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    カテゴリ:モバマス・デレステSS > クールアイドル

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492239850/

    1: ◆TZIp3n.8lc 2017/04/15(土) 16:04:10.37 ID:uIQ9BVJ30

    モバマスのSSです
    岡崎泰葉以外のアイドルは出ないです
    地の文多めです。
    苦手な方はご注意ください





    2: ◆TZIp3n.8lc 2017/04/15(土) 16:06:04.05 ID:uIQ9BVJ3o

     今年は春一番が吹かなかったらしい。
     そのせいか、バス停に降りたわたしたちを迎えてくれたのは、まだつぼみの残る桜並木だった。合格発表を見に来たときは、満開の並木道を想像したのだけど、まだ春は来ていないようだ。
     バスからはわたしたちと同じように、しわ一つない硬そうな制服を着た子と、スーツ姿のお母さんの親子がぞろぞろと出てくる。
     わたしは自分の格好を見る。他の子と同じような紺のブレザーの制服に、チェック柄のスカート。中学生の制服はセーラー服だったので、なんだかとても大人になったような気分。前々から練習していたから、赤色のネクタイもばっちり結べた。
     校門のところで在校生のお姉さんが受付をしていた。わたしが名前を言うと、一年三組です、と教えてもらった。眼鏡をかけたとても知的そうなお姉さんが、名簿にあるわたしの名前の横にマルをつける。
     そこでお母さんとは別になる。受付のお姉さんとは別のお姉さんが、わたしの胸に小さなバラの造花と『入学おめでとう』と書かれた紙をつけてくれた。
     それからそのお姉さんに連れられ、わたしは一年三組の教室へと入った。半分くらい席は埋まっている。黒板に書かれた座席表に従い、わたしは自分の机に座った。机の上には手書きでわたしの名前と入学おめでとう、と書かれた紙が置いてある。隅にはデフォルメされた猫が可愛らしい寝顔を見せていた。
     落ち着かない気持ちで待っていると、次々とわたしのクラスメイトになる人たちが教室に入ってきた。
     けれど、担任になる先生がやってくるまで埋まらなかった席があった。黒板に書かれた座席表を見ると、その席は岡崎という人のものらしい。
     結局、入学式が終わって、わたしたちが教室に戻ってホームルームが終わるまで、その席は空席のままだった。



    3: ◆TZIp3n.8lc 2017/04/15(土) 16:07:17.20 ID:uIQ9BVJ3o

     世の中はアイドルブームが訪れていると言われている。
     テレビをつけるとアイドルが一人は映っている。二人や三人も珍しくはない。いまのアイドルブームは第二次アイドルブームと呼ばれている。わたしが子供の頃からだから、もう十年くらいはブームが続いていることになる。
     最初のブームはわたしが生まれた頃、一人のすごいアイドルが出てきたことが始まりと言われている。それは彼女の引退で数年で終わった。それを見ていた女の子たちがアイドルに憧れ、わっとアイドル志願者が増えたのがいまの第二次アイドルブームと言われている。
     けど、わたしに言わせればいまは第三次アイドルブームだと思う。五年くらい前から出ているアイドルの性質が変わったように思う。わたしと同年代の子も増えた。だれそれに憧れてアイドルになった、という子も少なくなってきたような気がする。
     その辺りで区切って考えるべきだと思うのだけど、そういう話は聞かない。確かにいまのアイドルは多い。年々新人が増えているけど、質が落ちていないから最前線の人数は膨れ上がるばかりだ。
     だからと言って、十把一絡げにしてしまうのはどうなのかなあ、とわたしはアイドル雑誌を読んでて思う。
     わたしも子供の頃はアイドルになりたかった。テレビに出ているきらきらしている女の子の仲間に入りたかった。
     でも、何度かオーディションに書類を送ってかすりもしなかった。いつのまにかわたしは応援する側になっていた。友達とするような、昨日見たテレビに出ていたアイドルのだれそれの話だけは物足りないくらいに。



