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    カテゴリ:モバマス・デレステSS > シリアス

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1478243532/

    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/04(金) 16:12:12.69 ID:WQnYZoeU0


    この話を聞いた人がもしもアタシの知り合いだとすれば、その人にとっての”一ノ瀬志希”の見方がほんのちょっぴり変わるかもって思う。

    うーん、たとえば、その名前から思い浮かぶことってね。
    アタシが知ってる限りでは、「帰国子女の18歳で、ルックスも良くて、ダンスも歌も抜群なアイドル」なんだって。

    ふつーのJKとして振る舞ってたはずが、アイドルとしてまばゆいデビューしてから、それはもうズイブンと注目されてさ。
    カメラのフラッシュをたくさん浴びて、テレビにもたくさん出演して。も~、世間の人たちがその名前を聞いただけで、あっ、あの子だ! ってわかるくらい有名になるには、あんまり時間はかからなかったなあ。

    それもこれも、アタシが“ギフテッド”なんていう、大それた肩書きを持っていたからなんだろうけど。

    神さまから愛されたアタシは、まわりの誰もが羨む才能をもらって。
    時には化学者として海外を渡り歩いたし、ステキな論文だって書いた。
    あまりある才能を存分に発揮して、これまでの人生を何不自由なく過ごしてきたの。


    だけど、そんなアタシがさ。


    ――この恵まれた才能を失ってしまったら、どうなると思う?  
       
       






    4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/04(金) 16:24:50.70 ID:WQnYZoeU0


    新しい自分に「ハロー」と挨拶したのは、着慣れた白衣で過ごすティータイムの時間だった。

    午前中の実験を終えたアタシが、プロデューサーにもらった台本を読んでいたとき。
    お気に入りのカップから漂うカモミールの香りに酔いしれながら、いつもどおり紙面に目を走らせていく中、アタシは微かな違和感を覚えた。

    そのほんの些細な違和感は、徐々に色濃くなり、思わず眉間に皺を寄せた。

    「えーっと、あれー? おっかしいなあ……」

    まるでそれは濁りのように思えた。綺麗な湖の中に汚泥が溜まっていくかのように。
    頭はすっきりしてるのに、なぜだか台本の内容が入ってこない。もういちど、アタシはあれー? と声を漏らした。

    おかしい。なにかがおかしい。
    ボソボソと呟いて、こめかみに人差し指を当てる。
    ポコポコとフラスコの中で煮沸された液体の音がいやに耳に届いた。


    何度読んでもアタシは台本の内容が暗記できないでいた。


    ……ちがうな、暗記は出来る。
    だけど、何度も読み返して、声に出して覚えないと忘れてしまいそうになるってだけ。

    パタリと本を閉じて、呆然と宙を眺めた。

    ふと、自分自身の人生を振り返ってみて。紐を手繰り寄せるかのように、少しずつ記憶をたどっていく。
    けれど、この短い18年の時間で、そんなことを経験した記憶は一切なかった。そう、まったくと言っていいほどにね。




    5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/04(金) 16:39:12.70 ID:WQnYZoeU0


    結論から言えば、アタシは“才能”というものを失ったということになる。……らしい。

    ケミストの立場から発言させてもらうと、そんな抽象的な、極めて概念的なお話はまったくもってあり得ない、と指摘したくもなるけど。

    んー、だけどね。これが現実となって、この身に火の粉のように降りかかったのだから、もはやシキちゃんも両手を挙げて認めざるを得ないってわけ。現実は小説よりも奇なり~ってよく言うよね。

    理由も分からない。原因不明の才能消失事件。どうやらアタシの性格と似て、才能ちゃんにも失踪癖があったりして。なーんて。

    そうそう、才能のはなしだっけ。
    さっきも言ったけど、アタシって、それはもう才能に満ち溢れててね。
    シンデレラになりたがる女の子がたくさんいるなかで、ふらふら~と業界にやってきたアタシが新人として頭角を現すことが出来たのだって、これがあったからなんだって今更ながら思ってて。

    だからそれを失ったことで、
    台本やダンスを覚えるのに今までの数倍時間がかかったことも、
    それのせいで今までこなしていた仕事がだんだんと手に負えなくなっていったことも、
    プロデューサーが毎日お得意先に頭を下げる姿を見かけることになったことも、
    仕方ないことだったのかなって納得できたんだ。




