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    カテゴリ: 結城友奈は勇者であるSS

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528981275/

    1: ◆BHtXRZieJ2 2018/06/14(木) 22:01:16.13 ID:+BSudOYo0

    「起立!神樹様に、礼!」

    神世紀300年、讃州中学校2年の教室。
    そこでは今日一日の授業を終えた生徒たちがホームルームを終え、この世界を守る神樹へと祈りを捧げていた。
    しかし、そんな中ただ一人、椅子に座ったまま腕組みをし、ふんぞり返っている女子生徒がいた。

    「けっ、なぁにが神樹サマじゃい、アホらしい」

    彼女の名は結城友奈。讃州中学の二年生であると同時に、暴力団・結城組の二代目組長でもある。
    彼女の父親である結城組の初代組長は先月、敵対する暴力団との抗争の末、命を落とした。
    その結果、彼の一人娘だった友奈が若干13歳にして二代目組長となったのである。





    3: ◆BHtXRZieJ2 2018/06/14(木) 22:10:20.09 ID:+BSudOYo0

    「友奈ちゃん、ちゃんとお祈りしないと、先生に怒られちゃうよ」

    「そう堅っ苦しい事言うな東郷。わしは神頼みなんぞ大嫌いなんじゃ!」

    ホームルーム終了後、友奈は彼女の親友である車椅子の少女、東郷美森と共に勇者部の部室で談話に興じていた。
    勇者部。それは、友奈と東郷を含めた4人の部員で構成された部活であり、
    人々のためになることを勇んで実施する事を目的としている。
    部室の壁には、友奈が考えた勇者部五箇条が貼り付けられている。

    勇者部五箇条
    一、弾なんぞ怖いと思うから当たる!
    一、ケンカは先手必勝!
    一、目に見える健全さと不健全さを!
    一、核が怖くて勇者は務まらず!
    一、暴力は相手をブチのめしてなんぼ!



    4: ◆BHtXRZieJ2 2018/06/14(木) 22:18:20.42 ID:+BSudOYo0

    「友奈ぁ!!友奈は来てる!?」

    突如、部室のドアを乱暴に開け放ち、一人の少女が姿を現した。犬吠埼風。勇者部の部長である。
    呼吸は乱れ、肩と声は震え、その顔は鬼のごとき形相である。
    彼女が怒り狂っていることは火を見るよりも明らかだった。
    だが、そんな風の姿を見ても友奈はまったく臆することなく、あっけらかんとした態度で応える。

    「おお、なんじゃい風先輩!そないな、おっそろしいツラしてどうしたんじゃ!悪いモン食って腹でも下したか?」

    「どうしたもこうしたもない!あんた、昨日自分が何したか分かってるの!?」

    「お、お姉ちゃん落ち着いて…」

    悪びれる様子もない友奈の態度に、風はますます怒りを露わにしながら友奈に食ってかかる。
    風の背後からは、彼女の妹であり、4人目の勇者部部員である犬吠埼樹がおずおずとした様子で入室してきていた。

    「もちろん分かっとる!勇者部の使命に従って、学校の風紀を乱すクソガキをブチのめしてやったんじゃ!
      なんの問題もないじゃろうが!」

    友奈の言っている事は嘘ではない。友奈は昨日、同級生からカツアゲしている3人の1年生に制裁を加えたのである。
    しかし問題は行為ではなく、程度の問題だった。



    5: ◆BHtXRZieJ2 2018/06/14(木) 22:24:00.12 ID:+BSudOYo0

    「だからって全員病院送りにする事ないでしょうが!全治4ヶ月よ!少しは手加減しなさいっての!」

    「じゃあかしい!勇者部五箇条ひとつ!目に見える健全さと不健全さを!
     健全さを守るためには、多少の暴力は必要なんじゃ!エンコが残ってるだけでも有難いと思わんかい!」

    おたがい一歩も引かずに口論を繰り広げる友奈と風。
    東郷と樹はなんとか仲裁しようと二人の様子をうかがうが、まったく入り込む余地はない。

    「なにが健全さと不健全さ、よ!もっともらしい事いって、結局は自分のケンカを正当化してるだけじゃない!
     勇者なら勇者らしく、仁義を通しなさい!」

    「勇者もクソもあるかい!歯向かう奴はみんなブチ殺しちゃるんじゃ!それに、どこかの偉い弁護士のセンセが言っとったぞ!
     英雄ってのは、なろうとした時点で失格なんじゃ!つまり、さっきから勇者勇者いっとるアンタが一番、勇者失格なんじゃ~!」

    「こ…このバァタレ~~~!!」

    怒りのあまり、友奈の口調がうつった風が、ビンタで友奈を張り倒す。

    「もういい!樹、帰るよ!」

    「ま、待ってよお姉ちゃ~ん…」

    風はそのまま、肩を怒らせながら部室を後にした。
    樹もその後に続いて部室を出てゆく。




    【【ゆゆゆ】結城友奈は極道である【極道兵器】】の続きを読む

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1519387520/

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 21:05:21.09 ID:bVYklYiA0

    ゆゆゆのショートギャグSSです。

    短い作品ですが、楽しんでもらえるよう一生懸命ガンバるので、応援よろしくお願いします!!