    4: ◆TZIp3n.8lc 2017/04/15(土) 16:07:54.01 ID:uIQ9BVJ3o

     だから、わたしの学校に、同じクラスにあの岡崎泰葉がいると知ったとき、思わず飛び跳ねてしまったくらいだ。
     だってあの岡崎泰葉だよ? 芸能人だよ?
     それなのにわたしの友達ときたら知らないというのだ。たしかに、テレビに出ずっぱりだったのは子役の頃で、わたしたちが物心つく前のことだ。テレビに出ている子役の名前なんて、興味すらなかった。
     彼女もずっと売れっ子というわけじゃなく、地上波のテレビにはずっと出ていない。調べたらここ最近はモデル部門にいるらしい。それもメジャーな雑誌にはほとんど載っていない。
     だから、わたしたちくらいの年齢になると、知らなくて当然なのかもしれない。わたしだって、この趣味がなければわたしも知らなかったことだろうと思う。




    【【モバマス】「隣の席の岡崎さん」】の続きを読む

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    1 : ◆OW1CEojZt0DI 2017/04/23(日) 22:14:30.51 ID:6G3obyBU0


    ーパシャ


    肇「え?」


    モバP(以下P)「あ、ごめん、藤原さん。集中してたのに」


    肇「いえ、丁度一息つこうと思っていたところですので。でも、陶芸をしている姿なんて撮って、どうされたのですか?」


    P「ん?んー…」


    肇「…何か、やましい事でも?」


    P「はは、そんなわけないだろ」





    2 : ◆OW1CEojZt0DI 2017/04/23(日) 22:16:37.15 ID:6G3obyBU0

    肇「ですよね。では、何に?」


    P「実は仲の良いドラマ担当のプロデューサーから「今度のドラマに使えそうないい子はいない?」ってメールがあってさ、それで藤原さんを推そうかなと」


    肇「わ、私を、ですか?」


    P「うん。どうやら先方は「静かで力強い子」が欲しいらしくてな」


    肇「静かで、力強い…」


    P「何だか矛盾してるだろ?で、そんなアイドルいるかなー…と考えてたところに、藤原さんが現れた」


    肇「私はただ、陶芸をしようと…」



    3 : ◆OW1CEojZt0DI 2017/04/23(日) 22:17:52.19 ID:6G3obyBU0

    P「うん、そうなんだけどね。陶芸をしている藤原さんを見てたらティンときたんだ。「静かで、力強いって、藤原さんの事なんじゃないか?」って」


    肇「は、はあ…でも、いいのですか?」


    P「ん?」


    肇「私はまだ、アイドルになって一年足らずで、その、はっきり言って無名です」


    P「…面目ない」


    肇「ああっ、Pさんを責めようと思ったわけではなく…」


    P「…まあ、だからこそ、ここで藤原さんを推しておきたいというのもあるな」


    肇「…あ。そういえば、どんなドラマなのですか?」



    4 : ◆OW1CEojZt0DI 2017/04/23(日) 22:21:16.01 ID:6G3obyBU0

    P「わかんない」


    肇「え?」


    P「そういう人なんだよ。ドラマのジャンルも、詳しい役柄も教えずに、アバウトなイメージだけ伝えて、その言葉から誰を選ぶかを俺たちの直感に委ねるやり方なんだ。だからこそ、俺も直感で藤原さんを選んだ」


    肇「私を…」


    P「藤原さんにとってのチャンスになればという考えもゼロじゃないけど…それ以上に、俺のプロデューサーとしての本能が藤原さんを選んだんだ」


    肇「…ありがとう、ございます」


    P「…何か、腑に落ちない感じだね?」


    肇「いえ、勿論、Pさんに選んでいただいたのは嬉しいのですが…」


    P「ですが?」


    肇「…未だにはっきりとわからないんです。オーディションの時もそうですが、Pさんは私のどこに魅力を感じていただけたのだろう…と」




    【モバP「藤原さんにも華がある」】の続きを読む

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    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/16(日) 21:55:07.88 ID:nkDQtvMQ0

    アイドルマスターシンデレラガールズです。神谷奈緒のお話です。





    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/16(日) 21:55:30.19 ID:nkDQtvMQ0

    「っと……。違うな……こうじゃない」

     とっくの昔にレッスンは終わったと言うのに、あたしはまだ一人でレッスンルームに居た。

     鏡と向き合いながら自分のダンスを確認する。さっきのレッスンで言われた事は出来ている。

     でも……でも、何かが違うんだ。

    「ここを……こうしてみたら……っとと……!」

     自分なりにどうすれば良いか考えながら色々なパターンを試してはいる。でも、どれもしっくりこないのだ。

     ……しかも、今やったのは今まででも一番ないな。

    「あー! もーっ! わかんないよ!」

     何が自分でも駄目なのかわからない。トレーナーさん達に言われた事は全部出来ている。でも、何か違うのだ。

    「あともう一歩足りないんだよな……」




    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/16(日) 21:56:01.28 ID:nkDQtvMQ0