    6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/04(金) 16:50:46.10 ID:WQnYZoeU0


    才能って一口に言っても、物事の暗記だけがすべてじゃなくってさ。

    えーっと、軽く一例をあげるとするなら。

    たとえば、匂い。これまでは誰かが何を考えてるのかってことくらいなら、はすはすしてなんとなーく理解できたけど。あの日から、アタシは匂いを感じなくなってしまった。普通の匂いは分かる。だけど、それはアタシの求める匂いじゃなかったってこと。

    たとえば、物事の考え方。周りからは突飛なことをしなくなったねって言われる機会も増えたけど、それは単純にアタシが“それ”のやり方を忘れてしまっただけだった。これまでどうやって生きてきたんだろう、なんて自分に問いかけて。むむっ、そう考えてみれば、アタシってまともな過ごし方をしてこなかったなと一人反省した。

    たとえば、化学の実験。まあ、これについては大体わかると思うけど、こんな状態になったアタシが適当に混ぜた薬品がフラスコ内で勢いよく火を上げたことで事務所が炎上しかけたんだよね。それにより、アタシのラボは没収。どんな薬品が潜んでいるかもわからないので厳重に封鎖されることになった。


    にゃはは、なんだかのっけから暗いはなしになっちゃった。

    だけど、ここからいよいよシキちゃんの転落ストーリーは口火をきったのだった。はい、はじまりはじまりー。





    【志希「それじゃあ、アタシがギフテッドじゃなくなった話でもしよっか」】の続きを読む

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1487894892/

    1: ◆8AGm.nRxno 2017/02/24(金) 09:08:12.68 ID:UKsbEgqz0

    デレマスの森久保SSです

    初投稿

    地の文あり





    3: ◆8AGm.nRxno 2017/02/24(金) 09:12:14.15 ID:UKsbEgqz0

    俺の名前はP。とある小さなアイドルプロダクションに勤務している。

    といってもプロデューサーという訳ではない。事務員の補佐をしたり、他のプロデューサーの都合がつかなかったときにアイドルの送迎をしたりしている。いわゆる雑用だ。

    季節が来ればシーズンの仕事があるので事務の手伝いとしてそこそこ忙しく仕事をしているが、会社の業績が傾いてリストラという話になれば真っ先に切られる人員だろう。

    別に新人だからこの役回りって訳でもない。入社して4年が経つが、同期と後輩はみんな担当を受け持つプロデューサーか、事務をこなす事務員になっている。

    俺がこうなった理由は理解している。

    俺はアイドルとの接し方がわからない。
    というより、俺はアイドルという人種が苦手なのだ。




    4: ◆8AGm.nRxno 2017/02/24(金) 09:15:42.30 ID:UKsbEgqz0

    今から4年前、大学生だった俺は就活に失敗した。

    スタートは遅れ、履歴書に書けることは車の免許くらいなもので、加えて大学の単位にも追われていた。

    切羽詰まった俺は手あたり次第に履歴書を送り付け、やっとの思いで一社の内定を確保した。それがこのアイドルプロダクションである。

    なんでこんな人間が採用されたのかは全くの謎だ。渾身の嘘面接が功を奏したのだろうか。

    しかし職を手に入れた喜びもつかの間、入社した俺は今まで自堕落に過ごしてきたツケを払うことになる。




    【森久保「私に似ているプロデューサーさん」】の続きを読む

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    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/04(土) 23:55:53.26 ID:dNYkK8Pfo

     天才アイドル池袋晶葉によって製造されたウサちゃんロボの一部が選ばれ
     
     ウサミン星人安部菜々によってもたらされた異星の超科学ウサミン科学によって生まれ変わった

     超AIウサミニアックブレインとウサミニウム合金で身を包んだ無敵のロボ!

     アイドルの護衛とバックダンサーと団子作り、事務所の雑務を引き受ける、その名はウサミンロボ!! 
     