    以下の点に該当する方なら、この作品をより楽しめると思います!

    ・キャラ崩壊が大丈夫な方

    ・百合描写が好きな人

    ・刃牙シリーズのファン

    ・ヤンキー漫画の愛読者

    ・蟹座のデスマスクの追っかけ






    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 21:06:22.28 ID:bVYklYiA0

    友奈「」

    東郷「…嘘でしょ…友奈ちゃん…」

    東郷「目を覚ましてよ…ねぇ…!」ユサユサ…

    友奈「」死~ン…



    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 21:07:31.72 ID:bVYklYiA0

    ガラッ!

    夏凜「部活に来たわよ~…って友奈!?」

    夏凜「東郷! 友奈はどうしたのよ!?」

    東郷「夏凜ちゃん…友奈ちゃんが…友奈ちゃんが…」グス…グス…

    東郷「…友奈ちゃんが、喉にうどんを詰まらせて死んじゃったの!!」



    4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 21:11:01.18 ID:bVYklYiA0

    遡ること数分前

    友奈「部活に来たよ~!」ガラッ!

    友奈「…ってアレ? 誰もいない…」

    東郷「どうやら私たちが1番乗りみたいね」

    友奈「やったぁ! いっちばんのりぃ~♪」ルンルン♪

    東郷(友奈ちゃんてば、ホントにバカかわいいんだから…)クスクス



    5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 21:15:06.07 ID:bVYklYiA0

    友奈「…あ、でもみんなが来るまでヒマだなぁ~…」

    東郷「だったら私と国防について熱く語りましょ?」

    友奈「却下! あぁ~あ、ヒマだなぁ~…ってそうだ!」ガサゴソ…

    友奈「東郷さん! これ見て~~!」

    テレレレッテレ~♪




    【東郷「友奈ちゃんが喉にうどんを詰まらせて死んじゃった…」】の続きを読む

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    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 22:10:48.62 ID:QHT5/WDn0

    すみません、前スレで終了の予定でしたが唐突に最終話を投下していきます
    (需要がないのは理解しているのですが、何となく最後まで書きたくなってしまいまして……)

    高嶋友奈の章・第一話「出会い」:郡千景「結城友奈は勇者である」

    高嶋友奈の章・第二話「心の平安」:高嶋友奈「結城ちゃんは勇者である」(前スレ)

    高嶋友奈の章・第三話「純潔」:結城友奈「これは勇者たちの物語」(このスレ)







    2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 22:13:46.49 ID:QHT5/WDno

    *大赦本部前

    高嶋友奈「風先輩を止められるならこれくらい! だって私は勇者だから」

    友奈(それはどこかで聞いた言葉で、結城ちゃんなら言っただろう台詞。……私は勇気ある人じゃないけど、この世界で二年を過ごした結城友奈であることにも間違いないから、自然とその言葉が出てきたのだと思う)

    犬吠埼風「ゆう、な……」

    友奈(『結城ちゃんは勇者である』で言うと確か九話の場面。風先輩の姿がとても心に刺さって、泣いてしまったことを辛うじて私は覚えている。あの場面と同じ光景の今、目の前で風先輩は私の名前を小さく呟いてくれた。そして──)

    三ノ輪銀「……!」

    三好夏凜「……ぁ……」

    ギュッ

    犬吠埼樹「……」

    風「……いつき……」

    友奈(樹ちゃんが風先輩の背中を抱きしめる。泣きそうな顔で、だけど泣いたりなんかしないで、強く強く、風先輩を抱きしめていた)

    風「あ、あぁ……っ……ああぁ……ッ」

    友奈(……風先輩は泣き崩れてしまったけれど……大丈夫。今はそばに樹ちゃんが居る)

    風「……ごめん……ごめん、皆……」

    友奈(私と夏凜ちゃんと銀ちゃんは、ただ静かに風先輩と樹ちゃんのやり取りを見つめている。樹ちゃんが風先輩にスマホの画面を見せているところだった)

    樹『私達の戦いは終わったの。もうこれ以上、失うことはないから』

    風「でも! 私が勇者部なんて作らなければ──!」

    樹「……」フルフル

    友奈(樹ちゃんはポケットから一枚の紙を、私たちが書いたあの時の寄せ書きを……取り出して、ペンを走らせる。……いつも大事に持っていてくれたんだね……)

    樹『勇者部のみんなと出会わなかったら、きっと歌いたいって夢も持てなかった。勇者部に入って本当によかったよ』

    友奈(……うん。そうだね、樹ちゃん)

    友奈「風先輩、私も同じです。だから、勇者部を作らなければ、なんて言わないで下さい」

    風「……っ……」

    風「……あぁ……あぁぁあぁぁぁ……っ!」

    友奈(風先輩の握った拳はどこにもぶつけられることはなくて、風先輩の全てを樹ちゃんの小さい身体が包み込み、決して離さないように抱きしめていた)

    友奈(……確か九話のタイトルは"心の痛みが分かる人"でアマドコロの花言葉。今の樹ちゃんにこそ相応しい植物の名前、だったんだね……)






