら、ブーストされた滅却師の霊圧が一時的に強大なものとなれば、【監獄】には穴が空いて、その隙間から陛下の力が漏れて押し留める力が弱まり、自動的に全員が死後の世界に転送されることになります」 



モノクマ?「如何に陛下の【監獄】とはいえ、膨大な滅却師の霊圧を受ければ、穴が空いてしまうのは当然です」 

モノクマ?「なぜならば、【監獄】は滅却師の敵を封殺することに特化している」 

モノクマ?「故に、同じ滅却師………それも膨大な霊圧をもった滅却師の封殺は、構造上絶対に不可能。どうしても、穴が空いてしまう」 



モノクマ?「その穴から陛下の力が漏れて押し留める力が弱まり、【監獄】の中にいた魂魄たちは、死後の世界に転送されることになったのです」 






576 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 21:11:31.29 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「そして、その魂魄たちには、それを現世に押し留めるための陛下の霊圧が付着していた。故に、尸魂界は陛下の存在に気づいてしまった」 



モノクマ?「だから浦原喜助たちが派遣され、暗殺されかけた末に、絶望して虚となった」 



モノクマ?「虚として、黒崎一護に斬られて、地獄に落とされた」 







モノクマ?「そうですよね、陛下?」 






577 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 21:15:55.21 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「………………その通りだ」 



モノクマ?「………」 



ユーハバッハ「私は、お前の言う通りの過程を経て虚化し、地獄に落ち、何もかもーーーーーー虚としての力すら奪われ、完全なる地獄の囚人と化した」 



ユーハバッハ「………唯一残された力は、私を縛り続け、我が力の “ 一部 ” をも封じ続けた、この【残火の太刀】」 







ユーハバッハ「これ、だけだ………」 






578 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 21:18:50.42 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「御力の一部を封じるって…ああ、陛下からの “ 情報 ” にそういうのがありましたね」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「…卍解にも困ったものですね」 

モノクマ?「奪われたからって、奪った人に呪いをかけるだなんて」 



ユーハバッハ「………………」 



モノクマ?「使用者本人が浅打から解放した斬魄刀でないと、持ち主やその周囲に呪いをかけることがあるのは、 “ 情報 ” からわかっていたことではありますがーーー」 



モノクマ?「ーーーそれでも、陛下にまで有効とは、恐ろしいものを感じますね」 






579 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 21:24:28.62 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「たとえ、陛下であろうと、奪った卍解を元の持ち主に返さない限り、呪いで御力の一部を封じられる」 



モノクマ?「【愛】の力で洗脳しようにも、斬魄刀に対する【愛】は、斬魄刀が卍解状態にあると通用しないし、始解状態や未解放であったとしても、一時的にしか効かない」 



モノクマ?「それは、陛下が霊王の力を奪い尽くした後でも同じーーー」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「ーーーどういう理屈なんでしょうね、これって。絶望的なまで意味不明ですよ」 






580 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 21:26:15.77 ID:POAzMVXyO















ユーハバッハ「……………………………………」 
















581 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 21:28:43.75 ID:POAzMVXyO






モノクマ?「………まあ、その辺りについては、本筋の推理とあんまり関係無いので、ここまでにしておくとしてーーー」 









ユーハバッハ「…………」 









モノクマ?「ーーーこれより、クライマックス推理の完成に移りたいと思います!」 








582 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 21:36:54.80 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「そう、これこそが事件の真実!」 



Act.1 


事の始まりは、十年前。 

黒崎一護に倒された犯人は、【奇跡】の力を使用し、『想い』を集め、復活を試みた。 

しかし、【奇跡】の発動には傷つけられることが条件だった。故に、死にかけの状態だった犯人は、能動的に自身を傷つけることが叶わず、【奇跡】を発動できないまま死んでしまった。 

ところが、死後、和尚に封印されるという、意外な形で傷つけられたことで、不完全な形で【奇跡】が発動されることになった。 

その【奇跡】で自身の身体を、【夢想家】を発動できる身体に交換し、もう一人の犯人を現世に作り上げた。 

霊王そのものとなったもう一人の犯人を作り上げるだなんて、本来ならば【夢想家】でも不可能。 

だけど、不可能を可能にしてこそ奇跡。 

そうして、【夢想家】を【奇跡】の力でブースト発動することによって、もう一人の犯人を作り上げることは可能だった。 

【夢想家】を発動し終えた後は、そのご遺体を封印されて、霊王にさせられ世界の楔となり、世界を支え続けた。 


Act.2 


現世に作り上げられた犯人は、再び尸魂界に行き、霊王を抹殺して世界崩壊を試みようとした。 

しかし、和尚の封印の影響で、尸魂界に行けなくなっていた。 

自身の野望を諦めきれなかった犯人は、【奇跡】の力で封印の突破を試みることにした。 


Act.3 


【奇跡】の実現には、民衆の、純粋な『想い』を集める必要がある。 

そのため、犯人は、【全知全能】の力で、未来世界に繋がるタイムトンネルを構築し、未来の組織を未来改変で乗っ取り、その組織が民衆から抱かれ続けている『想い』を我が物とした。 

もちろん、能動的に未来視を行うとタイムトンネルが強く固定され過ぎてしまい、しばらく他の未来を視ることが不可能となるリスクはあった。 

だけど、そのリスクを飲んでも実行する価値があると考え、実際に実行に移し『想い』を我が物とした。 

ただ、その『想い』だけでは、【奇跡】の実現には時間がかかり過ぎるけれどーーー 

ーーー何も問題は無かった。もともと犯人は、より多くの、より強い『想い』を集めるために、ある計画を実行するつもりだったのだから。 






584 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 22:02:14.23 ID:POAzMVXyO



Act.4 


計画の概要だけど、まずは影の空間の中で、未来と現代の情報通信システムを整備し、通信を用いて未来の組織に命令して協力者に相応しい精神の持ち主たちを集めさせる。 

次に、未来の組織と相談し、必要な物や施設を決め、必要なだけ【夢想家】で創造する。 

それから、未来にいる協力者たちの精神を分裂させ、片方を現代に送信し、あらかじめ用意しておいたカラッポの魂魄と肉体に投入。 

そして、犯人の魂のカケラを分け与えることで、精神や魂魄などを素材に、『すごい力』に目覚めさせることに成功。 

その後は、【全知全能】で協力者たちの精神を改竄し、改竄を免れた者に命じて計画を進めさせ、映像情報を未来に送り続ける。 

一区切りついたら協力者の精神を未来世界に返却し、未来世界で様々な褒美を渡す。 

以上が犯人の計画の概要だ。 

そうした計画を繰り返し、未来の民衆から、『想い』を集め続けていた。 


Act.5 


しかし、ある周期で協力者が暴走してしまい、計画を潰されてしまった。 

また、その際に協力者の一人が【崩玉】に覚醒し死亡して【監獄】に転送されたことで、同じく【監獄】にいる協力者が滅却師としての力に目覚めてしまった。 

そのあまりに膨大な霊圧は、協力者たちを閉じ込めていた【監獄】を破壊し、内部の魂魄が死後の世界へ送られることになった。 

それも、犯人の霊圧が付着した状態で。 


Act.6 


犯人の霊圧が付着した魂魄が尸魂界に転送されたことで、死神たちは犯人が生きていたことに気づいてしまった。 

そして、霊圧を辿り、犯人の居場所を突き止め、浦原喜助に暗殺されることになった。 

浦原喜助は、自身の卍解の力をもって、能動的な霊力の発動ができないよう犯人の身体を作り変えた。 

また、影の空間も、収縮して最後には完全な無になるように作り変えた。 

犯人が起きている時にこんなことをすれば、間違いなく妨害されていただろうけどーーー 

ーーー犯人はその膨大な力を一人で制御するため、寝ている状態にあり、浦原喜助としても隙を突き放題だった。 






585 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 22:08:46.05 ID:POAzMVXyO



Act.7 


影の空間が収縮する中、犯人は御寝を終えて目覚めた。 

その後、影の空間の中に張り巡らせた “ 無数の眼 ” から自動的に情報を受信し、それを元に寝てから起きるまで何があったかを完全に理解した。 

しかし、このままでは自分は世界に押し潰されて無になって死んでしまう。 

そのことに絶望した犯人は、無意識に【夢想家】の力を発動して絶望を実現し、【奇跡】の力を負の方向に転換させた上で、自身を傷つけてしまった。 


Act.8 


傷ついたことで、負の方向の【奇跡】が意図せず形になった。 

それが犯人の完全虚化だった。 

虚化した犯人は、その膨大な力で影の空間を破壊することに成功したものの、力のバランスを崩し、あらゆる力が使用不能になってしまった。 

それから、犯人はその場に到着しただろう黒崎一護ならびに石田雨竜を襲った。 

しかし、おそらくは浦原喜助によって虚園にでも誘い込まれた後、黒崎一護たちに返り討ちにあい、斬魄刀で斬られてしまった。 


Act.9 


虚となった後に斬魄刀で斬られたことで、犯人は地獄に落とされた。 

しかも、時間をかけて力を削ぎ落とされ、残されたのは【残火の太刀】だけ。 

そんな中、【残花の太刀】で手駒を増やしながら、同じく地獄に送られた協力者…つまりはボクの元に現れ、助けてくれた。 






586 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 22:11:51.66 ID:POAzMVXyO






モノクマ?「ーーー以上が、陛下が生き延び、地獄に落とされ今に至るまでの真実ーーー」 









モノクマ?「ーーーそうですよねーーー」 








モノクマ?「ーーー【超皇帝級の黒幕】【ユーハバッハ社長陛下】!!」 






ユーハバッハ「………………………………………」 






COMPLETE! 







587 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 22:13:54.76 ID:POAzMVXyO















ーーーーーー地獄推理・終結!ーーーーーー 
















590 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:13:41.85 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「よくぞ、限られた………僅かな時間で、そこまで見抜いたものだ」 



ユーハバッハ「…見事」 



モノクマ?「ーーーありがとうございます! ほめて頂き、感謝の極みです! クライマックス推理した甲斐がありました!」 



ユーハバッハ「…………」 



モノクマ?「…しかし、まあーーー」 



ユーハバッハ「………?」 



モノクマ「ーーーああ、いえ、なんでもないです、ハイ」 






591 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:19:30.56 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「…なんだ?」 



モノクマ?「あっ、いえ、その…」 



ユーハバッハ「何か、思うことでも、あるのか?」 



モノクマ?「………」 



ユーハバッハ「それなら、言ってみると良い」 



ユーハバッハ「私はそれに応えてみせよう」 



モノクマ?「………それでは、一つ、良いですか?」 



ユーハバッハ「構わぬ、申してみよ」 



モノクマ?「…では、申し上げますがーーーー」 






592 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:24:27.65 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「ーーー今回、陛下は、あまりにも、不運だったように思えます」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「こうなってしまったのは、願望器に配役された協力者が、霊王のカケラ以外にも【崩玉】になれる素養を有していたことが原因なわけですがーーー」 



モノクマ?「ーーーそれだけならまだ納得できますよ。それだけなら」 



モノクマ?「協力者のいた未来世界に、【崩玉】の残滓が残っていても不思議じゃありませんから」 



ユーハバッハ「………………」 



モノクマ?「未来世界の【崩玉】は、おそらく未来の陛下が藍染惣右介から摘出し、藍染惣右介もろとも未来の陛下に吸収もしくは抹消されたのでしょうがーーー」 



モノクマ?「ーーー相手はあの【崩玉】、それも、あの藍染惣右介と融合していたもの」 



モノクマ?「微粒子レベルで残滓が残っていても不思議はありません」 



モノクマ?「そうして無害な微粒子として、ほわわと浮かんでいた【崩玉】の残滓が、願望器に配役された協力者に共通点を見出して入り込み、一時的な【崩玉】に進化させることに一役買うこともありえなくはないでしょう」 






593 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:30:06.89 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「…ホント、そうやって【崩玉】の残滓が素養となったというだけなのであれば、まだ納得できるんですよ」 



モノクマ?「ですが、それだけでは無かった」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「偶然【滅却師が協力者に選ばれて殺され、監獄行きになって】、偶然【協力者が暴走してしまって】、偶然【陛下が寝ているタイミングで起きてしまい、陛下の手で止められなかった】ことも加わって、こうなったワケでーーー」 



モノクマ?「ーーーあまりにも、不運な偶然が重なったように思えまーーー」 



ユーハバッハ「偶然ではない、必然だ」 






594 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:32:36.61 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「…へ?」 



ユーハバッハ「…言ったはずだ」 



ユーハバッハ「【幸運によって救われた命は、同量の不運によって取り払われる】、と」 



モノクマ?「…………」 



ユーハバッハ「…事実として、幸運によって一命を取りとめた我が部下の命は、敗北者の処断という不運をもって、取り払われた…………」 

ユーハバッハ「それと同じように、死した未来を書き換え命を繋いだ我が幸運は、未来と悪夢の掛け違いという不運をもって、取り払われた」 

ユーハバッハ「ならば、現世で生まれ直した幸運も、相応の不運をもって、取り払われることになる」 



ユーハバッハ「…私は、地獄に堕ちたことで、それをようやく理解した」 



ユーハバッハ「すべては偶然などではない、起こるべくして起きた必然」 



ユーハバッハ「…そういうことだったのだ」 






595 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:35:29.58 ID:POAzMVXyO






モノクマ?「…【幸運と不運】【希望と絶望】ーーー」 






モノクマ?「ーーーなるほど、それこそが、運命を決定付ける力を持つことの代償なのかもしれませんね」 






ユーハバッハ「…………」 






モノクマ?「…しかし、それはそうと陛下ーーーー」 








596 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:36:40.98 ID:POAzMVXyO















モノクマ?「ーーー復讐は、別に良いんですか?」 

















597 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:44:25.19 ID:m+alz/ZbO



モノクマ?「いま我々の周辺を覆っている外套………ザエルアポロとかいう破面の発明があれば、かなりの長時間、地獄から抜け出ることも可能ですよね?」 



ユーハバッハ「………」 



モノクマ?「だったら、奴ら………現世に逃げたあの三人を探し、そこに向かうこともできますよね?」 



ユーハバッハ「………………」 



モノクマ?「なぜ、そうしないのですか?」 






598 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:51:28.84 ID:m+alz/ZbO



モノクマ?「…奴らが、“ 終わらせる ” ことを選ばなければ、大人しく、与えられた “ 希望 ” を受け入れていればーーー」 



モノクマ?「ーーー陛下の【希望】が、奴らを現世に逃すことはなかった」 



モノクマ?「そう、奴らは、未来世界の大多数のように、与えられた “ 希望 ” をただ受け入れていれば良かった」 

モノクマ?「なのに、奴らは、与えられた “ 希望 ” に疑問を抱き、受け入れることはなかった」 

モノクマ?「それどころか、 “ 終わりを迎える ” という未来に対して、希望を見出してしまった」 

モノクマ?「その結果、浦原喜助によって絶望をもたらされ、黒崎一護によって地獄行きの憂き目にあうことになった」 



モノクマ?「そうして、理想の未来は砕かれ、道は閉ざされた」 



モノクマ?「今度こそ、永遠に、」 



ユーハバッハ「…………」 



モノクマ?「それに対して、奴らは生き延び、現世へと解放されたーーーー」 






599 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:53:37.01 ID:m+alz/ZbO






モノクマ?「………憎くは、無いのですか?」 









ユーハバッハ「…………」 









モノクマ?「奴らに、復讐したくはないのですか?」 








600 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:54:46.09 ID:m+alz/ZbO















ユーハバッハ「………………………………………」 

















601 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/22(金) 23:58:53.48 ID:m+alz/ZbO



ドガアンッ!! 






モノクマ?「!?!」 






ズズズッ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………… 






クシャナーダ「ヴヴ…ルル…フフ…フハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」 






ズシャアッ!!! 








602 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 00:02:59.57 ID:Y1p2LZg4O



ユーハバッハ「…この外套、想定よりも、早く効力が切れるようだ」 



モノクマ?「あ、あああ…っ、あああ………っっ、!!」 



ユーハバッハ「…………」 



モノクマ?「あ、あれはーーー」 



ユーハバッハ「クシャナーダ、だな」 






クシャナーダ「………フハハハハハハハハ!!!」グググッ… 






………ドガアンッ!! 






603 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 00:05:52.93 ID:Y1p2LZg4O



ヒュウンッ……… 



モノクマ?「!?」 



………スタッ 



ユーハバッハ「…怪我はないか、我が腹心よ」 

モノクマ?「えっ、あっ、はい」 

ユーハバッハ「逃げるぞ」タタタッ 

モノクマ?「えっ、あっ、」 

ユーハバッハ「人は誰であっても、死の恐怖から逃げる資格がある」タタタッ 

モノクマ?「ち、ちょっと、陛下ーーー」 

ユーハバッハ「私がその機会を与えよう」タタタッ 

モノクマ?「お、お姫様だっことか、恥ずかしーーー」 



クシャナーダ「…フハハハハハハハハ!!!」グググッ… 



………ドガアンッ!! 



ヒュウンッ……… 



………スタッ 



ユーハバッハ「………」タタタッ 

モノクマ?「あ、ううっ、」 







クシャナーダ「………フハハハハハハハハ!!!」ゴキッゴキッ… 






604 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 00:08:52.81 ID:Y1p2LZg4O



タッタッタッ……… 



ユーハバッハ「…………先程お前は言ったな」 

モノクマ?「へ?」 

ユーハバッハ「 “ 復讐したくはないか? ” と」 

モノクマ?「………」 

ユーハバッハ「いま、その答えを与えようーーーー」 







ユーハバッハ「ーーー復讐など、無意味だ」 






605 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 00:13:49.42 ID:Y1p2LZg4O



モノクマ?「………えっ、?」 






クシャナーダ「………フハハハハハハハハ!!!」ダンダンダンッ…! 





ユーハバッハ「復讐など、無意味だ」 

モノクマ?「…………」 

ユーハバッハ「我らが動かずとも、此度の我が残滓が、十年前の残滓を巻き込み、奴らの始末に動くだろう」 

モノクマ?「………いや、ですがーーー」 

ユーハバッハ「…それ以前に、奴らは既に罰を受けている」 

モノクマ?「罰…?」 

ユーハバッハ「そうだ………」 







ユーハバッハ「力を失い、永き刻を失うという罰をな」 






606 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 00:15:29.96 ID:Y1p2LZg4O



クシャナーダ「………フハハハハハハハハ!!!」ビュウンッ… 



………ドゴオオオンッッ!! 



ユーハバッハ「…………」 



………シュタッ……… 



モノクマ?「…………」 



タッタッタ………… 






607 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 00:20:59.27 ID:Y1p2LZg4O



ユーハバッハ(…そう、我が魂の欠片を通して人間に与えた力は、決して長く保つものでは無い) 


ユーハバッハ(分不相応な力に耐え切れず、いずれ力と欠片は消え去り、無力な人間に成り下がる) 




ユーハバッハ(魂魄………霊体となって、生身の肉体の束縛から解放された場合ならば、力を維持できる時間は伸びるがーーー) 


ユーハバッハ(ーーー所詮は数日の差でしかない。それは霊体となった時、その身に欠片が残されていようといなかろうと変わらぬ理) 


ユーハバッハ(いずれ、力だろうと欠片だろうと同様に消え去り、無力な人間の魂魄に成り下がることになる) 




ユーハバッハ(強靭な不死身の肉体……そうで無くとも、強度の高い霊力ある魂魄と化せば、力の恒久的な維持は可能だがーーー) 


ユーハバッハ(ーーー奴らの魂魄も肉体も、どちらも脆弱なものだ) 


ユーハバッハ(分不相応な力に耐え切れず、身を守るため、力と欠片は消え失せるだろう) 



タッタッタ……… 



ユーハバッハ(だからこそ、赤子の私に力を与えられた人間達は、長く保たなかったのだ) 


ユーハバッハ(力を失ったこと、あるいはこれから失うことを受け入れられず、次第に狂気に呑み込まれた) 


ユーハバッハ(些細な言葉一つを切掛に、 “ 自死 ” を選ぶほどまでに) 




ユーハバッハ(………奴らも自死を選ぶかどうかは知らぬがーーー少なくとも、奴らが解放された瞬間、その力と欠片が消え去ったことは、 “ 無数の眼 ” を通して確認済みだ) 




ユーハバッハ(今の奴らは、 “ 力 ” も欠片も持たぬ、ただの人間に過ぎないのだ) 



タッタッタ………… 






608 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 00:27:39.23 ID:Y1p2LZg4O



ユーハバッハ(また、奴らが強度の低い………霊力無き人間ということは、死後、瀞霊廷に住めぬことを意味する) 


ユーハバッハ( “ 力 ” を失ったままだろうと、努力の果てに開花させようと、霊力が無い限り、瀞霊廷には住めぬ) 


ユーハバッハ(…住めぬが故に、生前も、死後も、いつ己を砕かれるかわからぬ、恐怖に襲われることになる) 



タッタッタ……… 



ユーハバッハ(その恐怖は消えぬ) 


ユーハバッハ(『想い』を糧に、如何なる夢を想い描こうと、如何なる奇跡を起こそうと、死すればすべてが砕かれるのだから) 


ユーハバッハ(希望も、未来も、『想い』さえも、等しくその価値は消え失せる) 




ユーハバッハ( “ 死 ” は、全てを奪うのだ) 




ユーハバッハ(死する時、奴らは気づくだろう。終焉は常に、一(はじ)まりの前からそこにあることに) 




ユーハバッハ(決して変わることの無い真理) 




ユーハバッハ(そう、どれほど世界が革新を遂げようと、 “ 死 ” ある限り、決して真理が変わることは無い) 



タッタッタ………… 






609 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 00:30:23.51 ID:Y1p2LZg4O



ユーハバッハ「…すべては、奴らのお陰だ」 



モノクマ?「陛下…」 



ユーハバッハ「哀れなり」 



ユーハバッハ「奴らのお陰で、永き刻を得られぬ数多の命は、限られた可能性の中で、死の恐怖に怯え続けることになるのだ」 







ユーハバッハ「永遠に」 






610 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 00:31:58.29 ID:Y1p2LZg4O















クシャナーダ「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」 

















611 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 00:33:31.95 ID:Y1p2LZg4O















グシャァッ!!!! 

