    「おーっす。お疲れさん」

    「あ、プロデューサーさん」

     あたしが鏡に向かって唸っていると紙袋を下げたプロデューサーさんが現れた。

    「もう仕事は良いのか?」

    「まぁな。凛なら一人でも大丈夫だし、加蓮はちゃんと家に放り込んできた」

     今日は凛と加蓮と一緒にダンスレッスン。ユニットってのもあって、あたし達のレッスンは基本的に同じ時にやるようにしてもらっている。

    「またそんな事言ってると凛が拗ねるぞー」

    「大丈夫だって。凛もそこまで子供じゃないよ」

    「あはは。かもなー!」

     昔はしょっちゅうプロデューサーさんが居ないとか言って拗ねてたけど、最近は一人で仕事をこなして褒めてらう方が今の凛にはお気に入りらしい。




    4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/16(日) 21:57:21.14 ID:nkDQtvMQ0

    「で……加蓮は大丈夫なのか?」

    「まぁ……大丈夫だろ。お医者さんもちょっと足を捻っただけって言ってたしな」

    「そっかぁ……良かったぁ……」

     レッスンが終わって、自主練をしていくって言ったあたしに加蓮は付き合ってくれたんだ。

     でも……そのせいでちょっとミスって足を捻ってしまった。加蓮には本当に悪い事しちまったな……。

    「気にすんなって加蓮も言ってたぞ。それより、奈緒こそ無茶しないでよね、とも」

     しゅんとしていたあたしを励ますかのように、プロデューサーさんが加蓮からの言葉をくれた。

    「うん……今度加蓮にはもう一度謝ってポテト奢るよ」

    「あぁ、そうしとけ」

     きっと、そんな事しなくても許してくれるだろうけど、それじゃああたしの気持ちが収まらないしな。





    【神谷奈緒「学ぶは真似ぶ」】の続きを読む

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    1: ◆uOvLrY0GJA 2017/04/16(日) 01:29:38.66 ID:IrCEgsIo0

    速報に慣れておらず、至らぬ点などありましたら申し訳ありません





    2: ◆uOvLrY0GJA 2017/04/16(日) 01:30:22.20 ID:IrCEgsIo0

     人が一番輝くのはどんな時だろう。

     これはきっととても難しい。だって、この世界には人がいっぱい居て、好きなものとか大事なものが全然違うんだから。つまらない答えになっちゃうけど、やっぱり「人によって変わる」が正解なんじゃないかな。
     じゃあ、ちょっと話を変えて、「アイドルが一番輝くのはどんな時だろう」って考えてみる。
     オーディションに受かった時、スカウトされた時、事務所のホームページに名前がのった時、初仕事をした時。
     うん、やっぱりこれも色々だ。でも私にとってはこうじゃない。……いや、こうじゃないっていうか、もちろんこれもすごいとは思うんだけど。

     私は歌が好き。
     アイドルプロフィールの趣味の項目に「音楽鑑賞」って書くくらい歌を聴くのが大好き。歌うのは……まあ人並みかな。
     それでもリーナこと私はアイドルだから、ダンスのレッスンもしなきゃならない。ダンスなんて私にとってはあくまでオマケ、っていうかサポートくらいなのに。そのことにもやもやとした気持ちがないわけじゃないけど、まあでもアイドルになるために必要なのかな、なんて。

     私は歌が好きで、だからアイドルになった。
     なら、アイドルリーナが一番輝くのは、きっと歌を歌っている時なんだ。特にロック!
     ロックはとにかくカッコよくて、最高にクールで、その上めちゃくちゃ熱い。
     ロックなアイドルとしての道のりはまだまだ遠いけど、いつかきっと……ううん、いつか絶対にたどり着いてみせる!

     だからそのためにも!
     早く私に持ち曲をください!!