    3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 22:18:21.76 ID:QHT5/WDno

    友奈(泣き続ける風先輩を樹ちゃんがなぐさめ続けている。風先輩の優しさが起こしてしまった出来事だから悲しい光景だけど、それでも確かに、あたたかい時間はそこにあって──)

    友奈(突然、目の前に私たちのスマホが現れた。緊急速報のような不快な異音が鳴り響く。見ると、この場に居る全員、夏凜ちゃんと銀ちゃんのスマホも同じ状態だった)

    銀「特別警報発令……と言うことは──!?」

    パァーッ

    友奈("私が行かないと!"と思った時には、鮮やかな色が世界に広がり、私たちは樹海の中に居た。……風先輩を止めることはできた。なら、私が今行うべきことは──)

    夏凜「──しっかりしなさい、私! 緊急事態だとしても、まずは状況確認よ。バーテックスの一体や二体私が──え……? なによ、これ……」

    友奈(皆の居場所を示すいつものスマホの画面は、半分近くが真っ赤に染まっていて、その赤い点全てがバーテックスだと私は知っている。──東郷さんの名前は画面の一番端、私たちと最も離れた場所にあった)

    友奈「東郷さん……!」ダッ

    夏凜「待ちなさい! 友奈!」

    友奈(いても立ってもいられず、私は駆け出していた。後ろに夏凜ちゃんの気配は感じていたけど振り返る余裕なんてなかった)

    友奈(進み、大量のバーテックスが壁の穴から侵入してくる姿を目の当たりにする。アニメで見た時よりとは比べ物にならない、本能に訴えかけてくるような恐怖があった。心臓の中で冷たい感触だけが広がっていく。──でも、壁のそばには私が探していた人も確かに居て)

    友奈「東郷さん! ──え……?」

    友奈(アニメで見た覚えのある武器を構えた東郷さんの後ろ姿。そこからさらに奥、私のよく知る人が……壁の上で、東郷さんを見守るように立っていた)

    友奈「ぐん、ちゃん……?」

    友奈(勇者姿になったぐんちゃんが、何故か目の前に居て──今更ぐんちゃんの端末が私たちのスマホに表示されていないことに気付いてしまう──違う! 今はそんなことはどうでも良くて──!)

    夏凜「何やっているのよ東郷! まさか千景もなの!?」

    郡千景「……」

    東郷美森「……見ての通りよ、夏凜ちゃん。壁を壊したのは、私よ」

    夏凜「な……っ! 何を言っているのか、分かっているのあんた!?」

    友奈(夏凜ちゃんはもう追い付いていて、夏凜ちゃんの言葉に東郷さんはアニメで聞いた覚えのある言葉を返している。でも、そんなやり取りすら満足に私の耳へは入って来なくて……ただ私は、ぐんちゃんに向かって)

    友奈「ぐんちゃん……どうして、ここに居るの……?」

    友奈(私の口から辛うじて出た問いに、ぐんちゃんが初めて目を合わせてくれる。いつものぐんちゃんの優しい瞳だった。だから安心してしまう。……だけど)

    郡千景「……そうね、言葉にするなら物語の行く末を見届けるために、かしら。……私は東郷美森を止めることなく、こうして今も見過ごし続けている。言わば彼女の共犯者と言っても過言ではないのでしょうね」

    友奈(……ぐんちゃんの言っていることが理解できない……したく、なかった)







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    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/16(火) 21:53:29.36 ID:sGbfdUF70

    *勇者の章第四話・海の前で友奈と夏凜が二人きりのシーン

    夏凜「──その気持ちを持たせてくれたのは友奈たちなの」

    夏凜「……何があったの、友奈?」

    友奈「……あ、あの──」

    友奈「本当に何でもないんだ」ニコッ

    夏凜「……そう……」

    夏凜「……悩んだら相談、じゃなかったの……?」

    友奈「夏凜ちゃん……」

    夏凜「……私、友達の力になりたか──」ウルウル

    マテーイ!

    友奈「!」



    国防仮面「憂国の戦士、国防仮面見参!」ドドーン!



    夏凜「!?」









    2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/16(火) 21:54:41.86 ID:sGbfdUF7o

    友奈「わぁ! 国防仮面さんだ! サインください!」キラキラ

    国防仮面「いえ、友奈さん、私は国防中ゆえ」ゴメンナサイ

    友奈「あ、そうなんだ……」シュン

    国防仮面「……くっ! ここは耐えるのよ、私! 今は国防中でしょう!」

    夏凜「……何やってんのよ、あんた?」

    国防仮面「……この辺で飴の包み紙を歩道に捨てた不届き者が居ると聞いたわ。夏凜ちゃん、犯人に覚えはないかしら?」

    夏凜「いや、見ての通りここに居るのは私と友奈だけでしょ? それいつの話よ?」

    国防仮面「今日の正午過ぎね」

    夏凜「今夕方よ!? あの夕日が見えないの!?」

    国防仮面「そう、悪は立ち去ってしまったのね……。この東郷美森! 一生の不覚!」

    夏凜「本名名乗ってる名乗ってる」

    国防仮面「はっ!? ……そ、それでは私はこれで!」トォッ!