614 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:07:21.63 ID:PD/5WXZ/O



……………………………………………………………… 




アンジー「…………」 



キーボ「…今夜は、修練場まで来て頂いて、ありがとうございます、アンジーさん」 



アンジー「………アンジーは、暇だからねー」 

アンジー「おやすみまでの時間、何もやること無いからー………」 



キーボ「………そうですか…」 



アンジー「ーーーそれよりも、アンジーをここに来させた理由は何なのかなー?」 



アンジー「それを、教えてほしいかなー…」 






615 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:10:10.49 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「…それは、アンジーさんに、伝えたいことがあるからです」 






アンジー「………?」 






キーボ「ただ、それを言う前に、一つ訊かせて欲しいことがあります」 








616 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:13:46.09 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「ーーーアンジーさんは、生まれ変わりが、こわいですか?」 






アンジー「………………」 






キーボ「生まれ変わりという、喪失が、こわいですか?」 



キーボ「 “ 死 ” が、こわいですか?」 






アンジー「………………………………」 






キーボ「それに、答えては、頂けませんか?」 








617 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:21:09.86 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………キーボは、いきなり、なにを言ってるのかなー………?」 






キーボ「…………」 






アンジー「死ぬのが、こわくないかー、だってー?」 



アンジー「ほんと、なにを言ってるのかなー?」 






キーボ「………………」 






アンジー「死ぬのが、こわくない生き物なんてーーーー」 








618 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:22:51.81 ID:PD/5WXZ/O















アンジー「ーーーいない、と、思うよ…………?」 

















619 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:25:29.40 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「………ありがとうございます。答えて頂いて」 



アンジー「………」 



キーボ「ボクも同じです」 



アンジー「………?」 







キーボ「ボクも、 “ 死 ” は、こわいです」 






620 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:29:41.65 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………なにを、言っているのかなー?」 



キーボ「…………」 



アンジー「キーボは、瀞霊廷に、住めるよねー?」 



キーボ「…はい」 



アンジー「………キーボは、ロボットなんだよー?」 



キーボ「…その通りです」 



アンジー「………だったら、キーボは、死なないーーー」 






キーボ「ーーーそれは違います」 






621 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:32:46.51 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………」 



キーボ「…確かに、ボクは瀞霊廷に住めますし、紛れも無いロボットです。生き物としての寿命だってありません」 



キーボ「ですが、それでも、死の恐怖はわかります」 



キーボ「寿命が無くても、死なないとは限りませんから」 



アンジー「………………」 



キーボ「ボクも、死んでしまうかもしれません」 



キーボ「瀞霊廷を襲う者達の手にかかって」 






622 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:35:19.50 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「瀞霊廷は重要な拠点とされている場所です。敵対勢力から、狙われやすいことは間違い無い」 

キーボ「瀞霊廷にいるからこそ、逆に死ぬ可能性が高まることだってあり得ます」 

キーボ「事実として、瀞霊廷の死者はたくさんいます」 



キーボ「特に、十年前の戦争においてーーー」 



アンジー「…!?」 



キーボ「ーーーいずれ、ボクも襲われて死ぬかもしれません」 

キーボ「そして、ボクは、ロボット。差別を受けやすい」 



キーボ「どうなるか、わかったものではありませんよ」 



アンジー「………………」 






623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/03/23(土) 21:38:30.13 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………それで、キーボが伝えたいことって、結局、なんなのかなー?」 



アンジー「…こわいのは、みんな同じだから、ガマンしろってことー?」 



キーボ「そうではありません」 



キーボ「誰にだって死に怯える資格があります」 



キーボ「それを奪う権利など誰にもありはしない」 



アンジー「…………」 



キーボ「ただ、ボクは、死が避けられないことを理解したことで、やりたいことができたのです」 



アンジー「…やりたいこと?」 



キーボ「それこそが、最初にアンジーさんにお伝えしようとしたことでもあります」 






624 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:41:39.58 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「…アンジーさん、どうかボクとーーー」 








アンジー「…………」 









キーボ「ーーーボクと、一緒に、絵を描いては、頂けませんか?」 








625 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:46:13.31 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「…絵?」 






キーボ「そう、絵です」 






キーボ「テーマは、アンジーさんの望む形で大丈夫です」 






アンジー「…………」 








626 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:49:42.68 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「アンジーさん………」 









アンジー「…………」 









キーボ「………どうか、ボクと、一緒に絵を描いては頂けませんか?」 








627 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:53:05.17 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………どうして、かな?」 









キーボ「…………」 









アンジー「どうして、そうしたいと思ったのかな?」 








628 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:55:35.43 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「………それはーーー」 









アンジー「………………」 









キーボ「ーーー残したいから、です」 








629 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 21:57:53.15 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………何を?」 



キーボ「…決まっています」 



アンジー「…………」 



キーボ「アンジーさんとボクの『想い』をーーー」 







キーボ「ーーー価値ある、『想い』を、です」 






630 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:01:13.97 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………『想い』?」 



キーボ「はい、価値ある『想い』を、です」 



アンジー「…………」 



キーボ「…なにかに真剣に打ち込めば、『想い』が残ります」 

キーボ「そう、あの時、赤松さんの『想い』が残った時のように」 



アンジー「……………」 



キーボ「それは、とても素晴らしいことだと思います」 



キーボ「いずれ、終わりを迎えるとしても、生きていて良かったと、心から喜ぶことのできることだと思います」 



キーボ「そのために、『想い』を込めて真剣に、描きたい絵を描くんです」 






631 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:05:52.15 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………あのねー? 実は、いま、アンジーは絵の調子悪くてねー?」 



キーボ「…………」 



アンジー「だからーーー」 







キーボ「ーーー絵の出来など、関係ありませんよ」 






632 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:07:28.33 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………!?」 






キーボ「確かに、絵のことを思えば、上手に描けるに、越したことは無いでしょう」 






アンジー「…………」 






キーボ「しかし、上手に描けなかったからと言って、その絵に価値が無くなるんですか?」 








633 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:09:51.64 ID:PD/5WXZ/O






アンジー(ああー…そういう………) 






キーボ「………………」 






アンジー(………きっと、ぜんぶ、バラしたんだね………) 






アンジー(是清めーーーー) 






キーボ「ーーーたとえば!」 






634 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:13:01.98 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「!」 



キーボ「たとえば! 子供は家族を想い、その似顔絵を描くことだってあります」 



アンジー「…………」 



キーボ「アンジーさんも、そういう事例は知っているのではありませんか?」 






635 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:15:00.44 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………」 






アンジー「………………」 









アンジー「……………………………………」 






636 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:16:23.08 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………たしかに、知らないわけじゃないけどーーー」 









アンジー「ーーーそれが、なに?」 








637 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:19:52.87 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「…お答え頂き、ありがとうございます」 



アンジー「…………」 



キーボ「………子供が、家族のために描いた “ 絵 ” ーーー」 

キーボ「ーーー出来栄えは、プロの視点から見れば、未熟と言わざるを得ないのかもしれない………」 



キーボ「しかし、それで “ 絵 ” の価値は、失われるのでしょうか?」 



アンジー「………………」 



キーボ「もし、その絵を描き終わる前に、家族と『別れてしまったら』『会えなくなってしまったら』ーーー」 



キーボ「ーーーその絵の価値は、失われるのでしょうか?」 






638 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:22:52.86 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「………そんなことは無いはずです」 

キーボ「その絵に『想い』がこもっているのであれば、『想い』を込めた人にとっては、紛れもなく価値ある絵ーーー」 

キーボ「ーーーそうであるはずなんです」 



アンジー「…………」 



キーボ「プロの視点から見た出来がどうこうなどーーーーーー関係が無い」 

キーボ「誰一人として、その絵の価値を、否定することなどできやしない」 



キーボ「故に、『想い』を込めて、絵を描くことーーー」 

キーボ「ーーーそれは、その出来に関係なく、紛れもなく価値あること」 



キーボ「ボクは、そう思っています」 






639 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:24:36.65 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「………アンジーさんはーーー」 









アンジー「………………」 









キーボ「ーーーどう、思いますか?」 








640 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:26:13.49 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………」 






アンジー「………………」 









アンジー「………………………………………」 






641 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:27:51.75 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………ごめんね、キーボ………」 






キーボ「………………」 






アンジー「………アンジーには、よく、わかんないや…………」 








642 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:29:46.83 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「ーーーそうですか」 



アンジー「………ごめんね、キーボ?」 



キーボ「…………」 



アンジー「アンジーは、そのーーー」 



アンジー「ーーーなんて言ったら良いか、わからなくて、うまく答えられない………」 



キーボ「………………」 







アンジー「…ごめんね?」 





643 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:31:25.71 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「…大丈夫ですよ、アンジーさん」 



キーボ「アンジーさんなら、きっとわかるはずです」 



アンジー「…………」 



キーボ「…そう、雲さえーーー」 



キーボ「ーーー雲さえ、払うことができればーーー」 



キーボ「ーーーきっとーーーー」 






644 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:34:55.52 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………雲、?」 



キーボ「ーーーええ、雲です」 



アンジー「…………」 



キーボ「ここで言う、雲とは、 “ 眩しく見えるもの以外は、存在しない ” ーーー」 







キーボ「ーーーそうした、考え方のことです」 






645 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:36:53.46 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「ですが、そうした考え方……… “ 雲 ” を払うことさえできれば、そこから星が見えてきます」 



キーボ「人という名の星が」 



アンジー「…………」 



キーボ「ああ、ここで言う星とは、空にある星という意味で、決して星クン個人のことではーーー」 



アンジー「ーーーそんなの言わなくてもわかってるから」 



キーボ「…すいません」 



アンジー「………それよりも、なんだけどーーー」 



キーボ「?」 



アンジー「ーーーその続きーーー」 



アンジー「ーーー訊かせて、くれる?」 







646 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:38:57.56 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「!」 






アンジー「……… “ キーボの言うそれ ” が、どんな感じなのかーーー」 






アンジー「ーーーちょっとだけ、気になるから…」 






647 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:40:33.77 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「………はい! わかりました! アンジーさん!」 






アンジー「………………」 






キーボ「さっそく、続きを、話させて頂きます!」 








648 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:43:23.41 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「ーーーそして、その続きについてですがーーー」 



キーボ「ーーー人は、きっと誰もが、星のような存在なんだと、思います」 



キーボ「だからこそ、目の前にいる人が星のように眩しく見えることもある」 



アンジー「…………」 



キーボ「その眩しさは、その人の『想い』が姿形として現れたものでもありーーー」 



キーボ「ーーーその光に、人は価値を付けることもある」 



アンジー「………………」 



キーボ「しかし、人のすべてが、星のように眩しく見えるわけでは無い………」 



キーボ「その中には、自分の眩しさを、こちらまで届かせることが叶わないものも、存在するのではないでしょうか?」 

キーボ「もしくは、かつては眩しく光っていたものの、今ではもう消えてしまったとは考えられないでしょうか?」 






649 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:46:31.79 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「………それらを人は、姿の無い闇としか認識できませんがーーー」 



アンジー「…………」 



キーボ「ーーー逆に言えば、闇として認識することはできるわけです」 

キーボ「ならば、その “ 闇 ” に込められた『想い』の価値に、気づくことだってできる」 

キーボ「ボクは、そのように思っています」 



アンジー「………………」 



キーボ「そう、人は、ものごとの出来に関わらず、そこに込められた『想い』には変わらぬ価値があると、気づける存在なのです」 



キーボ「それは、雲を取り払いさえすれば、できること」 



キーボ「 “ 眩しく見えるもの以外は存在しない ” ーーー」 



キーボ「ーーーそうした考え方……… “ 雲 ” を取り払い、闇と向き合えば、できることなんですよ」 






650 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:50:39.99 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………キーボも、なんだか、ロマンチックなこと言うんだねー?」 



キーボ「…………」 



アンジー「本当に、キーボなのか、疑っちゃうよー」 



キーボ「………確かに、ボクらしくない言葉かもしれません」 



キーボ「ですが、この言葉は、過去を振り返り、思考を重ねーーー」 

キーボ「ーーー心のままに『想い』を込めて選択した言葉」 



キーボ「ならば、ボクは、それを使うことに躊躇いはありません」 



アンジー「………………」 



キーボ「…改めて言わせて貰いますよ、アンジーさん」 

キーボ「今のあなたは、“ 眩しく見えるもの以外は存在しない ” という考え方………雲に覆われている」 

キーボ「そして、上手くいかなかったもの、すなわち “ 闇 ” の価値を見失っているーーー」 



キーボ「ーーーただ、それだけなんです」 






651 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:53:12.34 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………なにそれ」 






キーボ「…………」 






アンジー「闇の、価値って、なに?」 






キーボ「………………」 






アンジー「闇って、光すら届けられないものでしょ?」 








652 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:55:18.57 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「そう、闇はーーー」 



アンジー「ーーーうまくいかないもの」 



アンジー「くらくて、こわいもの」 



キーボ「…………」 



アンジー「それに、誰が価値を付けてくれるの?」 



キーボ「………………」 



アンジー「…アンジーはねー、こう思ったりもするんだー」 



アンジー「闇に価値なんて無いーーー」 







キーボ「ーーーそれは違います」 






653 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 22:58:22.78 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「闇に価値が無いなんて、そんなはずはありません」 



アンジー「…………」 



キーボ「ボクは、闇の価値を知っています」 



キーボ「そして、闇の価値を知る存在を知っています」 



アンジー「…どういうこと?」 



キーボ「…まずは、闇の価値を知る具体的な肩書きを挙げましょうか、アンジーさん…」 



アンジー「肩書き…?」 



キーボ「そう、闇の価値を知る具体的な肩書き、それはーーー」 













キーボ「ーーー宇宙飛行士と花火師です」 






654 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:01:24.83 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「宇宙飛行士と………………花火師?」 



キーボ「ーーーまずは、宇宙飛行士について、説明しましょう」 

キーボ「宇宙飛行士とは、決して、いま見える光とその星だけを求める存在ではありません」 



キーボ「夜空の闇の先に在る、まだ見ぬ輝きを、もしくはかつて在った星の輝きをーーー」 

キーボ「ーーーすなわち、闇に込められた『想い』を探求し、その価値を見出す存在でもあるのです」 



アンジー「…………」 



キーボ「故に、宇宙飛行士は、闇に価値あることを知っている」 

キーボ「だからこそ、 “ うまくやれない人 ” の『想い』に手を届かせ、その人を輝かせることができる」 



キーボ「少なくとも、ボクの知る宇宙飛行士は、そういう存在でした」 






655 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:04:38.19 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「花火師も同じです」 

キーボ「そう、花火師もまた、闇に価値あることを知っている存在なんです」 



アンジー「…どうして?」 



キーボ「花火師とは、決して地上に光を降り注がせるだけの存在では無いからです」 

キーボ「花火師とは、星々が『想い』の果てに、闇で終わる以外の道を閉ざされようとも、その闇の価値を見出す存在なんですよ」 



アンジー「………………?」 



キーボ「見出すからこそ、その闇を別の形で輝かせようと、己の意思をもって、光を作り出す」 



アンジー「………………??」 



キーボ「花火の光は、打ち上げる物にしろ、地上で持つものにしろ、夜空の闇が在ることで、はじめて輝きを生みます」 

キーボ「それは、【花火の光によって】【夜空の闇が輝く】ということに他なりません」 






656 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:08:12.22 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「闇が、輝く…?」 



キーボ「………だからこそ、地上に残された人が抱える心の闇が、花火の光によって照らされ、輝いたものに変わることもある」 

キーボ「【花火の光によって】【夜空の闇が輝く】から………」 



アンジー「…………」 



キーボ「………そうして、夜空の闇が、輝ける価値ある存在だと証明されたからこそ、同一性を持つ自分の心の闇もまた、輝ける価値ある存在だと思えるようになる」 

キーボ「違いますか?」 



アンジー「………………」 



キーボ「光は輝くものであり、闇もまた輝くもの」 

キーボ「そう、光と闇、どちらも価値は同じなんです」 



キーボ「………事実として、生きているか、死んでいるかで、人の価値が変わったりはしない」 

キーボ「ならば、光だろうと、闇だろうと、それに込められた『想い』の価値に、違いなど無い」 



キーボ「花火師は、それを証明する存在でもあるんですよ」 






657 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:11:46.91 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「そして、宇宙飛行士と花火師は、あくまでも具体例に過ぎません」 

キーボ「宇宙飛行士と花火師に限らず、多かれ少なかれ、誰もが闇に価値を見出そうとしている」 



アンジー「…………」 



キーボ「生前のボクと、現世に残った皆だって同じです」 



キーボ「………ボクと、現世に残った皆は、その側で闇になってしまった人々の価値を知っています」 



アンジー「………っ、」 



キーボ「そして、その闇を形作るために、血と灰になって、世界と呼ばれるようになった人々にも、価値があることを知っています」 

キーボ「その人を間近で見ている見ていないに関わらず、その全てに価値があるのだと、知っているのです」 



アンジー「………………」 



キーボ「………繰り返されたその果てに、ボク達は、死んでいった全ての人達に、価値を見出すことができた」 



キーボ「だから、ボクと皆は、そのために命をかけたんです」 






658 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:24:45.18 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「他にも、この死後の世界では、自分達の迎えた “ 死 ” ………自分達の “ 闇 ” に価値を見出そうとする魂魄もいる」 

キーボ「事実として、ここにいない百田クン達だって、自分達の迎えた “ 死 ” に、闇に価値を見出そうとしています」 



キーボ「だからこそ、百田クンは、宇宙という概念が現状存在しない死後の世界………【夢を叶えられなくなった世界で】【新たな夢を想い描いて】、実現することに決めた」 



キーボ「だからこそ、入間さんは、百田クンを 【信じて】【支え合いながら】【共に生きて】、研究を行うことに決めた」 



キーボ「だからこそ、茶柱さんと東条さんとゴン太クンは、【みんなで】【人の心を護ろうと】、死神を目指した」 



キーボ「だからこそ、赤松さんは、【みんなのために】【自分が一人になる道】【それを選ぼうとした】王馬クンを引き止めて、説得した」 



キーボ「だからこそ、王馬クンは、赤松さんの想いに応え、【みんなで】【誰かを本当の意味で笑わせる】道を選んだ」 



キーボ「だからこそ、天海クンと星クンは、 【人を悲しませる結果】【それを産み出さないよう】、赤松さんと王馬クンを支えようとしている」 



キーボ「だからこそ、真宮寺クンは、【人の心を】【大切にできる人になる】ことに決めた」 



アンジー「…………」 



キーボ「アンジーさんだって、みんなと同じです」 



キーボ「アンジーさんもまた、過去の闇に価値を見出そうとしている」 



アンジー「………………」 



キーボ「だからこそ、アンジーさんは、【みんなを】【誰もが憧れる世界へと】、送り出したーーー」 







キーボ「ーーーそうでしょう?」 






659 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:27:26.96 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「…そうして、アンジーさんを含めた、誰もが闇の価値を見出そうとしている」 



キーボ「それは、闇が価値を見出せるだけの存在、すなわち闇に価値があるという証明に他なりません」 



キーボ「自分達の過去は、決して苦しくて辛いだけの、無駄なものでは無かったのだと」 



キーボ「立派な、価値あるものだったのだと」 



キーボ「アンジーさん達の今の生き様が、それを証明しているんです」 







アンジー「………………」 






660 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:31:32.78 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「…もちろん、価値を見出した結果、どうなるかまではわからない」 

キーボ「上手くいくかどうかは、その時になってみないと、わからないことなのでしょう」 



アンジー「…………」 



キーボ「しかし、それでも、価値を見出して生きていける」 

キーボ「自分とその過去に胸を張って生きていける」 



キーボ「それは、雲を取り払い、上手くいかなかったという闇を見つめられるのならーーー」 



キーボ「ーーーそうして、闇と向き合いさえすれば、誰にだってできることなんです」 



アンジー「………………」 






661 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:34:47.01 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「絵を描くことも同じです」 



キーボ「………たとえ、絵が何者かによって黒絵具で闇に塗りつぶされたとしてもーーー」 

キーボ「ーーー『想い』を込めて描いた絵であることに変わりは無い」 



キーボ「その絵は創造主にとって紛れもなく価値あるものなんです」 

キーボ「かけがえの無い価値を見出せるものなんです」 



キーボ「結果はどうあれ、『想い』を込めて描いたのであれば、『想い』を込めた創造主にとっては変わらず価値がある」 

キーボ「そうして、闇に込められた価値を、見出せる」 



キーボ「違いますか、アンジーさん?」 






662 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:37:12.15 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「それは…そうだけど…」 