    3: ◆uOvLrY0GJA 2017/04/16(日) 01:33:19.65 ID:IrCEgsIo0

    ---事務所---


    「多田さん。大事なお話があります」

    「え……」

     いつもは大人らしく心地の良い距離感で丁寧に接してくれる、そんなプロデューサーの雰囲気がこの日はなんだか違っていた。
     厳粛な空気、っていうのかな。重々しくて、友だちとの会話じゃ絶対に出ないようなシリアスな口調。それが少し怖い。

    「あの、どんな話ですか……?」

    「ああ、すいません。そんなに緊張しないでください。朗報ですから」

    「あ、そうなんですか。もー、驚かせないでくださいよー」

     すみませんといって微笑むプロデューサー。そんな姿を見ていたら、いつの間にか体の強張りは解けていた。
     うん、これならリラックスして聞けそう。

    「それで、話ってなんですか?」

    「ここ最近の多田さんの活動についてです」

    「私の、活動……」

     この数ヶ月を思い返してみる。
     少し前まではレッスンづけの毎日だったけど、段々とメディアへの顔出しが増えていると思う。最近はテレビに出たりなんかもした。
     ……あの番組はすごかったな。

    「私としては駆け出しではあるものの、実に順調だと思っています」

    「あ! プロデューサーもですか? やっぱりそうですよねー、私もです!」

    「はい。つきましては、そろそろ次の段階へ行ってもいいのではないかな、と」

    「次の段階ですか」

    「ええ。多田さんには二月後に開催されるロックフェスへ参加してもらいたいのですが」

    「わかりました! まあ私にかかればどんなお仕事だっ……え?」

     え?
     今、ロックフェスって……。

    「ろ、ロックフェスってあのロックフェスですか!?」

    「えっと、とりあえず落ち着いてください、多田さん」

    「あ、すいません。ちょっとはしゃぎすぎちゃいました……って無理に決まってますよ!」



    4: ◆uOvLrY0GJA 2017/04/16(日) 01:34:11.60 ID:IrCEgsIo0

     だって、ロックフェスっていったら!
     ロックなバンドとかミュージシャンが集まって、自分たちの音楽を奏でて、それでめちゃくちゃカッコよくて……って、ああもう! とにかく最っ高にロックなイベント!!
     それに私が出るってことは……!

    「他事務所に協力してもらい、そちらの方面で売り出しているアイドルのみで構成する形になっています」

    「他の事務所……ロックなアイドルとして負けられませんね」

     ん? いや、ちょっと待って。このままじゃまずい。
     今度開催するのはロックフェスで、出演するのはみんなアイドル。つまりメインになるのは、当然だけど歌になるはず。……でも、

    「プロデューサーどうしましょう! 私、自分の曲がないです。これじゃあ……」

     そう、私には自分の持ち曲がない。
     これまでのお仕事はバラエティ番組への出演とか、先輩のラジオに新人としてゲスト出演することがほとんどで、だから曲がなくてもやっていけた。
     実際デビューしたてのまだまだ駆け出しなんだから当たり前といえば当たり前だけど、このままじゃ他のアイドルのバックダンサーにでもなりかねない。

     そんなのは絶対に嫌だ。
     私はロックなアイドルを目指してて、それに相応しい舞台が目の前に広がっているのに、そこで脇役になるなんて……。
     そんな私の表情を読み取ったのか。プロデューサーはそれでもかすかに笑った。

    「それにあわせ、多田さんの楽曲の制作が決定しました……ある意味これが一番の朗報かもしれませんね」

    「……」

    「多田さん?」

    「プロデューサー!」

    「どうかしましたか……?」

    「あの、私……」

     曲。持ち曲。私の曲。
     私がアイドルになることを決めた一番の理由。それが、それがやっと……!

    「私、歌が好きで……ロックが好きで、だからアイドルになろうと思ったんです」

    「はい」

    「私の夢を叶えてくれて、本当に、ありがとうございます……!」

    「私はあなたのプロデューサーですから。それにまだ早いですよ」

    「え?」

    「フェスで、多田さんの歌声をファンの皆さんに届けましょう!」

    「……はい!」

     プロデューサーの力強い言葉が背中を押してくれる。
     そうだ、夢はまだ始まったばかりなんだ。




    【多田李衣菜「星群と三日月」】の続きを読む

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    1 : ◆kiHkJAZmtqg7 2017/04/09(日) 15:28:49.58 ID:L8J356lk0