    スタタタッ






    3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/16(火) 21:56:22.51 ID:sGbfdUF7o

    夏凜「何だったのよ、あれ……」

    友奈「今度は国防仮面さんがお休みの日にサインをもらわなきゃ」

    夏凜「……ええと、私たち何の話をしていたんだっけ?」

    友奈「確か、夏凜ちゃんが『私、友達の力に成孝』って言ったところだったかな?」

    夏凜「ナリタカって誰よ……? でも、そうそう、そんな場面だったわ。こほん……悩んだら相談じゃなかったの……? 私、友達の力になりたか──」



    国防仮面弐号「この空気で続けるんかーい」ビシッ!



    夏凜「!?」







    【結城友奈「勇者の章第四話裏? 何のことだろうね、東郷さん?」】の続きを読む

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    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/19(火) 19:52:58.72 ID:WIN2YWrH0

    あらすじ:普通の日常を送る高嶋友奈は、とある事情から勇者に変身することになる

    高嶋友奈という名前の少女が『結城友奈は勇者である』の世界に行くお話です
    下記スレの続編となりますのでご了承願います

    郡千景「結城友奈は勇者である」










    2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/19(火) 19:57:47.50 ID:WIN2YWrHo

    *プロローグ

    高嶋友奈(昔、友達にひどいことを言ってしまった)

    友奈(謝らなければ、と思った。だけど……私には勇気がなかった)

    友奈(謝れないまま時間だけが過ぎていき、結局私は転校することになって、その友達とはそれっきりになってしまった)

    友奈(とても、後悔している)

    友奈(もう二度と、あの子に謝ることはできなくなってしまったから)

    友奈(それ以来、私は他人を傷つけないように、同じ間違いを犯さないように、細心の注意を払いながら生活している)

    友奈(辛くても苦しくても、どんな時でも……笑顔を浮かべて)

    友奈(明るい人だ、気配りができる人だ、ムードメーカーだ、なんて言われるけど、本当の私はただただ他人に怯えているだけの弱い人間でしかない)

    友奈(本当は、とても嫌になることもあるけど、それでもやっぱり他人を傷つけるほうが嫌だったから、私は皆の思い描く高嶋友奈を演じ続けるしかなかった)

    友奈(そんな日々にも慣れてきたある日のこと)

    友奈(迷い猫を追いかけて、路地裏? と言われるような場所に迷い込んだら、そこには私と同い年くらいの女の子が動くことなく座っていた)

    友奈(一瞬だけ嫌な想像をしてしまったけど、やっぱりそんなことはなくて、女の子はただ単に地べたに座っているだけのようだった)

    友奈(ひどい顔をしている……)

    友奈(それが正直な女の子の第一印象。でも、そんな顔は鏡でいつも見ていたから、直感的に私と同じなのだと思った)

    友奈(──放っておけば潰れてしまう)

    友奈(それが分かっていたから……あの時の自分を見ているように思えたから、私は声をかけていた。少しだけ勇気が必要だった)

    友奈「大丈夫?」

    少女「……」

    友奈(女の子は何も言わず私を見て、何故だか怯えているように見えて、最後に目を細めた。だから、私は怖くなんてないんだよ、といつもの笑顔を被せてみる)

    友奈(……ちょっとだけその子の気持ちが分かってしまっていたから、笑顔は少しだけ失敗していたのかもしれない)

    友奈(それは、もう謝ることのできない友達へのしょくざいだったのだと思う。私の口は自動的にこう告げていた)

    友奈「もし行くところがないんだったら、良ければなんだけど……うちに来る?」

    少女「……」

    少女「……良い、の……?」

    友奈(私は笑顔で頷き──今度は上手くいったと思う……ううん、違う、本心からの笑顔だったから成功も失敗もないんだ)

    友奈(私が許されることは決してないけど、この時、ほんの少しだけだけど、誰かから許してもらったような気がした。だから、自然に笑えていたんだと思う)

    友奈(私は女の子の凍えるように冷たい手を握った。女の子もそれに僅かに応えてくれて、お互いの手はほんの少しだけあたたかくなった)

    友奈(これが、郡千景ちゃん──ぐんちゃんとの出会い)






    3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/19(火) 20:01:03.53 ID:WIN2YWrHo

    *???

    友奈「……あれ……?」

    友奈(気が付くと、私は知らない場所に居て、多分大きな森の中に居るのかな? 足元に大きな木の根が伸びているのが見えた)

    友奈「でも、この根……いくらなんでも大きすぎるし、それに色がとっても鮮やかで……きれい……」

    友奈(思わず感激してしまう。見渡してみると、周りには同じように大きな植物がいっぱいあって、どれもカラフルって言葉がぴったしな色ばっかり。……あれ? でも、この光景ってどこかで……?)

    友奈「……!」ハッ!

    友奈「まさか、この場所って!?」

    友奈(思い当たり私は首を必死に動かして、周りをよく観察してみる。──やっぱりだ!)