    2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/04(土) 23:56:29.71 ID:dNYkK8Pfo
     
     うさうさ

     ウサミンロボは事務所のお掃除をしています。

     昨日節分行事を終えた事務所は、辺り一面豆だらけなのです。

     事務所で行われた節分豆まきバトルロワイヤルは大盛況でした。
     
     私マーメ、と歌いながら豆を投げていた特別ゲストもいました。

     ウサミンロボは豆を拾い続けています。
     節分行事に参加したアイドル達も勿論ちゃんと後始末とお掃除をしたのですけれど、どうしてもいくつかの豆を見逃してしまっているのです。
     しかし、ウサミンロボは豆を見逃しません。
     ウサミン星の超科学による豆センサーは、例え太平洋にぽつんと落ちた一粒の豆でも見逃さないのです。
     ちなみに、豆以外には反応しないので安心です。
     ウサミン星には名産のウサミン落花生があるため、豆センサーも発達しているのです。



    3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/04(土) 23:56:56.20 ID:dNYkK8Pfo

     うーさ、うーさ

     豆を懸命に拾っていると、いつの間にか事務所の外に出ていました。
     事務所の外にも豆はこぼれ落ちています。
     投げた豆が窓から外に出てしまったのでしょう。

     勿論、事務所と無関係の豆ではありません。
     ちゃんと、ウサミン豆センサーで区別が付くのです。

    「ウサミンロボ殿ー」

     ウサミンロボは豆を拾う手を止め、自分を呼ぶ声に向き直ります。

     うさ?

    「お豆を拾っていると聞きました故ー」

     依田芳乃です。

     うさ?

     なんでしょうか? 豆に用事でもあるのでしょうか。




    【【モバマス】「芳乃とウサミンロボの節分始末」】の続きを読む

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    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/01(水) 17:55:52.49 ID:Rb1owe170

    アイドルマスターシンデレラガールズ、しゅがーはぁとさんこと佐藤心さんと、一応ウサミンこと安部菜々さんのお話です。





    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/01(水) 17:56:22.70 ID:Rb1owe170

    「お疲れ様です☆ 菜々先輩♪」

    「はい! はぁとちゃんもお疲れ様です♪」

     菜々先輩とのミニライブを終えて挨拶を交わす。今でもまるで夢みたいに思える。

    「いやー、こうして菜々先輩と一緒に歌えるなんて……☆ はぁとは幸せものだぞっ☆」

     憧れの菜々先輩とこうして一緒のステージに立つなんて、少し前のはぁとでは考えも出来なかった。

    「ナナもですよぉ~。はぁとちゃんと一緒だと楽しいですからね!」

    「「あははは」」

     二人して声を上げながら控室に戻る。そこにはプロデューサーが待機していて、次の仕事の準備をしていた。

    「あ、お疲れ様です。菜々さん、心さん」

    「お疲れ様です! プロデューサーさん」

    「もぅ☆ はぁとって呼べって言ってるだろ☆」

     すみません、と言いながらプロデューサーは開いていたノートパソコンを閉じる。相変わらず忙しそうだ。




    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/01(水) 17:56:54.05 ID:Rb1owe170

    「じゃあ、俺は外に居るんで着替え終わったら呼んでください」

    「「はーい」」

     菜々先輩と私は声を揃えて返事をする。次の仕事は握手会だったかな。

    「いやー、それにしても売れっ子って大変ですね☆」

    「そうですねぇ。でも、こうしてたくさんお仕事もらえるなんて、昔を考えたら本当にありがたいです」

    「ですねぇ……」

     私もそこそこ下積みをしてきたが、菜々先輩は私以上に下積みの売れない時代を経験している。

     だからこそなのだろうか。菜々先輩はどんな小さな仕事でも手を抜かずに常に全力だ。

     ちっちゃな身体におっきな心を持つ菜々先輩。私の憧れの先輩。

    「さ! プロデューサーさんを待たせちゃ悪いですし、早く着替えて移動しましょう!」

    「はい☆」







    【佐藤心、安部菜々「「朧月」」】の続きを読む

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    1 : ◆TDuorh6/aM 2015/07/07(火) 19:46:29.90 ID:D/hdlvYl0

    ・これはモバマスssです
    ・地の文があります
    ・IFストーリーです
    ・気分を害すような展開になるかもしれません 
     






    2 : ◆TDuorh6/aM 2015/07/07(火) 19:47:19.43 ID:D/hdlvYl0


    ふと、思い出した…




    3 : ◆TDuorh6/aM 2015/07/07(火) 19:49:17.87 ID:D/hdlvYl0


    七月七日。

    梅雨が明け始め、だんだんと陽が長くなる頃。
    世間一般では七夕の日として多くに知られ、町は笹と短冊に彩られていた。
    子供達は色とりどりの紙へペンを走らせ、笹に括り付ける。
    綴られるは願い、届けるは天へ。