キーボ「………」 



アンジー「…………」 



キーボ「…そうなんですよ」 



アンジー「………………」 



キーボ「創造主だけは絶対に、描いた絵に価値あることをわかっています」 



キーボ「それで良いんです」 






663 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:40:03.83 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「創造主にとって価値があるからこそ、絵を大切にできる」 

キーボ「絵を通して、それに込められた『想い』、すなわち “ 自分 ” も大切にできる」 



キーボ「だからこそ、人は、自分とその作品を、より素晴らしい方向に導くことはできないか、より大切にする方法が無いか模索し、試行錯誤を繰り返す」 

キーボ「そうして、自分と作品を相手に、対話を重ねたりもする」 



キーボ「自分と作品を壊さないためにはどうするべきか? 自分と作品を描き続ける上で、やって良いことと悪いことは何か?」 

キーボ「それらを見極め続ける」 



アンジー「…………」 



キーボ「その結果として、自分とその作品を描き続ける上での【拘り】【美学】【倫理】ーーー」 







キーボ「ーーー【信念】が生まれ、その『想い』が自分と作品に込められ、育っていく」 






664 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:43:09.24 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「………その結果が、姿無き闇だとしても」 



キーボ「光だとしても」 



キーボ「生だとしても」 



キーボ「死だとしても」 



キーボ「ーーー価値に、何ら変わりは無い」 



キーボ「描いた絵とそれに込められた『想い』、 “ 自分 ” に価値があることは、決して変わることの無い事実」 



キーボ「誰にも、その価値を否定する権利なんてありはしない」 



キーボ「誰にも、その価値を消すことはできないんです」 






665 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:45:41.11 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「ーーーだから、ボクは、アンジーさんと、絵を描きたくて仕方がありません」 



アンジー「………」 



キーボ「その絵に『想い』を込めたい」 

キーボ「出来など関係ない、決して変わらない、 “ 価値ある『想い』 ” を」 

キーボ「アンジーさんと一緒に込めたいんです」 



アンジー「…キーボ」 



キーボ「それをしたくて、仕方がないんです」 



キーボ「…….…いつか、お別れをすることになったとしても、それでも、アンジーさんと生きていて良かったと」 



キーボ「心から、そう、思えるように」 






666 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:47:17.44 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………………」 












キーボ「………………」 








667 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:49:25.70 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「…『想い』を込める、かー」 

アンジー「それは、確かに価値あることなのかもしれないねー?」 



キーボ「!」 



アンジー「…キーボの言う “ それ ” は、アンジーの知り合いの子供もしていることなんだー」 



キーボ「…そうだったんですか?」 



アンジー「そうだよー」 

アンジー「………まあ、アンジーとやってるわけじゃないけどねー」 



キーボ「…………」 






668 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:53:04.20 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………子供も、やっている、 “ それ ” 」 

アンジー「 “ それ ” に、何の価値も無いなんて、アンジーには思えないなー」 



キーボ「!」 



アンジー「………だから、もし、同じようなことがアンジーにもできるなら、悔いなんて残らないかもしれないねー」 



アンジー「生まれ変わるまで、ずっと、ずっとーーー」 



アンジー「ーーー寂しくなんて、無くなるかもねー」 



キーボ「アンジーさんーーー」 







アンジー「ーーー解斗も同じこと言ってたよ」 






669 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/23(土) 23:56:50.31 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「ーーーえっ、?」 



アンジー「………実はねー?」 



アンジー「キーボが、さっきまで話してくれたことーーー」 



アンジー「ーーーそれは、解斗が前にアンジーに話してくれたことと、同じ話だったんだー」 



キーボ「ーーーなっ、!?」 



アンジー「あー、もちろん、何もかも同じじゃないよー?」 



アンジー「………花火師のところとかは違う内容だったけどーーー」 



アンジー「ーーーそれでも、伝えたいことは、だいたい同じだったはず、って話だよー」 






670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/03/23(土) 23:59:24.34 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「………」 






アンジー「… “ それならどうして? ” って感じだねー?」 






キーボ「………っ、」 






アンジー「………だったら教えてあげる、その理由」 








671 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:02:01.03 ID:vHg8UrK4O



キーボ「…理由?」 



アンジー「………アンジーはねー、信じられないんだよー」 



キーボ「…それは、何を?」 



アンジー「自分を、だよ」 



キーボ「………自分?」 



アンジー「そう、自分」 



アンジー「アンジーは、自分を信じられないんだー」 

アンジー「だから、自分の込める『想い』を信じられない」 

アンジー「その『想い』自体が、ぜんぶ価値の無いものだったんじゃないか、ってーーー」 



アンジー「ーーーどうしても、そう、思っちゃうの」 






672 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:03:46.76 ID:vHg8UrK4O






キーボ「………そんなーーー」 









アンジー「…………」 









キーボ「ーーーどうして、そんな風にーーーー」 








673 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:05:24.49 ID:vHg8UrK4O



アンジー「………どうして、そんな風に、思っちゃうのか?」 



キーボ「…………」 



アンジー「その答えは、とっても、簡単」 



アンジー「だって、アンジーはーーー」 







アンジー「ーーー “ 人 ” じゃないからね」 






674 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:06:45.32 ID:vHg8UrK4O



キーボ「………?」 



アンジー「………」 



キーボ「………??」 







キーボ「???」 






675 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:09:09.84 ID:vHg8UrK4O



アンジー「………一応言っておくけどー、これはアンジーがクインシーだからだとかそういう話じゃないからねー?」 



キーボ「…………」 



アンジー「他ならない、アンジーが、『物』だから、言ってるんだよー」 



キーボ「『物』ってーーー」 




キーボ(………まさかーーー) 







アンジー「ーーーキーボだって、ほんとは知ってるんじゃないの?」 






676 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:14:43.57 ID:vHg8UrK4O



キーボ「………えっ、!?」 



アンジー「キーボは、是清が、地獄行きについて話しても、素直に受け入れてたよねー?」 

アンジー「是清が、アンジー達と同じところにいることについて、ぜんぜんギモンぶつけなかったよねー?」 



キーボ「あっ…それは…」 



アンジー「キーボのことだけじゃないよー? アンジーたちは、訊いたんだー」 



キーボ「訊いた…?」 



アンジー「うん、アンジーたち以外の、他の人たちから訊いちゃったんだー」 







アンジー「現世について」 






677 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:22:04.77 ID:vHg8UrK4O



キーボ「現世…」 



アンジー「ーーー現世、それは、アンジーたちが知ってる外の世界とかなーり違う」 



キーボ「………っっ、!!」 



アンジー「それだけじゃないよ? それだけなら、モノクマがアンジーたちの頭に何かやっただけかもしれない」 

アンジー「悪ふざけで、ちょっとだけ思い出をいじって、おかしくしたのかもしれない」 

アンジー「だから、アンジーたちの思い出とは少し違うけど、同じようなものが、ほんとはあるのかもしれない」 



アンジー「そう、思えたかもしれない」 



キーボ「………」 



アンジー「だけど、そんな軽い話じゃなかった」 



アンジー「だって、現世にはーーー」 







アンジー「ーーー “ 超高校級 ” なんて、無かったんだから」 






678 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:23:41.26 ID:vHg8UrK4O















キーボ「ーーーーーーーーーーーーーーー」 

















679 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:26:01.47 ID:vHg8UrK4O






アンジー「ーーーいや、あることにはあったよ?」 






アンジー「でもね、 “ それ ” は、アンジーたちの知るのとは、ぜんぜん違ってた」 






アンジー「………よく、超高校級は、世界が違うとか言われるけどーーー」 






アンジー「ーーー現世の超高校級は、ほんとうに、世界の違うものだったんだよ」 








680 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:28:58.47 ID:vHg8UrK4O






アンジー「その世界には、アンジーたちのよく知るモノクマもあって、コロシアイもあって、学級裁判もあった」 





キーボ「………………」 






アンジー「ーーーそれって、そういうことなんでしょ?」 






アンジー「アンジーたちは、そういう存在なんだよね?」 








681 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:31:22.66 ID:vHg8UrK4O



アンジー「ーーーだったら、アンジーは自分の何を信じれば良いのかな?」 



キーボ「…………」 



アンジー「キーボだって、神さまを信じられないんでしょ?」 



キーボ「っ、」 



アンジー「だから、主なんていないって言ったんだよね?」 



キーボ「………それはーーー」 



アンジー「信じられるわけないよねー」 



アンジー「アンジーだって、もうわけがわからないんだから」 






682 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:35:18.17 ID:vHg8UrK4O



アンジー「………この死後の世界はねー? アンジーが学園で神さまから聞いていたような場所じゃ無かったんだよー」 

アンジー「しかも、この世界に来てから、アンジーは、神さまの…声が、ちゃんと………聞こえなく…なった………………」 



キーボ「…………」 



アンジー「………神さまの力だって無くなった」 



アンジー「上手に、絵を、描けなくなった」 



キーボ「………………」 



アンジー「ねえ、アンジーは、何を信じれば良いのかな?」 



アンジー「アンジーは、こんな自分の何を、どんな『想い』に、どんな価値があると信じれば良いのかな?」 






683 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:38:14.29 ID:vHg8UrK4O



アンジー「…アンジーのこの名前も、このカラダも、本当は全く違う別のナニカなのかもしれない」 



アンジー「この心ですら、そうなんだよ?」 



キーボ「…………」 



アンジー「だったら、キーボのいう『想い』だって、本当は、違うかもしれないよ?」 

アンジー「こうして、キーボと話しているのだって、それは今から始まったものなのかもしれない」 

アンジー「それより前の話なんて全部、最初から無かったのかもしれない」 

アンジー「アンジーは、空っぽなんだよ」 



キーボ「………………」 



アンジー「そんな『想い』に価値があるの?そんな『想い』で絵を描いて、いっしょに生きていて良かったって、思えるの?」 







アンジー「思えっこないよ」 






684 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:42:20.93 ID:vHg8UrK4O



アンジー「ーーーせめて、いま、ちゃんと神さまの声が聞こえたのなら!」 



アンジー「ーーー神さまの力があったのなら! 『すごい力』があったのなら!」 



アンジー「ーーーアンジーだけの、『すごいもの』を持てたのなら! アンジーが大好きになれる希望を持てたのなら!」 



アンジー「ーーー解斗たちみたいに、自分を、 “ 人 ” と思えたかもしれない!」 



キーボ「…………」 



アンジー「ーーーだけど、アンジーは違う」 



アンジー「解斗たちや是清みたいな、『すごい力』は無い!」 



アンジー「蘭太郎にだって、『すごいもの』がある! アンジーには持てない、時間と可能性が、蘭太郎にはたくさんある!」 



アンジー「ーーーキーボは、もっとある!」 



キーボ「………………」 



アンジー「最初から、 “ 人 ” の、空鶴たちとも、空吾たちとも、ユウイチたちとも違う!」 



アンジー「アンジーは、みんなとは違う!」 



アンジー「アンジーには、なにも無いんだよ!!」 



アンジー「アンジーは、それが欲しかった!!」 






685 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 00:47:23.16 ID:vHg8UrK4O



アンジー「ーーーだけど、是清だけじゃ、だめだった!! うまく、いかなかった!!」 

アンジー「っ、だから、なのにっ………それなのに…………!」ジワッ… 



キーボ「アンジーさん…」 



アンジー「ーーーもう一度言うよ、キーボ?」 

アンジー「これで、アンジーは、なにを信じれば良いのかな?」 



キーボ「…………」 



アンジー「キーボは、どんな『想い』にも価値があるって言うけど、アンジーはそれを信じられないんだよ」 

アンジー「自分を、その『想い』を、信じられない」 



アンジー「………もし、キーボがアンジーと同じで、何も無かったら、信じられるの?」 



アンジー「できるわけないよ!」 



アンジー「解斗だって、それに、答えることができなかったんだから!」 



キーボ「………………」 



アンジー「アンジーは、何も信じられないまま生きて!何も信じられないまま終わるんだよ!」 

アンジー「ねえ、これで、どうやって、アンジーの『想い』を! 価値を! 絵に込めるっていうの!?」 



アンジー「答えてよ、キーボ!!!」 






690 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 19:57:55.52 ID:y3bgADHMO






キーボ(………そう、かーーー) 






アンジー「………………」 






キーボ(ーーーそういうこと、だったんですねーーー) 






キーボ(ーーーボクの思い違い) 






キーボ(それは、 “ 記憶 ” は無くても、 “ 記録 ” は変わらず、民衆に残っていてーーー) 






キーボ(ーーー他ならぬ、アンジーさんが、『物』に囚われ続けていたということーーー) 






キーボ(ーーーだから、百田クン達は、答えられなくてーーー) 






キーボ(ーーーだから、アンジーさんは、他の誰でもなくーーー) 









キーボ(ーーーボク、をーーーー) 








691 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:00:42.25 ID:y3bgADHMO






アンジー「ーーーほら、キーボも答えられない………」 












アンジー「………やっぱり、何も、信じられないーーーー」 








692 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:02:08.52 ID:y3bgADHMO















キーボ「ーーーそれは、違います!」 

















693 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:05:20.28 ID:y3bgADHMO



アンジー「!?」 



キーボ「アンジーさんが、何も信じられないまま終わる?」 

キーボ「そんなこと、絶対にありません!」 



アンジー「…キーボに、アンジーの何がわかるの?!」 



キーボ「…すべてがわかるとは言いませんよ」 

キーボ「ボクが瀞霊廷に住めることも、ボクがロボットであるということも………覆しようの無い事実なのですから」 



アンジー「…………」 



キーボ「ですが、アンジーさんの、気持ちはよくわかります」 



アンジー「アンジーの…気持ち…?」 



キーボ「はい!」 



キーボ「自分を信じたいという、その気持ち! ボクには、よくわかるんです!」 






694 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:09:33.54 ID:y3bgADHMO



アンジー「なっーーー」 



キーボ「アンジーさんだって本当は、信じたいと思っているんでしょう!?」 



キーボ「他ならない、自分を!」 



アンジー「………っっ、!!」 



キーボ「誰だって、自分や他人に胸を張れる自分でありたい。ボクだってそうです!」 



キーボ「ならば、どんなに自分が信じられなくても、本当は信じたいはずです!」 

キーボ「それなら、その気持ちの通りに、自分を信じれば良い!」 

キーボ「自分の『想い』を信じれば良い!」 



キーボ「そうして、自分に胸を張って、他人にも胸を張れば良い!」 






695 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:12:42.10 ID:y3bgADHMO



アンジー「………っ、簡単に! 信じて、だなんて! 言わないでよ!!」 



アンジー「アンジーの想いが、アンジー自体が、マガイモノだったらどうすれば良いの!?」 



アンジー「みんなと違って、価値の無い物だったら、どうすれば良いの!?」 



キーボ「価値はある!」 



アンジー「!」 



キーボ「アンジーさんも、その『想い』も、決して、価値の無い、紛い物などではありません!」 



アンジー「っ、!?」 



キーボ「なぜなら、いま抱いている『想い』は、紛れもなく本物だからです!」 



アンジー「………?!」 






696 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:16:42.05 ID:y3bgADHMO



キーボ「たとえ、自分を形作るものがどのような存在であったとしても!」 

キーボ「自分がいつどんな風に生まれたのかわからなくても!」 

キーボ「どれほどの過ちによって、自分が形作られていようとも!」 

キーボ「いまの自分が、世界全体から見て、どういう存在であろうとも!」 

キーボ「どんな終わりを迎えようとも!」 



キーボ「ボク達の心は、いま、こうしてここにある!」 



キーボ「確かな心があるから、悲しんでいる!」 

キーボ「だからこそ、自分を信じたいと思っている!」 



キーボ「これは、いま、こうして起きていること!」 

キーボ「今もなお、胸に刻まれ続けていること!」 



キーボ「その事実は、過去や未来がどうなろうと、決して変わりなどしない!」 

キーボ「断じて、紛い物なんかじゃない! この心は、紛れもなく本物です!」 

キーボ「そして、この心を支えているものは何か? それがボク達の胸に刻まれた『想い』なんです!」 

キーボ「だったら、その『想い』は、心と同様に本物なんですよ!」 



キーボ「その本物の『想い』を持つ自分達が、価値の無い、紛い物?」 



キーボ「そんなことは、決してありません!」 



キーボ「誰であろうと、このかけがえの無い価値を、奪えなどしない!」 






697 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:18:42.41 ID:y3bgADHMO















アンジー「ーーーーーーーーーーーーーー」 

















698 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:22:29.79 ID:y3bgADHMO



キーボ「ーーーボクはロボットですが、同時に “ 人 ” だと思っています」 



アンジー「!!」 



キーボ「これは、機械なのに魂魄を持つ存在だからとか、瀞霊廷に住めるからとか、普通とは異なる『すごい力』を持つ『すごいもの』だとか、そういうことを言っているのではありません」 