    友奈「ここって……結城ちゃんは勇者であるの樹海、だよね……?」

    友奈(私が今見ている光景は、ぐんちゃんと一緒にハラハラしながら見ていたアニメ『結城ちゃんは勇者である』に出てきた樹海と呼ばれる場所にそっくりだった)

    友奈「ええと、私、夢でも見ているのかな……?」

    友奈(熱中して見ていたアニメだったからその影響で見た夢なのかも。でも、頬をつねると……痛い! やっぱり夢じゃない? でもでも、ぐんちゃんは夢でも痛みはあるって言っていたし……いや、だけど、うーん……)

    友奈(今の状況がよく分からなくて、私はちょっとだけ混乱し始める。だけど、そんなことをしている余裕なんて本当はなくて)

    ドカーン!

    友奈「何!?」

    友奈(交通事故でもあったような音だったよね、今の? でも、こんな大きな森の中で事故って……?)

    友奈(気付けば私は、音のした方向に無意識に歩いて、走っていて、音がどんどん大きく激しくなっていく。"そこ"にあったものたちが見えていたはずなのに、ううん、見えていたからがむしゃらに走った。必死に見えないふりをして)

    友奈(そして)



    女の子「こっから先は……通さないッ!!」ウォォォー!


    友奈(目の前で小柄な女の子が──ばーてっくすと、戦っていた)








    【高嶋友奈「結城ちゃんは勇者である」】の続きを読む

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    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:18:45.97 ID:mzeH5qo90

    ※結城友奈は勇者であるSSです。
    ※地の文アリ
    ※独自解釈アリ
    ※勇者の章開始前のお話です。
    ※次レスよりお役目スタート






    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:20:47.75 ID:mzeH5qo90

     東郷さんの隣を、並んで歩く。そんな喜びも自然な日常になってきたなあ、なんて思う。少し前までは、彼女の後ろが私の定位置だったのに。
     こうして歩いていると、色んなことに気がつく。たとえば、東郷さんは私より背が高い。勿論知ってはいたのだけれど、それを実感することはあまりなかった。隣を見ると、少し上に東郷さんの綺麗な横顔が見える。なんだか頬がカッと熱くなる気がした。

    東郷「どうしたの、友奈ちゃん?」

     不思議そうな顔をする。その表情がどこかあどけなくて、彼女の美しさとのアンバランスにくらくらする。

    友奈「東郷さんと二人でこうやって歩けるなんて、幸せだなあって」

     東郷さんも私の顔を見ていて、私も東郷さんの顔を見つめている。自然と手が伸びて、彼女のそれを握っていた。冷たくて、もちもちしていて気持ち良い。

    東郷「もう、友奈ちゃんったら。またそれなの?」

     台詞こそ困っているようだけれど、東郷さんは満面の笑みだ。これが脚以外で最大の変化だと思う。



    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:23:15.35 ID:mzeH5qo90

     東郷さんはよく笑うようになった。今までも、彼女はいつも微笑みを浮かべている女の子だった。けれど、こんなにも『満面の笑み』と言いたくなるようなとびきりの笑顔を見せてくれるようになったのは、最近だ。

    友奈「だって、本当に嬉しいんだもん」

     だから、嬉しい。私は東郷さんが大好きだ。私の大事な親友。お隣さん。同級生。勇者部の仲間。一緒に戦った勇者。どんな言葉でも足りない、私の大切な人。

     私たちは誓いあった。お互いを守ると。だからこうして、一緒に並んで歩けることが信じられないくらい幸せなんだ。

    友奈「いつまでもずっと、こうしていたいなあって思っちゃう」

    園子「わー、ゆーゆは大胆だね~」



    4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:27:47.36 ID:mzeH5qo90

     突然前方から聞こえてきた声に、はっとなる。気付けば東郷さんの両手を強く握りしめて自分の胸に引き寄せていた。

    樹「まるでプロポーズみたいでした……」

    風「お熱いのはいつものことだけど、もうお店ついたわよ」

    友奈「わわっ! ごめん、東郷さん!!」

     咄嗟に謝る。

    東郷「ゆ、友奈ちゃんからプロポーズ」

     見れば東郷さんの頬は紅くなっていて、譫言を口走っていた。

    友奈「あはは……」




    【結城友奈「東郷美森は鷲尾須美である」】の続きを読む

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    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/29(水) 21:32:36.31 ID:JU90r9BW0

    あらすじ:ぐんちゃんにびっくりする事がおきる

    郡千景という名前の少女が『結城友奈は勇者である』の世界に行くお話です
    『乃木若葉は勇者である』の内容も含むためそこまで把握されている方は多くないかもしれませんが、お付き合いいだけましたら幸いに思います(ゆゆゆいでもOKです)









    15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/30(木) 00:56:40.51 ID:rORV8ttxo

    読み返してみると誤字脱字、特に重複になっている部分が目立ちますね
    特に冒頭が酷かったのでこれだけ修正版を上げておきます。他の部分は脳内補完で何とかお願いします……


    >>2
    *プロローグ

    郡千景(私の家庭環境は最悪だった)

    千景(だけれど、逃げ道は潜在的な恐怖により塞がれ、ゴミクズのような日々は私を縫い付けていく)

    千景(あいつらが存在する限り、私の地獄は終わらない)

    千景(その日もいつもと変わらない陰鬱な気持ちで帰路に着いていた)

    千景(切っ掛けは覚えていない。気付けば私は建物と建物の間にある薄汚れた路地裏で座り込んでいた)

    千景(動けないと思った。おそらく動きたくないのだと思った。限界は疾うに超えていた)