    願い達の向かう遥か先には、一人の青年と一人の姫。
    年に一度の逢瀬を今日この日に迎える彼等。
    離れ離れとなり永い時が流れても、尚愛し合い続ける二人。
    そんなロマッチックな二人きりの時間を誰にも邪魔させないと言う様に、この日の空は雲に覆われていた。


    珈琲の入ったマグカップを傾け、本を開く。
    折角なのだから何か七夕に関係のある本を読みたかったけれど、残念ながら店には置いていなかった。
    仕方なく手に取った本は、これまた残念ながら面白いとは言い難い。
    途中でなげるのは気が引けたので、ページをめくり続けてはいるけれど。


    はぁ、と一息。


    早く、来てくれないだろうか。
    いや、仕事で忙しいのは分かっている。
    そんな事は、とうの昔に理解仕切っている。
    それでも、そう考えてしまうのは…


    ブンブン、と。
    恥ずかしくなってしまった思考を放り出す為に頭を振る。
    一体…私は、何を期待していたの?
    自問自答し、余計に心臓は強く波打つ。


    本当にこんな事を言ってしまっていいのだろうか。
    断られたりしないだろうか?
    笑われたりしないだろうか?
    迷惑がられたりしないだろうか?


    …今更そんな事を考え出したところで、何かが変わるわけでも無い。
    考えれば考えるだけ沈んでしまうなら、本でも読んだ方がよっぽど有意義だろう。
    それでも彼の事を考えてしまう。


    それは、私にとって今日は少し特別な日であり。
    私にとって、彼は少し以上に特別な人だから…






    4 : ◆TDuorh6/aM 2015/07/07(火) 19:52:19.61 ID:D/hdlvYl0




    「アイドル、どうですか?」


    今思えば、本当におかしな一言からこの関係が始まったものだ。


    叔父の営む書店のアルバイトとして店番をしてした私へと差し出されたのは、ザックリとし過ぎた質問と名刺だった。
    その出処は、まだ二十後半になるかならないかと言うスーツ姿の男性。
    思い返せば何度か、この店を訪れていた様な気もする。


    …この人は、一体何を言っているんでしょうか…


    質問の意味と意図が分からなかった私は、戸惑ってしまった。
    アイドルが、どう?
    残念ながら私はアイドルでは無いので、どんなモノなのかは分から無い。
    そう言った事は、アイドル本人に尋ねてほしい。


    しかし、客と店員と言う立場。
    出来る限りお客様の要望に応えなければならない。
    取り敢えず、何を言っているのか分からない事を隠しつつ聞き返してみる。


    「アイドルをお探し…ですか?申し訳ありませんが…当店はアイドル雑誌の取り扱いは…」


    「あぁいえ。そう言う訳では無く、ですね」


    どうやら違ったらしい。
    だとしたら、一体どう言う意味なのだろう?


    「私、こういう者でして…。アイドルに、興味はありませんか?」







    【鷺沢文香「短冊に願いを」】の続きを読む

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1484381870/

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/14(土) 17:17:50.67 ID:XV0S4YZgO

    【346プロ Cグループ公演】

    ライブ会場の入り口でチケットを確認すると、やっぱりそう書かれていた

    「Fグループまであるんだっけ?」

    「200人近くいるからな」

    無理やりライブに誘ってくれた同僚からレクチャーを受けながら、チラつく雪の中で18時の開場を待っている

    「やっぱアイドルとか興味ないし、帰るよ」

    と言えればこの寒さや、何よりアイドルのライブを観に来ているという気恥ずかしいさから解放されるんだけど……

    チケット代を奢って貰った身としてはそんなワガママは言えず、一瞬で冷たくなってしまった缶コーヒーの中身を飲み干した





    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/14(土) 17:27:05.07 ID:XV0S4YZgO

    開場時間を迎え、一気に人が流れだした
    このハコには1000人は入るって話だけど、それよりも多いんじゃないかと思えた

    同僚と一緒に物販コーナーに立ち寄ってみたけど、金を落とす気なんてなく、推しメンであるウサミンとやらのグッズを買い占めんばかりの同僚をボーっと眺めてあた

    「おい、パンフくらい買っとけ。グループメンバーのプロフとかブログのURL載ってるから」

    「じゃあ、まぁ、うん」

    促されるままパンフレットを係員に差し出すと、

    「保存用にもう一冊買え」

    というどこかの誰かの声が聞こえた気がした
    当然、シカトしておいた





    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/14(土) 17:35:54.20 ID:XV0S4YZgO