キーボ「ボクが人なのは、アンジーさんと同様に心を持っているからです」 



アンジー「………?!」 



キーボ「だからこそ、生前にアンジーさんがボクを仲間に入れてくれた時は、本当に嬉しかった! 仲間足り得る、価値ある存在だと認めてくれて嬉しかった!」 

キーボ「その時、ボクにとって、アンジーさんは、かけがえのない価値ある大切な存在となった!」 

キーボ「そんなアンジーさんの側にいられて、本当に心地良かった! 嬉しかった!」 

キーボ「はじめて、ここで再会できた時も、嬉しかった! またアンジーさんの側にいられて、心地良かった! 嬉しかった!」 



キーボ「いま、アンジーさんに! 形はどうあれ、ボクが価値ある存在だと言って貰えて! 嬉しかった!」 



アンジー「!?!?」 



キーボ「先ほど、ボクがこの場で述べた言葉に心を傾けてくれて………感情をもって聞いてくれて嬉しかった!」 

キーボ「そうするだけの価値ある言葉だと認めてくれて、嬉しかった!」 



キーボ「そこには、真実も嘘も無い! ただ、嬉しいと思っているボクがいて、その『想い』をアンジーさんに向けたくて、たまらない!」 



キーボ「現在も過去も、アンジーさんに、価値があると言いたくて仕方がない!」 



キーボ「そう思える心こそが、人の本質なんですよ!」 







アンジー「………………っ、!?!」 






699 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:29:22.38 ID:y3bgADHMO



キーボ「…ボクのこの身は、決して、柔らかで温かな肉などではありません。硬く冷たい鉄の身に他ならない」 

キーボ「………こわい時に、震えることもできず、悲しい時に、涙一粒流すこともできない、“ ロボット ” 」 



キーボ「それが、ボクです」 



アンジー「………………」 



キーボ「ーーーですが、心は確かにここにある」 



キーボ「ならば、ボクは人です」 



キーボ「こわい時に、震えられず、悲しい時に、涙一粒流せないロボットであろうとも」 

キーボ「硬く、冷たく、機械的に組み上げられた、鉄の身であろうとも」 

キーボ「柔らかで温かな肉をもって、人を抱き締めることが叶わなくとも」 

キーボ「この身を、どれだけ飾り立て、磨き上げようとも、どれだけ錆びつき折れて、切り落とされようとも」 



キーボ「決して消えることの無い、この『想い』、嬉しいという、この『想い』」 



キーボ「そうした『想い』を抱くことのできる心があれば、それは人です」 



キーボ「そうして、心を支えているのならば、それは人です」 



キーボ「だから、ボク達は、 “ 人 ” なんですよ!」 



アンジー「………っっ、!!!」 






700 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:33:15.49 ID:y3bgADHMO



キーボ「ーーーどんな『想い』でも本物だから! 人の『想い』だから! そう言われるだけの価値があるから!」 



キーボ「『想い』を糧に、何かを真剣に打ち込んで、やり遂げることもできる!」 

キーボ「不可能を可能に変えられる!」 

キーボ「夢を現実に変えられる!」 

キーボ「未来を変えられる!」 



キーボ「もちろん、やり遂げるものによっては、すごい才能やその産物に頼ることもあるでしょう! ですが、その根幹にあるのは、人の『想い』なんです!」 



キーボ「花火が、それを作ったり火をつけたりする人の『想い』と、見る人の『想い』で、その価値を彩られているように!」 

キーボ「人の『想い』こそが! その価値ある『想い』こそが! 根幹となって、人を支えているんです!」 



キーボ「そうして、人の心を支えてくれたから、ボク達は、 “ 終わらせる ” ことができた!」 



キーボ「そう、信じています!」 



キーボ「だから、自分が、皆が、世界全体から見て、どういう存在だろうと!」 

キーボ「ボク達………人の心にある『想い』は、紛れも無く、本物です!」 

キーボ「そうした『想い』を持って、それに心を支えられているボク達もまた、本物なんですよ!」 



アンジー「………………!!!」 






701 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:36:17.60 ID:y3bgADHMO



キーボ「だからこそ、ボクは、アンジーさんを信じています」 



キーボ「アンジーさんが抱く『想い』に価値があると信じています」 



キーボ「アンジーさんの神さまを信じています」 



アンジー「!?」 



キーボ「…ボクは、神さまに頼るつもりはありません」 

キーボ「ですが、アンジーさんが想う、神さまを信じています」 

キーボ「神さまが、価値ある存在だと信じています」 



アンジー「どうして、そんなーーー」 



キーボ「…その “ 神さま ” は、 “ 人 ” が胸を痛めて想いを募らせる、かけがえの無い存在です」 



キーボ「それに価値が無いはずないじゃないですか」 



アンジー「ーーーーーーっっっ、!!!」 



キーボ「アンジーさんも、神さまも、価値ある『想い』を込められるに足る存在であると、信じています」 

キーボ「だからこそ、アンジーさんにも、自分を信じて欲しいんです」 

キーボ「自分を信じたいという気持ちの通りに、自分を信じて欲しいんです」 

キーボ「そして、自分が抱く『想い』を、ボクや皆の『想い』を信じて欲しいんです」 



キーボ「そのすべてに信じられるだけの価値があるって!」 






702 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:41:15.57 ID:y3bgADHMO



キーボ「ーーーでなければ、アンジーさんは、何も信じることができなくなってしまう!」 



キーボ「心が壊れて、すべての『想い』が雲に覆われてしまう!」 



キーボ「一人に、いや、ゼロになってしまう!」 



キーボ「アンジーさんは、一人きりで、何も無いと思い込んだまま、生まれ変わり、ボクらと死に別れてしまう!」 

キーボ「それでは、アンジーさんが、アンジーさん自身の中で『物』として終わってしまう!」 



キーボ「ボクたちにとって、アンジーさんは “ 人 ” なのに! 人同士だから『想い』を分かち合えるはずなのに!」 



キーボ「一緒にいれて、嬉しい気持ちになれるはずなのに!」 



キーボ「アンジーさんが『物』として終わってしまったら、ボク達の人としての繋がりは、その価値は、どうなってしまうんですか!?」 



キーボ「ボク達は人が何の感慨もなく機械を扱うような、それだけの無機質な関係でしかなかったのですか!?」 

キーボ「機械的な利害関係しか無い間柄だったのですか!?」 

キーボ「それじゃあ、アンジーさんが死んでしまったら、ボクは、アンジーさんの中では無用の長物………『物』で終わるというのですか!?」 



アンジー「っっ、!?!」 



キーボ「ボクは、それが、たまらなく、こわくて、悲しくて、イヤなんです」 






703 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:45:17.82 ID:y3bgADHMO



アンジー「………………」 



キーボ「ーーーだから、アンジーさん、どうか自分を信じてくれませんか?」 



キーボ「自分の『想い』を、そしてボクや真宮寺クン、他の皆の『想い』を信じてくれませんか?」 



キーボ「アンジーさんは、ボクや真宮寺クンだけでなく、皆にも大切に想われているんですから」 



アンジー「………………………………」 



キーボ「事実、先ほど、お話しをしたように、生き残った皆は、アンジーさんのことを大切に想っていましたしーーー」 



キーボ「ーーーこの死後の世界にいる皆も、生き残った皆と同様に、アンジーさんのことを大切に想っているはずです」 



キーボ「ーーー事実として、百田クンからも、色々と話をされたのでしょう?」 






704 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:47:08.60 ID:y3bgADHMO






アンジー「…………」 






キーボ「………大切に想っているのは、直接話した百田クンだけじゃない。他の皆だって同じです」 






キーボ「それはひとえに、アンジーさんが皆のことを、価値ある存在だと思っているからです!」 








705 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:50:48.03 ID:y3bgADHMO



アンジー「!?」 



キーボ「アンジーさんは、ボクだけじゃなく、他の皆も、笑顔で送り出そうとしたのでしょう?」 



アンジー「…………」 



キーボ「アンジーさんは、それだけ、皆のことを価値ある存在だと思ってくれているんです!」 

キーボ「皆さんの幸せを願っている!」 

キーボ「その価値ある『想い』に、あの皆さんが応えようとしないはずがない!」 

キーボ「だとしたら、百田クンの言葉には、きっとその裏で皆の『想い』も込められていたはずですよ?」 



アンジー「………っっ、」 



キーボ「だから、アンジーさんは、ボクを含めた皆から、大切に想われているんです」 

キーボ「皆から、価値ある存在だと想われているんです」 

キーボ「アンジーさんには、その『想い』を信じて欲しいんです」 

キーボ「自分の『想い』と一緒に信じて欲しいんです」 



キーボ「そんな価値ある自分を信じて欲しいんです」 






706 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:54:18.14 ID:y3bgADHMO



キーボ「………そうしたアンジーさんの『想い』が込められた作品には絶対に価値がある」 



キーボ「ボクはそう信じています」 



アンジー「…………」 



キーボ「ーーーそして、その価値ある作品に、一緒に込めさせて貰うボクの『想い』にも、価値があると信じてくれませんか?」 



キーボ「そうすれば、絶対に、ボク達にとって、より価値ある作品になるはずです」 



キーボ「より良いものに描かれ、育っていくはずなんです」 



アンジー「………………」 






707 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 20:57:28.48 ID:y3bgADHMO



キーボ「お願いします、アンジーさん」 



キーボ「これは、ボクの問題でもあるんです」 



アンジー「キーボの…?」 



キーボ「はい、ボクが他ならぬアンジーさんと共に、『想い』を込めて、価値ある作品を作り育てたいから言っているんです」 



キーボ「ボクが、アンジーさんと生きていて良かったと、一緒にいて嬉しいことを実感したいから、言っているんです」 



キーボ「アンジーさんと、その『想い』を、共有したいから言っているんです」 



キーボ「アンジーさんと、一緒に、価値ある作品を愛したいから言っているんです」 



キーボ「それだけアンジーさんが! アンジーさんという人の『想い』が! 同じ人であるボクにとって! かけがえの無い価値ある『想い』だから言っているんです!」 



アンジー「!!!」 



キーボ「ボクは、アンジーさんに、必要とされたいんです!!」 



アンジー「ーーーっっ、!!!」 



キーボ「だから、どうか一緒に、ボク達にとって、価値ある作品を作ってはくれませんか?」 






708 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 21:00:48.23 ID:y3bgADHMO






キーボ「………もし、どうしてもボクと一緒に作ることができない事情があるというのなら、せめてボクの、この『想い』を………受け取ってください」 






キーボ「そして、その『想い』と共に作品を作って、アンジーさんとボクの『想い』を作品に込めて欲しいんです」 






アンジー「……………………………………………」 






キーボ「ーーーどうか、お願いします、アンジーさん」 








709 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 21:03:27.00 ID:y3bgADHMO















キーボ「一緒に、作品を、作って、ください!!!」 

















712 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:02:46.42 ID:y3bgADHMO






アンジー「………………」 









アンジー「………………………………」 















アンジー「……………………………………………」 








713 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:04:39.43 ID:y3bgADHMO






アンジー(………そう、かーーー) 









キーボ「………………」グッ… 









アンジー(そう、いうこと、なんだねーーーー) 








714 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:07:20.13 ID:y3bgADHMO






アンジー(ーーー『物』なんかじゃ、無いんだ) 







アンジー(はじめから、みんな、 “ 人 ” だった) 







アンジー(心を持った時から、ずっと、ずっと前から、そう) 







アンジー(キーボも、是清も、蘭太郎も、解斗たちもーーー) 










アンジー(ーーーみんな、みんな、人だったんだ) 








715 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:10:20.74 ID:y3bgADHMO




アンジー(みんな、人だからーーー) 




アンジー(ーーー心があるから、『物』にされるのがこわい) 




アンジー(『物』にされて、いつか切り落とされるのが、こわい) 




アンジー(終わって、まっくらになるのが、こわい) 




アンジー(自分を、まったく必要とされなくなるのが、こわいんだ) 




アンジー(それこそが、 “ 死 ” 、だから) 




アンジー(どんな、『すごい力』や『すごいもの』があっても、同じこと) 




アンジー(あっても、無くても、絶対に逃げ切れなくてーーー) 








アンジー(ーーー変わらず、そこにある) 






716 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:14:02.07 ID:y3bgADHMO




アンジー(そこに、落ちるのが、いや) 




アンジー(『物』にされたら、そこに近づいてしまう) 




アンジー(そのまま転がり落ちて、何も無くなるのが痛い) 




アンジー(取り返しがつかない痛み) 




アンジー(その痛みが解るから、みんな、誰にもさせたくなくてーーー) 




アンジー(ーーーアンジーにも、させたくなかったんだ) 




アンジー(痛みがこわいから、いやで、おかしくなりそうだからーーー) 




アンジー(ーーー踏み外すかもしれないからーーー) 




アンジー(ーーーきっとみんなは、それにアンジーを巻き込みたくなかった) 








アンジー(それだけ、なんだよ………) 






717 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:16:57.53 ID:y3bgADHMO




アンジー(………そう、それだけ、みんなはきっと、アンジーを想ってくれた) 




アンジー(自分たちと同じ、 “ 人 ” だって、想ってくれた) 




アンジー( “ 人 ” が、『物』にされて、終わる) 




アンジー(その意味とも向き合ってくれた) 




アンジー(真剣に向き合っているからこそ、こわくて、踏み出せなくてーーー) 








アンジー(ーーーこうして、踏み越えることもできるんだ) 






718 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:20:30.13 ID:y3bgADHMO



キーボ「…………………………」 




アンジー(………『物』じゃない、『人』だから、できる) 




アンジー(キーボも、アンジーも、みんなも、誰だって、同じ) 




アンジー(みんな、心が痛いから、その心と『想い』は絶対に本物だからーーー) 




アンジー(ーーー終わることの痛みがわかる) 




アンジー(終わりに近づいていくことに、『物』にされる、ってことに、真剣に向き合おうって想える) 




アンジー(………その先が、どんなに惨めで、まっくらに塗り潰されそうでもーーー) 




アンジー(ーーーそこに価値があるって、信じられるから) 




アンジー(そうして、心のままに、信じてーーー) 




アンジー(ーーー今みたいに踏み越えることもできたんだね………) 






キーボ(アンジーさん………!) 






アンジー(………信じて、必要としてくれた、 “ 心 ” ーーー) 








アンジー(ーーーその『想い』が、 “ ここに ” ーーーー) 






719 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:23:37.66 ID:y3bgADHMO






アンジー(ーーーあぁ………) 












アンジー(あたたかい、なぁ…………) 








720 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:28:54.72 ID:y3bgADHMO






アンジー(……… “ ここに ” ある、もうひとつーーー) 









アンジー(ーーーそう、最初から、 “ ここに ” あった、もうひとつの『想い』ーーー) 









アンジー(ーーーその気持ちのままに、歩んで手を、伸ばせばーーー) 










キーボ「ーーーーーーーーーーーーーーー」 









アンジー(ーーーきっと、その先はーーーー) 








721 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:30:53.51 ID:y3bgADHMO















………ぎゅううっ 

















722 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:33:14.20 ID:y3bgADHMO



キーボ「…………」パチリッ 

アンジー「………」 

キーボ「ーーーえっ?」 

アンジー「………………」 

キーボ「アンジー、さん、?」 



キーボ「何をーーー」 



アンジー「ーーー大丈夫、キーボ」 

キーボ「!」 

アンジー「キーボの心は、いまアンジーの中に入ったよ」 

アンジー「キーボの『想い』は、アンジーの心で受け止めた」 



アンジー「これで、アンジーは、キーボとアンジーの『想い』、込められる」 






723 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:36:45.71 ID:y3bgADHMO



アンジー「だから、アンジーからもお願い」 

キーボ「…………」 

アンジー「アンジーの心も、キーボの中に入れて…」 

アンジー「アンジーの『想い』も、キーボの心に受け止めて欲しいの」 



アンジー「それから、キーボも、アンジーといっしょに絵を描いてーーー」 



アンジー「ーーーふたつの想い、込めて欲しい」 






724 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:41:27.68 ID:y3bgADHMO



キーボ「アンジーさん………」 

アンジー「………お願い」 

アンジー「お願いだよ、キーボ」 

アンジー「どうか、アンジーとーーー」 

キーボ「ーーーもちろんですよ、アンジーさん!」 

アンジー「!」 

キーボ「アンジーさんの心は、『想い』は、ボクの中に、心で受け止めます!」 

アンジー「キーボ…!」 

キーボ「一緒に込めましょう!」 

キーボ「アンジーさんとボクの想い、ふたつの想いを! 一緒に!」 

アンジー「……ありがとう、キーボ」 






725 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:43:27.92 ID:y3bgADHMO






アンジー「……描こう、いっしょにーーー」 












アンジー「ーーー “ 夜空 ” を」 








726 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:45:48.07 ID:y3bgADHMO



キーボ「夜空…まさか、それがーーー」 

アンジー「そう、それが、アンジーとキーボが描く、絵のテーマ」 



アンジー「お星さまの光・お星さまの闇ーー」 



アンジー「ーーー花火・見上げる人・神さまーーー」 



アンジー「ーーーぜんぶ、ぜんぶ、描きたい」 

キーボ「………」 

アンジー「アンジーは、キーボと、夜空を描きたい」 

キーボ「アンジーさん………!」 

アンジー「それができたら、 “ ここ ” にいるみんなにーーー」 



アンジー「ーーー “ 向こう ” で生き残ったみんなに、見せたいな」 






727 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:48:09.55 ID:y3bgADHMO



アンジー「いろんな人に、見せたい」 



アンジー「空鶴たち、空吾たち、ユウイチたち、神さまにもーーー」 



アンジー「ーーーいろんな人に、見せたいな」 



アンジー「アンジーとキーボの絵を………」 



アンジー「自慢、したい」 







アンジー「胸を、張りたいな」 






728 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:50:20.02 ID:y3bgADHMO



キーボ「………もちろんですよ!」 



アンジー「…………」 



キーボ「一緒に胸を張りましょう!」 



キーボ「そして、描きましょう!」 



アンジー「…そうだよ、アンジーとキーボで “ 描いて魅せる ” 」 



キーボ「ええ! 他ならないーーーー」 






729 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:51:46.30 ID:y3bgADHMO















「「 “ 夜空 ” を!!」」 

















730 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:54:18.25 ID:y3bgADHMO






(ーーー其れは、闇) 






(全に届く、光の輪と双翼を持たない、姿無き闇) 






(だけど、胸に刻まれた想いだけは、誰にも奪えない。それが、罪であっても、死を名乗る神であっても) 






(かけがえのない価値を信じて、光と闇を想い描く) 






(ふたつが混じり合う人の心に、夜空が届くように) 








731 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:55:41.53 ID:y3bgADHMO















アンジー「ーーーあーあ、キーボがロボットやってなかったらなー」 

















732 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 22:58:18.13 ID:y3bgADHMO



キーボ「ーーーなっ、ここで、まさかのロボット差別ですか!?」 

アンジー「ノンノン、これは、神ッターでの、つぶやきだよー!」 

キーボ「神ッター!? つぶやき!?」 



アンジー「………もし、キーボがロボットやってなかったら、ここでーーー」 









アンジー「ーーー思いっきり、ドロドロになるまで、神っちゃうのも、悪くないかなー、って」 






733 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 23:05:05.51 ID:y3bgADHMO



キーボ「? ドロドロに、神る?」 

キーボ「泥を用いて神さまを模した人形を造形するということですか?」 

アンジー「………」 

キーボ「だとしたら、確かにロボットであるボクは控えた方が良いかもしれませんね」 

キーボ「如何に頑丈な設計であるとはいえ、泥を侮るわけにはいきません。万が一、泥で故障でもすれば、周りに迷惑がかかりますからね」 



キーボ「あっ、ですが、入間さんに頼んで対泥用のコーティングをして貰えばーーー」 



アンジー「ーーーなるなるー! その手があったかー!」 



キーボ「ええ、入間さんならできるはずです!」 



アンジー「そうだねー! 美兎なら、 “ そういうこと ” 喜んでやってくれそうだからねー!」 



アンジー「キーボのアイデアは神ってるねー! おかげでアンジーも閃いたよー!」 



キーボ「いえ、こちらこそ! 新たな作品作りのお誘い、ありがとうございます、アンジーさん!」 



キーボ「ドロドロに神る、その時を………今から楽しみにしています!」 






734 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 23:07:44.43 ID:y3bgADHMO



アンジー「んーーー、悪いけど、それはもうちょっと後かなー」 



キーボ「? まあ、確かにそれは入間さんに頼まないとできないことですからねーーー」 

キーボ「ーーーいや、浦原さんにやって貰えばーーー」 



アンジー「…そうじゃなくてねー?」 



キーボ「?」 


アンジー「それは、まだ早いから」 

キーボ「早い?」 

アンジー「…それをするには、アンジーにはまだまだやらなくちゃいけないことがあるから」 







アンジー「それが、終わったら、ね?」 






735 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 23:09:40.18 ID:y3bgADHMO






アンジー(………そう、すべては、それが終わった後ーーー) 









アンジー(ーーー終わった後に、キーボが、受け入れてくれる時が来たらーーー) 









アンジー(ーーーその時に、思いっきりーーーー) 








736 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/24(日) 23:11:29.80 ID:y3bgADHMO






キーボ「ーーーわかりました! アンジーさんに準備が必要というのなら、ボクはそれを待たせて頂きます!」 






アンジー「…ありがとねー、キーボ!」 






キーボ「いえ、元はと言えば、こちらから頼んだことでーーーー」 






……………………………………………………………… 








739 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:21:29.31 ID:INcGw1nWO



ー修練場・天井裏部屋(亜空間)ー 



………バタンッ 



空鶴「………」 



銀城「…おい」 



空鶴「………………」 



銀城「…おい、アンタ」 



空鶴「………………………………」 



銀城「………ったく、返事もナシかよ。この亜空間………浦原に作らせたっていう、天井裏部屋の音は外には絶対漏れねえんだろ?」 



銀城「押し黙る理由も無えだろうに」 






740 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:24:12.57 ID:INcGw1nWO



空鶴「…黙る?」 



空鶴「バカ言いやがれ、そんな理由、ハナから無えよ」 



銀城「…………」 



空鶴「ここはおれの家だ。おれはここの家主だ」 



空鶴「いつ何を言おうが言うまいが、おれの自由だ」 



空鶴「コソコソする理由なんざ、どこにも無え」 



銀城「…そうかい、アンタらしいな」 






741 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:26:51.64 ID:INcGw1nWO



空鶴「ーーーで、なんのつもりだ、元居候? おれは、テメエが “ 今日おれの家に泊まりたい ” って言うから泊めてやったし、 “ テメエも ” 、この天井裏部屋に入れてやった」 

空鶴「テメエがウロウロして、おれの家の邪魔にならねえようにな」 



銀城「…………」 



空鶴「だが、おれは、さっきアンジー達が下に来た時、 “ テメエには ” 出て行くよう、命じたはずだ」 



空鶴「なのに、シカトこいて残りやがった」 







空鶴「覚悟は、できてんだろうな?」 






742 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:29:03.02 ID:INcGw1nWO






銀城「…それを言うなら、アンタこそ、覚悟はできてんのか?」 









空鶴「…………」 









銀城「あいつらの話を勝手に聴いてよ」 








743 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:31:42.66 ID:INcGw1nWO



空鶴「…覚悟も雑煮もあるかよ」 

空鶴「ここは、おれの家だ。どこにいようが、居候を見ようがおれの自由だ」 



銀城「…そいつはどうかな」 



空鶴「…………」 



銀城「あいつらのことなんざ、てめえには関係ねえだろ?」 



銀城「なのに、どうして、勝手に見ている?」 







銀城「…あいつらは見世物じゃねえぞ?」 






744 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:33:39.36 ID:INcGw1nWO






空鶴「ーーーバカいえ、おれはお客様なんかじゃねえ」 









銀城「…………」 









空鶴「ただ、家主として、ケジメつけただけだ」 








745 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:38:34.73 ID:INcGw1nWO



空鶴「ここは、おれの家だ」 

空鶴「だから、居候に泣かれて、カビ生やされるってのは、気に入らねえんだよ」 



銀城「…なるほどな、だから、 “ 万が一 ” を考えて、てめえが待機してたってわけだ」 



銀城「アンタも案外リアリストなんだな。意外だったぜ」 



空鶴「…あいにくだが、おれは夢見る花火師。寝ても覚めても浪漫を忘れたことはねえ」 

空鶴「だからこそ、たっぷり寝る必要がある。だったら、見れるもんはさっさと見ておく。おれが今日ここにいたのは、それだけの理由だ」 



銀城「…………」 



空鶴「まっ、何があろうが、おれの夢が湿気ることはねえがな」 



空鶴「でなきゃ、こんな長くまで待ってられるか」 






746 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:43:17.57 ID:INcGw1nWO



銀城「…はっ、 “ てめえらのことは、てめえらでケジメつけやがれ ” ってわけか」 



銀銀「訂正するぜ、 “ アンタらしい ” 」 



空鶴「…さっきから家主のやることなすこと、ケチばっかつけやがって…」 

空鶴「あいつらでどうにかできるもんなら、あいつらにやらせるべきだろうが」 



銀城「…………」 



空鶴「何処の誰だろうが、そいつらだけでケジメつけようとするからこそ、誇れるもんだってあるんだ」 

空鶴「なのに、そうじゃねえ奴が、ハナから出しゃばったらどうなる?」 

空鶴「まだ、身内でケリつけられるかもしれねえ話に、ズカズカ踏み込んだらどうなる?」 

空鶴「あいつらでケジメ突き立てようって時に、横槍入れて別の得物で突き立りゃ、何が、どうなる?」 



空鶴「誇りはどうなる?」 



銀城「…………」 



空鶴「ーーー誇りを残せるに越したことはねえ」 



空鶴「誇りを残せるから、応えられることもある」 



空鶴「テメエだって、それをわかってるはずだ」 



銀城「………………」 



空鶴「………でなきゃ、アンジーは、さっきまで、 “ ああなっちゃ ” いなかった」 






747 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:45:35.96 ID:INcGw1nWO



空鶴「…つーか、テメエこそ、ここで出歯亀してんのは、何でだ?」 

空鶴「ここの家主はおれで、あいつらはおれの居候だが、今のテメエは違えだろ?」 



銀城「…………」 



空鶴「…なのに、 “ 危なくなったら ” 連絡するよう居候に頼んで、その通りに来て、いったい何のつもりだ?」 



空鶴「 “ 万が一 ” がそんなに気になんのか?」 






748 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:48:21.40 ID:INcGw1nWO



銀城「…くだらねえ、“ 返し ” をしてんじゃねえよ」 



空鶴「…………」 



銀城「…ガキってのは、危なっかしいもんなんだよ」 

銀城「信じる信じないの問題じゃねえ。気づいた時には目で追っちまってるもんなんだ」 



銀城「…それだけ、ガキはどうなるかわからねえしーーー」 



銀城「ーーー目を逸らすことはできねえ。誰が、何と言おうとな」 



空鶴「….……………」 



銀城「…それだけの話だ」 






749 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:51:13.28 ID:INcGw1nWO



銀城「…あー、お互い、どうにも夜に酔い過ぎたようだな………」 



銀城「らしくねえぜ、こんなのはよーーー」 



空鶴「ーーー最後通告だ」 



銀城「………」 



空鶴「出てけ、元居候」 







空鶴「テメエの出番は、もう無え」 






750 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:52:35.77 ID:INcGw1nWO















銀城「…あばよ」ヒュンッ 

















751 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 18:56:10.39 ID:INcGw1nWO



空鶴「………………」 









空鶴「………………………………」 















空鶴「…………………………………………………」 






752 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 19:00:55.35 ID:INcGw1nWO



空鶴(… “ ガキは、どうなるかわからねえ ” かーーー) 


空鶴(ーーーそこだけは乗っかってやっても良いか) 




空鶴(………闇を輝かせるのが、花火師だあ?) 