    千景(体育座りのまま時間は過ぎていき、辺りは闇に包まれていく)

    千景(こうしてじっとしていればいつかは死ねるのだろうか、と考えた)

    千景(同時に、あいつらが今にも現れることを想像して恐怖に身体が凍えた)

    千景(最低の行為ばかりするあいつらであっても世間の体裁は整えようとする。自然、私はあの家へ帰ることになるのだろう。あいつらの手によってか、私の脚か、の違いだけで後者のほうが余程マシに思えた)

    千景(辺りに積もる夕闇は一層濃くなり、自身のこれまでとこれからをあたかも示しているかのようだ。絶望がいつも以上に胸を黒く塗りつぶしていく。だから、もう私に残された手段は自発的な■だけしかなくて、そうすることが唯一の救いなのだと──)



    少女「大丈夫?」



    千景(闇よりも深い私の内部に、正反対のひだまりのような声が聞こえてきた)

    千景(表情のない私の顔は無意識に声の方向を向き──そこには、山桜のような可愛らしい少女の、少し困った表情があって──)



    少女「もし行くところがないんだったら、良ければなんだけど……うちに来る?」



    千景(──それが、彼女との出会いだった)







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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511865347/

    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/28(火) 19:35:47.77 ID:nFkpYmF90

    PCゲーム、ゆゆゆい、のわゆ、読み切り小説等のネタが多少含まれています
    時間軸的には勇者の章1話前後です









    2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/28(火) 19:38:00.35 ID:nFkpYmF9o

    *ある日・三人での部室

    乃木園子「わっしー……私眠いんよ……」ウツラウツラ

    東郷美森「そのっちが眠そうにしているのはいつものことだけれど、今日は一段と眠そうね?」

    園子「昨日は十時間しか、寝てないんよ……」

    美森「それは寝過ぎよ、そのっち。九十分周期に睡眠を組み込めていないのと睡眠過剰で眠くなっているのよきっと」

    園子「それは言わないお約束だよぉ、わっしー」

    結城友奈「……」

    友奈「ねぇ、東郷さん。園ちゃんがわっしーって呼んでいる由来は今更だけど聞いても良いのかな?」

    美森「もちろん構わないわよ、友奈ちゃん。──私は昔、小学6年生の時分に、鷲尾という親戚筋の養子となったの。その際改めた名前が鷲尾須美になるわ」

    園子「当時の勇者は大赦の身内でやっていかなければならなかったからね。名家である鷲尾家はどうしても勇者の素質のあるわっしーが欲しかったんだよ」

    友奈「そう、なんだ……。そ、それじゃあ私も東郷さんのことを須美ちゃんって呼んじゃったり、なんて──」

     その時、東郷美森に電流が奔る!
     記憶にないはずの思い出(詳しくは花結いのきらめきをよろしくな!)が須美の頭の中を駆け巡ったのだった!

    美森「友奈さん! 今からでぇとに行きましょうか!?」ガバッ

    友奈「と、東郷さん……?」

    園子「わっしー、ゆーゆに近づき。あと、鼻息荒くてちょっと怖いよ?」

    美森「ご、ごめんなさい友奈ちゃん。新鮮な呼ばれ方だったものだからちょっとだけ興奮しちゃった」ハァハァ

    友奈「そ、そうなんだ。……ええと、須美ちゃん?」

    美森「はい! 友奈さん!! どこまでもお付き合いさせてください!!」クワッ

    園子「……人様にお見せできない顔になってんるよ、わっしー……」

     ……うん、須美はこういう奴だったな






    3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/28(火) 19:42:36.66 ID:nFkpYmF9o

    *ある日・東郷宅

    美森(返ってきた私たちの供物……。だけれど、これは本当に私たちのものなの?)

    美森(端的に言えば、自分の肉体で五感のはずなのに"慣れる"のに時間が掛かり過ぎだったように思うのだ)

    美森(例えば夏凜ちゃん。彼女の満開時期を考えれば、私の足のように筋力が衰えていることは考えづらく供物返還と共に歩行可能となっていてもおかしくないのではないだろうか?)

    美森(もちろん神樹様の行うことを現実の事象と照らし合わせることは無為であるのだけれど違和感はどうしても付きまとう。現に私の記憶だって──)

    美森「……はっ!」

     その時、東郷三森は天啓を得た!

    美森「もしかしてこれは──"供物返還がちゃ"と言うものなのかしら!?」

    美森(返ってきた供物に違和感があるのは、そう! 神樹様が他の子と取り違えてしまったに違いないわ!)

     ガチャって、須美……・
     あと、それだと随分おっちょこちょいな神樹様になってしまうぞ?

    美森(足の機能を供物として捧げたのは私、そのっち、夏凜ちゃん、そして──友奈ちゃん!)