    ・地の文
    ・主に時系列において独自の設定あり
    ・ほんのりと765要素

    以上、ご了承のうえお読みくださいませ。





    2 : ◆kiHkJAZmtqg7 2017/04/09(日) 15:30:45.70 ID:L8J356lk0

    ――おとなになる、ということに、私は強いあこがれを抱いている。
    それはきっと、誰しもが持つ……いや、持たなくても、意識したことはあるだろうあこがれ。
    私の思う大人は賢く立派で、模範的で。……だって、そうしていれば、ありすちゃんは大人だね、なんて褒められたものだから。
    その実何をすれば大人になれるのか、何をもって大人は大人なのか。具体的な定義なんてわからない。
    だけど、その扉を見つけた日のことは。
    こんな大人になりたい、と。明確なあこがれを見つけたきっかけは、疑いようもないくらいにはっきりと覚えている。



    3 : ◆kiHkJAZmtqg7 2017/04/09(日) 15:32:50.15 ID:L8J356lk0



    いつだっただろう。二年くらい前かな。

    私は親の買い物のために、大きなショッピングモールに連れて行かれた。
    残念なことに本屋とか、私の興味を引いてくれるお店はそこにはなく、かといって買い物について行っても退屈してしまうだろうし、邪魔になってしまうかもしれなかった。
    だから私は自分からここで待ってる、なんて言って、ちょっとしたステージと一緒に用意されていた休憩スペースで、一人パズルゲームをして待っていたのだ。

    そんな折、唐突に辺りの照明が落とされた。
    私の持つゲーム機から発される光はとても目立ってしまっていて、だから大慌てで電源を落とし、周りをきょろきょろと窺っていた。
    ステージにだけ照明が向けられていたから、何かのイベントがあるのだということはすぐに理解できた。
    司会の放送とか、そういうものもあったと思うのだけど、私はそれを全く覚えていない。

    だって、仕方がないのだ。
    私の印象は、私の衝撃は、私の記憶は。
    全て、その後に起きた出来事に支配されているのだから。

    舞台の袖から、一人の女の人が歩み出る。
    その人は高校生くらいのお姉さん。背筋をぴしりと伸ばして静かに礼をする姿に、息をのんだ。
    どこかに置かれているスピーカーからピアノの音が流れる。
    イントロを終えて、女の人が歌い始める。

    その瞬間から、私はその歌のとりこになった。
    こういった歌を披露するようなステージに生で立ち会うのが初めてだったことも、きっと関係しているのだろう。
    だけど、そんなのはとても些細なことで。
    歌が耳に届くたび、頭になにかががつんとぶつかる心地がした。
    その綺麗すぎて怖くなる、張り詰めた歌声の節々から感じる力強さ、切実さ。
    息が詰まるような感情の奔流は、どうしてか私に大人というものを強く意識させた。

    きっと、この切実さが、大人になることなんだ。

    私と10年も生きてきた時間の違わないであろうお姉さんの歌に、しかし私は大人というものを確かに感じ取ったのだ。
    以来、私はあの歌を自分のものにしたくて、あの感情を自分の中に見つけたくて、音楽に傾倒するようになった。

    それは小学生ながらに私が見つけた、夢と呼べるあこがれだった。




    【橘ありす「その扉の向こう側へと」】の続きを読む

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    1 : ◆OW1CEojZt0DI 2017/04/18(火) 18:12:39.14 ID:u3pgHfj70

    楓さんがお姉さんで、肇ちゃんと付き合いはじめたPの話。短め。

    ・独自設定多め
    ・いつもの肇ちゃんSSのパラレルワールドの話です

    ↓関連作(時系列的には今作の数年後です)

    肇「お義姉さんは…楓さん!?」 楓「お義姉さんでーす♪」
     
    それでは、よろしくお願い致します。





    2 : ◆OW1CEojZt0DI 2017/04/18(火) 18:14:18.43 ID:u3pgHfj70

    ジリリリリ…


    モバP(以下P)(ん…休日なのにタイマーかけちゃったのか…)


    P「よいしょっと…」ムクッ


    P「…ん?」


    楓「……スゥ……」


    P「おい姉さん。起きろ」ユサユサ


    楓「んぅ……?……あ、Pくん。おはようございます…」


    P「はい、おはよう。それで?」


    楓「?」ウツラウツラ


    P「どうして俺の布団に姉さんが寝てるの?」


    楓「あー…それはですね、昔みたいに姉弟で同じ布団で寝てみたいなと思ったので」



    3 : ◆OW1CEojZt0DI 2017/04/18(火) 18:16:06.86 ID:u3pgHfj70

    P「小学生の頃の話だろそれ。いい大人が、というかアラサーふたりがする事じゃないだろ」


    楓「いや、私もほんの少しだけ一緒に寝たら向こうのお部屋で寝ようと思ったんですけど…」


    P「けど?」


    楓「Pくんが抱きついて、離してくれなかったので…」


    P「あっ…」


    楓「抱きつきグセは抜けてませんね。危うくお姉さんは実の弟に唇を奪われるところでしたよ」


    P「…ごめんなさい」


    楓「大丈夫ですよ。きちんと回避しましたから…ふふふ、それにしてもPくん」


    P「な、何だよ」




    【楓「姉と」モバP「弟と」肇「時々いもうと?」】の続きを読む

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    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/18(火) 18:29:55.28 ID:5LrJPLotO