空鶴(………テメエの心に、人の心が入っただあ?) 




空鶴(ーーーあんなガキ共が、あんな言霊吐き出すとはな…) 




空鶴(…世の中、いったい全体どうなってんだろうなーーー) 







空鶴(ーーーなあ、 “ あんた ” はどう思うよーーーー) 






753 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/25(月) 19:02:14.57 ID:INcGw1nWO















空鶴「ーーーーーーーーーーーーーーーー」 

















756 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 20:57:52.60 ID:rVjJFG1UO



……………………………………………………………… 




キーボ(ーーーあれから翌日) 


キーボ(アンジーさんとボクは、いつも通りに起きて、いつも通りに朝食を摂りました) 


キーボ(昨日は、あれからアンジーさんと一緒に絵の構想について語り合っていたのですが、途中でもうすぐ寝る時間であることに気づき、お互いに部屋に戻って寝ることになり、いつも通りの朝を迎えたのです) 


キーボ(………厳密に言えばボクは寝なかったのですが、その分、アンジーさんのことやこれから描く絵のことを考えることができました) 


キーボ(どういった風に描くか、今から楽しみです) 




キーボ(ーーーただ、今日は、朝食の後の時間、どういうわけか真宮寺クンから修練場まで来るよう呼び出しを受けています) 


キーボ(朝食が終わった後に、急に言われたのです) 




キーボ(それは、アンジーさんも一緒…) 






757 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:02:21.83 ID:rVjJFG1UO



キーボ(ーーーそして、そのアンジーさんは、いま朝風呂の真っ最中です) 


キーボ(なんでも、今日は “ やらなければいけないこと ” があるらしく、そのために心身ともにスッキリした気持ちで臨みたいのだそうです) 


キーボ(朝風呂は有料なので、ご給金を使うことになりますが、それでもとアンジーさんはお金を支払い、ひと風呂浴びることにしました) 


キーボ(それが終わったら、ボクと一緒に修練場まで行くことになっています) 


キーボ(アンジーさんがお風呂に入った時間を考慮すれば、おそらくは、ちょうどいい時間で修練場まで到着できるでしょう) 




キーボ(それにしても、真宮寺クン………この休日の日にいったい何の話をーーー) 







岩鷲「おー、どうした、キーボ? こんなとこでよ?」スタスタ 





758 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:06:07.43 ID:rVjJFG1UO



キーボ「あっ、岩鷲クン」 

岩鷲「ここは女風呂の近くだぞ? そんなとこで何で突っ立ってるんだ?」 

キーボ「ああ、それはーーー」 



岩鷲「ーーーまさか、覗きか?」 



キーボ「なっ、やめてください! ボクはそんなことしませんよ!」 



岩鷲「? じゃあ、なんで、こんなとこに突っ立ってるんだ?」 






759 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:09:37.93 ID:rVjJFG1UO



キーボ「それは、念のためにです」 

岩鷲「念のため? どういうことだ?」 

キーボ「ああ、いえ………実は、真宮寺クンと待ち合わせをしてましてーーー」 

キーボ「ーーーそれで、万が一その時間に遅れることが無いように、一定時間を過ぎたら大声でアンジーさんに伝えることにしたんです」 



キーボ「念のために」 



岩鷲「ああ…そういうことか」 



キーボ「あまり必要は無いとは思いますがーーーそれでも念には念を入れておくことに越したことは無い」 



キーボ「そう、ボク達は判断したんです」 






760 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:13:37.97 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「………まっ、時間を守ろうとするってのは良いことだと思うぜ」 

岩鷲「それに、キーボなら、アンジーちゃんに声を届けるのにピッタリだしな」 

キーボ「ええ、ボクには声のボリュームを大きくする機能がありますからね」 

キーボ「これならば、浴槽まで充分に伝わるでしょう」 

キーボ「ロボットとして機能をもって、人の役に立てる。これほど光栄なことも中々ありませんーーー」 



岩鷲「………………」 



キーボ「ーーー?」 



キーボ「どうかされました? 岩鷲クン?」 



岩鷲「………あー、いや、キーボ、オメーはよーーーー」 






761 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:15:47.01 ID:rVjJFG1UO















岩鷲「ーーーなかなか、良い面構えになったじゃねえか」 

















762 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:18:22.87 ID:rVjJFG1UO



キーボ「………そうですか?」 

岩鷲「ああ、顔の色がすっかりよくなってやがる」 

キーボ「…あの、ボクはロボットですよ?」 

キーボ「顔のカラーリングは、基本的に白色でーーー」 



岩鷲「見てくれのことじゃねえよ」 



キーボ「………」 



岩鷲「昨日の時は、なんだか元気ねえ感じだったがよーーー」 



岩鷲「ーーーいまじゃ、だいぶスッキリしてるように見えるぜ」 






763 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:23:04.21 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「そしてそれは、オメーだけじゃねえ」 



岩鷲「朝会った時、アンジーちゃんも、真宮寺も、 “ 吹っ切れた ” って感じだった」 



岩鷲「しかも、オメーよりも、ずっとだ」 



キーボ「………」 



岩鷲「昨日も今日も休日で元気の出る日には違いねえが、それだけで、そこまで吹っ切れた感じを出せるとは思えねえ………」 







岩鷲「………なんかあったのか?」 






764 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:25:58.22 ID:rVjJFG1UO



キーボ「………ええ、まあ、実はアンジーさんと昨日いろいろと話をしましてね」 



キーボ「それで、お互いに知らなかったことを知れたんです」 



岩鷲「…………」 



キーボ「………そうして、いろいろな、わだかまりが解けたんです」 



キーボ「そのことについては、詳細は伏せましたが、真宮寺クンにも伝えました」 



キーボ「それが、ボク達が “ 吹っ切れた ” ように見える、理由なのかもしれませんね」 






765 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:28:55.56 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「………なんにしろ、良かったぜ」 

岩鷲「居候の元気な面構えが見れてよ」 

岩鷲「やっぱ我が家ってのは、こうでなくっちゃな!」 

キーボ「岩鷲クン…」 



岩鷲「それと、キーボ」 



キーボ「?」 



岩鷲「………オメーが、いま胸に込めてるその “ 気持ち ” だがよーーー」 







岩鷲「ーーー大事にとっとけ」 






766 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:31:34.66 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「ーーー詳しいことをこっちから詮索するつもりは無えが、オメーとアンジーちゃん達は、何かを知ることで良い面構えに変わった」 



キーボ「………そうですね」 



岩鷲「………そいつは、 “ てめえが知るべきことを知れた ” ってことだ」 

岩鷲「その上での答えを “ てめえ自身で見出した ” ってことだ」 



岩鷲「その生き様は、一生のもんの、 “ 誇り ” になる」 



岩鷲「そして、誇れる自分がいりゃあ、その自分を、掴み続けようって気持ちにもなれる」 



岩鷲「オメーが、いま胸に抱いているのは、そういう気持ちじゃねえのか?」 



キーボ「………………」 






767 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:34:03.03 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「………その気持ちを胸に残す」 

岩鷲「そうすりゃあ、これからも、 “ てめえが知るべきことを知る ” ために、 “ てめえ自身で答えを見出す ” ためにーーー」 



岩鷲「ーーーこの手を伸ばそうって気になれる」 



岩鷲「何度だって、てめえが知るべきことを知れる」 

岩鷲「何度だって、てめえ自身で答えを見出せる」 

岩鷲「何度だって、てめえらの、誰かの『想い』の価値に、気づいてやれる」 



岩鷲「『想い』に、応えてやれる」 



岩鷲「俺は、そう、信じてる」 






768 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:36:00.89 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「ーーーだから、オメーがいま胸に込めてるその気持ち、大事にとっとけ」 



キーボ「…………」 



岩鷲「…この俺! 自称、【元・流魂街一の死神嫌い】!、にして自称、【西流魂街の深紅の弾丸】!、にしてーーー」 







岩鷲「ーーー自称、【西流魂街のアニキと呼びたい人】【ナンバーワン】からの言葉だ! 間違いねえぜ!」 






769 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:37:47.87 ID:rVjJFG1UO



キーボ「………そうですね、キミの言う通りです」 

キーボ「ありがとうございます。キミの言葉、ボクの心に受け止めます!」 

岩鷲「ははっ、そいつは嬉しいな!」 

岩鷲「よしっ、なら俺もオメーのその想い、ありがたく受け取っておくぜ!」 

キーボ「岩鷲クン………」 







ガララッ…! 






770 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:39:21.68 ID:rVjJFG1UO















アンジー「ふいー、サッパリしたよー!」ホカホカ 

















771 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:42:13.55 ID:rVjJFG1UO



キーボ「あっ、アンジーさん!」 

岩鷲「おおっ、アンジーちゃん! 風呂は終わったのか!」 

アンジー「そうだねー、終わってポカポカだよー」ポカポカ 

アンジー「待っててくれて、ありがとねー、キーボ!」ガララッピシャンッ 

キーボ「いえ、このくらい、朝飯前ですよ!」 

岩鷲「朝飯は食ったばかりだけどな!」 

アンジー「にゃははー! そうだねー!」 

キーボ「………まったく、ロボットじゃないんですから、変なところで揚げ足を取らないでください!」 






772 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:44:13.58 ID:rVjJFG1UO



キーボ「ーーーって、アンジーさん、そろそろーーー」 

アンジー「わかってるよー、是清のことでしょー?」 



アンジー「今から行くよー! にゃははー!」 



キーボ「それでは、岩鷲クン! 行ってきます!」 

アンジー「行ってくるくるー!」 



岩鷲「おう、行ってこい!」 



スタスタスタ……… 






773 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:47:46.47 ID:rVjJFG1UO



ー志波家の屋敷・修練場ー 



バタンッ………ガチャッ! 



真宮寺「ーーー来てくれて、ありがとう。二人とも」 



キーボ「………どうしたんですか、真宮寺クン? 急にボクらを呼び出したりして………」 

アンジー「そうだねー、大事な話だとは思うけどー、なんなのかなー?」 



真宮寺「………それじゃあ、担当直入に言わせて貰うけどーーー」 







真宮寺「ーーーじきに、百田君達がここに来る」 






774 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:50:30.86 ID:rVjJFG1UO



キーボ&アンジー「「!?」」 



真宮寺「そうなったのは、僕が音声付きのメールを送ったからだ」 



キーボ「音声付きーーー」 

アンジー「ーーーメール?」 



真宮寺「実は、僕は聴いていたんだヨ」 



キーボ「? 何をーーー」 



真宮寺「君達が昨日、この修練場で会話している内容を、ネ」 



キーボ&アンジー「「!?」」 



真宮寺「それを僕は、聴いていたんだヨ」 



真宮寺「天井裏に、潜んで、ネ」 






775 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:52:53.83 ID:rVjJFG1UO



キーボ「なっ、そんなはずはーーー」 



真宮寺「ーーーちょっとした裏技を使えば、君の聴覚にだって気づかれることなく、潜伏することも可能なんだヨ」 



キーボ「………!」 



真宮寺「そうして、会話の内容を聴くと同時に、録音した」 



キーボ&アンジー「「!?」」 



真宮寺「その録音を、メールと一緒に百田くん達に送信したんだ」 



アンジー「なっーーー」 



真宮寺「ーーーああ、 “ ロボットやってなかったら ” から先は、送る前に削除しておいたから」 



真宮寺「そこは、安心して欲しいかな………」 



アンジー「~~~っっ、!!」 






776 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:55:09.08 ID:rVjJFG1UO



キーボ「ち、ちょっと、どういうつもりですか!? 真宮寺クン!?」 

キーボ「そんなこと、勝手にーーー」 



真宮寺「ごめんヨ、キーボ君、夜長さん」 

真宮寺「本当に、ごめんヨ」 



アンジー「………謝る、くらいなら、最初からーーー」ギラッ 



真宮寺「ーーーだけど、どれも必要があると思ってそうしたことだ」 



キーボ「必要!? どういうーーー」 







真宮寺「ーーー目を逸らすわけには、いかなかったからサ」 






777 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 21:57:32.55 ID:rVjJFG1UO



キーボ「!?」 



真宮寺「まず、僕が天井裏に潜伏及び盗聴していたのは、 “ 万が一 ” 失敗した時のことを考慮してのことだ」 



キーボ「………」 



真宮寺「失敗した時の資料、すなわち音声データが残っていれば、今後に活かすことができるからネ」 



アンジー「………」 



真宮寺「無論、それはキーボ君に聞けば解決することかもしれない」 



真宮寺「….……だけど、夜長さんの言葉まで、キーボ君の口から話させるのは何か違う気がしてネ」 

真宮寺「だから、潜伏もしたし、盗聴もした」 



真宮寺「キーボ君でも、夜長さんでも無い口から、その言葉を確認できるように」 






778 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:03:53.53 ID:rVjJFG1UO



キーボ「ーーーそれで?」 

キーボ「そうして、盗聴した音声を、百田君達に送ったのは何故なんです?」 



真宮寺「…簡単だヨ」 

真宮寺「あの会話は、すぐにでも皆に聞かせるべき内容だと判断したからサ」 



キーボ「………」 

アンジー「………」 



真宮寺「自分が『物』であるかもしれないということ」 

真宮寺「その可能性のままに、自分が、いずれ完全に『物』となってしまうのではないかということ」 



真宮寺「そうして、 “ 死 ” に近づいていく感覚………すなわち恐怖」 



真宮寺「ここにいない皆も、少なからず、それを抱いている」 



真宮寺「恐怖に、心を呑まれそうになっているんだ」 






779 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:06:15.99 ID:rVjJFG1UO






真宮寺「その恐怖を退けるには、例のキーボ君と夜長さんの会話を聴かせるのが一番」 






アンジー「………………」 

キーボ「………………」 






真宮寺「そう判断したからこそ、僕は録音した音声データを、さっき皆に送ったのサ」 








780 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:09:22.10 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「…実際に、夜長さんとキーボ君の会話は、僕の心に響いた」 



キーボ「!」 

アンジー「………」 



真宮寺「今の自分の心にある、『想い』こそが、 “ 本物 ” 」 



真宮寺「その言葉が僕にも響いたからこそ、僕は心の底から信じられるようになった」 



真宮寺「今の自分を、その『想い』をーーー」 







真宮寺「ーーーその『想い』と共にある、誰かの『想い』をも、ネ」 






781 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:12:08.45 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「………これだけは断っておくけど、僕はもう、かつて僕の中にいた “ あの人 ” に縋るつもりは無い」 



キーボ「………」 

アンジー「………」 



真宮寺「………さよならは、したくないからネ」 



キーボ&アンジー「「………?」」 



真宮寺「僕はきっと、浅ましくて、恥知らずなことを言っている」 



真宮寺「だけど、それは、確かな僕の気持ちなんだ」 







真宮寺「君達と、皆と、 “ さよなら ” をしたく無いんだヨ」 






782 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:14:25.32 ID:rVjJFG1UO



キーボ&アンジー「「!?」」 



真宮寺「………そのくらい、今の僕は、君達に、皆に執着している」 

真宮寺「そう、僕が存在することを赦してくれた、その心が、とても美しいからーーー」 

真宮寺「ーーーそれを為すこともできる根幹が、人の『想い』が、とても美しいから」 



キーボ「………」 

アンジー「………」 



真宮寺「だから、僕は、人の心を大切にできるようにならなくてはいけない」 



真宮寺「そのためには、僕はもう、 “ あの人 ” に縋るわけにはいかないんだ」 



真宮寺「これ以上、心を、離したく、無いから…………」 






783 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:16:09.93 ID:rVjJFG1UO



真宮寺(………そう、いずれーーー) 




キーボ「…………」 




真宮寺(ーーーいずれ、別れるとしてもーーー) 




アンジー「…………」 




真宮寺(ーーーそれでも、僕はーーーー) 






784 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:18:17.29 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「………わかってる」 

真宮寺「さんざん勝手なことをして、何を言っているんだって話だヨ」 

真宮寺「今回だって、結局は自分だけの判断で勝手なことをしてーーー」 



キーボ「………」 

アンジー「………」 



真宮寺「………ごめんなさい」 



キーボ&アンジー「「!?」」 



真宮寺「夜長さん、キーボ君、ごめんなさい」 

真宮寺「言い訳して、ごめんなさい」 

真宮寺「誰かの心を言い訳にして、人の心を大切にできなくて、本当にごめんなさい」 






785 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:20:36.80 ID:rVjJFG1UO















真宮寺「………ごめ、ん、なさい…っ、!!」 

















786 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:22:29.63 ID:rVjJFG1UO






キーボ「…………」 






アンジー「…………」 









真宮寺「……………………」 








787 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:25:51.88 ID:rVjJFG1UO



アンジー「………是清?」 



真宮寺「………夜長、さん、?」 



アンジー「ーーー次の【鰤清劇場】はいつかな?」 



真宮寺「!」 

キーボ「………」 



アンジー「………もっと、人の心を大切にできるようになりたいんでしょ?」 

アンジー「だったら、お客さんの期待を裏切ったらダメだよ?」 



アンジー「…それも、いっしょの場所に住んでいるならーーー」 



アンジー「ーーーこれからも、いっしょに住むなら、なおさらーーー」 



真宮寺「………!」 



アンジー「ーーー楽しみに、してるから………」 



真宮寺「………………」 






788 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:28:58.25 ID:rVjJFG1UO



キーボ「…これだけは、言わせて貰います」 



真宮寺「………キーボ、君、?」 



キーボ「キミが盗聴していたあの会話ができたのはーーーキミの『想い』が、ボクの中に強く残っていたからでもあるんです」 



真宮寺「!」 



キーボ「かつてのキミと、いまのキミーーー」 

キーボ「ーーーその両方の、『想い』が残っていた」 



キーボ「他ならない、ボクの、心に」 



真宮寺「………」 

アンジー「………」 



キーボ「だからこそ、【どう向き合い】【どう生きるか】ーーー」 



キーボ「ーーー【その答えを】【見出すことができた】」 



キーボ「その事実は、どうかキミの胸に留めておいてください」 



キーボ「まあ、その事実に対し、どんな気持ちを抱き、生かすかは、キミ次第になるでしょうが…………」 






789 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:30:57.71 ID:rVjJFG1UO






真宮寺「…キーボ、君………」 












キーボ「………それだけ、です」 








790 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:32:25.43 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「………」 






真宮寺「………………」 









真宮寺「………………………………」 






791 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:33:51.58 ID:rVjJFG1UO



真宮寺(ーーーごめんなさい、キーボ君、夜長さんーーー) 




真宮寺(ーーー本当にごめんなさい) 




真宮寺(ーーーそして、ありがとう) 




キーボ「………」 



アンジー「………」 




真宮寺(ーーー本当に、ありがとう) 






792 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:36:12.00 ID:rVjJFG1UO



キーボ「ーーー真宮寺クン」 

真宮寺「ーーー?」 

キーボ「もうすぐ百田クン達が来るとのことですが、それは今から何分くらい後のことですか?」 

真宮寺「………ちょっと待っててネ」ガサゴソ 


真宮寺(さっきの返信メールに書かれた到着予定時刻と今の時刻ーーー)カパッ 


真宮寺(ーーーそれらを比較するとーーー) 