    美森(つまり、この足の機能は! 友奈ちゃんのものなのかもしれない!!)スリスリ

     ……おめでとう! 須美は脚フェチに進化した!
     と言うかさ、考えてみれば神樹様こそ脚フェチなのかもしれないよな






    4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/28(火) 19:46:56.52 ID:nFkpYmF9o

    *ある日・夏凜の家

    美森「友奈ちゃんの立ちくらみが心配なの……」

    三好夏凜「友奈自身は大したことがないって毎回言っているけど確かに気になるわよね」

    美森「あまり考えたくないことなのだけれど、立ちくらみの間、実は樹海化が起きていて、友奈ちゃんが一人でバーテックスと戦っているなんてことを最近考えてしまうの……」

    夏凜「そ、それはちょっと飛躍し過ぎじゃない? 第一、そんな大事を秘密にするような子じゃないでしょうよ」

    美森「もちろん、私も分かってはいるのだけれど、どうしても考えが頭を過ぎってしまって……」

    夏凜「そもそも、私たちの身体って前より疲れやすくなっているわよね? だから、友奈の立ちくらみもその部類じゃないの?」

    美森「……やっぱり夏凜ちゃんも自覚していたのね。でもね、夏凜ちゃん! 例えば、友奈ちゃんが過去の世界に行って今も戦っていたりとか、考えたりすることはない?」

    夏凜「流石にないわよ! でも、ええと、高嶋友奈だっけ? 園子の家の倉にあった書物に書かれていた先代勇者の名前。あれが友奈本人かもしれないって東郷は思っているってこと?」

    美森(そう、二冊目の勇者御記には友奈ちゃんと同じ名前の勇者が居て、そこではきっと仲間の勇者と共に──)プルプル

     あー、ここから少しだけ須美の妄想が入るッス


    ■■■『高嶋さん。今日は一緒にこのゲームをしましょう』

    友奈(アホ毛)『わくわく、どんなゲームかなぁ。何だか可愛い女の子の絵がいっぱい描かれているね、■■ちゃん』

    ■■■(高嶋さんと二人で恋愛ノベルゲーム……なんて罪深い行為なのかしら! だけど、もう引き返すことなんて出来ないわ!)ドキドキ


    美森「そして遊んでいるうちに電子紙芝居に影響されて二人は良い雰囲気になるに違いないわ! それから、それから……っ!? ゆ、許すまじ■■■!!」

    夏凜「お、落ち着きなさいって東郷! あと、■ってどう発音している言葉なのよ!?」

     ■■さん、うちの須美がご迷惑をおかけしています







    【【ゆゆゆ】結城友奈「東郷美森は平常運転である?」】の続きを読む

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1481122483/

    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/07(水) 23:54:43.79 ID:+ZLyjhrVo

    結城友奈は勇者である。の、樹ちゃんの誕生日の為のSS

    短め



    2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/07(水) 23:55:10.64 ID:+ZLyjhrVo

    「……ふぅ」

    今日だけは、すごく早く目が覚めた

    起きちゃいけない、起きちゃいけない

    そう思いすぎたのかなと反省して目を瞑ってみたものの

    残念ながら、目はバッチリと覚めてしまっていた

    部屋の外、リビングからはお姉ちゃんの楽し気な鼻歌が聞こえてくる

    それもそのはず。というのは少し気恥しいけど……今日は私の誕生日なのだ

    だからお姉ちゃんはいつも以上に楽しそうに、嬉しそうに朝ごはんを作ってくれる

    いつも、お姉ちゃんの手作りで、特別だけど

    今日という日は何割か増して特別だったりする

    「えへへ」

    最初はつらいと思ったこともあるけれど

    今は考えると、思わず笑みがこぼれてくる。嬉しくて、幸せだから

    他の家とは足りないものがあるけれど

    でも、それを補って幸せなことがあるから



    3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/07(水) 23:55:35.39 ID:+ZLyjhrVo

    「いっつき~、おきなさーい」

    部屋のドアが開いて、飛び込んでくる少し弾んだお姉ちゃんの声

    いつも迷惑かけているのにこんな日だけ起きているのはどういうことだろう。なんて

    自分で自分に笑いかけて、閉じた目をゆっくりと開いていく

    「おはよー、樹。お誕生日おめでとう」

    「……うん、ありがとーお姉ちゃん」

    出来る限り起きていなかったアピール

    いつも当たり前のようにやっていたことを意識してやるのは、少し難しかった

    でも、上手くごまかせたようで、お姉ちゃんは遅刻するわよ~と

    いつも通りのことをいつもよりも明るい声で言って、部屋を出て行く

    口に出したら怒るかもしれないけど

    普段は男勝りな部分もあるお姉ちゃんだけど、こういうるんるんとした気分のときは

    とっても可愛いと私は思う

    もちろん、普段は格好良くて、炊事洗濯なんでも出来るお姉ちゃんだ



    4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/07(水) 23:56:53.28 ID:+ZLyjhrVo