    ガチャ

    パタン

    肇「帰りました」

    肇「…またゆーてしもーた」

    肇「誰もおらんのに……」

    肇「はよう慣れんとなぁ、一人暮らし」

    肇「……」

    肇「よし、お風呂入ろ」

    ピー ユハリノセッテイガ カンリョウシマシタ

    肇「お風呂沸くまで壺でも眺めとこ」

    肇「おじいちゃんがくれた新作、やっぱりええ色合いじゃなぁ」

    肇「私にはまだまだ無理じゃなぁ」

    カサッ

    肇「……?」





    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/18(火) 18:33:57.21 ID:5LrJPLotO

    肇「風?でも窓閉まっとるし……」

    カサカサッ

    肇「……?」チラッ

    G「……」

    肇「……」

    肇「ふぅ……」

    肇「……」チラッ

    G「……」

    肇「……」

    肇「ふぅ……」

    肇「……」

    肇「ゴキブリぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!」



    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/18(火) 18:39:22.42 ID:5LrJPLotO

    肇「ウソじゃろ!?ウソじゃろ!?ホンマなん!?ホンマにホンマなん!?」

    肇「どっからきたん!?アンタどっから入ってきたん!?」

    G「……」カサッ

    肇「動くなやぁぁぁぁ!!!!!」

    肇「わやじゃな!ホンマわやじゃな!!!」

    肇「岡山か?私が岡山じゃからか?岡山じゃから入ってきたんか!?」

    肇「田舎者舐めるなやぁぁぁぁ!!!!!」

    G「……」カサッ

    肇「動くなやぁぁぁぁ!!!!!」




    【藤原肇「黒い悪魔vs私」】の続きを読む

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    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/20(木) 09:44:29.20 ID:3NCWHtLa0

    アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。

    少しだけ未来のお話になります。

    よろしくお願いします。





    2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/20(木) 09:45:02.47 ID:3NCWHtLa0



    …………………

    …………………



    重い沈黙が続く。

    相手は静かに目を閉じ、こちらが切り出してくるのを待っている。

    もちろんそうするつもりだし、そうするべきなのだけど。

    いざ口を開こうとすると、緊張のあまり喉が渇き、掠れた音が口から溢れるだけ。

    そしてまた、沈黙が訪れる。

    隣に座る『彼女』が、心配そうな目でこちらを見ているが、それに応える余裕すら、今の自分にはなかった。



    3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/20(木) 09:45:39.78 ID:3NCWHtLa0

    ありきたりなセリフだった。

    漫画や小説、そして撮影の仕事についていった時ですら聞いたことのある、使い古された言葉。

    それが、いざ自分が口にしようとすると、こんなに重いものだったとは。



    しかし、言わなければならないし、言うべきセリフだった。

    堪り兼ねて口を開きそうになった隣に座る『彼女』を制して、何とか笑ってみせる。

    ……うまく、笑えているだろうか。



    (……ここで自分で言わなきゃ、さすがにカッコつかないよな)



    出されていたお茶をぐいっと飲み干して、ひとつ深呼吸をする。

    姿勢を正し、もう一度向き直る。



    4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/20(木) 09:46:36.90 ID:3NCWHtLa0

    そして



    「お孫さんと、―――肇さんと、一緒になることを、お許しください」



    正面に座る相手―――肇の祖父に対し、頭を下げた。




    【藤原肇「重ねる手、重なる想い」】の続きを読む

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492618100/

    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/20(木) 01:08:20.99 ID:uD+T7RKY0

    ※このSSの読み方

    岡崎泰葉の台詞を登場順に抜粋したものとなります

    テキスト横に親愛度が表示されます
    ハイライトゲージととっていただいても構いません

    >>2と後半のレスを読み比べる、現在の泰葉に>>2を読み聞かせた時の反応を妄想するなどしてお楽しみください





    2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/20(木) 01:17:35.64 ID:uD+T7RKY0