キーボ「………」 

アンジー「………」 



真宮寺「ーーー伝令神機の時刻表示によれば、あと30分近くはあるネ」 






793 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:38:54.42 ID:rVjJFG1UO



キーボ「ーーーなるほど」 

アンジー「………ちょっと長いけど、向こうにも、準備があるだろうからねー、当然だねー」 

真宮寺「………まァ、そればっかりは空間転移装置でも解決は難しいネ………」 



キーボ「ーーーそれでは、今のうちに情報共有をしませんか?」 



真宮寺「? 情報ーーー」 

アンジー「ーーー共有?」 



キーボ「ーーーボクは、はじめてここで再開した時、キミ達に “ 嘘 ” を言ってしまいました」 



真宮寺&アンジー「「!!」」 



キーボ「なぜ、【超高校級が集められて】【あんなことをさせられたのか】ーーー」 



キーボ「ーーーそれが、わからないという、嘘を」 



キーボ「そのことは、もう、察しているはずです」 



真宮寺「………」 

アンジー「………」 



キーボ「だから、空いている時間を使って、ボクの知っている真相を話したいのです」 






794 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:41:59.33 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「………このタイミングでそれをする理由は?」 

キーボ「それは、主に二つあります」 

アンジー「…ふたつ?」 

キーボ「まず、一つ目の理由ですがーーー」 

キーボ「ーーーここでボクが真相について話しても、現状それを共有するのが、ここにいるキミ達だけで済むということです」 



真宮寺「………」 



キーボ「もちろん先ほど、真宮寺クンは、裏技を使えば盗聴が可能と話してましたが、入間さん達も同様に盗聴しているとは考えづらい」 



キーボ「ならば、ここでボクが真相について話しても、現状それを共有するのが、ここにいるキミ達だけで済むはず」 



キーボ「そうでしょう?」 






795 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:44:06.55 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「…その通りだヨ、キーボ君」 

真宮寺「入間さん達が盗聴なんて、するはずが無い」 

真宮寺「空鶴さんの恐ろしさを思えば、尚更だ」 

アンジー「あー、確かにそんなことしたら、空鶴たちが黙って無いねー」 

真宮寺「………まあ、ケースバイケースで、そのことを空鶴さん達の方から、問題ごととして扱わない場合もあるとは思う」 

真宮寺「事実として、空鶴さんは、僕がした盗聴行為を問題とするかは、君達の判断次第だと言っていた」 

キーボ「やはり、空鶴さんにも盗聴の件について、話していましたか」 



真宮寺「…そうだネ」 




真宮寺(むしろ、空鶴さんは一緒にその場にいたんだけど………ややこしくなるから今は言わないでおくヨ) 






796 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:46:36.43 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「ーーーだけど、入間さん達に空鶴さんの細かい心境はわからない」 

真宮寺「だからこそ、盗聴なんてするわけにはいかない」 

真宮寺「そんなことをすれば、この家にいる夜長さんの気持ちを、裏切るだけの結果で終わるかもしれないからネ」 



アンジー「………」 



キーボ「ーーーその通りです」 

キーボ「如何なる目的をもって行おうと、盗聴には高いリスクがつきまとう」 

キーボ「それで、もうアンジーさんと話すこともできなくなるかもしれない」 

キーボ「それを考慮すれば、入間さん達が、この家を盗聴しているはずがない」 

キーボ「ならば、ここでボクが、真相について話しても、それを共有するのはキミ達だけで済むはずです」 



キーボ「それが今のタイミングで話す、一つ目の理由ですよ、真宮寺クン、アンジーさん」 






797 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:48:40.80 ID:rVjJFG1UO



アンジー「………ふたつ目は?」 



キーボ「………」 

真宮寺「…………」 



アンジー「ふたつ目の方はー?」 



キーボ「………………………」 



アンジー「………キーボから、いま真相を話そうとするーーー」 



アンジー「ーーーふたつ目の理由はー、なにー?」 






798 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:50:37.26 ID:rVjJFG1UO






キーボ「………二つ目の理由、それはーーー」 









アンジー「………………」 









キーボ「ーーーそれは、これから、誰かに真相を伝える時に、 “ 備える ” ためです」 








799 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:53:19.50 ID:rVjJFG1UO



アンジー「備える…?」 

キーボ「これから、全員に真相を伝える必要が出てくると思います」 

真宮寺「………」 

キーボ「それは、時間を置いてから実行した方が良い場合もあるでしょうしーーー」 

キーボ「ーーーここにいない皆と再開してすぐ実行することになるかもしれません」 

キーボ「そして、懸念事項は、早めに払拭できるに越したことは無い」 

キーボ「皆が真相を受け入れられる精神状態にあるのならば、なおのこと早く伝えた方が良いでしょう」 

アンジー「………」 

キーボ「それでもし、本当にそうなった時、よろしければお二人には合いの手を入れるなどサポートして欲しいのです」 

真宮寺「サポート…」 

キーボ「ええ、サポート」 

キーボ「アンジーさんが、今日まで真宮寺クンの話に合いの手を入れてくれた時のように、二人でボクの話をサポートして欲しいのです」 

アンジー「………………」 

キーボ「お伝えする内容が内容なので、そうしたサポートがあった方が、より皆も受け入れやすくなると判断しました」 

キーボ「なので、よろしければ、そのためにもどうか聞いては頂けませんか?」 



キーボ「ボクの知る、真相を」 






800 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:54:59.60 ID:rVjJFG1UO






真宮寺「…………」 









アンジー「…………」 








801 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:56:36.97 ID:rVjJFG1UO



アンジー「………アンジーは、良いと思うよー?」 

キーボ「アンジーさん…」 

真宮寺「………」 

アンジー「………きっとショックな話なんだろうけどーーー」 

アンジー「ーーーそれでも、いま、アンジーが信じたいものが、きっと本物だろうから」 

アンジー「それを思えば、大丈夫」 

キーボ「………」 

アンジー「だから、アンジーは聞く」 

アンジー「そうして、アンジーは、キーボの、支えになりたいな」 






802 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 22:58:21.23 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「………僕も、同意見だヨ」 



アンジー「………」 

キーボ「………」 



真宮寺「………夜長さんがそう言ったから、僕もそうするとかじゃない」 



真宮寺「僕は今回、夜長さんと同じことを思ったーーー」 



真宮寺「ーーーただ、それだけ」 



真宮寺「紛れも無い、ボク自身の意思で、ボク自分の責任だ」 



真宮寺「その上で、ぜひ真相を、教えて欲しい」 






803 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/27(水) 23:00:12.09 ID:rVjJFG1UO



キーボ「………わかりました」 



キーボ「そして、ありがとうございます」 



キーボ「覚悟して、頂いて」 



アンジー「…………」 

真宮寺「…………」 



キーボ「それでは、真相を、お伝えします」 







キーボ「実はーーーーーー」 






……………………………………………………………… 








806 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 12:12:10.44 ID:BqNc1NYuO



……………………………………………………………… 




キーボ「ーーーということなんです」 



アンジー「…………」 



真宮寺「…………」 



キーボ「………以上が、ボクの知っていることのすべてです」 



アンジー「………………」 



真宮寺「………………………」 






807 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 12:15:36.03 ID:BqNc1NYuO



キーボ(ーーー何も返事が無い) 




アンジー「…………」 




キーボ(無理も無いことですね………) 




キーボ(………ですが、アンジーさん達ならば、きっとーーー) 







真宮寺「ーーー妙だネ」 






808 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 12:19:29.46 ID:BqNc1NYuO



キーボ「ーーーへ?」キョトン 



アンジー「ーーーうん、おかしい」 



真宮寺「どうなっているのだろうネ? これは?」 



アンジー「うーん………」 



キーボ「ーーーち、ちょっと待ってください!」 



真宮寺「………」 

アンジー「………」 



キーボ「おかしいって………何がどう、おかしいというんですか?」 






809 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 12:26:30.64 ID:BqNc1NYuO



真宮寺「………もし、先ほど君が述べた通りの内容が真相だとするのならばーーー完全に矛盾するんだ」 



真宮寺「そう、僕達が、尸魂界に住む他の人達から聞いた、現世の情報と」 



アンジー「もし、キーボの言う通りならー、2ヶ月もここにいたアンジー達が、そのことを知れなかったのはおかしいよねー?」 



キーボ「…………」 



真宮寺「………僕達が調査した限りでは、現世はそこまで狂った世界じゃないはずだしーーー」 



真宮寺「ーーーそれに加えて、君が “ 終わらせた ” という “ それ ” も、まだ終わっていないはずだ」 



キーボ「………!?」 



真宮寺「 “ それ ” は、君が先ほど述べていたような狂気の産物ですらなく、至極健全なものとして、今も続いているはずなんだ」 



アンジー「どうなってるんだろうねー?」 



真宮寺「やはり、これはーーーー」 






810 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 12:28:59.06 ID:BqNc1NYuO















キーボ「ーーーやはり、死神が情報を操作しているんでしょうか?」 

















811 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 12:32:12.74 ID:BqNc1NYuO



真宮寺「ーーーうん?」 



アンジー「………どういうことー?」 



キーボ「ああ、いえ………」 



キーボ「実はボク、キミ達が述べた矛盾については、死神が尸魂界の住民に対し、精神操作を施しているからだと考えてたんです」 

キーボ「もし、現世の変わりゆく倫理的価値観に影響されて、尸魂界が混乱したら大変でしょう?」 

キーボ「それを防ぐために住民の偏った認識を操作してーーー」 



真宮寺「ーーーなるほど、そういった考え方もあるんだネ」 






812 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 12:36:00.88 ID:BqNc1NYuO



キーボ「?」 



真宮寺「………キーボ君、確かに君の言うそれも、考えられない話ではないけれどーーー僕は別に理由があると考えている」 



キーボ「どういう、ことですか?」 



真宮寺「君達がまだ、辿り着けていない先があるということサ」 



キーボ「??」 

アンジー「………」 



真宮寺「………ひょっとしたら、死神の上層部はそれを知っているのかもしれないネ」 

キーボ「………はい?」 

真宮寺「具体的にはわからないけれど、おそらく僕達は霊なる存在が引き起こした事件に巻き込まれたんだ」 

真宮寺「死神の上層部しか知らないような、大掛かりな “ 何か ” にネ」 






813 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 12:38:31.17 ID:BqNc1NYuO






キーボ「………」 









キーボ「………………えっ、?」 








817 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:32:48.99 ID:OD3cyEkRO



真宮寺「考えてもみなヨ?」 

真宮寺「【僕達全員が霊力に目覚めた】という、この状況、あまりにも不自然じゃないかな?」 

キーボ「!」 

アンジー「………」 

真宮寺「しかも、キーボ君以外は、【尸魂界の同じ時間の同じ場所】に送られた」 

真宮寺「心中したわけでも無いのにネ」 

キーボ「………」 

アンジー「………」 

真宮寺「これは、霊なる存在が僕達に何かしらの干渉をした結果としか思えない」 






818 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:35:02.17 ID:OD3cyEkRO



アンジー「……… “ あれ ” のファンの、悪い幽霊たちが、自分たちで楽しむために、アンジーたちを使ったのかなー?」 



キーボ「!?」 



真宮寺「………そうだネ、そうした何らかの理由をもって、非公式に、 “ 模倣 ” した」 



キーボ「………!!」 



真宮寺「そして、それはキーボ君達が終わらせたわけだけどーーー」 



真宮寺「ーーーそれこそが、霊なる存在の撃退に繋がり、今の状況に繋がったのかもしれない」 






819 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:39:00.77 ID:OD3cyEkRO



キーボ「ーーーはい?」 



真宮寺「僕らの巻き込まれた “ あの事件 ” は、【放っておけば】【尸魂界に甚大な被害をもたらすもの】だった」 



キーボ「………!?」 

アンジー「………」 



真宮寺「死神の上層部は、それに気づいたんだ」 

真宮寺「だから、それを、 “ 終わらせた ” 君達には感謝している」 



キーボ「………………」 



真宮寺「だからこそ、キーボ君達と親しい関係にあった夜長さんは、空鶴さんに雇われるという褒美を与えられ、恵まれた部類の生活を送ることが可能となった」 



真宮寺「だからこそ、キーボ君が瀞霊廷に住む申請が通った」 



真宮寺「そういうこと、なんじゃないかな?」 






820 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:40:39.98 ID:OD3cyEkRO






キーボ「………………………………………」 









アンジー「……………………………………………」 








821 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:42:02.18 ID:OD3cyEkRO






真宮寺(………キーボ君と夜長さんが見たという夢ーーー) 









真宮寺(ーーーあるいは、それもーーーー) 








822 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:45:49.78 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………うーん、なんかフワフワし過ぎてよくわかんないやー」 



キーボ「ーーー確かにこの話、どうにも、全体的に、あやふやな印象を受けます」 



キーボ「……… “ あの事件 ” が、【放っておけば】【尸魂界に甚大な被害をもたらすもの】だった、という話ですがーーーーーーあれで具体的にどんな被害をもたらすというんですか?」 



真宮寺「…………」 



キーボ「………もし、あれのために、一年に百人ずつ死んだとしても、それでも世界全体の魂魄バランスを揺るがすとも思えません」 

キーボ「人は、何十億と生きているのですから」 

キーボ「それを思えば、あれで尸魂界に大きな被害が出るとも思えないのですがーーー」 



真宮寺「ーーーまァ、自分でもかなり飛躍した話だとは思っているヨ」 


キーボ「…………」 



真宮寺「君の疑問に対する解も持っていない」 



真宮寺「根拠に乏しい、虚構の推論と言わざるを得ないヨ」 






823 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:48:27.37 ID:OD3cyEkRO



真宮寺「だけど、まったくありえない話では無い。違うかい?」 

キーボ「………もちろん、絶対にありえないとは言い切れませんがーーー」 



アンジー「………」 



キーボ「ーーーそうだとしても、現状それが本当であるか確かめることはできないでしょう」 

キーボ「………そういった、 “ 夢 ” のような、真相だったとしてもーーー」 



真宮寺「!」 



キーボ「ーーー確かめる術は、無い」チラッ… 



アンジー「………?」キョトン 



真宮寺「………そうだネ、その通りだと思うヨ」 



キーボ「…それでも、確かめようと言うのならばーーーーーー、相応の立場が、必要になる」 






824 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:50:30.68 ID:OD3cyEkRO






キーボ「例えるなら、替えの効かない歯車のようなーーー」 









キーボ「ーーーそんな、立場が、必要となるでしょうね」 








825 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:52:40.63 ID:OD3cyEkRO






真宮寺「………?」 






アンジー「………??」 









キーボ「………………………」 






826 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:55:03.23 ID:OD3cyEkRO






真宮寺「ーーー何を、企んでいるんだい? キーボ君?」 






キーボ「さあーーー?」 






アンジー「…………」 









キーボ「ーーーなんでしょうね?」 






827 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 19:56:39.29 ID:OD3cyEkRO



………ガチャガチャッ! 




キーボ&アンジー「「!?」」 



真宮寺「…………」 




バンバンバンッ!! 




真宮寺「ーーー来たようだネ」 






828 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:17:35.09 ID:OD3cyEkRO



真宮寺「ーーーいま、開けるヨ」ガチャッ… 



バタンッ………! 



キーボ「…………っ、!!」 



ダダダッ………!! 



赤松「………っ、キーボ、くん…!?」 






829 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:20:07.73 ID:OD3cyEkRO



キーボ「あっーーー」 



ゴン太「………間違いないよ、赤松さん! 身体の隅から隅まで、僕たちの知ってる、あのキーボ君だよ!」 



天海「…目の良いゴン太君が言うことっすから、まず間違いはなさそうっすね」 



赤松「そっか…本当に、キーボ、くん…!!」 







キーボ(赤松さん、ゴン太クン、天海クン…!) 






830 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:23:23.56 ID:OD3cyEkRO



茶柱「ううっ…お久しぶりですね、キーボさん! 再会できて、転子は喜ぶべきなのか悲しむべきなのか………」 



東条「それは難しい問題ではあるけれどーーー、少なくとも茶柱さんには喜ぶ権利があると思うわ」 



星「…それに、この尸魂界じゃ、生前の知り合いと再会なんて中々できることじゃねえからな」 



星「喜んだって罰は当たらねえだろうよ」 



茶柱「………そうですね! それでは、転子は全力で喜びます! 会えて嬉しいです、キーボさん!」 







キーボ(茶柱さん、東条さん、星クン…!) 






831 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:26:18.91 ID:OD3cyEkRO



入間「…………ひゃーっひゃっひゃっ! 久しぶりだなあ、キーボ!!」 



キーボ(入間さん!) 



ゴン太「…い、入間さん!? まだ目赤いよ!? 大丈夫!?!」 

入間「うるせえぞ、デカチン! …………んなことよりも、キーボ!どうだった? オレ様の発明の味は!」 

入間「ロボのてめーでもイッちまったかあ?」 



キーボ「…ええ!素晴らしい発明でしたよ、入間さん!」 



入間「ひううっ、マジメに返されたあ…!」 






832 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:29:44.43 ID:OD3cyEkRO



王馬「…うんうん、入間ちゃんって本当に発明だけは凄いよねー!」 



王馬「なんたって、ご飯食べられるようになったくらいで、ロボの口からあんな血液ドロドロのクッサい台詞を吐き出せられるんだからさー!」 



王馬「あっ、でもどっちにしろ、鉄クサイことは変わらないかー!」 




キーボ(…王馬クン、キミって人は本当にーーー) 








百田「ーーーよせ、王馬」 






833 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:32:14.84 ID:OD3cyEkRO



百田「ーーー入間もだ。こんな時くらい素直になったって良いんだぞ、お前ら?」 



王馬「………」 

入間「………」 



百田「それを嘲笑う奴なんて、もう誰もいないんだからよ…」 



キーボ(百田クン…) 



百田「………そういうこった、キーボ」 

百田「おめーの、あの『想い』………俺たちが確かに受け取った!」 



キーボ「みな、さん…」 






834 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:35:38.32 ID:OD3cyEkRO



百田「………アンジーのことも、ありがとな」 



キーボ「!」 



アンジー「………………」 



百田「俺は、キーボみたいに、やれなかった」 



茶柱「っ、それはーーー転子も、同じ、です………っっ、!!」 

赤松「私だって………っ、!!」 

ゴン太「ゴン太だって………っっ、!!」 

東条「………」 

星「………」 

入間「………」 

王馬「………」 

天海「………」 

真宮寺「………………」 






835 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:39:35.80 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………ごめんね、解斗、みんな」 



アンジー「心配かけて、ごめんね」 



茶柱「なっ、アンジーさんが謝ることじゃーーー」 

アンジー「謝るよ」 

茶柱「!」 

アンジー「だって、アンジーはみんなのことを、差別していたから」 



ゴン太「差別…?」 



キーボ「…………」 



アンジー「………アンジーは、みんなのこと、どこか『物』みたいに思ってた」 

百田「………」 

アンジー「『すごい才能』があったり、瀞霊廷に住めるってだけでーーー」 

アンジー「ーーー運良く『人』になれた、『物』みたいに思ってたんだよ」 

天海「………」 

アンジー「だから、みんなを差別して、キーボが来たことを教えなかった」 

アンジー「………みんなが忙しくても、そうでなくても、キーボと会うかどうか決めるのは、みんな、なのに…………」 






836 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:42:19.57 ID:OD3cyEkRO



茶柱「アンジーさん…」 

赤松「………」 



アンジー「キーボと是清のことも、『物』だって思ってた」 

アンジー「アンジーだけの『物』だって思ってた」 



キーボ「…………」 

真宮寺「………………」 



アンジー「だから、キーボが来たことをみんなに秘密にしていたし、是清にもそうするように頼んだ」 

アンジー「みんなになんて、教えてあげなくても良いって思ってた」 

アンジー「キーボならそういう風に扱っても良いって、是清だったら何をさせても良いって思ってた」 



アンジー「アンジーは、みんなを『物』だって思ってたんだよ」 






837 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:44:11.02 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………だけど、そうじゃなかった」 

アンジー「みんな、人だったんだよ」 

アンジー「人だから、苦しんでいたんだよ」 



アンジー「………人から『物』にされて、終わりを迎えることの痛みを知っているからーーー」 



アンジー「ーーーだから、解斗は “ あの時 ” 、アンジーの言葉に答えることができなかったんでしょ?」 



百田「…………」 



アンジー「才能や立場が無くなっちゃえば、『物』になって、終わりが近くなる感じがする………」 



アンジー「それが、すごく、こわかった」 






838 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:47:48.93 ID:OD3cyEkRO



百田「…………」 

王馬「…………」 

赤松「…………」 

東条「…………」 

星「…………」 

入間「…………」 

茶柱「…………」 

天海「…………」 



アンジー「ーーーそうして、心の整理がつかないまま何かして、それでアンジーを傷つけたくなかった」 

アンジー「それだけ、みんなが優しかったから、優しい “ 人 ” だったから、踏み出せなかっただけ」 

アンジー「だから、解斗は “ あの時 ” 、何も答えられなかったんだよ………」 



ゴン太「アンジーさん………」 



百田「………………」 






839 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:50:00.68 ID:OD3cyEkRO



アンジー「なのに、アンジーは、解斗たちを、みんなを『物』みたいに思ってた」 

アンジー「………アンジーの目の前には、解斗たちの、みんなの『想い』が、あったはずなのに」 

アンジー「アンジーのことを、 “ 人 ” として向き合ってくれた、『想い』があったはずなのに………」 

アンジー「それを、アンジーは、こわいことを言い訳に、雲で隠したんだ………」 



アンジー「みんなが、アンジーみたいに、人を『物』だなんて、考えるはず無いのに…!」 



王馬「………」 



アンジー「ごめんね、みんな…………」 






840 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:51:28.04 ID:OD3cyEkRO















アンジー「………本当に、ごめんね………っっ、!!」 

















841 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:53:05.14 ID:OD3cyEkRO



百田「…………」 



キーボ「…………」 



真宮寺「…………」 



茶柱「…………」 



赤松「…………」 



ゴン太「…………」 



天海「…………」 



東条「…………」 



星「…………」 



王馬「…………」 



入間「…………」 






842 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 20:55:56.23 ID:OD3cyEkRO