    「いただきます」

    「召し上がれ」

    食卓に並べられた、お味噌汁にご飯に煮物に焼魚

    どれも出来たばっかりで、手を掲げると熱がじりじりと皮膚を焼く

    煮物に入ったジャガイモをぱくっと咥えて、下と口裏でぐにゅっと潰すと

    染み込んだほんのりと甘みのあるだしが口いっぱいに広がっていく……おいしい

    「今日は一日中晴れみたいね」

    テレビから流れる天気予報をみて、お姉ちゃんが小さくこぼす

    「うん、日曜日なら、もっと良かったのに」

    そうすれば、お姉ちゃんとゆっくり買い物にもいけたのになぁ。と思う

    お姉ちゃんはそんな私の呟きに困ったように笑って、確かにねぇ。と

    残念そうな声を出す

    お姉ちゃんはいろんなことを沢山してくれる

    なにかサプライズを用意してくれたりとか

    おいしくて嬉しいお祝いご飯を作ってくれたりとか

    そこまでしてくれなくても良いと思うのは贅沢な悩みだとは思うけど

    でも、夏凜さんの時のように

    勇者部のみんなでほんの少しだけ開くパーティー

    コーラやお茶、スポーツドリンクで乾杯して、

    イチゴの乗ったショートケーキをみんなで食べる。そんな位のお祝いが、私は嬉しい

    だから、お姉ちゃんと長くお出かけできないのは残念だけど

    そんな大きな準備をお姉ちゃんにさせない平日の誕生日は

    正直に言うと、残念なのと同時に嬉しくもあったりする

    「えへへ、でも。学校がある日はある日でいいかな」

    「そっか、そうね。みんなも居るし」

    私が嬉しそうに笑うとお姉ちゃんも笑顔になる

    それが嬉しくて、またよりいっそうの笑顔を浮かべてみせる

    「それならさっと食べて早く行くわよ、樹」

    「えーっ、ご飯はゆっくり食べたいなぁ」

    「なら、早く起きなきゃだめよ? 樹」

    うん、それはそうだ



    5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/07(水) 23:57:32.61 ID:+ZLyjhrVo

    「そうだ、樹」

    お姉ちゃんはそう言うと、私の右前髪を止めるヘアピンを外して

    別のヘアピンをつけて、よしっと笑う

    お姉ちゃんの手には私がいつもつけていた物があって

    鏡を見てみると、本当に僅かだけど大きな違いがあった

    「六枚になってる」

    前まで使っていたやつは5枚の花弁

    今回お姉ちゃんが付けてくれたのは6枚の花弁

    そこに気づいたのが嬉しかったのか

    お姉ちゃんは「ふっふっふっ」と

    いつものどちらかと言えば男の子のような笑い声を漏らす

    「なんでかわかる? 樹」

    「うん」

    解らないわけがないよ。お姉ちゃん

    そう思いながら、新しいヘアピンに触れる

    「友奈さん、東郷先輩、夏凜さん、園子さん、お姉ちゃん、私。だよね?」

    「そっ、アタシはすぐに卒業しちゃうけど。でも、それでもアタシ達勇者部は不滅で。そして」

    「うん、ずっと一緒」

    お姉ちゃんと向かい合って、手を握る

    色々と大変なことがあった今年

    でも、何とか乗り越える事の出来た一年

    それ以上の苦難があるのかどうかわからないけど

    でも、それでも。私達は一緒だと、願いを握り合った




    【【結城友奈は】 樹「失って得た掛け替えのない一日」 【勇者である】】の続きを読む

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477216601/

    1 : ◆2DegdJBwqI 2016/10/23(日) 18:56:42.14 ID:qTPcw29lo

    《三ノ輪家 居間》


    銀「……ふーん」ダラダラ

    銀「でも、どうせアタシ関係なくない?」

    銀「アタシ鷲尾須美の人間だしぃ」

    須美「そうね、銀は私のものよね」

    銀「いや、そういう話ではない」

    園子「鷲尾須美は勇者であるも、結城友奈は勇者である二期とともにアニメ化だよ~」






    銀「マジで?」ガバッ





    2 : ◆2DegdJBwqI 2016/10/23(日) 19:05:56.43 ID:qTPcw29lo

    園子「公式ツイッターで発表があったし、マジだよ~」

    銀「イヤイヤイヤまさかそんなわけないやろ何言うとんねん冗談も大概に――」


    銀「…………」



    銀「――ホンマやッ!」ホンマヤッ!


    園子「ミノさんって関西人だっけ~?」

    須美「四国も日本の西と言えば西よね」

    園子「わぁ、わっしーにあるまじきガバガバ発言だよ~」

    須美「やむをえないわ」

    須美「結城友奈は勇者である二期と、鷲尾須美は勇者であるアニメ化が発表されてしまったのだもの」

    須美「私も嬉しくてガバガバになってしまう」

    園子「猿も木から落ちる的な~」

    須美「河童が川を流れている横で、そのっちは平然と犬かきをしていそうね」

    銀「おーい、お二人さんや、アタシを会話から置いて行かないでくれぇー」



    3 : ◆2DegdJBwqI 2016/10/23(日) 19:11:50.80 ID:qTPcw29lo

    須美「まあ、それはそれとして、問題があるわ」

    銀「それはそれって、どれがどれだ」

    園子「問題って~?」

    須美「私の中の人が勇者部ニコ生ラジオに出演するとき、鷲尾須美役、東郷美森役どちらで出演すればよいのかしら」

    銀「おいバカやめろ」

    園子「東郷美森(鷲尾須美)役、って感じじゃないかな~?」

    須美「なるほど」

    銀「ねえ二人とも、もしかしてアタシを完全にスルーで会話してない?」

    園子「してないよ~」 須美「してないわ」

    銀「ならいいけどさ」




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