    イノセントボイス

    jcpO1S6


    「子どもの頃からずっと芸能界で生きてきたんです。だから華やかなだけの世界じゃないって分かってる…でも私達ならやれますよね。プロデューサーも私を信じてくれますか?」 0

    「大丈夫、一人で出来ますから」 0

    「今更私がプロデューサーに教えて貰うことなんて…?」 0

    「ステージには慣れてるから平気よ」 0

    「早くアイドルって認められたいの」 0

    「だって負けたくないんだもの…」 0

    「私にしか出来ない事…考えたい」 0


    「プロデューサー、その、私に興味を持ってほしいな…」 10




    3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/20(木) 01:20:37.85 ID:uD+T7RKY0



    「お仕事でこんな気持ちになるの、初めてかも…たのしい…」 30

    「アイドルになって何が変わるか、まだわからない。でもワクワクしてる」 30

    「プロデューサー、アイドルにならなかったら私は普通の女の子だったのかな…?普通の幸せって、なんだろうって…」 30






    【モバP「親愛度で見る岡崎泰葉」】の続きを読む

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469588083/

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/27(水) 11:54:43.47 ID:8FgqKKs3O

    モバマスSSです。
    新田美波生誕を祝いまして、美波のSSを書かせていただきます。
    著者はまだモバマスに触れて1年ほどの新参ですのでご不快になる点もあるかもしれないです。
    そのあたりご注意ください。 






    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/27(水) 11:56:15.46 ID:8FgqKKs3O

    「あの、ちょっといいですか?」

    私、新田美波が初めて彼、プロデューサーさんに声をかけられたのは大学に入学して間もない頃だった。
    まだ右も左もわからず、希望と不安をない交ぜにしつつ勉学に励んでいた私は漠然と生きている自覚があった。
    だけど、それをどうにかする術を知らなかった。
    プロデューサーさんのその誘いは私の世界を広げる第一歩だった――――

    「アイドル、やりませんか?」

    当然、すぐに受け入れられる話ではなかった。
    惹かれないと言えば嘘となるが、全く知らない世界に入るという恐怖もあった。
    それに初対面の人物をすぐに信じられるほど楽観的に生きてはいない。
    初めて私が彼にかけた言葉は――――

    「すみません、急いでいるので」

    プロデューサーさんを拒絶する言葉だったが、今考えても間違えていないと思う。
    だけど、プロデューサーさんは諦めず、しつこいほどスカウトしてきた。
    そんなプロデューサーさんが最初は怖かったし、警察に相談しようとも思った。
    しかし、ある一言が私を変えた。



    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/27(水) 11:58:01.18 ID:8FgqKKs3O

    「今、貴女は目指すべきものはありますか?」

    心臓を貫かれた思いだった。
    動揺が伝わったのか、プロデューサーさんは畳み掛けるように言った。

    「絶対に後悔させません! お願いします、私と共にトップアイドルを目指しませんか?」

    「でも、私は……」

    「貴女なら、いえ、貴女と私なら絶対にできます! 貴女の明日を、未来を私に託してください!」

    傍目から見るとプロポーズのような、いや人生の一つ大きな道を決めるものだ。
    重要性に関してはプロポーズとそう大差なかったのだろう。
    ここから短くも長いトップアイドルへの道を共に歩くことを私はこの時、決めたのだ。



    4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/27(水) 11:59:36.99 ID:8FgqKKs3O

    それから私の日々は一変した。
    幸い両親は私が流されたのではなく、自身の意志によってその道に進むというのであれば反対はしないとアイドルになることを許してくれた。
    運動をこなしているとはいえ慣れないダンスレッスンは全身の筋肉に悲鳴をあげさせ、ボーカルレッスンはうまくいかず悩む日々だった。
    それでもビジュアルレッスンに比べればできている方だった。どうしても表現というのがうまくできなかった。
    うまくやっているつもりでも飛んでくるのはトレーナーさんの叱咤のみ。

    「はあ、どうすればうまくいくんだろう?」

    レッスンを終え、更衣室で着替えをしながら独り言ちた。
    その悩みは外に出てからも顔に出ていたようで、

    「どうしました新田さん? 納得いかないことでもありましたか?」

    迎えに来てくれたプロデューサーさんは心配そうにこちらを見ている。




    【美波「私の第一歩」】の続きを読む

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