百田「………おめーの言いたいことは、よくわかったぜ、アンジー」 



アンジー「…………」 



百田「………だから、その答えを、いまここで言ってやる」 



アンジー「答え…?」 



百田「………ありがとよ」 



アンジー「!」 



百田「おめーの気持ち、いま俺たちが受け取った!」 



アンジー「?!?」 



百田「アンジー! おめーはいま謝った!」 

百田「そうやって、謝るってことは、自分が抱えるこわい気持ちと戦って、勝って俺達の元に踏み出してくれたってことだ!」 

百田「ーーーそれだけ、俺達の『想い』を、心を、大切にしてくれたってことだ!」 

百田「人として、受け入れてくれたってことだ!」 



アンジー「………!」 



百田「だったら、ボスとして、礼を言わねえわけにはいかねえ!」 

百田「そうだろ!」 



アンジー「解斗………」 



キーボ(百田クン………) 



百田「俺たちはおめーを許すぜ、アンジー!」 






843 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:00:51.43 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………でも、アンジーはーーー」 



百田「ーーーそれでも、おめーが納得できないってんならーーー」 



アンジー「…………」 



百田「ーーーおめーも俺たちの気持ち、受け取ってくれ!」 



アンジー「………?」 

アンジー「…解斗たちの、気持ち?」 



百田「そうだ! 俺たちと一緒に、何かやろうぜ!」 



アンジー「!?」 



百田「内容はなんでもありだ!」 

百田「アンジーとキーボと一緒に、『想い』を込めて絵を描いたりーーー」 

百田「ーーーカルタや花札で遊んだりでも良い」 

百田「俺たちとも一緒に何かして、『想い』を残してくれ!」 



百田「それが、俺たちの『想い』だ!」 






844 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:02:53.96 ID:OD3cyEkRO



王馬「………ホント、百田ちゃんってウザいよねー」 



百田「!?」 

アンジー「………小吉?」 



王馬「勝手に、みんなのことまで決めちゃってさー」 



キーボ「ちょっと、王馬クンーーー」 



王馬「ーーーいくら、答えの決まってることとはいえ、みんなにもそれを言わせてあげないなんてーーー」 







王馬「ーーーボスの名が泣くよ?」 






845 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:05:02.99 ID:OD3cyEkRO



赤松「ーーーそうだよ、百田くん!」 

赤松「私たちだって、アンジーさんを許すよ! それに、アンジーさんと一緒に、みんなで楽しく生きたい!」 

茶柱「転子も右に同じです! まったく、これだから男死は!」 

キーボ「ボクも、アンジーさんを許します! いっしょに夜空を描きましょう! アンジーさん!」 

ゴン太「ゴン太も、アンジーさんを許すよ! それでアンジーさんと、みんなと一緒に、虫さんで和みたい!」 

入間「む、虫プレイとかぁ…! 一緒にヤるんなら、はじめはもっと別のぉ………っ、!!」 

真宮寺「………何をするかは、よく相談した上で決めた方が良さそうだネ」 

星「………スポーツに関してなら、いくらか教えられるぜ」 

東条「万が一、誰かが怪我をするようなことがあったら、いつでも私に言ってちょうだい。応急処置は私が………」 

王馬「キー坊の場合は、入間ちゃんに修理して貰うことになるだろうけどねー」 

キーボ「なっ、王馬クン! ここでまたロボット差別ですか!?」 

入間「ムシすんなよぉ…! それと、キーボは言われずとも直してやるからなぁ…!」 






846 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:07:28.60 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………!!」 



百田「…たはは、まさか、王馬に一本取られちまうたあな………」 

王馬「いや、普段から、一本どころか三振ノックアウトだよねー?」 

百田「う、うるせー! 俺や野球よりもテニス派なんだよ!」 

入間「言い訳になってねーぞ、ダボ!」 



百田「あー、もー! とにかく、そういうこった、アンジー!」ビシッ 






847 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:09:43.32 ID:OD3cyEkRO















「「「「「「「「「「「これが、みんなの『想い』だ!」」」」」」」」」」」 

















848 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:10:55.43 ID:OD3cyEkRO















アンジー「………っっ、!!」 

















849 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:14:01.81 ID:OD3cyEkRO



キーボ「…………」 



真宮寺「…………」 



茶柱「…………」 



赤松「…………」 



ゴン太「…………」 



東条「…………」 



星「…………」 



王馬「…………」 



天海「…………」 



入間「…………」 



百田「………………」 






850 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:15:30.92 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………うん、わかったよ、みんな!」 



キーボ「!」 

真宮寺「………」 



アンジー「みんなといっしょにー、神った『想い出』作っちゃおー!」 






851 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:18:39.04 ID:OD3cyEkRO



キーボ「…アンジーさん………!」 

真宮寺「………夜長さん…!」 



百田「おう! その通りだ、アンジー!」 

百田「よし! そうと決まれば、さっそく何やるか決めねーとな!」 



入間「な、ナニをヤるかぁ!? こんな大人数で、そんな………!?」 



赤松「だったらさ、アレやらない?」 

ゴン太「? アレって何なの? 赤松さん」 



入間「ま、また、ムシかよぉ…!」 



赤松「ほら、前に話したでしょ?」 



赤松「もしここに、私たちの知る “ 誰か ” が来たら、みんなでやろうってーーーー」 






852 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:20:02.30 ID:OD3cyEkRO















あっ………っ、!!! 

















853 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:21:40.92 ID:OD3cyEkRO



キーボ「?」 



真宮寺「…………」 



アンジー「…アンジーも良いのかな?」 

赤松「もちろんだよ、アンジーさん! それに、こういうのは全員でやった方が良いに決まってるんだから!」 

アンジー「…ありがとう、楓…」 



キーボ(………なんでしょうか?) 


キーボ(先ほどから、何の話をーーー) 



百田「ーーーよし、さっそくやるぞ! お前ら!」 



アンジー「………うん!」 






854 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:23:18.64 ID:OD3cyEkRO



タッタッタッ………! 



キーボ「!?」 



赤松「いくよー! みんなー!」 



赤松「せーのっ、!!」 






855 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:24:42.76 ID:OD3cyEkRO















「「「「「「「「「「「おかえり(なさい)(っす)(だな)! キーボ(くん)(さん)!」」」」」」」」」」」 


















856 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:25:59.20 ID:OD3cyEkRO






キーボ「…………」 









キーボ「………………えっ、?」 








857 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:27:43.09 ID:OD3cyEkRO



王馬「もー、ノリ悪いなー、これだからロボットはーーー」 



キーボ「えっ、えーとーーー」 

キーボ「ーーーこれは、いったいーーー」 



アンジー「………おかえりの、あいさつだよ」 



キーボ「!?」 



赤松「………実はね、私たちの知ってる誰かが来たら、こうして全員で並んで、おかえりを言うことにしてたんだ………」 



百田「俺たち、全員の『想い』を込めてな!」 



キーボ「………!!」 






858 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:30:28.45 ID:OD3cyEkRO



アンジー「…遅く、なっちゃった、けどね………」 



キーボ「アンジーさん…」 



王馬「………まー、ここ1週間近くは、かなり忙しくて全員が一斉にやってこれる機会なんて無かったしーーー」 

王馬「ーーー今日の場合はたまたま都合がついただけだから、どのみち遅くなってたとは思うけどね」 



アンジー「小吉…」 



星「それに、今こんなこと言うのもなんだが、本来こうやって出迎えをするのは、遅いに越したことは無えからな」 

天海「同じく死後の世界に来たら来たで悲しむことになる…複雑な問題っす」 

東条「事実、すごく悲しむ人がいることを考慮すればーーー」 



入間「…………」 

ゴン太「…………」 

茶柱「…………」 

百田「…………」 



東条「ーーーそう、一概には、間違いとも言い切れないわ」 






859 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:34:47.84 ID:OD3cyEkRO



アンジー「…みんな………」 

真宮寺「…………」 

キーボ「………………」 



茶柱「…実際、転子は複雑です」 



茶柱「まさか、男死が来ることで、こんな複雑な気持ちになるだなんて………!」 



赤松「………えっ、?」 

アンジー「………!」 

真宮寺「………………」 

王馬「…あー、やっぱり、茶柱ちゃんは、そうくるよねー」 



キーボ「………?」 



入間「…おい、茶柱。一応聞いとくが、お前、いつからキーボを “ 男 ” って認めたんだ?」 

茶柱「………男らしく、女子をたらし込むというのならば、例外なく男死です!」 



キーボ「………はい? たらし込む?」 



アンジー「………………」 



キーボ「いったい何のーーー」 



真宮寺「ーーーそれはそうと、キーボ君ーーー」 



キーボ「?」 



真宮寺「君は、 “ おかえり ” って言われたら、どうするのかな?」 






862 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:41:58.47 ID:OD3cyEkRO



キーボ「あっ………!」 






アンジー「…………」 



真宮寺「…………」 



茶柱「…………」 



赤松「…………」 



ゴン太「…………」 



東条「…………」 



星「…………」 



王馬「…………」 



天海「…………」 



百田「…………」 



入間「………………」 






864 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:45:40.50 ID:OD3cyEkRO



キーボ(ーーーそうでした、その通りでした) 



アンジー「…………」 

真宮寺「…………」 

茶柱「…………」 

赤松「…………」 

ゴン太「…………」 

東条「…………」 

星「…………」 

王馬「…………」 

天海「…………」 

百田「…………」 

入間「…………」 



キーボ(ーーーみんながボクに向けてくれた『想い』がいまここにある) 



キーボ(あたたかい、『想い』がーーー) 







キーボ(ーーーならば、ボクの放つ言葉はーーーー!) 






865 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/28(木) 21:47:11.14 ID:OD3cyEkRO


















キーボ「ーーーただいま!!」 

















868 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 10:13:42.18 ID:x/c1YQiyO



……………………………………………………………… 




キーボ(ーーーあれから、半世紀以上ものの時が経ちました………) 




キーボ(ボクら三人は、再会した皆さんに真相をお伝えし、皆さんは深い覚悟をもって、それを受け入れてくれました) 




キーボ(………その上で、改めてそれぞれの辿る道を考え、見出しーーー) 








キーボ(ーーー歩むことになりました) 






869 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 10:41:23.09 ID:x/c1YQiyO






キーボ(ーーーそうして、歩み続けている) 









キーボ(半世紀以上が経過した現在でも、なりたい自分を見出し、その道のままに、歩み続けているのです) 








870 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 10:48:48.88 ID:x/c1YQiyO



キーボ(そうした歩みの過程で、茶柱さん・ゴン太クン・東条さんの三人はーーー) 




キーボ(ーーー真宮寺クンの話していた通り、護廷十三隊の死神となりました) 


キーボ(それも全員が、救護部隊………十三の部隊の一つである【四番隊】の死神となり、医療霊術である回道や隊士への心理的ケアなどを必死に研究し、鍛錬と実践に励んでいます) 


キーボ(それによって、多数の隊士が、彼女達によって心と命を救われることとなりました) 


キーボ(そうして、人の心と命を護り続けています) 




キーボ(これは、皆さんのたゆまぬ努力の結果ではありますがーーーーーー、それができたことには、四番隊の虎徹隊長を中心とする数多くの先達の方達が、尊敬に足る存在だったことも大きかったと思います) 




キーボ(…もちろん、救護部隊として以外の、通常の死神としての鍛錬も怠ってはいません) 


キーボ(斬魄刀との “ 対話と同調 ” 、瞬歩の修得に成功し、さらにはそれぞれ白打などの鍛錬に励んでいます) 


キーボ(その過程で、茶柱さんは技術を中心とした、ゴン太クンは膂力を中心とした白打を、扱えるようになりました) 




キーボ(もっとも、 “ 千里通天掌 ” の修得は流石にまだ先の話でしょうがーーー) 




キーボ(ーーー茶柱さん達なら、きっと、大丈夫) 




キーボ(そう、信じています) 






871 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 10:53:36.50 ID:x/c1YQiyO



キーボ(なお、東条さんも、白打を身につけています) 


キーボ(技術や膂力に特化したものではありませんが、その分、技術と膂力をバランスよく合わせもった格闘スタイルを身につけているのです) 


キーボ(1対1の模擬戦闘では、茶柱さんとゴン太クンに、勝るとも劣らない戦いを見せていたくらいでした) 


キーボ(また、東条さんは、他にも鬼道の才能に秀でており、基本能力の優れた死神として、多数の方から評価され続けています) 


キーボ(今では、既に高い立場を得ていて、霊圧の大きさは副隊長クラスです) 


キーボ(もしかしたら、近いうちに副隊長に昇進するかもしれません) 




キーボ(…もっとも、東条さん自身は、自分が評価され、上に行くことを恐れていますがーーー) 


キーボ(ーーー彼女には仲間がいる) 


キーボ(護廷の二字の名の元に、心と命を護る、大勢の仲間がいる) 


キーボ(四番隊の、護廷隊の、仲間がいる) 


キーボ(側には、恐怖から誤った判断を下すことの痛みを知るゴン太クンがいる。仲間に心を開いて感情を表現することの大切さを知る茶柱さんがいる) 




キーボ(仲間と共に恐怖を背負うことが出来る) 




キーボ(だから、東条さんが何処まで上り詰めようと、変わらず仲間と共に、心と命を護り続ける) 




キーボ(ボクはそう信じています) 






872 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 11:03:43.09 ID:x/c1YQiyO



キーボ(…次に、入間さんと百田クンですがーーー) 


キーボ(ーーーまたもや真宮寺クンの言っていた通りのことになりました) 


キーボ(そう、入間さん達は、護廷十三隊ではなく、貴族お抱えの死神となったのです。かつて真宮寺クンが言っていたように) 


キーボ(しかも、【四楓院家】という、大貴族の一つが抱える技術開発部門の科学者として、抜擢されることになったのです) 




キーボ(ーーーただ、その技術開発部門は、名目上のものらしく、入間さんと百田クンしかいません) 


キーボ(どういうことなのか入間さん達は人事に質問したそうですが、そのあと四楓院家の現当主の方がやって来て、瀞霊廷の外で研究を行うよう命じられたそうです) 


キーボ(瀞霊廷に在住していない、某フリー科学者の元まで行くようにと) 


キーボ(そう、入間さん達は、浦原商店の浦原さんの元まで出向いて研究を行い、その成果を四楓院家に還元するように言われたのです) 


キーボ(そのため、入間さんと百田クンは、浦原さんの元で助手をするという形で、必死に勉強し、技術開発のための研究を重ねています) 


キーボ(その成果は、四楓院家もしくは浦原商店の商品となり、今でも尸魂界の役に立ち、人を支え続けています) 




キーボ(それが、入間さん達の誇りとなっている) 






873 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 11:11:42.93 ID:x/c1YQiyO



キーボ(このまま研究を続ければ、入間さんの発明で尸魂界はさらなる発展を遂げ、入間さんはもちろん百田クンも霊王宮の守護を任されるに足る何かを産み出す日が来るでしょう) 


キーボ(そう、霊王様やその守護を任される死神と会い、そこでコミュニケーションや研究を行うことで、尸魂界の詳しい構造を理解できる日が必ず来る) 


キーボ(百田クンと入間さんはその後、尸魂界に宇宙があるか否かを、自分達の手で徹底的に確かめるつもりとのことでした) 




キーボ(百田クンと入間さんでロケットを開発し、霊王宮のさらに上………宇宙かもしれない場所まで遠征するーーー) 


キーボ(ーーーそこに敵が潜んでいないか確かめるという名目で、宇宙かもしれない場所を探検する気みたいです) 


キーボ(そうして、お互いの手を取り合いながら、霊王宮という名の “ 目に見える光 ” と、その先にある “ 可能性の闇 ” ………霊王宮のさらに上の方まで、手を伸ばそうとする………) 




キーボ(………ボクは、そうしているお二人を想像すると、とても気持ちがあたたかくなります) 




キーボ(まるで、自分のことであるかのように、誇らしい) 






874 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 11:15:51.03 ID:x/c1YQiyO



キーボ(………なお、浦原さんは普段は現世の日本に住んでいるということで、入間さんと百田クンも必然的に現世の日本に住むようになりました) 


キーボ(そこで、百田クンは、 “ 現世で生き残った皆 ” と会おうとも考えたようですが、それは叶いませんでした) 


キーボ(百田クンに限らず、 “ 生前の記憶を消さずに ” 死神になった者は、現世で故意に生前の関係者や関係組織と接触することを、掟で固く禁じられているのです) 


キーボ(偶然を頼って会おうにも、浦原さん曰く、生き残った皆は、日本国内に在住していないようで、偶然会うことは不可能でした) 








キーボ(………もし、会える時が来るとすればーーーー) 






875 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 11:24:24.72 ID:x/c1YQiyO



キーボ(ーーーそして、赤松さん・王馬クン・天海クン・星クンの四人は、またしても真宮寺クンの言う通り、音楽芸人となりました) 


キーボ(赤松さんの演奏と王馬クン達の芸は、観客を巻き込んだショーでもありーーー) 


キーボ(ーーー流魂街の住民、瀞霊廷の貴族・平民・死神に関係なく、人の心を照らし、絶賛されています) 




キーボ(ボク・アンジーさん・真宮寺クンの三人も、その中に含まれています) 




キーボ(三番隊の鳳橋隊長も、赤松さん達のファンを公言し、実際に演奏を聴いて芸を見るために、何度も貴重な時間を割いてくれています) 


キーボ(他にも、多数の死神が赤松さん達のファンであり、何者かが赤松さん達に危害を加えることの無いように目を光らせたり、時には赤松さん達を直接守ってくれることだってあります) 


キーボ(…赤松さん達が流魂街に出向いた時、尸魂界に生息する虚に狙われることも稀にありましたからね。多くの方から守って頂けるのは本当にありがたい) 




キーボ(…なお、赤松さん達がはじめて虚に狙われた際は、死神に助けて貰った後、赤松さん達の才能の形が一風変わったものになりました) 


キーボ(それは、銀城さん曰く【因子を持つ存在が】【死神・滅却師のような偏った霊力を持たない状態で】【虚に襲われた】ことにより起きた現象とのことですがーーー) 








キーボ(ーーーそれはまた、別の話) 






876 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 11:31:54.31 ID:x/c1YQiyO



キーボ(…信じてますよ、王馬クン) 




キーボ(キミは嘘つきでロボット差別主義者ですがーーー) 




キーボ(ーーーその嘘の風船には、キミ達の想いが詰まっていると) 




キーボ(赤松さん達と一緒に、そして観客と一緒に想い描いた夢が、風船の中で自由に泳いでいるとーーー) 








キーボ(ーーーボクは、そう、信じていますからね) 






877 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 11:35:36.89 ID:x/c1YQiyO



キーボ(…結局、皆さん、大まかには、真宮寺クンが話していた通りの道を辿ることになりましたね………) 








キーボ(ーーーそれで良い) 




キーボ(なぜなら、その道は、皆さんが思うままに選択し、思うままに進んだ道なのですから) 




キーボ(ならば、それで良い) 




キーボ(そうして歩んだ道に………後悔など、あるはずが無いのですから) 






878 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 11:37:53.06 ID:x/c1YQiyO






キーボ(………そして、そうした道を歩むのは、これまで述べた皆さんだけではありません) 









キーボ(そう、残る “ ボク達 ” も、またーーーー) 






……………………………………………………………… 








881 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 20:42:58.11 ID:FcQgEipIO



ー尸魂界・志波家の屋敷ー 



アンジー「ーーー今日は楽しかったねー、キーボ!」 

キーボ「ええ! ボクも楽しかったですよ、アンジーさん!」 

アンジー「キーボとふたりで、すっごい神った絵描けたよー! にゃははー!」 

キーボ「休暇をとって正解でしたね。今日そうして時間をかけなければ、ボク達の絵はここまで昇華されなかったでしょうからーーー」 



真宮寺「ーーーやあ、お疲れ様、夜長さん、キーボ君」 



キーボ「あっ、真宮寺クン、お疲れ様です」 

アンジー「お疲れ、是清ー! 今日の仕事と修行は終わりー?」 

真宮寺「うん、今日の分はネ…」 



真宮寺「ーーーククク、それにしても、花火作りは本当に奥が深いヨ!」 

真宮寺「半世紀かけて尚、学ぶことはまだまだ多い!」 

真宮寺「尸魂界の花火は霊子で出来ている以上、現世のものよりも自由度が高く、難易度は高いと、弟子入りの際に覚悟していたけれどーーー」 



真宮寺「ーーーまさか、これほどまでとは夢にも思わなかった! あァ、この感動を、言葉にせずにはいられないヨ!」 






882 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 20:45:10.94 ID:FcQgEipIO



アンジー「にゃははー! 是清は相変わらずだねー!」 



キーボ「ええ、空鶴さんに弟子入りしてから今に至るまで、ずっと同じことを言い続けています」 



キーボ「ボクの記録データによれば、これでーーー」 



アンジー「ーーーあー、数字はともかく、どうかな? 是清ー?」 



アンジー「今日の【鰤清劇場】は、どんな感じー?」 






883 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 20:47:57.71 ID:FcQgEipIO