    25歳
    会社員
    趣味&特技 なし

    言うまでもないことだけど、アイドルではなく俺のプロフだ

    強いていうならFPSあたりになるけど、なかなか上手くならないからすぐ飽きる
    それにチャットやDMで飛んでくる罵詈雑言もしんどい

    新作スマホゲーのリセマラに休日を費やしたことも何度かある
    経験者には賛同を得られると思うけど、正直、虚しい

    「じゃあ、一緒にライブでも行くか!」

    というわけで、同期入社の同僚に誘われるまま今日ここにいる

    『アイドルのライブ』

    と言わなかったのは、間違いなく奴の作戦だろう




    【「ステージの端っこに藤原肇」】の続きを読む

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    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/08(日) 14:51:20.88 ID:SwhvTvNS0

    まゆとプロデューサーさんとの間には、守らなければならない3つの約束事がありました。

    1. 誰かがまわりにいるときは話さない
    2. キスは一日に一回まで
    3. 黒いビニール袋は絶対に開けてはダメ

    これらを守っている限りは、プロデューサーさんはまゆに優しくしてくれたし、
    1日に1回のキスだって頭がとろけてしまいそうなほど甘いものでした。

    まゆにとって、それは何物にも代えがたい幸せで、
    だから、普段あまり話せないことも苦ではありませんでした(ほんとはちょっぴり寂しかったですけど)。

    こんな日常を続けるために、3つの約束事は、どんなことがあっても破ってはいけなかったのです。 
     






    2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/08(日) 14:58:14.85 ID:SwhvTvNS0

    プロデューサーさんの家は、事務所から、やや離れた場所にありました。

    女子寮にはいっていたまゆは、ことあるごとにそこへ出向いて、
    料理をつくったり、二人きりでお喋りをしたり、楽しいひとときを送っていました。
    通い妻、とでも言うんですかねえ。うふふ。

    プロデューサーさんは、無口で、大人しい人でしたが、まゆがいるときはよく笑ってくれました。
    それがとっても嬉しくて、仕事で起きたどんな苦しいことだって忘れることが出来ました。

    プロデューサーさんの幸せは、まゆにとっての幸せで。
    まゆの幸せは、プロデューサーさんにとっての幸せだったのですから。




    3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/08(日) 15:02:27.29 ID:SwhvTvNS0

    ただ、プロデューサーさんはお堅い人だったので、どんなにねだっても、家に泊まらせてはくれませんでした。

    それでも、帰り際には「今日はありがとう」と言って、力一杯抱きしめてくれました。

    それにこたえるように、まゆも、ぐりぐりと頭を押し付けて、
    ぎゅっと抱きしめ返すと、たちまちのうちに、幸せで溢れかえってしまうのでした。

    決して「好きだよ」と言ってくれなくても、それだけで、まゆは満足していたのです。




    4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/08(日) 15:04:13.25 ID:SwhvTvNS0

    そういえば、その家にはいつも、“黒いビニール袋”が床に置いてあったんです。

    はじめのころは「これは何の袋ですか?」と聞いたこともありましたが、
    やけに難しい顔をしたプロデューサーさんが「なんでもないから、触らないでくれ」と低い声でまゆを怒ったので、そこからは、あまり気にしないようになりました。

    とは言うものの、家に行けばどうしても、それが視界の中に入ってしまうので、
    ビニール袋の中身が何なのかを考えてしまうのも、仕方のないことだったはずです。




    5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/08(日) 15:07:12.06 ID:SwhvTvNS0

    とりあえず、それをメモとしてまとめてみたのですが、

    ・捨てるゴミ
    ・仕送りの野菜
    ・シュールストレミング
    ・おとな向けの本(?)

    まゆの小さな小さなあたまでは、これくらいしか思いつかず、まいにち、悶々とするしかありませんでした。




    6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/08(日) 15:08:46.29 ID:SwhvTvNS0


    思い切って、それを開けてしまおうと考えたこともありました。

    だけど、約束事を破ってしまうことは、この幸せな日々を無くしてしまうことと同義だったのです。






    【まゆ「破ってはいけない3つの約束事について」】の続きを読む

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483971422/

    1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/09(月) 23:17:02.37 ID:A6ibG+pUo

    【モバマスSS】です


     閲覧注意





    2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/09(月) 23:17:54.79 ID:A6ibG+pUo

     ある日突然、それは起こった。

     白坂小梅が歌えなくなった。
     白坂小梅が踊れなくなった。

     歌えはする。歌詞は覚えている。
     しかし、それは今までの小梅の歌ではなかった。
     声は小梅に間違いない。
     それがまるで、小梅そっくりな声の素人が歌っているように聞こえるのだ。
     これまでのレッスンが全く生かされていない。素人レベルの歌唱力。

     踊れはする。振り付けはぎこちないながらも覚えているようだ。
     ただ、ぎこちない。見様見真似で踊っているように見える。
     振り付けだけを頭で覚えて、ぶっつけ本番で踊っているようなダンス。



    3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/09(月) 23:18:21.83 ID:A6ibG+pUo

     何があったのかと聞いても首を振るだけ。
     やる気が無いというわけもなく、急遽呼び出されたトレーナーのレッスンを熱心に受けている。
     そのレッスンを見ていたプロデューサーは確信する。

     彼女は白坂小梅ではない、と。

     尋ねれば全ての質問に答えた。
     小梅しか知り得ないことも知っていた。
     小梅が他のアイドル達と交わした言葉の内容も知っていた。
     ただ話すだけならば、白坂小梅以外の何者でもない。

     ただ、一つのことを除けば。



    4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/09(月) 23:18:57.87 ID:A6ibG+pUo

     話し方が少し変わっていた。ほんの少しだけ。
     気付いたのはプロデューサーだけでなく、幸子、乃々、輝子の三人。そして涼も。

     ほんの少し、しかし拭えない違和感。

     それでも仕事は続けなければならない。

     歌えない、踊れない。
     いつかは歌えるようになる、踊れるようになる。
     そう信じるしかない。

     マスコミには白坂小梅の急病と発表された。

     そしてプロデューサーは動く。

     小梅に何が起こったのか。
     何が、起こらなかったのか。




    【モバP「アイドル白坂小梅」】の続きを読む

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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483886308/

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/08(日) 23:38:28.30 ID:tTAn3URP0

    はじめに。

    アイドルマスターシンデレラガールズの二次創作ではありますが、厳密な意味でゲームのアイドルは一切でてきません、
    もちろん、島村卯月も例外ではありません。

    そのうえで、お付き合いいただけたのでしたら幸いです。





    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/08(日) 23:39:18.08 ID:tTAn3URP0


     そこは、まるで真っ暗な夜の海でした。
     真っ黒な空間に、細いピンク色の灯りだけはぽつぽつと浮かんでいます。
     心細くゆらゆらと揺れるピンク色のサイリウムは、自分たちを照らしてくれる恒星を待っています。
     やがて、一筋のスポットライトが暗闇を切り裂きました。その下には一人の少女がいます。
    「みなさーん、たのしんでくださーい!」
     彼女の登場を待っていたかのように歓声があがりました。空気が、建物が、光が、世界が揺れたのを今でも覚えています。
     主役の少女の背に、大小の立体モニターが解放されます。ありとあらゆる方向から映し出された彼女の姿が浮かび上がります。
    「島村卯月、頑張りますっ」
     世界中の歓声を集めて立つ少女、島村卯月――私が、そこに居ました。



    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/08(日) 23:41:15.11 ID:tTAn3URP0

    ◇◇◇

     モニターの中では、『島村卯月』が歌っていました。
     ステージ中の歓声を集めて、愛をこめて希望の歌を歌う。
     それは、『島村卯月』にとって当たり前のことでした。なにせ、彼女はアイドル。それも、その頂点に立つ『シンデレラガール』に選ばれたのですから。
    「……じ、自分で考えて、恥ずかしい……」
     顔から火が出ちゃいそうなくらい恥ずかしいです。
     でも、シンデレラガール……本当に、私はシンデレラガールになれたんだ。
     
    『多くのファンから一番輝いていたアイドルと認められた存在――それがシンデレラガール』

     アイドルを始めた時、プロデューサーさんからそう言われたときは、遠い存在だと思っていました。
     正直なことを言えば、今でも実感はありません。ただ、私は頑張ってアイドルをしていて、気が付けばその称号を貰っていました。
     それでも、たくさんに人に認められた。何にも持っていないはずの私が輝いていると言ってもらえたのは、とっても嬉しいです。
     自惚れるのはよくないですけれど、自信をもってもいいですよね?