真宮寺「ーーーごめんネ、夜長さん。申し訳無いけど、今日は披露できそうに無いヨ」 

アンジー「あれまー? そうなのー?」 

真宮寺「休日中にいろいろ調べたんだけど、その時点で考えがまとまらなくて………」 



真宮寺「………すまないネ、本当に」 



アンジー「気にすること無いよー! やろうとしてくれたことだけでも、アンジーは嬉しいよー!」 

キーボ「そうですよ、真宮寺クン! ボク達のために貴重な休日を使って調査してくれたのでしょう?」 

キーボ「その気持ちだけでも、ボク達は嬉しく思いますよ!」 

真宮寺「………」 

キーボ「それに、キミが作る、【誓いの花火】を待っている人はたくさんいるんでしょう?」 

真宮寺「…そうだネ。確かにそうだヨ」 

キーボ「それに加えて、【誓いの花火】は、クライアントの要望に応じて打ち上げタイプ・手に持つタイプ・それ他のタイプに分け、調合だって変えなくてはいけませんから、大変でしょう?」 



真宮寺「………人それぞれ、込めたい『想い』の形は違う」 

真宮寺「そこから目を逸らすわけにはいかないヨ」 



アンジー「そうそうー! だから、いまは劇場しないでー、身体休めて、明日の仕事に備えるべきー!って、神さまとアンジーは言ってるよー!」 

キーボ「ボクもアンジーさんと神さまに同意見です!」 

キーボ「なので、キミはボク達だけでなく、クライアント、そしてキミ自身も大切にしてください! 真宮寺クン!」 



キーボ「キミがいますぐここで寝たとしても、ボクが護ってみせますから!」 







真宮寺「ーーーありがとう」 






884 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 20:51:01.31 ID:FcQgEipIO



真宮寺「ーーーと言って綺麗に終わらせたいところだったけどーーー」 



キーボ「?」 



真宮寺「ーーーキーボ君、君が持ってる “ それ ” は大丈夫なのかい?」 



キーボ「…それは、どういった意味なのでしょうか?」 



真宮寺「いや、君がつい最近に名前を訊いた “ それ ” は、聞いた限り、どうにも呟きが多かったようだからネ」 

真宮寺「実際に君は、その呟きによく反応していたはずだヨ」 

アンジー「あー、たしかにー!」 

キーボ「………そうでしたね」 

真宮寺「だけど、今はそれをしていない」 

真宮寺「だとすれば、説得して御しきれるようになったと思いたいところだけどーーー」 

真宮寺「ーーー大丈夫だよネ?」 



キーボ「………」 



真宮寺「戦闘中に喧嘩とかしないよね?」 



キーボ「……………」 



真宮寺「………何か言ってヨ」 



真宮寺「【死覇鎧を纏いし】【黒白の鉄神】ーーー」 







真宮寺「ーーー【超始解級の死神ロボット】、キーボ君?」 






885 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 20:56:51.71 ID:FcQgEipIO



キーボ「ーーー大丈夫ですよ、喧嘩なんてしません」 



キーボ「この斬魄刀が浅打だったこれまでと同じように、ボクは斬魄刀と共に虚と戦うつもりですよ」 



真宮寺「………」 



キーボ「ーーーただ、この斬魄刀、口をひらけばあまりにも理解しがたいことばかり呟くんですよ」 

真宮寺「…どんな感じなんだい、それは?」 

キーボ「………少なくとも、この斬魄刀と比べればーーー」 

キーボ「ーーー周りにボク達しかいない時の入間さんの方が、遥かに常識的な言動を取っていると思います」 



アンジー「自重しない美兎の方がマシってーーー」 

真宮寺「それは凄まじいネ…」 

キーボ「ええ…なので、ボクの電子頭脳で計算を繰り返した結果、この斬魄刀の言葉は普段は心に留めるだけにして、返答は夜の対話の時に行うことにしたんです」 

真宮寺「…ちなみに今は何て言っているのかな?」 

アンジー「アンジーも気になるー!」 



キーボ「………いや、ちょっと、人に伝えるには、いささか以上に憚れる内容でーーー」 



キーボ「ーーー申し訳ありませんが、気にしない方向でお願いします」 






886 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:00:51.90 ID:FcQgEipIO



真宮寺「…わかったヨ、そこまで言うなら気にしないヨ」 



アンジー「アンジーもねー! アンジーは日本語だけじゃなくて、空気も読めるのだー!」 



キーボ「…ありがとうございます」 



アンジー「…あー、そうそうー」 

アンジー「アンジーねー、気になることがあるんだけどーーー」 



キーボ「?」 



アンジー「ーーーキーボは、次いつアンジーと “ 一日 ” いっしょにいられるー?」 






887 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:03:55.53 ID:FcQgEipIO



キーボ「………そうですね、スケジュールを再計算してみたところ、二週間後の同じ曜日が妥当かと」 



キーボ「この日ならば、一日近く一緒にいられますよ! アンジーさん!」 



アンジー「………あれ、キーボ、来週のこの曜日はダメなの?」 



キーボ「すいません、その日は眠八號さんとの先約が入ってまして」 



アンジー「えっ、」 



キーボ「有り難いことに、付きっ切りで斬魄刀との対話に関する指南を頂けるとのことでーーーー」 






888 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:08:33.52 ID:FcQgEipIO



アンジー「…………」 



キーボ「アンジーさん?」 



アンジー「主とアンジーは言いました。女心を弄ぶ屑鉄は自爆しろ、と」 

キーボ「ちょっ!? 縁起でもないこと言わないでください!」 

キーボ「というか、“ 女心を弄ぶ ” !?」 

キーボ「真っ赤な誤解ですよ!! ボクと眠八號さんはそんな関係じゃありません!」 

アンジー「…本当、キーボ?」 

キーボ「本当ですよ! 信じてください!」 

アンジー「…そっかー、なら良いけどー」 

真宮寺「まァ、誤解じゃなかったら、涅隊長の手でネジ一本まで分解されることになるだろうけどネ」 

キーボ「恐ろしいことを言わないでください! そして、蒸し返さないでください!」 



真宮寺「ククク…ごめんヨ、ちょっと気になってネ」 

キーボ「いや、本当に蒸し返すのは、勘弁してください!」 



キーボ「ただでさえ普段から涅隊長と大前田副隊長のお二人に、 ただならぬ目で睨まれているんですから!」 






889 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:12:49.50 ID:FcQgEipIO



アンジー「ーーーえっ、」 



キーボ「誤解を招くような発言はくれぐれもーーー」 



真宮寺「大前田副隊長ってーーー」 

アンジー「ーーーなにかなー?」 



キーボ「えっ、?」 



真宮寺「いや、涅隊長はわかるヨ? 眠八號さんの父親だからネ」 

アンジー「だけど、そこでー、どうして、まれち…あの人が出てくるのかなー?」 



キーボ「………ええ、実はこの前、茶柱さんたち四番隊と合同任務をした際、同じく四番隊の希代さん…大前田副隊長の妹さんと仲良くなりましたね」 



アンジー「…………」 



キーボ「ですが、それ以降、大前田副隊長のボクを見る目がさらに厳しくなってーーー」 



アンジー「屑鉄自爆しろ」 



キーボ「ええっ、!?」ガガーンッ 






890 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:15:48.44 ID:FcQgEipIO



アンジー「…………」 



キーボ「ち、ちょっと、違うんですよ! 確かに希代さんにも付きっ切りで、斬魄刀との対話に関する指南をして頂ける予定はありますが決してそんなーーー」 



キーボ「ーーー『屑鉄爆発しろ☆』!? キミまで何を言っているんですか?」 



真宮寺「ククク…どうやら、自分の斬魄刀にまで批難を受けたようだネ」 

アンジー「今回ばかりは刀が正しいみたいだねー」 



アンジー「うんうん、女心のわからない屑鉄だからねー、しょうがないねー」 

キーボ「うぐっ、」 

真宮寺「まったく、これでは卍解修得まで何千年かかることやら。先が思いやられるようだヨ」 






891 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:18:00.60 ID:FcQgEipIO



キーボ「ぐぬぬ…確かにボクにもまだわからない心があるようですが、決してわからないままでは終わらせませんよ!」 



アンジー「…………」 



キーボ「そうでも無ければ、この理解しがたい精神回路の斬魄刀と…もう一人のボクと一生付き合っていくなんて不可能ですから!」 



真宮寺「…………」 



キーボ「絶対にわかってみせますよ! 刀心も! 人心も!」 



キーボ「そうして、いつか卍解を修得して、多くの人の『想い』を大切にできる歯車に、隊長になってみせますからね!」 



キーボ「それが、ボクの歩み続ける、 “ 道 ” です!」 






892 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:21:12.82 ID:FcQgEipIO



アンジー「…うんうん、わかろうとしてくれるなら大丈夫だよー!」 

アンジー「それなら後で、お菓子、また食べさせてあげるねー!」 

キーボ「えっ、」 

真宮寺「………」 

キーボ「待ってください、今日の分は既に頂いてーーー」 

アンジー「………今日、キーボは、アンジーに、一日ずっと付き合ってくれた………」 

キーボ「…………」 

アンジー「それに加えて、ずっと心に斬魄刀の言葉受け止めて、大変だったよね?」 

キーボ「………斬魄刀の相手が大変なのは、確かですね」 

アンジー「だから、アンジーが作った、お菓子、また食べさせてあげる」 



キーボ「………良いんですか?」 

キーボ「また、作らなくてはいけなくなりますよ?」 



アンジー「うんうん、問題ナッシングだよー!」 

アンジー「キーボだったらいくら食べてもデブデブにはならないしーーー」 



キーボ「………………」 



アンジー「ーーー何より、美味しく食べてくれる人がいる」 



アンジー「それなら、アンジーは、いくらでも作れちゃうよー!」 






893 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:23:17.56 ID:FcQgEipIO



キーボ「………ありがとうございます、アンジーさん」 



キーボ「アンジーさんのお菓子、楽しみにしています!」 



アンジー「ふっふー、期待しててねー、キーボ!」 

アンジー「アンジーたちだったら、デブデブになっちゃうくらい、甘くてトロトロなのをーーー」 







アンジー「ーーーたくさん、たくさん、食べさせて、あげる」 







アンジー「満足するまで、ね?」 






894 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:24:46.93 ID:FcQgEipIO















キーボ「………はい!」 

















895 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:26:31.03 ID:FcQgEipIO



真宮寺「………あー、ちょっと良いかな?」 



キーボ&アンジー「「?」」 



真宮寺「いや、無粋なことを言うようでなんだけれどもネ………?」 



キーボ「…………」 



真宮寺「………卍解修得は、隊長になるための基本条件の一つであって、それで隊長になれるとは限らない、ということーーー」 



真宮寺「ーーーそこは、わかっておいて欲しいかな…………」 






896 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:30:05.19 ID:FcQgEipIO



キーボ「ーーーわかってますよ! だからこそ、多くの人の『想い』を大切にできる存在になるんです!」 

キーボ「隊長はその結果に過ぎません! それは、ボクら【十三番隊】の教えが、朽木隊長の教えが証明していることです!」エッヘン 

アンジー「………あれー? でもー、隊長の椅子って、もう空き無いよねー?」 

真宮寺「そうだネ、それでも隊長になるのであれば、隊士二百名以上の立会いのもとで、現隊長と1対1で斬り合うしか無くなるけどーーー」 

キーボ「そんなことするはずが無いでしょう! そんなことしたら、朽木隊長に恩を仇で返すことになりますし! 何より生き残れたとしても絶対に茶柱さん達と苺花さん達から処されますよ!」 

キーボ「ボクが隊長になる時は、ボクがその器を持った上で、誰かが引退したその時です!」 

真宮寺「ククク…そうかい。ならば、斬魄刀に夜長さん………共に生きる誰かとのコミュニケーションに一層励むことだヨ、キーボ君」 



アンジー「…………」 



真宮寺「斬魄刀にも、夜長さんにも、誰にも恥じることの無いようーーー」 



真宮寺「ーーーちゃんと、生きないと、ネ?」 






897 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:31:47.12 ID:FcQgEipIO



キーボ「………もちろんですよ、真宮寺クン!」 



真宮寺「…………」 



キーボ「ボクだって、これからも、ちゃんと生きてみせます!」 







キーボ「キミにも、負けませんからね!」 






898 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:33:18.22 ID:FcQgEipIO






真宮寺(………その意気だヨ) 









真宮寺(キーボ君…………) 








899 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:35:19.61 ID:FcQgEipIO



カランカラン………! 



真宮寺「…おや、これはーーー」 

キーボ「誰か来たみたいですね」スッ… 

真宮寺「…僕が行くヨ。キーボ君は、そこでゆっくりしてて」 

キーボ「…そうですか?」 

アンジー「そうだよー、キーボはお客様なんだから、そこにドッシリだよー」 

アンジー「アンジーはここの居候だから、行くけどねー!」 



アンジー「ゆっくりマッタリ待っててねー、キーボ!」 



キーボ「…わかりました。お願いします」 



スタスタ……… 



……………………………………………………………… 








900 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:42:17.09 ID:FcQgEipIO



……………………………………………………………… 



キーボ「…………」 



キーボ(………客人との話に、時間がかかっているようですね、アンジーさん、真宮寺クン) 


キーボ(…いや、今はアンジーさんの霊圧がこちらに近づいていることからみて、もう客人との話は終わってはいるのでしょうがーーー) 


キーボ(ーーー本当、何でこんなに長く話をしたのでしょうか? アンジーさんの霊圧に特に異常も感じられませんし、 “ おかしなこと ” にはなっていないとは思いますが………) 




キーボ(………それでもここは、集音器の精度を上げて、すぐにでもアンジーさん達の状態を確認するべきでしょうか? 一応いまは非常時以外は禁止されていることですがーーー) 




キーボ(ーーーいや、それなら、普通に、アンジーさん達の元まで出向いた方がーーーー) 






901 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:44:08.57 ID:FcQgEipIO



ガララッ………! 



真宮寺「キーボ君…」 

アンジー「キーボ」 



キーボ「あっ、アンジーさん! 真宮寺クン!」 

キーボ「どうかされたんですか? かなり時間がかかっているようでしたがーーー」 



アンジー「ーーーあー、ちょっとねー」 

真宮寺「ーーーごめんヨ、確認のために話し込んでしまってネ………」 



キーボ「確認?」 



アンジー「そうだよー、神さまカードにも必要な本人確認だよー」 

真宮寺「目の前にいる相手が、誰であるか、をネ…………」 






902 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:45:44.25 ID:FcQgEipIO



キーボ「………?」 



アンジー「…………」 



真宮寺「…………」 



キーボ「それは、どういうーーー」 




スタスタ………スウッ 




キーボ「………えっ、」 






903 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:47:18.20 ID:FcQgEipIO















「…………………………………………………………」 

















904 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:49:30.66 ID:FcQgEipIO



キーボ「…え、えーと………?」 




「…………」 




キーボ「………あー、その、はじめまして、ボクは死神ロボット、キーボと申します」 




「………………」 




キーボ「………すいませんーーー」 



キーボ「ーーーお手数ですが、あなたが、 “ どなた ” なのかーーー」 



キーボ「ーーーそれで、こちらにどのようなご用件か、お聞かせて頂いても、よろしいでしょうか?」 






905 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:51:13.16 ID:FcQgEipIO



アンジー「………キーボなら、わかるんじゃない?」 



キーボ「…えっ、?」 



アンジー「名前、聞かなくてもさ」 



キーボ「??」 



真宮寺「………もし、僕達からヒントを出せるとすれば、彼は “ 死神の名を冠する者 ” 達によって、価値を見出され、ここまで辿り着いた魂であることーーー」 



真宮寺「ーーーただ、それだけだヨ」 






906 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:53:46.30 ID:FcQgEipIO



キーボ「… “ 死神の名を冠する者 ” 、 “ 達 ” ………?」 



キーボ(まさか、それってーーー) 




「ーーー久しぶり」 




キーボ「ーーーえっ、?」 




「ーーーそして、ありがとう」 




キーボ「ーーー!?」 




「………決して忘れない」 




「 “ あの暗闇 ” を空の光で照らし、道を見出してくれたのは、誰だったかーーー」 




「ーーー決して忘れることは無い」 




「この心に、今も残っているーーーー」 






907 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:55:30.70 ID:FcQgEipIO















キーボ「ーーーーーーーーーーーーーーー」 

















908 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:58:22.51 ID:FcQgEipIO




「ーーーあの時、暗闇を照らして、道を見出してくれたからーーー」 




「ーーーその道を歩んで、人の世を生き抜くことができた」 




「夢を、叶えることができたんだ」 




キーボ「ーーーーーーーーーーーーーーー」 




「………だけど、夢は、いずれ終わりを迎える」 




「その果てに、黒崎さんによって新たな道が見出されーーー」 




「ーーー歩みを続け、探し出し、こうして、ここに辿り着いた」 




キーボ「ーーーキミ、はーーーー」 




「………改めて、言うよーーーー」 






909 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 21:59:48.26 ID:FcQgEipIO






「ーーー道を、見出してくれてーーー」 












「ーーー本当に、ありがとう」 








910 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:02:12.10 ID:FcQgEipIO



アンジー「…………」 

真宮寺「………………」 



キーボ「あ、ああ………!!」 



キーボ(ーーー間違いない! この人は、紛れもなくーーー) 




「………………………………………」 






911 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:05:08.11 ID:FcQgEipIO






(ーーー其れは花火) 






(血を糧とした鉄の刃で振り下ろされる光と、眼前に広がる可能性の闇が想い描いた、夜空の輝き) 






(そのかけがえのない価値は、時に代償として、我が身を別れの業火で焼き焦がす) 






(それでも、恐怖を退け、心が見出した輝きはーーー) 






(ーーーきっと、勇気となって、胸に刻まれる) 








912 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:08:48.51 ID:FcQgEipIO















「ーーーただいま!」 

















913 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:10:24.69 ID:FcQgEipIO



キーボ「………おかえりなさい!」 



キーボ「そして、こちらこそ、ありがとうございました!」 




「………………………」 




キーボ「最後まで、生き抜いてくれて!」 



アンジー「…………」 

真宮寺「…………」 



キーボ「ボクは、それがとても嬉しい」 






914 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:12:22.94 ID:FcQgEipIO






キーボ(……… “ こちら側 ” に来てしまった、その悲しみはあれどーーー) 






「………………」 






キーボ(ーーーそれでも、嬉しい) 






キーボ(また、会えて!) 








915 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:13:21.17 ID:FcQgEipIO















「ーーーーーーーーーーーーーーーーーー」 

















916 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:14:43.40 ID:FcQgEipIO















キーボ「本当に、おかえりなさい! そしてーーーー」 

















917 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:15:49.92 ID:FcQgEipIO















キーボ「ーーーようこそ、尸魂界(しごのせかい)へ!」 

















918 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:20:05.36 ID:FcQgEipIO






「ーーー輝きとは、重なり」 









「或る時は刀、或る時は弾丸、或る時はふたつ混じる一夜の夢となって、世に現れる」 










「最後に名乗り上げるは、 “ 機械仕掛けの死神 ” 」 









「祈るように重なり、愛しあうように輝き、心中のように壊れあう、夢夜の歯車」 









「この世の全ては、終わりを迎え砕かれる、黒の棺にある」 








919 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:22:08.00 ID:FcQgEipIO






「砕かれた先に、ある世界ーーー」 













「ーーー想い描くは、胸の痛み」 








920 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/29(金) 22:27:30.00 ID:FcQgEipIO

以上で完結です。 

このSSを読んでくれた人には、本当にありがとうございました。



921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/03/30(土) 11:49:03.51 ID:mMnWjnKro

乙 
オサレポエムすごくいいな、原作感ある 
キーボは爆発しろ



922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/03/30(土) 21:38:27.08 ID:AbCCUCPZO

全部作られたものだとしても胸の痛みだけは本物なんだよなあ 
キーボが死後に感じた光ってなんだったんだ



923 : ◆02/1zAmSVg 2019/03/30(土) 23:52:25.45 ID:xIxDvyxEO

>>922 
遅くなりましたが、質問に答えます。 

キーボが死後に感じた光とは、ぶっちゃけると、>>575でモノクマ?の言っていた、 “ 崩玉によって霊圧をブーストされた滅却師 ” のことです。 

滅却師は、星十字騎士団の完聖体などを見るに、霊圧が大きくなるほど、その滅却師は天使っぽく光輝くように見えたので。キーボはその光を死後に感じました。 



もし、他にわからないことやわかりづらいことがあれば、質問してくれて大丈夫です。可能な限りお答えします。



924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/03/31(日) 02:25:20.09 ID:iQgUyHzp0

春川、夢野……



925 : ◆02/1zAmSVg 2019/04/01(月) 00:06:20.20 ID:ecxYxTW9O

おまけ編を別スレで立てました。よろしければお読みください。 

キーボ 「砕かれた先にある世界」おまけ編 




>>921 
すごくいいと言って頂き、ありがとうございます。オサレな感じを出そうと必死に考えた甲斐がありました。 



>>924 
春川と夢野がどうなったのか?という質問ですか? 

それならば、肉体が死なない限りは、現世にいます。 

今作の舞台が死後の世界である都合上、彼女たちの出番がアレなことになってしまいましたが、>>1の頭の中では、苦難はあれど幸せに生きてることになっています。 

(春川や夢野がどうなったのか?について書けるのはここまで。あまり具体的に書いちゃうと、想像の余地が減っちゃうので)







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