     だって。私はシンデレラガールだから。



    4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/08(日) 23:42:27.45 ID:tTAn3URP0

     ――なんて、また恥ずかしくなってきました。
     さっきから映している自分のライブ映像も、見ていて落ち着きません。
    「もう、いいですよね」
     これ以上は無理です。大人しく、テレビを消すことにしましょう。

     いつまでたっても、自分自身のステージを見るのは慣れないです。
     自分のステージを見直すのも立派な勉強だ。プロデューサーさんやトレーナーさんからは、普段からそう言われていますが、一人で見返すとやっぱり恥ずかしいです。
     せっかく編集してもらって動画ですけれど、今日はここまでにしましょう。
    「明日も早いですから!」
     明日も明後日も明々後日も、アイドルの仕事はいっぱいです。夜更かしをして皆さんに迷惑をかけるわけにはいきません。
     今日だって、健康診断を受けてきたばかりなんですから、無理はいけないです。
    「おやすみなさい」
     お休みの挨拶に反応して、照明は自動で落ちます。

     今日も、明日も、いい夢をみれるといいな……




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    転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483611218/

    1: ◆TZIp3n.8lc 2017/01/05(木) 19:13:38.30 ID:hreo+brV0


    モバマスのSSです
    地の文多めです
    講談社文庫 北村薫著『紙魚家崩壊』内の『蝶』を参考にしています
    《》で囲われた文は『蝶』からの引用になります





    2: ◆TZIp3n.8lc 2017/01/05(木) 19:14:19.60 ID:hreo+brVo


     エレベーターから降り、エントランスにある喫茶店へと向かう。夕食の時間を軽く過ぎているとあって、並んだテーブルに座っている客はまばらだ。
     その中に目的の相手を見つけ、近づいていく。革のブックカバーのついている文庫を読んでいる彼女は、集中しているのか、すぐそばまで寄っても気づく気配がない。

    「悪い、遅くなった」

     そう言うと、ようやく鷺沢文香が文庫から顔を上げた。
     こちらを見上げたものの、長い前髪が彼女の目を隠してしまっている。細い指先で前髪をすっと避けると、文香はようやくおれを認識したようだった。

    「プロデューサーさん」

     栞を挟み、文香は文庫を閉じる。机には空になったティーカップが置かれていた。
     脚本家との意見交換は、やはり思った以上に時間がかかっていたらしい。



    3: ◆TZIp3n.8lc 2017/01/05(木) 19:14:49.81 ID:hreo+brVo


    「気になさらなくて大丈夫です」

     ちらりと文香が文庫に目を落とす。建前ではなく、本音だろうなと思えるところがありがたかった。

    「区切りのいいところまで読んでいくか?」

     今日はドラマの撮影ということもあって、社用車できている。電車の時間を気にする必要はない。明日も同じように撮影があるが、今日はこの先の予定がないため、それほど時間に焦らなくてもよかった。

    「いえ……。ちょうど読み終わったところです」

     本に栞を挟んでいたようだったが、文香がそう言うのなら追求するのも野暮だろう。
     おれは伝票を持って支払いを済ませる。お釣りと一緒に領収書を受け取り、文香と一緒に地下の駐車場へと降りる。



    4: ◆TZIp3n.8lc 2017/01/05(木) 19:15:31.70 ID:hreo+brVo


     文香と一緒に撮影現場となるこのビルに訪れたときは、まだ営業中だったためか、駐車場はほとんど一杯で、エレベーターから遠いところに停めるしかなかった。
     地下ということもあるのか、おれたちの靴音が長く反響する。

    「先生は文香のことを褒めてたぞ」

     脚本家の先生との話し合いは、主に文香が作品の雰囲気に沿った演技をしているかどうかということだ。
     現場でも適宜修正されるが、監督や演出家から出される注文はその場の細かいことだ。物語の生みの親とも言える脚本家のイメージを把握しておかなければ、ちぐはぐな演技になってしまう。

    「文香はイメージ通りらしい。今日の感じでこれからも頼む」

     いま文香が撮影しているドラマの脚本家は、ここ数年で名を上げてきた若手作家だ。
     ここで文香を売り込むことができれば、すぐにとは言わないが近い将来また仕事を貰えるかもしれない。




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